
更地とは、建物などが建っておらず、土地活用の制約がない土地のことをいいます。更地のまま何もせずに放置すると、税金が高くなる場合や管理に手間がかかる可能性があるため、土地活用や売却などを検討すると良いでしょう。
この記事では、更地の定義をはじめ、更地にするための費用相場や放置するデメリットなどを解説します。更地の主な有効活用事例や、土地活用のポイントなども紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
この記事で分かること
- 更地の定義
- 更地にするためにかかる費用相場
- 更地をそのまま放置するデメリット
- 更地は古家付きよりも売れやすいのか
- 更地の主な土地活用事例
- 更地を土地活用する際のポイント
【あわせて読みたい】
▶︎土地売却の基礎知識まとめ!土地を売る方法や税金・流れ・注意点を解説
もくじ
更地の定義

ここでは、更地の定義について、以下2つの観点から解説します。
- 更地とは?
- 整地との主な違い
更地とは?
更地とは、住宅やビルなどの建物や構造物がなく、借地権や賃貸借権、地上権などの土地の利用を制約する権利が存在しない宅地のことです。
ただし、借地権や賃貸借権や地上権が存在する場合でも、登記がなく以下の条件を満たすと更地として扱われます。
● 建物や構造物が建っていない場合
● 材料置場などとして利用されていない場合
※参考:第三章 土地の評価|国税庁
【あわせて読みたい】
▶︎更地とは?更地の意味を調べる|不動産用語集(LIFULL HOME'S)
整地との主な違い
整地とは、建物を解体して木くずなどの不要物を除去した後に、土地の高さを整えて平らにすることです。
更地と整地の主な違いは、土地の転圧作業の有無です。転圧作業とは、ローラーなどを用いて土地を押し固めて整える作業を指します。
整地することで見た目の印象が良くなるため、更地の状態よりも売れやすい傾向があります。
更地にするためにかかる費用相場

建物を解体し、更地にするためにかかる費用相場は、建物の構造によって以下のように変動します。
| 建物の構造 | 更地にするためにかかる費用相場 |
| 木造 | 4〜5万円/坪 |
| 鉄骨造(S造) | 7〜8万円/坪 |
例えば、30坪の木造住宅の場合は、更地にするのに120〜150万円程度かかります。土地の立地や前面道路の幅員、建物内の残存物などで費用は変動するため、おおまかな目安として考えておきましょう。
【あわせて読みたい】
▶︎土地売却時の解体費用はいくら?家を解体して土地を売るメリットも解説
更地をそのまま放置するデメリット

更地をそのまま放置すると、以下のようなデメリットがあります。
- 固定資産税が高くなる
- 一定の管理費が発生する
固定資産税が高くなる
建物を取り壊して更地にした翌年からは、固定資産税が高くなります。
固定資産税の算出方法は以下の通りです。
固定資産税=固定資産税評価額(課税標準額)×標準税率(1,4%)
固定資産税評価額とは、固定資産税を決める際の基準になる評価額のことで、各市町村が個別に決定します。なお、標準税率は自治体によって1.5%や1.6%など異なる場合があるため注意しましょう。
固定資産税は、毎年1月1日時点の土地の所有者に対して課税されます。市街化区域内の土地は、固定資産税に加えて都市計画税も課税されます。
建物がある状態よりも更地のほうが税金が高くなる理由は、「住宅用地の課税標準の特例」 が適用できなくなるからです。
住宅用の建物が建っている土地には特例を適用でき、固定資産税や都市計画税を以下のように減額できます。
| 住宅用地の区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
| 小規模住宅用地 (200㎡以下の部分) |
6分の1 | 3分の1 |
| 一般住宅用地 (200㎡超の部分) |
3分の1 | 3分の2 |
更地にしてすぐに売却できる場合は大きな影響はありませんが、更地にして売却に時間がかかると、税負担が大きくなる可能性があります。
※参考:固定資産税|総務省
一定の管理費が発生する
更地の状態でも、定期的に以下のような対応が必要になり、手間や管理費がかかります。
- 雑草の除去や除草剤の散布
- ごみなどの不法投棄の対策
国土交通省の令和4年度「土地問題に関する国民の意識調査」によると、自宅以外の未利用地の所有で感じる負担を聞いたところ、以下のような結果になりました。
| 自宅以外の所有地(未利用地)の保有で 感じている(感じると思う)負担 |
割合 |
| 1.草刈りなどの管理作業の負担 | 53.3% |
| 2.税金や管理費用の金銭的な負担 | 38.7% |
| 3.遠方にあり、わざわざ行くことへの負担 | 31.4% |
| 4.売却・相続手続きの負担 | 30.7% |
| 5.負担を感じていない | 14.6% |
※複数回答可
※参考:令和4年度「土地問題に関する国民の意識調査」の概要について|国土交通省
多くの人が、草刈りなどの管理作業の負担や、金銭的な負担を感じているのが分かります。更地のまま放置すると、近隣住民からクレームが発生する可能性もあります。
更地の状態でも、管理に手間や費用がかかることを押さえておきましょう。
更地は古家付きよりも売れやすいのか

