不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME'S不動産売却査定プロが解説!離婚時のチェックポイント離婚の種類

プロが解説!離婚時のチェックポイント

離婚の種類

「離婚」は、配偶者同士の話し合い、合意によって成立します。これを「話し合い」と言う意味の「協議」を使って、「協議離婚」と言います。ただし、一方の配偶者が「離婚」に応じない場合、家庭裁判所での調停、審判となり、それでも合意できない場合には、「裁判」となります。このように、「離婚」と言ってもいくつかの種類があるのです。それぞれの「離婚」の流れについて、ご説明します。

協議離婚

最初から難しい話で恐縮ですが、民法第763条には「夫婦は、その協議で、離婚することができる」と書かれています。つまり離婚の基本は、夫婦の協議(話し合い)ということです。

夫婦二人で話し合いを行い、お互いが離婚することに合意することが「協議離婚」で、実際の離婚の約91%を占めます。ですから、ほとんどの離婚は、この「協議離婚」ということになります。ただ問題なのは、現実には「離婚したいという意思」だけの合意で、「協議離婚」が成立するのではないことです。

いくつかの条件について、両方の配偶者が納得して初めて、「協議離婚」となるのです。その条件とは何か?主に以下の3点です。

まず1点目は、子ども、特に未成年の子どもの問題です。夫婦の間に未成年の子どもがいる場合、その子どもの親権をどちらが持つかを決めておかないと、「離婚届」に記載できませんし、記載していない「離婚届」を役場は受理してくれません。

そもそも「親権」とは、その子どもを養育、監護する親の権利・義務のことです。婚姻中には、この権利・義務を夫婦共同で果たすことになりますが、離婚後はどちらか一方の親が親権を持つことになります。

親としては、自分の手元に子どもを置きたい、引き取りたいと思い、「自分が親権を持つ」と主張した結果、意見が対立して、なかなか合意できないことがあります。合意できない場合には、後で説明する「調停」の場で話し合うことになります。

2点目は、「氏」と「戸籍」の問題です。多くの場合、女性が結婚したら、夫の氏(名字・姓)を名乗りますが、これは夫の「戸籍」に入るためです。ですから、離婚した場合、女性は夫の「戸籍」から出て、元の名字(旧姓)に戻ります。しかし、仕事上に支障が出たり、妻が子どもの親権を持った時に名字を変えたくないと思ったりして、結婚時の名字をそのまま使うことも認められています。

もし名字をそのまま使いたいと思ったら、「離婚の際に称していた氏(うじ)を称する届」を役場に提出しなければなりません。なお、この提出期限は、離婚の成立の日から3ヶ月以内ですから、注意が必要です。ただ、夫やその親族は、離婚した後も妻がそのまま自分たちの名字を使用することに対して、抵抗があるかもしれません。ですから、離婚する際には、この点をきちんと決めておく必要があります。

また離婚しても、子どもは原則として結婚していたときの戸籍に残ることになります。つまり、妻が子どもの親権を持っても、夫の戸籍に残ったままになるということです。もし、子どもを妻の戸籍に入れたい場合には、役場の戸籍係に「入籍届」を出さなければなりません。この点も、夫婦の間で合意しておかなければなりません。

3つ目は、最も大きな「お金」の問題です。離婚の話し合いの中で、最もトラブルが生じる問題です。

例えば、夫の不貞や暴力が原因で離婚に至った場合には、夫は妻に「慰謝料」を支払う義務が生じます。しかし、夫が自分の非を認めない、あるいは金額に納得しないなど、なかなか合意点を見出すのは大変です。

また、未成年の子どもがいた場合、親権を持たない親が親権者である親に、「養育費」を支払う義務が生じます。しかしここでも、金額の合意を見出すのは難しい場合が少なくありません。

さらに、「財産分与」の問題もあります。基本的に婚姻時に、両配偶者が作った財産は夫婦の「共同財産」です。その財産を離婚時に、夫婦で折半することになりますが、実際にはお互いの主張がぶつかって、紛糾するケースが散見されます。

調停離婚

離婚の合意ができない、あるいは相手が離婚に同意していても条件面で折り合いがつかない場合は、家庭裁判所で話し合いを持つことになります。これを「調停」と言い、どちらの配偶者が申し立てても構いません。

