不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME'S不動産売却査定プロが解説!離婚時のチェックポイント離婚後に考えるべきこと

プロが解説!離婚時のチェックポイント

離婚後に考えるべきこと

“離婚”は、誰にとってもそれまでの生活が一変するでき事です。特に結婚生活が長ければ長い夫婦ほど、それまで家族で築き上げたものが多くなりますから、それだけ離婚後の変化の度合いが大きくなると言えます。このように、生活の急激な変化をもたらす離婚ですから、離婚後の生活について考えておくべきこと、覚悟しておくべきことがいくつかあります。その点について、詳しくご説明します。

収入について

離婚した妻にとって最も大きな悩みが、家計や経済的な心配です。特に婚姻中に専業主婦だった人は、今まで夫からの収入に頼っていたのに、いきなり“収入”を断たれるのですから、経済的な悩み、苦悩は計り知れません。また、婚姻中に働いていた妻でも、子どものために残業ができなくなったり、急病で遅刻、早退、欠勤したりするケース増えるため、収入の減少が懸念されます。

ひと昔に前に比べて、多くの自治体で、ひとり親に対する手当の支給が実施されていますが、とても十分な金額とは言えません。また、離婚後に夫が子どもの“養育費”を支払う場合もありますが、子どもの教育費だけに使うことになり、生活費まで回すような余裕のある金額ではありません。しかも、離婚時に“公正証書”で相場に則った“養育費”の額、支払い方法などを決めておかないと、途中から夫からの支払いが滞ってしまったら、なかなか強制的に徴収することが厳しくなります。

また、離婚した後に女性が新たな仕事を探そうとしても、なかなか厳しい現実が待っています。特に、収入が安定していて、待遇がよい“正社員”に就こうとなると、採用基準のハードルは高くなります。そうなると、女性は自ずとパートやアルバイトをいくつか掛け持ちすることになります。しかも、子どもがまだ幼く就学前の場合、働ける時間帯も制約され、収入も多くは見込めません。

以上のように、離婚後は、特に女性にとって“収入面”での厳しい現実が待っていることは、十分覚悟しなくてはなりません。子どもが幼いうちは、金銭的にやりくりできていても、将来的に高校や大学の進学を考えた場合、生活費の他に貯金できるくらいの収入がないと、ますます不安が募ることになります。

住居について

今まで夫婦、家族でひとつ屋根の下で一緒に住んでいたわけですが、離婚を機にどちらかの配偶者が、住んでいた家を出ていくことになります。生活に必要な最低限のものは、“衣・食・住”ですが、家計の中での“住居費”の割合が大きいか小さいかによって、その他に使えるお金が大きく変わってきます。

例えば妻が“財産分与”の1つとして、住宅ローンを完済した家やマンションを夫からもらうことができれば、住宅(住む場所、住居費)の悩みは、一気に解消されます。しかし、そのような人は、かなり恵まれた少数派です。多くの場合、離婚後に住む場所はどうしようか、住居費は支払えるだろうかと、住居の問題で悩むはずです。離婚後の住居に関しては、以下のような例が考えられます。

婚姻中に、夫婦の共同名義でマンションを購入し、まだローンが完済していなくて、妻が“財産分与”として、そのマンションを単独名義にして引き続き住むことになった場合、ローンの残り(残債)の支払いが問題になります。

もし夫が、“財産分与”の1つとして残債の支払いにも応じてくれるというのであれば、妻に残債の支払い義務がなくなり、安心して住み続けることができます。しかしその場合でも、住宅ローンの支払いが滞らないように、きちんと“離婚協議書”に盛り込んでおく必要があります。また、強制力を持たせるために、“公正証書”にしておくことも忘れてはいけません。

しかし住宅ローンの残債が多く、夫がこの先支払い続けていくことが難しい場合には、現在住んでいる物件を売却して残債を精算した上で、残ったローンの支払いをどう分担するか決めておく必要があります。この場合、引き続きそのマンションに住むことができませんから、次に借りる物件の費用をどうするかなど、細かい点を夫婦で協議して、決めておかなければなりません。

婚姻中に夫婦が、賃貸住宅に住んでいた場合は、どちらかが新しい物件を探して引っ越すことなります。もちろん、今まで住んでいた物件を引き払って、夫婦ともに別々に新しいマンションなどを探すこともあるかもしれません。しかしそうなると、敷金、礼金、引っ越し費用などを考えた場合、無駄な出費になってしまいます。したがって、多くの場合、どちらかが引き続き同じ住居に住むことになってきますが、この場合も、2つ問題点があります。

まず1つは家賃の負担です。今まで住んでいたのは夫婦、家族でしたが、離婚すれば単身、あるいは母親と子ども、あるいは父親と子どもなど、住む家族が少なくなってしまいます。そうなると、今まで借りていたような広い物件の必要性がなくなり、家賃の負担も相対的に重くのしかかってくることになります。

2つ目は、小学校、中学校に通っている子どもがいる場合、引っ越すことは子どもの“転校”につながる可能性が出てくる点です。そうなると、親権を持った親の方は、なかなか引越すことが難しくなりますから、実に悩ましいところです。

子どもについて

離婚する夫婦にとって、子ども、特に未成年の子どもがいる場合、大きな悩みになります。物理的・精神的両面の悩みに分けて、考えてみましょう。

まず“物理的な悩み”ですが、何と言っても子どもにかかる金銭的な負担です。親権を持った親は、自分が離婚後に得る収入で、子どものための教育費、養育費をきちんと捻出することができるか、最も悩むところです。

