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プロが解説!離婚時のチェックポイント

離婚の心構え

厚生労働省の発表によると、平成28年に我が国で離婚した夫婦は約21万7,000組、離婚率(千人に対して)は1.73となっています。これは、約2分25秒に1組が離婚する計算です。同じ平成28年に結婚した夫婦は、約62万1,000組、婚姻率(千人に対して)5.0という統計が出ているので、もはや日本では、離婚は決して珍しいことでありません。

離婚の理由は、夫・妻ともに「性格の不一致」が1位ですが、妻の2位が「夫の暴力」、3位が「夫の異性関係」、夫の2位が「妻の異性関係」、3位が「妻が家族・親族との折り合いが悪い」となっています。離婚が珍しくない現在、いつ自分の身にふりかかるかわかりません。離婚に対してどのような心構えを持つべきか、考えてみましょう。

離婚を切り出された時の心構え

ある日会社から帰ったら、妻からいきなり「離婚届」を出されて、「離婚してください」と言われた―まるで、映画やドラマの話のようですが、決してあり得ない話ではありません。約2分25秒に1組が離婚しているのですから、いつ我が身に同じことが起こるのかわからないのです。

離婚を切り出されたら、まずどうしたらいいでしょうか。とにかく相手方の言い分・離婚の理由を聞いてみましょう。最もやってはいけないことは、頭ごなしに「何を言っているんだ」と言って、相手の言い分を聞こうともせず、相手にしないことです。

どのような人でも、結婚した以上は相手と添い遂げようと思っているはずです。しかし、理由があって離婚を切り出すのには、それなりの理由があり、それなりの覚悟があるはずです。相手は、決死の覚悟で離婚を切り出したに違いありません。

それに対して、「何をバカなことを言ってるんだ」の一言ですませて、話を終えるのでは、その後の話の進展に大きな影響を与えてしまいます。相手が意を決して離婚を切り出したのに、全く話を聞いてくれなかった、本気にしてくれなかったという印象だけが残るのです。

仕事で疲れて、1分でも早く寝たい気持ちはわかりますが、ここは相手に言いたいことを吐き出させることに専念させます。相手の気持ち、相手の言い分を十分に聞いて、すぐにこちらの気持ちや結論を述べる必要はなく、「急に話が出たので、頭の中を整理したい」と言って、その場を終わらせる方法がベストです。

離婚に同意するとき

相手から離婚の意思・理由を聞いて、理解した上で、同意の気持ちがあったとしても、すぐその場で同意の意味を示す必要はありません。相手が多少感情的になっている場合、同じく感情的になって同意の意思を示すと、後で「言った、言わない」の水かけ論に発展することがあるからです。

できれば、直近の休日に時間を取って、離婚に同意する旨と条件面について話し合うようにします。夫婦が離婚に合意しても、決めなければいけないことは山ほどあるのです。

まず離婚の時期をいつにするか、就学している子どもがいる場合、年度初めや夏休み明け等の時期が考えられます。また離婚後の住む場所はどうするか、未成年の子どもがいる場合、親権はどちらか持つか等を決める必要があります。

また、金銭的な問題も重要です。もしどちらかに離婚の原因、例えば不貞行為・暴力等があれば、慰謝料の支払いが生じます。また慰謝料がなくても、婚姻中にお互いが稼いだお金は「財産分与」の対象となりますので、どのように分けるかを決めなければなりません。さらに、親権を持たない親は、一般的に子どもの養育費を負担することになりますが、月々の支払額と支払い方法をどうするかも決めなければなりません。

離婚に同意できないとき

相手から離婚の申し出があり、それに同意できないときは、数日の冷却期間を置き、「離婚する気持ちはない」旨を伝えます。その際に、相手の現在の気持ちを汲み取った上で、やり直す余地はあるのか、どのような点を改善すればいいのか等を確認します。

相手が多少でも聞く耳を持つようでしたら、とにかく時間をかけて話し合いを続けていくようにします。離婚は夫婦二人だけの問題でなく、特に子どもがいると多大な影響が出ます。今は嫌だから「とにかく一緒にいたくない=離婚」と考えているかもしれませんが、離婚をしたらどのような問題が出てくるかを冷静に理解してもらう必要があります。

また、夫婦を知る人、例えば結婚の際の仲人や友人等に間に入ってもらい、話を進めることも重要です。ただ、中に立ってくれる人をきちんと選ばないと、「〇〇たちが離婚するらしい」といった噂が流れることもありますから、ここは注意したいところです。

また、夫婦の親が間に入って話し合いを持つ方法もありますが、ここは慎重に考えたいところです。例えば、妻が単独で自分の親に相談した場合、一方的に都合の良いように話すことが考えられます。親も自分の子どもかわいさに、一方的な言い分を聞いて、夫を悪者にするかもしれません。できれば、夫婦そろって相談した方がいいでしょう。

離婚直前の心構え

夫婦がともに離婚に同意し、離婚することが決定的になった場合、いくつか気を付ける点があります。

まず離婚に際し、夫婦が合意した条件を整理する必要があります。条件には、未成年の子どもの親権をどちらが持つか、養育費をどうするか、財産分与をどうするか、住宅ローンをどうするか等です。

