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プロが解説!離婚時のチェックポイント

離婚相談は誰にすればいい

「悩みごとは専門家に相談します」-みんなが常識だと思っていることですが、もし自分の身に“離婚問題”が降りかかってきたら、「この悩みは誰に相談したらいいのでしょうか」と、多くの人が悩み、戸惑うはずです。現在、“離婚問題”を取り扱う職業は数多く存在しますが、それぞれに得意分野を持っています。どのような専門家がいて、どのような段階で相談したらいいのか、詳しくご説明します。

離婚カウンセラー

“離婚問題”とは言えない初期の段階では、“離婚カウンセラー”という肩書を持つ人に相談する方法がベストです。“離婚カウンセラー”は、カウンセラーの他にも行政書士や弁護士などの肩書を持った人も多くいます。ともかく、総じて初期の段階、つまり“離婚した方がいいのかな”という段階ではなく、離婚につながるような問題が出そうだという極初期の段階に相談すべきです。

“離婚”には段階があって、昨日まで夫婦仲が良かった、あるいは問題がなかったのに、今日になって突然、「離婚してください」と言われ、“離婚届”を目の前に差し出されるということは稀です。

むしろ、夫婦仲がギクシャクして、じわじわと“離婚”の影が差し迫ってくるというのが一般的です。もちろん初期の段階ですから、まさか自分が離婚するとは全く思ってもいませんが、それでもなんとなく夫婦仲がしっくりいかなくなった時に相談すべきです。

逆に、自分が相手の配偶者に愛想が尽きつつある、離婚をしようかどうか迷っているという場合でも、“離婚カウンセラー”は的確なアドバイスを提示してくれるはずです。

つまり、“離婚カウンセラー”はその名前とは違って、“離婚”の手続きをアドバイスするというよりも、現在の夫婦関係を見直し、将来のビジョンを示してくれるための手助けをしてくれる職業だと理解した方がいいでしょう。

“離婚カウンセラー”という国家資格は存在しません。多くの場合、“NPO法人日本家族問題相談連盟”から認定されている人、士業(弁護士、行政書士など)と兼業している人、探偵業などと兼業している人に分かれます。

“NPO法人日本家族問題相談連盟”が行う認定試験に合格し、年会費(12,000円)を納入すると、“NPO認定カウンセラー”の名称で、営業を行うことができます。この認定試験に合格するための“対策講座”もあり、試験内容に即した勉強ができます。

弁護士や行政書士などの士業は、“離婚問題”を扱う仕事ですが、同業者との差別化を図るため、“離婚カウンセラー”という称号も併せて名刺や宣伝物に添えることで、相談者の獲得を狙っているのです。

また、探偵業も“浮気の調査”などで、“離婚問題”を数多く受ける立場です。“離婚カウンセラー”と名乗ることで、専門性をアピールすることができるのです。

探偵

離婚理由の第1位は、“性格の不一致”ですが、常に上位に“相手の配偶者の不貞行為(浮気)”がランクインしています。民法第770条第1項には、離婚が認められる事由が記載されていますが、その第1号にも“配偶者に不貞な行為があったとき”とあり、不貞行為がいかに離婚の理由となっているかがわかります。

ところで、“不貞行為(浮気)”と一言で言っても、人によって解釈の仕方が違います。配偶者が自分以外の異性と手をつないだだけでも、「許せない、離婚します」と思う人がいるかもしれません。

しかし法律では、判例などによって“不貞行為(浮気)”は“配偶者以外の異性と性的な関係をもつこと”と解釈しています。つまり、配偶者以外の異性と、ホテルに宿泊しても性的関係がなければ、“不貞行為”になりませんし、逆に1回でも風俗営業の店で性的関係があった場合には、たとえ愛情がなくても“不貞行為”になるという考えです。

そうなると、配偶者の“不貞行為”を疑い、もしそうであるなら離婚したい、“慰謝料”をもらいたいと考えている場合、配偶者が自分以外の異性と性的関係にあるか否かを調査し、証拠を残すことになります。

