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一棟マンション売却の基礎知識|売却相場やタイミング・税金を解説

一棟マンションの売却は、区分マンションや一戸建てとは異なり、買主が投資家に限られるうえに高額となるため、売却の難易度が高いといえます。

そのため、「いつ売るべきか」「どの不動産会社に頼めばいいか」と悩んでいる人は少なくありません。

適切なタイミングを逃したり、売却方法を誤ると、本来得られるはずであった利益を失う可能性もあります。一棟マンションの売却を成功させるには、相場や適切な売却タイミングなど、幅広い知識を身につけておくことが重要です。

この記事では、一棟マンションの売却を検討している人に向けて、エリア別の売却相場や売却タイミング、高く売るコツなどを詳しく解説します。

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もくじ

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そもそも一棟マンションとは?

一棟マンションとは、すべての部屋と共有部分を含めた建物全体を意味します。不動産投資では、部屋単位で購入する「区分マンション投資」と、マンション自体を購入する「一棟マンション投資」があります。

一棟マンション投資は、地域にもよるものの、新築であれば数千万円から数億円が一般的な相場です。また、初期投資だけでなく、毎月の維持管理費用も負担は大きくなります。

投資にかかるコストは大きいものの、利回りが高いほか、運営の自由度もその分大きい点が特徴です。マンションの外観や共有部分のグレードアップなどを行い、競合物件と差別化することも可能です。

区分マンションとの違い

区分マンションとは、マンション内の一室のみを所有する形態のことです。投資目的で所有する際は「区分マンション」、居住目的で所有する際は「分譲マンション」と使い分けられます。

一棟マンションと区分マンションの違いをまとめると、以下のようになります。

項目 一棟マンション 区分マンション
所有権建物全体+土地一室(専有部分)のみ
取得価格の目安数千万円〜数億円500万〜4,000万円
収益性高い低い
運営の自由度高い低い
管理の手間大きい小さい
空室リスク中程度(複数戸あるため分散しやすい)高い

立地にもよるものの、一般的な区分マンションは500万円〜4,000万円程度で購入できるため、一棟マンションよりも取得しやすいのが特徴です。

一方、一棟マンションは建物全体と土地を所有するため、収益性は高いものの、取得費用や管理の手間がかかります。売却を検討する際も収益性や修繕状況など、区分マンションとは異なる観点での評価が求められます。

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【エリア別】一棟マンションの売却相場

一棟マンションの市況を知るために、国土交通省の「不動産価格指数(商業用不動産)(令和7年第3四半期分・季節調整値)」を見ると、2012年以降マンション・アパート(一棟)の価格は上昇し続けていることが分かります。

このことからも、ここ数年は一棟マンションの売り時といえるでしょう。

出典:国土交通省・不動産価格指数

なお、一棟マンションの売却相場は、不動産情報ライブラリでも調べることができます。

次に、エリア別の一棟マンションの売却相場について解説します。

  • 首都圏の売却相場
  • 関西圏の売却相場
  • その他(地方都市)の売却相場

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首都圏の売却相場

首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)は、全国でも特に不動産需要が高いエリアです。人口が集中しているため賃貸需要が安定し、一棟マンションの売却価格も全国トップクラスの水準となっています。

収益不動産市場動向マンスリーレポート2026年2月期(健美家株式会社)によると、2026年2月時点における首都圏の一棟マンションの平均価格は2億3,693万円、表面利回りは6.27%となっています。全国の平均価格2億324万円・表面利回り7.40%と比較すると、価格は約3,369万円高く、利回りは1.13ポイント低い水準です。

利回りが低い水準であっても取引が成立しやすい背景には、首都圏への人口集中による高い賃貸需要や、地価の下落リスクが低いといった要因があります。買主となる投資家にとっても、安定した収益が見込めるエリアとして評価されているため、全国のなかでも売却しやすい市場環境が整っています。

関西圏の売却相場

関西圏(大阪・京都・兵庫・奈良)は、首都圏に次ぐ大都市圏として高い不動産需要があります。大阪市内の繁華街や主要駅周辺は、賃貸需要が高く安定した収益が見込めるため、投資家から注目されているエリアです。

前述の健美家の調査によると、2026年2月時点における関西圏の一棟マンションの平均価格は1億7,136万円、表面利回りは7.50%です。全国の平均価格2億324万円と比べると約3,188万円低い水準ですが、表面利回りは全国平均の7.40%とほぼ同水準で推移しており、収益性の観点からも投資家の需要を集めています。

大阪の梅田や難波周辺など、賃貸需要の高い立地の物件は高値がつきやすい傾向にあります。京都は観光や学生需要、兵庫県の神戸市周辺は都市型の賃貸需要があり、エリアを問わず安定した売却が期待できるでしょう。

その他(地方都市)の売却相場

その他の地方都市では、首都圏・関西圏と比べて価格水準は低くなりますが、利回りが高くなる傾向があります。前述の健美家の調査によると、2026年2月時点の地域別の一棟マンションの平均価格と表面利回りは以下のとおりです。