次は「『裁判』になるのでは…」と思っている人がいるかもしれませんが、裁判をするにはまず「調停」を行うことが大前提で、夫婦の話し合いがつかないからといって、いきなり相手を訴えて裁判を行うことはできません。裁判の前には必ず「調停」を行うように、法律で決められているのです。これを「調停前置主義」と言います。

この「調停」の趣旨は、当事者だけでの話し合いでは合意点を見出せないため、専門家である「調停員」が間に入って、夫婦の話し合いを促進しようというものです。ですから、「調停」というのはあくまでも話し合いであり、誰かが「離婚しなさい」、「親権は○○が持ちなさい」などと決めてくれるものではありません。

また、離婚の意思がお互い固まっていなくても、その段階で家庭裁判所に「調停」を申し立てることもできます。つまり「調停」とは、夫婦関係を調整するもので、決してどちらかが離婚を申し立てるものではないのです。ですから、「調停」とは夫婦関係を調整していく制度だということです。

また、決して離婚を申し立てるものではありませんから、それぞれの夫婦の悩みについて、家庭裁判所という場所で、調停員という専門家の下、現在の夫婦関係と将来の夫婦の在り方について話し合いを行うというのが、本来の「調停」の姿なのです。

調停を申し立てるには、「夫婦関係調停申立書」と申し立て費用として1,200円分の「収入印紙と「戸籍謄本」と切手が必要です。「戸籍謄本」は、本籍地の市区町村役場で請求しますが、交付手数料は全国一律450円です。また切手は、裁判所によって異なりますが、一般的に1,000円前後です。

この「調停」は、配偶者の一方が家庭裁判所に申し立てることで始まりますが、実施日は基本的に1ヶ月に1回のペースです。ただし、もう一方の配偶者がその調停に出て来なくても、罰則などのペナルティはありません。従って、調停を2、3回欠席した場合、調停が不調になり、打ち切りとなります。これは、「調停」があくまでも当事者同士の話し合いだからです。

審判離婚

夫婦での話し合いができず、家庭裁判所の「調停」も不調に終わった場合、手続きは「審判」に移ります。「調停」が成立しそうもない時に、家庭裁判所の権限で「審判」を下すのです。裁判の「判決」に似たものです。しかし、「判決」と全く違うのは、絶対的ではない点です。

例えば、家庭裁判所が「○○さんと○○さんは離婚するべきである」という「審判」を下しても、この審判に対して納得できない配偶者は、審判が告知された日から2週間以内に異議を申し立てれば、効力を失ってしまいます。

「離婚する、しない」でもめている夫婦がほとんどですから、どちらかが異議申し立てを行うことになり、この審判に従う夫婦はまずないと考えていいと思います。それでは、この「審判」という制度は形だけかと言えば、そうではありません。

この審判の最大のメリットは、当事者が出頭しなくても、審判を下すことができるということです。例えば、外国人と結婚している日本人が離婚をしたいと思っていた場合、離婚についてほぼ合意できている段階で、相手が自分の国に帰ってしまい、その後の手続きができないというケースがあります。

離婚の手続きに向けた話し合いをしたいと思っても、相手が海外にいる場合、何もできないまま時が過ぎることになります。法的には夫婦でも、実際にはほとんど離婚状態が続くことになるのです。

このような時に、この「審判」という制度が役立ちます。まず家庭裁判所に「調停」の申し立てを行います。しかし、相手は海外にいますから、当然出頭してきません。その後、手続きは「審判」に移り、相手方不在のまま、家庭裁判所が「審判」を下すことになります。

2週間の「異議申し立て」期間を過ぎて、「離婚」が正式に成立することになります。そして、「離婚届」と家庭裁判所が作成した「審判書」の謄本、さらに相手方から異議申し立てがなかったことを家庭裁判所が証明する「確定証明書」を添えて、役場に提出します。これで、離婚の届け出が完了することになります。

このように、離婚には既に合意しているが、「離婚届」に署名・捺印しておらず、相手と連絡が取れないという場合に、この「審判」とう制度は有効なのです。

裁判離婚

「調停」が不調に終わり、家庭裁判所が下した「審判」にも異議申し立てをされた場合には、いよいよ「裁判」ということになります。このように、離婚を争点とする裁判を「離婚裁判」と言い、ここで離婚が成立すれば「裁判離婚」ということになります。