そこで、このような浮気現場の証拠を集めてくれる“探偵業”に依頼することになるのです。多くの探偵業は、電話帳やHPなどで宣伝していますから、その中から信用がおけそうな業者に連絡し、実際に足を運んで相談して、見積もりを出してもらいます。

“浮気調査”は、依頼人の配偶者を数日間張り付いて調べることになりますから、高額になるケースがほとんどです。それでも、事前にきちんと調査内容やかかる経費の内訳、見積もりなどの説明を聞いて、一旦持ち帰って検討し、納得した段階で依頼しましょう。

調査会社

調査会社と探偵業との区別は、それほど明確ではありません。しかし“調査会社”と言えば、配偶者の“浮気調査”だけでなく、もっと広い範囲で、配偶者の素行などを調べて報告してくれるイメージです。

例えば、先程説明した“民法第770条第1項”の離婚事由で、第2号に“配偶者から悪意で遺棄されたとき”とあります。“悪意で遺棄”とは、自分から進んで家庭を無視してほったらかしにするという意味です。

もっと具体的に言うと、家庭にほとんど帰らず、生活費も入れてくれない状態です。このような場合、どこで寝泊まりしているのか、生活費を入れずに何に使っているのかがはっきりわからないと、手の打ちようがありません。そこでこのような場合、調査会社に依頼をして、配偶者の居場所、行動、素行などを調べてもらうのです。

また同じく離婚事由の第3号で“配偶者の生死が3年以上明らかでないとき”というのがあります。配偶者が生きているのか死んでいるのかわからない、しかも3年以上も続くのですから、法律では“夫婦関係の継続は無理”と判断しています。

しかし、生死が明らかでない配偶者でも、自分で家を出てどこかで生活をしているかもしれません。そうなると、相手と“離婚”に向けての話し合いは可能です。つまりこの第3号の理由は、結構ハードルが高いと考えられます。

そこで、調査会社に依頼をして、いなくなる前後の様子を細かく伝えた上で、居場所などを調査してもらう必要があるのです。

このように、調査会社の仕事としては、配偶者の浮気だけでなく、居場所や素行などの広い範囲での調査を担うことです。

弁護士

テレビドラマで、“離婚”を専門にしている弁護士が登場します。実社会でも、多くの“離婚専門弁護士”が活躍しています。特に離婚の場合、妻に大きな負担がかかることが多いため、女性弁護士が親身になって相談に乗ってくれれば、心強いはずです。男性弁護士だと、妻はなかなか話しにくい内容があるからです。

ところで、弁護士とその他の専門家との大きな違いは何でしょうか。それは夫婦の間に紛争があるか否かです。“弁護士法”という法律では、“弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。(弁護士法72条)”とあります。

つまり、弁護士以外の人が、お互いの権利が衝突し、紛争がある案件について、代理人となって相手と交渉したり、仲裁に入ったりしてはいけないというものです。これは、相手に脅しや嫌がらせなどを行って金銭を要求することがないようにするためです。つまり、法律に則ることなく、力ずくで解決するケースを避けるためです。

したがって、離婚問題で相手の配偶者と紛争になった場合、専門の弁護士に相談した方が得策だということになります。例えば、親権をどちらの親が持つか、慰謝料の金額が決まらない、財産分与でもめている、相手が不貞行為や暴力を認めない、などです。

以上のような紛争がある場合は、法律に詳しくない夫や妻だと、交渉方法がわからず、話がこじれて長期化することが予想されます。また、弁護士に頼らず、自分で家庭裁判所に調停を申し立てることはできますが、調停も結局のところ、話し合いの一種ですので、話をまとめるのは、なかなか厳しいはずです。

先程、紛争がある離婚問題は、弁護士に相談すべきだと述べましたが、紛争する前に専門の弁護士に相談する方が、おすすめの場合もあります。

例えば、相手の配偶者が不貞行為をしている、あるいは暴力を振るわれた、その結果離婚をしたい、しかも“慰謝料”をしっかりと請求したい場合です。誰でも高額の“慰謝料”を支払いたいとは思いませんし、できれば自分に非があることを認めたくないのが人情です。