更地が古家付きよりも売れやすいか否かは、物件によって判断が異なります。 古家付きで売却するメリットは、主に以下の通りです。
- 解体費用がかからない
- 建物内の不要物を処分しなくて良い
- 固定資産税が高くならない
古家付きで売る最大のメリットは、解体費用がかからないことです。解体費用をかけて更地にしても、投じた費用を売却価格に上乗せできるかはケースバイケースです。
また、古家付きであれば、固定資産税における「住宅用地の課税標準の特例」が適用できるため、固定資産税が高くなりません。ただし、古家の管理が不十分で、自治体から「特定空き家」に指定されると、特例が適用できなくなるため注意しましょう。
解体費用が高額となる場合や建物の価値がある場合は、古家付きで売却したほうが良いといえます。一方、更地で売却するメリットは以下が考えられます。
- 売却しやすくなる場合がある
- 土地の状態を把握しやすい
- 建物の維持管理費が発生しない
更地で売却すると、買主は引渡し後すぐに建物を建てられるなど、土地を活用しやすくなります。土地の状態も把握しやすいため、古家付きよりも売却しやすい場合があります。
建物の維持管理費も発生しないため、古家の管理が困難な状態であったり、損傷が激しかったりする場合は、更地にして売却したほうが良いでしょう。
更地か古家付きかどちらで売却すれば良いか悩む場合は、不動産会社に相談してみましょう。
【あわせて読みたい】
▶︎<2024年版>土地売却相場の調べ方|主要都市の価格相場はいくら?
更地の主な土地活用事例

更地の売却を考えていない人に向けて、ここでは更地の主な活用事例を5つ紹介します。
- マンション・アパート経営
- 駐車場経営
- コインランドリー経営
- トランクルーム経営
- 太陽光発電
マンション・アパート経営
更地にマンションやアパートを建てて経営することで、家賃収入を得ることができます。住宅用の建物を建てることで、固定資産税も「住宅用地の課税標準の特例」を適用できるため、節税効果が見込めます。
ただし、マンションやアパートの高額な建設費用が必要になり、立地によっては入居者が思うように集まらず赤字経営になるリスクもあります。
そのため、事前に入念な経営計画を立てるようにしましょう。
駐車場経営
月極駐車場やコインパーキングなど、更地を駐車場として活用するのもひとつの方法です。
駐車場経営は、初期投資や管理の手間がアパート経営よりも少なく済みます。駐車場経営中に売却することになっても、比較的簡単に手続きができ、撤退費用も建物を解体するよりも抑えられます。
ただし、駐車場のニーズが高い立地でなければ、運用するのが難しいでしょう。固定資産税の「住宅用地の課税標準の特例」も適用できないため、税の負担は更地同様に大きくなります。
コインランドリー経営
コインランドリー経営とは、コインランドリー用の建物を建てて、設備の使用料で収入を得る運用方法です。コインランドリーのランニングコストは、光熱費や洗剤代のみで済み、手間や費用を抑えられるのが特徴です。
ただし、初期投資は1,000万円以上かかるケースが多く、コインランドリーの需要を見極める必要があるため、入念な収支計画を立てなければ失敗するリスクが高くなるでしょう。
トランクルーム経営
トランクルーム経営とは、更地にコンテナハウスと呼ばれる建物を建設し、契約者に収納スペースとして貸出す運用方法です。
トランクルームは、屋外型と屋内型と2種類あり、エリアのニーズにあわせて選びます。建物を建てる他の運用よりも、初期費用がかからないのがメリットである反面、収益性や節税効果が低くなります。
太陽光発電
太陽光発電は、敷地内に太陽光パネルを設置し、発電した電気を電力会社に買取ってもらうことで収益を得る運用方法です。敷地が広く、日当たりが良い土地は太陽光発電に適しています。
太陽光発電は、初期費用を抑えられ、管理の手間や費用がほとんどかからないのがメリットです。住宅の需要がない土地でも、太陽光発電にすれば収益を得られます。
しかし、太陽光発電の契約は10年や20年など長期間であるケースが多く、その間土地の利用は制限されます。発電量は天候に大きく左右され、初期投資の回収に時間がかかったり、固定資産税の節税効果がなかったりする点がデメリットです。
以上、5つの土地活用事例を紹介しました。いずれの経営においても、専門の会社に一任すれば、管理の手間からは解放されますが、収益性は低くなってしまいます。
更地を土地活用する際のポイント

