
マンションのリノベーションを行うことで、自分の好みやライフスタイルに合う生活空間を実現することが可能になります。ただし、リノベーションの規模によって費用や自由度などが異なるため、計画的に行う必要があるでしょう。
また、マンションの売却時にリノベーションを行うことで価値を高めることができる場合もありますが、実施の可否は慎重に判断する必要があります。
この記事では、リノベーションの一般的な流れや期間、注意点なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事で分かること
- マンションのリノベーションの種類
- マンションのリノベーションにかかる費用相場
- マンションのリノベーションの一般的な流れ・期間
- マンションのリノベーションに関する注意点
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もくじ
マンションのリノベーションの種類

マンションのリノベーションは、大きく分けて以下の2種類があります。
- プラン形態別のリノベーション
- 施工範囲別のリノベーション
プラン形態別のリノベーション
プラン形態別のリノベーションは、さらに以下2つに分類されます。
- オーダーメイド型
- パッケージ型
オーダーメイド型
オーダーメイド型とは、自分の要望や好みにあわせて、ゼロから設計・施工を行うリノベーションのことです。
デザイナーや設計士と打合せを重ね、間取りや内装、設備などを細部まで自分好みにカスタマイズできるのが特徴です。
ただし、設計や打合せに時間がかかり、費用が高額になりやすいことがデメリットとして挙げられます。
パッケージ型
パッケージ型とは、あらかじめ用意されたプランから選択するリノベーションのことです。
プランの打合せが最小限で済み、設計士などの人件費も抑えられるため、オーダーメイド型よりも手間と費用がかからないことが特徴です。
ただし、自分の好きなようにリノベーションできないため、自由度は低くなります。
施工範囲別のリノベーション
リノベーションは対象となる施工範囲が多岐にわたり、主に以下3つに分類されます。
- フルリノベーション
- 部分リノベーション
- 表層リノベーション
フルリノベーション
フルリノベーションは、マンションの室内全体を改修する大規模なリノベーションです。壁や水回り設備をすべて取り払い、マンションの内装をほぼゼロから作り直します。
フルリノベーションは、間取りを自由に変更でき、設計の自由度が高い点が特徴です。築年数が経過したマンションを購入した場合や、ライフスタイルの変化にあわせて室内を大幅に変更したい場合に適しています。
ただし、フルリノベーションは費用が高額になり、工期も通常1〜3ヶ月程度と長いことがデメリットです。また、工事期間中は住めないため、仮住まいを用意する必要があります。
部分リノベーション
部分リノベーションは、マンションの室内一部分のみを改修するリノベーションです。
たとえば、キッチンのみを最新のシステムキッチンに交換したり、浴室やトイレだけをリフォームする場合などが挙げられます。
また、壁を取り払ってLDKを広くするなど、一部の間取り変更を行うケースもあります。
部分リノベーションはフルリノベーションよりも予算を抑えられ、工期も比較的短い点が特徴です。1回ですべてを改修する予算がない場合や、限定的に改修したい場合に適しています。
ただし、部分リノベーションは一部のみを改修することで、全体の統一感が失われるおそれがあります。そのため、全体のテイストにあわせたプランニングが求められるでしょう。
表層リノベーション
表層リノベーションは、壁紙や床板など、目に見える部分のみを改修するリノベーションです。 内装に加えて、水回り設備を交換する場合もあります。
表層リノベーションは工事内容がシンプルで、規模が小さくても部屋の印象を大きく変えられるのが特徴です。費用を抑えつつ、全体の印象を改善したい人に適しています。
表層リノベーションは間取りの変更ができず、根本的な問題解決に繋がらない場合があります。 目に見えない部分は変わらないため、配管の劣化に気づきにくいこともデメリットです。
マンションのリノベーションにかかる費用相場

ここでは、マンションのリノベーションにかかる費用相場を、以下の施工範囲別に解説します。
- 部分リノベーションの費用相場
- フルリノベーションの費用相場
- 表層リノベーションの費用相場
部分リノベーションの費用相場
マンションの部分リノベーションにかかる費用相場をまとめると、以下のとおりです。
| 場所 | 費用相場(全体的にリフォームした場合) |
| キッチン | 150万〜300万円 |
| リビング | 150万〜450万円 |
| 洗面所 | 20万〜50万円 |
| 浴室 | 50万〜150万円 |
| トイレ | 20万〜50万円 |
実際にかかる費用は、使用する設備のグレードや工事の難易度などによっても変動します。
たとえばキッチンの場合、スタンダードなシステムキッチンの設置工事は100万円程度です。しかし、ハイグレードなシステムキッチンを選ぶと200万円以上かかるケースもあるでしょう。
マンションの築年数が経過している場合は、工事中に予想外の問題が見つかることもあるため、前もって予備費を見込んでおくと安心です。
フルリノベーションの費用相場
マンションのフルリノベーションにかかる費用は、広さや施工内容によって異なるものの、800万〜1,000万円程度が目安となります。
費用を抑えた場合でも500万円前後かかり、グレードにこだわると2,000万円程度かかる場合もあるでしょう。
また、マンションの築年数が経過していると、給排水管や電気配線の全面的な改修工事が必要になるなど、追加費用が発生する可能性があります。
表層リノベーションの費用相場
マンションの表層リノベーションにかかる費用は、一般的に300万〜500万円程度とされています。
間取り変更や給排水管といった見えない部分の改修はできないものの、費用を抑えてリノベーションでき、全体の印象を良くすることが可能です。
マンションのリノベーションの一般的な流れ・期間