特に最近、50代の夫婦の離婚が増えていますが、この「熟年離婚」の場合、その多くが「住宅ローン」の完済時期を夫の定年の時期に設定しています。従って、「住宅ローン」の支払いが、数年間残っているわけですから、その支払い分担については、よく話し合っておく必要があります。

これらのことを「離婚協議書」という形で、きちんと書面に残して準備しておきます。自分たちで書面を作ることもできますが、できれば弁護士や行政書士等の専門家に依頼し、きちんとした形式の文書にしておいた方が、後々のトラブルを回避できます。また、離婚後にも金銭の授受が発生する場合には、できれば「公正証書」にしておきましょう。

さらに気を付けておきたいのは、離婚直前の異性関係です。「結婚が破綻した後の異性関係は不貞にならない」という間違った認識が広がっています。つまり両者が離婚に合意していれば、たとえ浮気をしても慰謝料の対象とならないと思っている人が多いのです。

もともと夫婦には貞操の義務があり、これを果たさない、つまり浮気をすると、平穏な婚姻生活を送る権利を侵害したということになり、浮気をした配偶者にはもちろん、浮気相手にも慰謝料が請求できるのです。

ただ、既に別居期間が長く、修復が不可能な場合、夫婦生活は破綻しているとみなされ、たとえ配偶者以外の異性と関係を持っても、「平穏な婚姻生活を送る権利を侵害した」とは言えないため、慰謝料が請求できないとしているのです。

従って、いくら離婚が決まっても、夫婦がまだ同居していて、外形的に通常の夫婦と同様の生活を送っている場合には、お互いが「平穏な婚姻生活を送る権利」を持っていると考えられます。ですから、離婚直前だからといって、いわゆる「不貞行為」は決して行わない方が賢明です。

離婚の金銭問題への対応

離婚における金銭問題は、大きく分けて3つです。

まず1つ目は「慰謝料」です。慰謝料とは、文字どおり「相手の心を慰めて謝罪する目的としての金銭」のことです。法律では、故意(わざと)、または過失(うっかりした失敗)によって相手に損害を与えた場合には、被害者が加害者に対して金銭を請求することができます。これがいわゆる「損害賠償」の請求ですが、慰謝料はその損害賠償のうち、特に精神的苦痛に対して支払われる賠償金のことを言います。

離婚の場合の慰謝料は、不貞行為や暴力等で離婚原因を作った方の配偶者が、相手方に支払う賠償金です。また、離婚によって、配偶者としての地位を失うことに起因する精神的苦痛も含まれます。

慰謝料の額は基本的には、当事者同士の話し合いで決めます。ただ、慰謝料の額を決めるのは、意外と難しいものです。慰謝料は先程説明したように、精神的苦痛に対する損害賠償です。つまり「ある額のお金をもらったら、精神的苦痛がいやされる」というものが慰謝料です。しかし、その慰謝料の額を決めるのは至難の業です。

例えば、夫の不貞行為によって離婚することになった妻が慰謝料を請求する場合、人によって「精神的苦痛がいやされる」金額が違ってきます。100万円と主張する妻もいれば、500万円ないと納得できない妻もいるはずです。

ただ慰謝料は、基本的に離婚時に一括で相手に支払うものですから、支払い不可能な額は現実的ではありません。そのため、支払う側も受け取る側も納得できるような現実的な金額で合意することになります。

慰謝料の額を決める場合、離婚の原因となった出来事の重大性・期間、精神的苦痛の程度、結婚期間と夫婦の年齢、支払う側の社会的地位・年収・支払い能力、未成年の子どもの有無等を考慮した上で、算定されます。きちんとした算定式はありませんから、最終的には当事者間の話し合いによって、決定するしかありません。

2つ目の金銭的問題は、財産分与です。夫婦が婚姻前から持っている財産は、それぞれの固有財産ですから、離婚後もそれぞれのものです。ただ、婚姻後に夫婦で作った財産は「共有財産」となりますから、離婚する時には分ける必要があります。

例えば、夫が会社員で妻が専業主婦だった場合、基本的に夫だけの収入で生活してきたことになります。離婚する時には、婚姻期間に夫が貯めた預貯金や作った財産を夫婦で折半することになります。夫から見たら、自分が働いて稼いだお金の半分を妻に渡すことになりますが、法的には妻の「内助の功」があって、夫が働くことができたと解釈するので、基本的に半分ずつに分けることになります。

3つ目は、未成年の子どもの養育費です。離婚する夫婦に未成年の子どもがいる場合、子どもの親権をどちらが持つか決めなければなりません。そして、親権を持たなかった親が親権を持った親に養育費を払うことになります。

養育費の額は、特に法律で決まっているわけではなく、離婚する夫婦の話し合いで決めることになります。ただ慰謝料と違って、家庭裁判所が「養育費算定表」という資料を作って公表しているので、額を決めることはそれほど難しくはありません。この算定表では、義務者(養育費を支払う側)の年収、権利者(養育費を受け取る側)の年収に基づいて、養育費の目安が提示されています。

