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プロが解説!離婚時のチェックポイント

離婚時に必要な手続き

「離婚問題」と言うと、とかく慰謝料・養育費・親権などについて取り上げられることが多いですが、当事者が離婚に合意した後の手続きについては、意外と知られていません。

今まで同じ名字(氏)で、一つ屋根の下で暮らしていた男女が、「離婚届」を提出することで、全く別々の生活を送ることになります。その新たな生活をスタートするためには、多くの手続きをしなければなりません。それほど、「離婚届」は重みがあるということです。離婚する時には、どのような手続きが必要か、どのような点に注意したらいいか、詳しく説明します。

離婚届の提出

離婚の手続きの第一歩は、「離婚届」の記入と提出です。記入することで、「離婚の意思が両配偶者にある」ということが示され、市区町村役場に提出することで、離婚が成立することになります。「離婚届」はあくまでも「届け出」ですから、条件(法律的には「要件」)がそろっていれば、役場は受理しなければなりません。

その条件(要件)は、次のとおりです。

  • 夫及び妻の氏名・生年月日・住所
  • 婚姻時の世帯主の氏名
  • 本籍及び筆頭者の氏名(外国人の場合は国籍)
  • 夫及び妻の父母の氏名・続柄
  • 離婚の種別(協議離婚、調停、審判、判決)
    ※調停、審判、判決の場合は、成立または確定年月日
  • 婚姻前の氏にもどる者の本籍と筆頭者の氏名
  • 未成年の子どもの氏名
    ※親権を持つ側(夫または妻)の欄に記入
  • 同居の期間
  • 別居する前の住所
  • 別居する前の世帯のおもな仕事と夫及び妻の職業
  • 届出人の署名と捺印
  • 証人(2名)の署名・捺印、住所、本籍

役場では、「離婚届」を24時間受け付けてくれます。郵送でも構いません。直接役場に「離婚届」を届出人が提出する場合には、捺印した印鑑と運転免許証、パスポートなどの身分証明書を持参しなければなりません。

万が一、離婚したいと思って「離婚届」を書いたが、やはり離婚することを撤回するような場合には、そのまま役場に出さければ、何も問題は起こりません。しかし、どちらかの配偶者が必要事項を記入した「離婚届」を持っていて、破棄に応じないような場合に、勝手に役場に提出されれば、離婚が成立してしまいます。

そこでそのような場合には、離婚したくない配偶者が「離婚の不受理申出書」をあらかじめ役場に提出しておきます。こうすれば、たとえ勝手に「離婚届」が提出されても、役場は受理してくれません。

住民票の移動

「離婚届」を提出することによって、夫婦は別々の「戸籍」に分かれます。そのため、「離婚届」に「婚姻前の氏にもどる者の本籍と筆頭者の氏名」を記載する欄があるのです。

つまり、結婚して配偶者の戸籍に入った人は、元の親の戸籍に入るか、あるいは新たに自分の戸籍を作るかの2通りに分かれることになります。「戸籍」は家族間の関係を証明するものですから、離婚した夫婦は別々の戸籍に記載されることになるのです。

一方、「住民票」はその人の住所地を証明するものですが、離婚して氏が変わる場合、住民票に記載される氏名は自動的に変更されます。従って、「住民票」に関しては、特に届け出を行う必要はありません。ただし、離婚を機に転居する場合には、婚姻時に住んでいた役場に「転出届」を提出し、引越し先の役場に「転入届」を提出する必要があります。なお、同じ市町村内の引越しの場合は、「転居届」になります。

住所地が変わる人は、この「転入届」あるいは「転居届」を出しておかないと、新たな住所が記載された「住民票」を入手できず、免許証、国民健康保険、年金などの変更ができなくなります。

離婚後の氏名が反映された「住民票」がいつ入手できるかは、離婚届を出した役場によって違ってきますが、早ければ当日、遅くとも数日で完了します。入手する際には、窓口で自分の「住民票」が変更されているかどうかを確認する必要があります。

ただ、上記で説明した入手にかかる日数(当日~数日)というのは、婚姻時の住所地の役場に「離婚届」を出した場合です。もし住所地以外の役場に「離婚届」を提出した場合、役場が「離婚届」を受理して、その後で「住民票」のある役場に郵送します。そうなると、郵送と処理するをするために日数が必要ですから、新たな住民票が入手できるには、1週間程かかることになります。