マンションのリノベーションをスムーズに進めるには、計画から引き渡しまでの全体像を理解しておくことが重要です。
ここでは、リノベーションの一般的な流れ・期間を5つのステップに分けて解説します。
- STEP1.目的と予算を明確にする
- STEP2.リノベーション会社を選ぶ
- STEP3.プランの提案・設計を行う
- STEP4.契約を締結する
- STEP5.施工・引き渡しを行う
STEP1.目的と予算を明確にする
まずは、マンションをリノベーションする目的と予算を明確にしましょう。マンションをリノベーションする目的としては、以下のような例が挙げられます。
- 家族が増えたので部屋数を増やしたい
- キッチンを広くして効率的な動線を確保したい
- 断熱性を高めて光熱費を抑えたい
リノベーションの規模が大きくなると、必要な費用も高額になります。そのため、リノベーションの目的を明確にして必要な工事のみを行うことが重要です。
また、リノベーションの目的に加えて予算の上限も決めておくことも必要です。
このステップでかかる期間は状況によって異なります。自分の希望や予算と向き合い、無理のない計画を立てるようにしましょう。
STEP2.リノベーション会社を選ぶ
目的と予算が決まったら、次にリノベーション会社を選びましょう。
リノベーション会社を選ぶポイントは、複数社に相談し施工実績や提案内容、費用などを比較検討することです。会社によって得意分野や費用が異なるため、自分の希望に合った会社を見つけることが重要だといえます。
このステップでかかる期間は、1〜2ヶ月程度です。焦らずに複数の会社を比較検討し、信頼できる会社を選びましょう。
STEP3.プランの提案・設計を行う
リノベーション会社が決まったら、具体的なプランの打合せを進めていきます。
リノベーション会社のデザイナーや設計士と打合せを重ね、間取りや内装、設備などの詳細を決めていきます。自分のイメージを伝えるために、好みのインテリア写真や理想に近い施工事例などを用意しておくと、スムーズに進められるでしょう。
プランが固まってきた段階で、より具体的な見積もりが提示されます。予算オーバーしている場合は、優先順位を決めて工事内容を精査するようにしましょう。
このステップでかかる期間は、一般的に1.5〜2ヶ月程度です。納得のいくプランになるまで、何度も打合せを重ねましょう。
STEP4.契約を締結する
プランと見積もりが確定したら、リノベーション会社と契約を締結します。契約を締結する際は以下のような条件をチェックし、納得したうえで進めましょう。
- 工事内容
- 費用
- 工期
- 支払い条件
- アフターサービス
また、マンションの管理組合への申請も必要です。マンションによって規約が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
なお、管理組合の承認が下りるまでに時間がかかる場合もあります。
契約を締結した後は、工事の詳細スケジュールや仮住まいの手配など、さらに具体的な打合せを行います。契約から着工までにかかる期間は、一般的に1ヶ月前後が目安です。
STEP5.施工・引き渡しを行う
すべての準備が整ったら、施工が開始されます。施工期間中は定期的に現場を確認し、進捗状況や問題点を把握することが重要です。
リノベーション会社からも進捗報告はあるものの、自分でも確認しておけばイメージとズレが生じても早期に発見できます。
工事が完了したら、竣工検査を行います。リノベーション工事が計画通りに完了しているか、不具合はないかなどをチェックしましょう。
問題があれば、引き渡し前に修正してもらう必要があります。施工期間は、リノベーションの規模によって以下のように異なります。
| 施工範囲(規模) | 期間 |
| 部分リノベーション | 数日〜1ヶ月程度 |
| フルリノベーション | 1〜3ヶ月程度 |
| 表層リノベーション | 数日〜1ヶ月程度 |
引き渡し後には、設備の使い方や注意点などの説明があります。分からないことは質問し、新しいマンションでの生活をスムーズに始められるようにしましょう。
マンションのリノベーションに関する注意点