この裁判では、通常の裁判と同じように、相手の配偶者を訴えた方を「原告」、訴えられた方が「被告」と呼ばれます。具体的には、原告は裁判所に対して「原告と被告を離婚させる判決を求める」という請求を提出することになります。この請求が書かれた書面が「訴状」です。

この「訴状」が、裁判所から被告に送られると、いよいよ裁判が開始されます。前に説明した「調停」は、調停員が間に入って、あくまでも当事者間で話し合いを行うことでしたが、「裁判」になると一転、お互いの主張のぶつかり合いになります。お互いが物的証拠や証言を提出し、裁判官はそれらを十分吟味して、最終的に「離婚するか、しないか」の判断を下す、すなわち「判決」を下すことになります。

「調停」の場合は、相手方が裁判所にやってこなかったら、全く手続きは進みません。従って、最初から「裁判」で争おうと考えている場合には、わざと出頭しないという手法が取れます。

しかし、裁判の場合は、被告に訴状が届き、裁判の日時と場所が分かっていても、被告が裁判所に行かず、出頭できない理由も伝えなかった時には、原告の請求に対して、被告は異議がないものと判断されます。いわゆる「欠席裁判」です。

こうなると、原告の主張が全面的に認められ、「離婚」という判決が下されることになります。そうならないためにも、裁判の日には仕事を休んででも出頭する、あるいは専門の弁護士に依頼するなどの手続きが必要です。

この「離婚裁判」では、ポイントは1つです。原告が主張していることが、「民法第770条第1項」に当てはまるかどうかという点です。その条文は、次のとおりです。

―夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

  • 配偶者に不貞行為があったとき
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他離婚を継続し難い重大な事由があるとき

まず1つ目の「不貞行為」ですが、多くの場合、証言だけでは認められることはなく、確固たる物的証拠が必要です。例えば、興信所の報告書や写真などが、証拠として使われます。

2つ目の「悪意の遺棄」ですが、例えば夫が故意に理由も告げず、勝手に家を出て、妻に生活費を渡さないなどが考えられます。また逆に、専業主婦である妻が故意に理由も告げず、勝手に家を出て、家事労働や育児をしない場合も、この「悪意の遺棄」に該当します。

ただこの裁判で「悪意の遺棄」と認められるには、ある一定の期間が必要です。それでは、どれくらいの期間ならば認められるかということですが、これは個々の家庭の事情が大きく関わってきます。2、3ヶ月で認められることもあれば、1年以上でやっと認められることもあるのです。

3つ目の「3年以上の生死不明」ですが、居場所が全くわからない、いわゆる「失踪」がこれに当たります。ただ、突然いなくなって3年間連絡が取れないということではなく、船に乗っていて嵐に遭い、3年以上連絡が取れないといった、ある程度危険性の高い「失踪」でないと認めてもらえない傾向にあります。

4つ目の「強度の精神病」ですが、夫婦は本来、同居して生活費を分担し、協力して生活を行う義務があることに起因しています。つまり、回復見込みのない重い精神病を相手が患ったことで、本来の結婚生活が送れなくなったことがポイントです。当然ながら、医師の診断書が必要です。

最後の「離婚を継続しがたい重大な事由」ですが、これが最も裁判官を悩ませる理由です。人によって「もうこれ以上夫婦でいることは無理」と判断する基準が違うからです。ただ、過去の判例では、配偶者の暴言・暴行、借金、ギャンブル、宗教上の問題などが認められています。

しかし、それが全ての夫婦の基準とはなっておらず、個々の夫婦関係やそれぞれの配偶者の事情を鑑みて、判断されています。

まとめ

離婚は基本的に、配偶者同士の話し合いによって成立します。ただ、一方が「離婚したくない」と言えば、調停、審判、裁判と進んできます。一口に裁判といても、判決が下るまでには、数年かかります。その間に、金銭的、精神的にかかる負担は想像以上です。

そのような現実から、協議離婚は全体の約91%、調停離婚は約8%、裁判離婚は約1%となっています。

(2017年11月)

当サービスは、ご本人またはご家族が所有する不動産の売却を希望する、個人のお客様向けサービスです

以下の査定依頼はお断りしています。恐れ入りますがご了承ください。
弁護士、不動産業者など、物件所有者以外からの査定依頼
競売物件の価格調査など、売却を目的としない査定依頼

※査定依頼物件が、依頼者の所有物件ではないと弊社が判断した際、依頼内容を削除する場合があることをあらかじめご了承ください