国民年金、健康保険の加入と変更

離婚後に最も影響を及ぼすのが、国民年金と健康保険です。離婚した後は、多くの手続きが必要ですが、年金は老後の生活設計に直接関わってきますし、健康保険に入っておかなければ、病気やけがをして病院で診察を受ける際に、診察料、薬代を実費で支払うことになります。

夫も妻も会社勤めか、公務員である場合は、それぞれで年金と健康保険に加入しているので、特に変更を行う必要はありません。ただ、氏名が変わったり、扶養に変化があったりする場合には、会社などの総務課あるいは人事課に連絡を取り、必要な書類を提出するようにします。

最も煩雑な手続きは、夫が会社員、あるいは公務員で、妻がその扶養に入っていたケースです。そのような場合を想定して、手続き方法をご説明します。

まず年金の手続きですが、今まで夫の厚生年金(会社員の場合)や共済年金(公務員の場合)に妻は扶養家族として入っていたはずです。しかし離婚後には、妻は単独で「国民年金」という種別に変更しなければなりません。

夫はそのまま会社などに勤めるわけですから、年金の種別は変わりません。しかし妻は今までの「第3号被保険者」ではなくなります。もし、離婚後新たに会社など(社会保険が完備していることが条件)に就職するのであれば、その会社などの総務課で、年金の「第2号保険者」になる手続きを行うことになります。

しかし、離婚しても就職しない妻の場合は、年金の「第1号保険者」になります。この場合、自分で手続きを行う必要があります。具体的には、新たな住所地の役場に行って、「種別変更手続き」を行います。この「第1号保険者」になると、今まで扶養家族という理由で払っていなかった年金を払うことになります。

健康保険も年金と考え方は同じです。今まで夫の扶養家族だった妻は、離婚によって扶養から外れることになります。まず、夫の会社や役所で、妻を扶養から外す手続きを行い、その後妻は、自分で健康保険に加入することになります。

離婚後就職する人は会社の社会保険に加入し、就職しない人あるいは自営業を行う人は、国民健康保険に加入しなければなりません。国民年金に加入する場合、新しい住所地の役場に、それまでの健康保険の「資格喪失証明書」を提供して手続きを行います。

なお、未成年の子どもがいる場合、年金の加入は必要ありませんが、妻が子どもの親権者になった時には、戸籍上の関係に従い、併せて被保険者としての手続きも行うことになります。

印鑑登録

社会生活を送っていると、不動産の売買契約、遺産分割協議書の署名・捺印など、大切な契約書に印鑑を押す機会が増えてきます。その際に、住んでいる市区町村役場に登録をしている「実印」を押して、役場が発行する「印鑑証明書」を添付しなければなりません。「実印」を押して「印鑑証明書」を添付することで、印鑑は間違いなく本人のものであること、書類・契約書の作成や署名・押印した、つまり承諾したのは間違いなく本人であるという証明になるのです。

多くの場合、離婚後に氏が変わる妻にとっては、この「印鑑登録」は大きな問題です。ここでは、妻の氏が変わり、婚姻時の住所から引越ししたと仮定して、妻の「印鑑登録」についてご説明します。

まず、妻が全く「印鑑登録」を今までしていなかった場合です。それまでは夫が主に契約関係を行っていたために、「実印」とはほとんど縁がなかったかもしれません。しかし、離婚後は様々な契約関係で当事者になる可能性がありますので、これを機に「印鑑登録」をしておきましょう。

次に、自分が市区町村役場に登録する「実印」を作ります。実印は大事なものですから、偽造されにくい複雑な字体の印鑑を特別に作ります。印鑑に彫る名前は、基本的に「氏と名」です。しかし、結婚前の女性が作る際に、結婚後に「氏」が変わることを見越して、「名」だけを彫る場合もあります。ただ、市区町村によっては、「氏と名」のフルネームでないと受け付けない場合もありますので、印鑑を作る前に役場に確認しておく必要があります。