更地を有効活用する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 周辺環境を確認しておく
- 敷地の広さを確認しておく
- 法律や条件を確認しておく
周辺環境を確認しておく
更地を有効活用する際は、周辺環境を確認し、ニーズを見極める必要があります。
エリアが住宅地か商業地かによって、土地活用の方向性は大きく変わります。周辺施設や公共交通機関も考慮しなければなりません。
周辺環境を考慮したうえで、最適な土地活用を選ぶことが重要です。
敷地の広さを確認しておく
敷地の広さによって土地活用の選択肢が変わってくるため、敷地の広さや形状も踏まえて検討することが重要です。
アパート経営するのに必要な敷地の広さは、60坪以上が好ましいといえます。敷地の広さは問題なくても、不整形地や高低差がある場合は、建物が建てられないおそれがあるため注意が必要です。
他の活用においても、間口が狭いと駐車場経営に不向きになるケースもあるので、敷地を最大限に有効活用できる方法を検討しましょう。
法律や条件を確認しておく
更地はさまざまな活用が可能ですが、地域によっては建築制限や、自治体の条例による制限が設けられている可能性があるため、事前に確認しておきましょう。どのような建物が建てられるのかを事前に把握しておかなければ、計画通りに進められない可能性があります。
法律や条件について詳しく知りたい人は、市役所に行くことで確認できます。自治体によっては、自治体のホームページで確認できるケースもあるため、分からない場合は問合せましょう。
更地に関するよくある質問

更地に関するよくある質問を3つ紹介します。
- 更地にするための主な流れは?
- 更地にかかる固定資産税を安くする方法はある?
- 更地渡しってなに?
更地にするための主な流れは?
更地にするための主な流れは、以下の通りです。
- 解体工事を依頼する会社の選定
- 近隣への挨拶回りや不用品の処分
- 古家の解体工事
- 整地工事
- 廃棄物の処理・清掃
一般的な住宅の場合は、解体工事が着手されてから完了するまでに1〜2週間前後かかります。
解体費用は工事会社によって異なるため、複数の会社に見積もりを依頼して比較検討するのが重要です。
更地にかかる固定資産税を安くする方法はある?
更地にかかる固定資産税を安くするには、主に以下の方法があります。
- 住宅やアパートなどの建物を建てる
- 地目を畑や田などの農地に変更する
- 取り壊しを1月1日以降に実施する
住宅用の建物を建てることで、「住宅用地の課税標準の特例(※)」を適用できるため、固定資産税を安くできます。
更地のままで安くするには、地目を農地に変更する方法があります。農地にすることで、土地活用に一定の制限が設けられますが、固定資産税は通常よりも安くなる場合があります。
ただし、更地の状態では農地と認定されないため、現況で農地と判断できるように植物を植えて育てなければなりません。
なお、固定資産税は1月1日時点の土地の状態に対して課税されるため、建物の取り壊しを1月1日以降に行うことで、その年は建物がある状態で固定資産税が算出されます。
【あわせて読みたい】
▶︎固定資産税評価額とは?調べ方や計算方法もわかりやすく解説
更地渡しってなに?
更地渡しとは、不動産売買で売買契約を締結した後に、売主の責任で土地上の建物を解体して、更地の状態で買主に引渡すことをいいます。
更地渡しという売却方法に明確な定義はないため、工事の対象範囲や整地の有無などをあらかじめ決めておき、売買契約書に記載しておきましょう。
更地の活用が大変なら売却がおすすめ

これまで解説してきたように更地とは、建物などが建っておらず、土地活用の制約がない土地のことです。更地の状態で放置すると、固定資産税が古家付きよりも高くなったり、管理の手間や費用がかかったりするおそれがあります。
更地を有効に活用する事例としては、アパート経営や駐車場経営などがありますが、いずれにおいても初期費用や赤字のリスクが懸念されます。
更地の活用が大変だと感じる人は、早めに売却を検討するのがおすすめです。更地を売却する際は、LIFULL HOME’Sの不動産一括査定をぜひご利用ください。
LIFULL HOME’Sの不動産一括査定では、全国4,500社以上(2024年3月時点)の提携不動産会社から、査定依頼する会社を選べます。不動産会社の特徴や強みなども細かく掲載しており、詳細情報を一覧で見て確認できます。
更地の管理から解放されたい人は、LIFULL HOME’Sの不動産一括査定を利用しながら売却をご検討ください。
記事執筆・監修
矢野 秀一郎(やの しゅういちろう)
不動産会社で2社勤務。1社目では時間貸駐車場の開発営業を中心に携わり、2社目では不動産売買の仲介営業や、一戸建ての分譲工事のプロジェクト、および新築・リフォーム工事の現場監督など、幅広く業務を担当。現在はフリーのライターとして不動産や金融に関する内容を中心にライティング・記事監修を実施。