離婚時の不動産の問題について

「財産分与」の中で、不動産の処分は頭の痛い問題です。婚姻時に賃貸住宅に住んでいる場合には、特に問題は生じませんが、家やマンションを購入している場合には、細心の注意が必要です。

まず、住宅ローンを完済している場合ですが、離婚時の住宅が「財産分与」の対象になりますから、夫婦で折半することになります。例えば、夫がその住宅に住み続け、妻が引越しをする場合には、夫が住宅の価格の半分に相当する額の現金を妻に渡さなければなりません。

もし、現金がなければ、住宅を売って現金化した上で折半したり、住宅を担保にお金を借りて妻に渡したりする等の方法が考えられます。いずれにしても、住み続ける夫には、かなりの負担です。

一方、「住宅ローン」が完済していない場合は、もっと煩雑です。婚姻中に今まで支払ったローンの半額を妻は要求することができますが、これはあくまでも理論上です。例えば、既に支払ったローン全額よりも、離婚時の住宅の価格が低かった場合、妻には余分に財産が行くことになります。

つまり、今まで支払ったローンの総額、残りのローンの総額、離婚時の住宅の時価の3つを考えて、実際の「財産分与」の額を考えなればなりません。この点は、当事者同士で話し合って、現実的な「財産分与」の金額を決めていくことになります。

また、住宅の名義についても配慮が必要です。夫婦で共同名義にしている場合には、基本的に続けて住む人の単独名義にしておくべきです。そうしておかないと、「抵当権」が実行された場合に、その住宅に住んでいない元夫、元妻にも、返済義務が生じてきます。

離婚時の親権問題について

先程、未成年の子どもがいる場合、親権者を決める必要があると説明しましたが、実は慰謝料と並んで、離婚時にもめる事案は、この親権問題です。夫婦で離婚の合意ができていても、どちらが子どもの親権を持つかで合意ができず、家庭裁判所の調停、審判、そして裁判にまで発展するケースは少なくありません。

親権の決定は、基本的に夫婦間の話し合いです。どちらも自分が親権を持ちたいと主張し、折り合いがつかない場合には、家庭裁判所で調停を行います。ただこの調停も、間に調停員が入っての話し合いが基本です。この調停が不成立となれば審判に移ります。これは家庭裁判所の裁判官が、両者の状況や子どもの年齢、生育等を考えて、結論(審判)を出すものです。

ただ、この審判に対して納得いかない場合は、異議申し立てをすることができます。そうなれば、最終的に裁判によって結論を出すことになります。調停から裁判の判決までは数年かかりますが、もしその間母親が子どもを引き取って育てていた場合には、裁判所としては子どもの教育や福祉を考えて、環境を変えない方がいいとして、母親に親権を認めるケースがほとんどです。また、就学前や小学生の子どもの場合でも、仕事を持つ父親だと十分な養育ができないと考え、母親に親権を認めるケースが大半です。

賢く離婚をするために

だれでも離婚は避けたいものですが、婚姻が両性の合意のみに基づく(憲法第24条第1項)以上、配偶者の一方が婚姻を継続できないと主張すれば、離婚は避けられないかもしれません。もちろん、離婚したくないという自分の考えを相手に伝え、ぎりぎりまで話し合いを持つことは大切です。

しかし、話し合いが紛糾し、家庭裁判所の調停、審判、裁判となれば時間もかかりますし、心身ともに消耗することにもなります。よく芸能人の離婚裁判が話題になりますが、傍から見ると、もっと早く話し合いで解決できなかったのかと思う人は、多いはずです。

これらのことから、賢く離婚するためには、2つのことを心掛ける必要があります。まず1つは、日ごろから自分が離婚の原因になるような言動は慎むことです。不貞行為はもちろん、暴力や暴言等、相手が婚姻関係を継続しがたいと思うような行動については、一切しないように心がけておきましょう。相手から離婚を切り出されるだけでなく、高額な慰謝料を請求されることにもなりかねません。

仮に、相手が暴言を吐いたり、暴力をふるったりしても、「正当防衛」とばかりに、やり返してはいけません。そのような行為を録音されていた場合には、不利に働いてしまいます。逆に、相手から日常的に暴力・暴言等の行為があれば、記録に残したり、録音を取ったり、あるいは診断書を取ったりして、証拠を残しておきましょう。

2つ目に心がけることは、早めに専門家へ相談することです。離婚話が出た段階で、専門の弁護士等に相談し、適切なアドバイスを受けるようにします。話がこじれた段階で第三者に相談しても、対処できる方法が限られてきます。紛争の芽が小さいうちに専門家のアドバイスを受け、お互い傷が浅い段階で解決する方がベストです。

まとめ

現在離婚の件数は、毎年約21~25万組程度で推移しています。従って、決して珍しい出来事ではなく、現在平穏に暮らしている夫婦にも、いつ離婚危機が来るかわからないのです。

その時になって慌てないように、日ごろの夫婦関係には注意を払い、少なくとも自分の過失や身勝手で離婚に発展しないように、心がけましょう。

(2017年11月)

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