なお実印には、以下のような禁止事項があります。

  • 既に他人が登録しているもの
  • 印影の大きさが、一辺の長さ8ミリメートルの正方形に収まるもの
  • 印影の大きさが、一辺の長さ25ミリメートルの正方形に収まらないもの
  • 住民票に登録されている氏名に記載されている氏名、氏、名、または氏・名の一部を組み合わせているもの(氏名以外の文字を使っている)
  • 本名ではなく通称名のもの(ペンネーム、芸名など)
  • 職業、資格、その他氏名以外の事項を入れているもの
  • 素材がゴムなどの摩耗・変形しやすいもの
  • 印影がはっきり読めず、不鮮明なもの
  • 大量生産されている既製品

時々、現在使っている「銀行印」をそのまま「実印」として使う人がいます。いわゆる印鑑の兼用ですが、確かに印鑑一つで銀行と契約関係に使用できますが、もし盗難や紛失があった時に、大きな損害になる可能性があります。できるだけ「実印」は別に作って、きちんと管理しておきましょう。

実印ができたら、自分が住んでいる市区町村役場に行って、「印鑑登録」をします。窓口に持って行くものは、登録する印鑑、本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)、登録料(100~300円程度)です。また、代理人が登録する場合には、委任状(代理人選任届)が必要です。

窓口にある「印鑑登録申請書」に必要事項を記入し、印鑑、本人確認書類、登録料を添えて登録します。なお、本人確認書類の種類、申請が本人か代理人かによって、次のように登録日が変わります。

顔写真付きの身分証明書、本人申請 運転免許証やパスポートなどの官公署が発行した身分証明書を持って本人が申請した場合には、即日登録され、その場で「印鑑登録カード」が発行されます。
保証人による申請 同じ市区町村で既に「印鑑登録」している人(保証人)が、署名・押印(実印)した「保証書」を窓口に提出すれば、即日登録され、その場で「印鑑登録カード」が発行されます。
健康保険証など、本人申請 写真付きでない本人確認書類(健康保険証)を持って本人が申請した場合には、自宅に「回答書」が届き、その「回答書」に必要事項を記入した上で、後日本人が役場に持参して手続きが完了します。従って、登録には数日かかります。
代理人 代理人が「委任状」・印鑑・本人の身分証明書を持参して登録した場合、自宅に「回答書」が届き、その「回答書」に必要事項を記入した上で、後日、本人か代理人が役場に持参して手続きが完了します。従って、登録には数日かかります。

婚姻時に既に「印鑑登録」をしていた場合には、変更の手続きが必要です。まず、引き続き同じ市区町村に住む場合は、改印届を窓口に提出します。また、離婚後違う市区町村に引越しをする場合には、まず現在の市区町村役場に「印鑑登録」の廃止申請を行います。そして、新たに住む市区町村役場で「印鑑登録」を行うことになります。

不動産など、各種名義変更

家や土地などを夫婦の共同名義にしている場合は、名義を変更する必要があります。そうしないと、いくら財産分与の話し合いで不動産が贈与されていなくても、名義が残っていれば、離婚後にも「固定資産税」を負担しなければなりません。あるいは、抵当権が実行された場合、借金を返済する義務が生じてきます。

不動産の名義を変更するには、まず夫婦で財産分与について相談、話し合った結果を「離婚協議書」として作成します。その協議書を添えて、不動産を管轄する法務局で「名義変更登記」を行います。この登記には、登録免許税や弁護士や司法書士に依頼した場合に「報酬」がかかりますが、その点は夫婦で話し合って、どちらがいくら負担するか決めておきます。

またそのほかの名義変更としては、運転免許証や銀行口座などがあります。これらの変更手続きには、基本的に「住民票」が必要となりますので、あらかじめ必要な枚数を入手しておきましょう。なお、変更する際に確認が終わったら、「住民票」を返却してくれる機関もありますから、前もって確認しておきます。

まとめ

離婚すると、今まで同じ世帯だった夫婦が別々になります。そのようなことは、みんな頭では分かっていても、いざ離婚したら、様々な手続きが待っています。中には、必要書類を取り寄せることが必須なものもあります。ただ、どの手続きも生活に直結するものですから、できれば離婚後1ヶ月以内には、完了させたいものです。

(2017年11月)

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