ここでは、マンションのリノベーションに関する注意点を以下の順に紹介します。
- 管理規約によって制限が設けられる場合がある
- マンションの構造によって自由度が変動する
- リノベーションは専有部分に限られる
- 追加費用が発生するケースがある
管理規約によって制限が設けられる場合がある
マンションには管理規約があり、リノベーションに関する制限が設けられている場合があります。たとえば、水回りの位置変更が禁止されていたり、内装に使ってはいけない素材があるといった例が挙げられます。
管理規約の制限を無視して工事を行うと、管理組合とトラブルになるリスクが高くなるでしょう。そのため、リノベーションを計画する際は、まずは管理規約を確認し、どのような工事が可能なのかを把握しておくことが重要です。
また、多くのマンションでは、リノベーション工事を行う前に管理組合への申請と承認が必要です。申請から承認までに時間がかかる場合もあるので、スケジュールに余裕を持たせておくとよいでしょう。
マンションの構造によって自由度が変動する
マンションの構造によって、リノベーションの自由度は大きく変わります。一般的に、鉄筋コンクリート造のマンションには「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類があります。
ラーメン構造は柱と梁で建物を支える構造で、間取り変更の自由度が高いのが特徴です。一方、壁式構造は壁で建物を支える構造で、間取りの変更が制限される場合が多い傾向にあります。
リノベーションを計画する際は、マンションの構造を確認し、リノベーション会社の設計士などにアドバイスをもらいながら進めましょう。
リノベーションは専有部分に限られる
マンションのリノベーションは、基本的に専有部分に限られます。そのため、廊下・外壁などの共用部分やバルコニーは自由にリノベーションできません。
他にも、給排水管や電気配線などはマンションによって共用部分として扱われるケースがあります。この場合、配管の移設が制限される可能性があるでしょう。
リノベーションを計画する際は、専有部分と共用部分を明確に把握しておくことが重要です。
追加費用が発生するケースがある
リノベーション工事を進めるなかで予想外の問題が見つかり、追加費用が発生するケースがあります。
たとえば、壁を取り壊したら隠れた配管が見つかった、床を剥がしたら予想以上に劣化していたなど、工事を始めないと分からない問題が見つかるケースです。
特に、築年数が経過しているマンションではこのようなケースが多く見られます。
また、工事の進行中に仕様変更や追加工事を依頼しても追加費用が発生します。費用が発生しても問題がないように、予算に対して10〜20%程度の予備費を見込んでおくとよいでしょう。
マンションのリノベーションに関するよくある質問
ここでは、マンションのリノベーションに関するよくある質問を3つ紹介します。
- マンションをリノベーションでおしゃれにするコツは?
- 70平米のマンションをリノベーションすると費用はいくら?
- リノベーション済みの中古マンションを購入するメリット・デメリットは?
マンションをリノベーションでおしゃれにするコツは?
マンションをリノベーションでおしゃれにするには、以下のコツを押さえておきましょう。
- 配色を統一する
- 圧迫感をなくす
- 照明を効果的に活用する
配色をコンセプトにあわせて統一することで、おしゃれな空間になります。日光や照明などを効果的に活用し、仕切りをなくすことで、開放感のある部屋を実現できるでしょう。
リノベーション会社のデザイナーや設計士などの専門家に要望を伝え、アドバイスをもらいながらプランを固めることが重要です。
70平米のマンションをリノベーションすると費用はいくら?
70平米のマンションをフルリノベーションする場合、設備のグレードや間取りによって異なるものの、費用は700万円以上を目安に考えましょう。
正確な見積もりを知るには、複数のリノベーション会社に相談し、具体的なプランと費用を提示してもらうことがおすすめです。
リノベーション済みの中古マンションを購入するメリット・デメリットは?
リノベーション済みの中古マンションを購入するメリット・デメリットをまとめると、以下のとおりです。
| メリット | デメリット |
| ● 新築マンションよりも価格が安い ● 室内を内覧してから購入できる ● 購入後すぐに住める ● 工事の手間がかからない ● 住宅ローンの利用のみで済む |
● 自分好みにリノベーションできない ● 正しく施工されたか確認できない ● 物件の数が少ない |
リノベーション済みの中古マンションは、工事の手間がかからないため、購入後すぐに住めるのが特徴です。ただし、自分好みにリノベーションできず、正しく施工されたかを確認できないのがデメリットです。
リノベーション済みの中古マンションのメリット・デメリットを理解したうえで、購入を判断しましょう。
マンションのリノベーション費用相場は規模によって異なる

マンションのリノベーションにかかる費用相場は、規模によって異なります。フルリノベーションでは800万〜1,000万円程度、表層リノベーションでは300万〜500万円程度必要です。
リノベーションは、まとまった費用が必要になるだけでなく注意点も多いので、リノベーションせずに売却して新しいマンションを購入するのも1つの方法といえます。
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記事執筆・監修
矢野 秀一郎(やの しゅういちろう)
不動産会社で2社勤務。1社目では時間貸駐車場の開発営業を中心に携わり、2社目では不動産売買の仲介営業や、一戸建ての分譲工事のプロジェクト、および新築・リフォーム工事の現場監督など、幅広く業務を担当。現在はフリーのライターとして不動産や金融に関する内容を中心にライティング・記事監修を実施。