そうなると、離婚話を進めていけば、紛糾していくことは明らかです。もちろん、話し合いがこじれた段階で、改めて弁護士に依頼してもいいのですが、初めから「すんなりと話が進みそうもないでしょう」と思うのであれば、早い段階で離婚専門の弁護士に相談した方が、速やかに解決する可能性があります。

家庭裁判所

家庭裁判所というと、離婚問題でお互いの主張が対立し、紛糾した場合は協議離婚が難しくなります。こうした場合に、調停、審判、そして裁判を行う印象があります。もちろん基本はそうなのですが、東京家庭裁判所や大阪家庭裁判所などの大きな裁判所では、相談窓口が設けられています。また、小さな裁判所や支部でも、窓口の書記官などが相談に応じてくれます。

ただし、個別具体的な相談ではなく、離婚問題における一般的な手続きや制度、法律的な知識などを説明されるものです。したがって、自分が実際抱えている問題について、具体的なアドバイスを受けたい場合には、あまり適していません。

しかし、離婚全般の流れや家庭裁判所で行うことができる手続きを知りたい場合には、適していると言えます。また、弁護士やカウンセラーに相談した場合、相談料を支払うケースがほとんどですが、公の機関である家庭裁判所は無料です。

不動産会社

離婚問題の中で、家やマンション、土地などの不動産が絡んだ問題が出てきた時は、不動産会社に相談した方が、確実で早い解決が望めます。弁護士や離婚カウンセラーなどは、親権、慰謝料、財産分与などの離婚にまつわる問題は得意分野ですが、不動産関係はどうしても専門外です。したがって、財産分与の中にローン返済中のマンションがある場合などは、不動産会社に相談しましょう。

例えば、夫が契約者、妻が連帯保証人で“住宅ローン”を組んでいて、ローンを完済していない場合、残りのローンの負担が問題となってきます。残りのローン(残債)をどちらがいくら負担するか、あるいは物件を売却して、ローンを完済させた方がいいのかなど、不動産会社でないと、判断が難しい問題があります。

また、そのまま夫が残債を負担することで夫婦が合意をしても、“住宅ローン”の契約を変更する必要があります。妻が連帯保証人のままだと、妻にも残債の支払い義務が生じてきます。しかし、連帯保証人を契約から外すことは簡単ではありません。

そもそも、連帯保証人を置く意味としては、“住宅ローン”の支払額が大きいために、債務者(支払い義務者)を複数にしておきたいという金融機関の意図があります。したがって、残債の金額よっては、妻を連帯保証人から外す代わりに、他の人を連帯保証人にしてほしい旨の条件が出される可能性があります。

そうなると、思い切って不動産を売却して残債を清算した方が良い場合もあります。しかし、売却しても残債の額が多すぎて、借金が残ることも考えられます。いずれにしても、素人では判断できないことですから、弁護士や離婚カウンセラーの他に、不動産会社に相談を持ちかける必要があります。

相談のタイミングですが、夫婦で離婚の合意ができ、財産分与の話が出始めた頃がベストの時期でしょう。離婚でお互いの意見が衝突するのは、慰謝料、養育費などの金銭にかかわることがほとんどですから、その点を含めて同時進行で、“金銭問題”を話し合うようにします。

まとめ

離婚する夫婦は年間約21万組です。結婚する夫婦が約62万組ですから、離婚はもはや珍しいことではありません。現在平穏に夫婦生活を送っているつもりでも、いつ離婚の危機が訪れるか、わかないということです。

もちろん離婚するのかしないのか、親権はどうするのか、慰謝料や財産分与をどうするかなど、最終的には話し合って、自分たちで結論を出すしかありません。しかし、ほとんどの人にとっては、離婚は初めての経験であり、どのような手続きが必要なのか、何をどう決めていいのかわからないはずです。

そのような時、離婚問題を専門に扱う弁護士、カウンセラーが頼りになります。しかし、それぞれが得意な分野を取り扱っていますから、自分の知りたいこと、相談したいことは何かを整理して、上手く活用していくことが大切です。

(2017年11月)

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