もちろん、親権者でない親からの“養育費”の支払い、行政からの子ども手当、ひとり親家庭対象の手当など、ひところに比べて、経済的な援助は多くはなりました。しかし、子どもにかかる食費、衣服代、教育費、習い事などの金銭負担、そして今後、高校、大学と進んでいく中で、学費などの負担が大きくのしかかってくることになります。

また、“収入”の項目でもお伝えしましたが、幼い子どもが家にいることで、残業ができなくなり、収入が減少する可能性もあります。さらに、子どもが急に病気になった場合などに、会社を遅刻したり、午後から出勤したり、あるいは欠勤したりすることもありますから、その点を理解してくれる会社かどうかも気になるところです。

次に“精神的な悩み”ですが、これはずばり“子育てに対する不安”です。だれでも離婚して、自分が親権者になった時には、“父親(あるいは母親)がいなくても、ちゃんと育てることができるだろうか?”と悩むことは、容易に想像できます。

また、子どもが“他の友達にはお父さん、お母さんがいるのに、なんで自分はお母さん(あるいはお父さん)だけ?”という思いをさせることに、親は不憫に感じるものです。特に子どもが成長して思春期を迎え、難しい年代になった時に、ひとり親ではなかなか目が行き届かないことが出てきます。

幼稚園・保育園、学校、そして地域などの行事は、ある意味で子どもに両親がいるという前提で企画されています。そのような場合に、子どもに寂しい思いをさせているのではないかと、親は心配になるはずです。

精神面のケアをしっかり

「離婚は結婚の数倍のエネルギーを使います」と言われています。結婚はある意味で、“勢い”で行ってしまうものかもしれませんが、離婚は熟考に熟考を重ねて、最後は自分で決断することになります。

いくら夫婦仲がしっくりいっていないとしても、ある日夫婦が同時に離婚を言い出すことは稀です。一方の配偶者が、相手に“離婚”を切り出す場合がほとんどのはずです。そのような場合、相手が離婚について即答で応じることは、まずありません。そうなると、夫婦の間で、“離婚したい”、“いやしたくない”と、意見の衝突が始まることになります。

そうなると、時間をかけて相手を説得し、“離婚”の合意をすることになります。しかしそれだけではなく、他にも慰謝料、財産分与などの金銭問題や親権をどちらにするかなど、合意すべきことは山ほど出てきます。また、お互いの親、兄弟、会社関係の人にも、“離婚届”を提出する前、あるいは事後に報告する必要が出てきます。考えただけでも、気の重い作業です。

このような様々なことを解決し、やっと“離婚届”を提出し、正式に離婚することになります。初めの離婚の話が出て、実際に離婚するまでの期間は、場合によっては1年程度かかる場合があるかもしれません。また、親権や金銭面でうまく合意ができず、家庭裁判所の調停、審判、離婚まで進んだ場合には、2年、3年かかることも珍しくありません。

そう考えると、離婚後は心身ともに疲労のピークを迎えていることが予想されます。しかも、離婚後には収入面、住居面、子どものことなど、1人で考えることが一気に押し寄せてくるのです。

離婚で心身ともに疲れた上に、離婚後の生活などにも気をまわさなければならないとなると、いくら強靭な精神力の持ち主でも、耐えられない状況が続くことになります。

できれば離婚後に、そのような悩みを相談できるような人を何人か探しておき、事あるごとに話しをするようにしましょう。すぐに悩みが解決しなくても、話すことで気分が晴れるはずです。

また各自治体にある“社会福祉協議会”では、ひとり親に対して、職業訓練を始めとして、様々なサポート体制が整えられています。その他にも、NPO法人などで、ひとり親をサポートする仕組みがありますので、積極的に活用し、早く新たな生活を送れるようにしたいものです。

豊かな人間関係を

母親が親権者になった場合、子どもの福祉や教育を考えて、できるだけ環境を変えたくないとして、結婚していた時に住んでいた住居にそのまま住み続けるケースが少なくありません。今まで家族で住んでいた住居から、夫だけがいなくなることになりますから、比較的大きな変化はないと言えます。

また子どもにとっても、生活の大きな変化がなく、小学生、中学生であれば、校区がそのままで転校する必要もありませんから、好都合だと言えます。しかし、引き続き住んでいる親にとっては、今まで住んでいた住居のそのまま続けて住むことは、結婚生活の嫌な思い出を引きずる可能性も出てきます。

先程もお伝えしたように、離婚話が持ち上がって正式に離婚するまでは、短くて半年、長ければ数年かかります。その間に、夫婦の間で激しいやり取りをした場合もあるはずですから、婚姻中に住んでいた住居に良い思い出を持っている人は、少ないはずです。

もちろん新たな住宅を探す手間や敷金、新たに発生する家賃の負担などを考えれば、そのまま引き続き住み続ける方が良いとは思います。しかし、今までの生活から一線を画すためにも、新しく住まいを探してもいいかもしれません。また、状況が許せば、実家に親子ともどもお世話になり、ある程度、落ち着いてから住居を探すという方法もあります。

まとめ

現代では、離婚が決して珍しいことではないにしても、自分が当事者になると平常心ではいられず、絶えず気分が落ち込むことは当然です。ただ、“離婚”を“結婚の失敗”というとらえ方をすると、ネガティブな気持ちになります。むしろ“新たに出発”とすれば、前向きな姿勢になれるはずです。

今では多くの相談機関があります。自分だけで考え込まずに、誰かに自分の悩みや状況を話して、ため込まないようにしましょう。離婚に限らず、多くの問題は時間が解決してくれる側面が多いのです。

(2017年11月)

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