エリア 平均価格 表面利回り
全国2億324万円7.40%
北海道1億3,570万円9.67%
東北1億3,920万円12.90%
信州・北陸1億951万円11.92%
東海1億5,151万円9.13%
中国・四国1億632万円11.64%
九州・沖縄1億5,869万円9.34%

※出典:収益不動産市場動向マンスリーレポート2026年2月期(P11)|健美家株式会社

地方都市では買主が限られるため、売却に時間がかかることがあります。ただし、人口が集中する主要駅周辺や大学・工場周辺など、賃貸需要が見込めるエリアの物件であれば、比較的スムーズな売却が期待できます。

一棟マンションの売却タイミング

ここでは、一棟マンションの売却を検討すべきタイミングとして5つ紹介します。

  • 大規模修繕が必要になる前のタイミング
  • 不動産価格が上昇しているタイミング
  • 周辺環境の変化が予想されるタイミング
  • 減価償却期間が満了となるタイミング
  • 築20年以内のタイミング

大規模修繕が必要になる前のタイミング

一棟マンションは築年数が経過するにつれて、外壁塗装や屋上の防水、設備の交換など、大規模修繕が必要になります。大規模修繕を行う前に売却することで、高額な修繕費用の負担を避けられます。

大規模修繕の費用は規模によって異なりますが、数百万〜数千万円かかるケースもめずらしくありません。大規模修繕後に売却する選択肢もありますが、修繕費用を回収できるほど売却価格が高くなるとは限らないため、修繕前の売却が無難です。

一般的に、マンションの大規模修繕は10〜15年周期で行われます。次の大規模修繕の前に売却できれば、修繕費用の負担を回避できます。

不動産価格が上昇しているタイミング

一棟マンションを売却する際は、不動産価格が上昇しているタイミングを狙うことが重要です。不動産市場は常に変動しており、価格が上昇しているときに売却することでより高い利益を期待できます。

国土交通省の「不動産価格指数(商業用不動産)」からも分かるとおり、近年では不動産価格が上昇傾向にあります。不動産価格が上昇していれば、一棟マンションを購入する側も利益を確保しやすいため、買主が見つかりやすくなる点がメリットです。

周辺環境の変化が予想されるタイミング

一棟マンションの価値には周辺環境も大きく影響します。たとえば、周辺に駅や商業施設ができる予定がある場合、5〜10年程度の中長期的な視点で見れば、現時点で好立地でなくても売却価格が上がる可能性があります。将来的に利便性が良くなる場合はすぐに売却せず、マンションの資産価値が高くなったタイミングで売却するのがおすすめです。

反対に、現時点の立地条件よりマイナスになる事象が起こる可能性もあります。たとえば、周辺にあった大手企業や大学、スーパーやドラッグストアなどの移転が決まり過疎化が進むと、徐々に不動産価値が下がり、売却価格も下がってしまうでしょう。こうしたケースも想定して、周辺環境の変化にはアンテナを張っておきましょう。

減価償却期間が満了となるタイミング

マンションの建物や設備などは償却資産と呼ばれ、毎年古くなって資産価値が下がっていきます。下がっていく価値を、減価償却費として必要経費に計上することが可能です。減価償却費は所得から差し引けるため、節税効果がある場合もあります。

しかし、減価償却資産は法定耐用年数が決まっており、それを過ぎると経費計上できません。法定耐用年数とは、モノの使用期限の目安を指します。この減価償却期間が満了となるタイミングで売却を検討する場合もあるでしょう。

構造 法定耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)・鉄筋コンクリート造(RC造)47年
れんが造・石造・ブロック造38年
金属造(骨格材の肉厚4mm超)34年
金属造(骨格材の肉厚3mm超4mm以下)27年
金属造(骨格材の肉厚3mm以下)19年
木造・合成樹脂造22年

築20年以内のタイミング

一般的にマンションは築年数が浅いほど高く売れやすく、それは一棟マンションでも同じです。

東日本不動産流通機構の「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2025年10〜12月】」によると、築20年以降価格が大幅に下がっていることが分かります。つまり、築年数20年以内のタイミングを逃すと、売却価格が下がる可能性が高くなるといえます。

そのため、価格の下がり幅が緩やかな築20年以内のタイミングで売却することは、有力な選択肢の1つと考えられるでしょう。

一棟マンションの主な売却方法

一棟マンションの主な売却方法として、以下の2つが挙げられます。それぞれにメリットとデメリットがあるため、目的や状況に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。

  • 仲介
  • 買取

仲介

仲介は、不動産会社が物件の購入希望者を探し、売主と買主の間で契約を取りまとめる方法です。仲介の主な特徴は以下のとおりです。

  • 高値で売却できる可能性がある
  • 購入希望者と柔軟に交渉できる
  • 売却までの期間が長くなりやすい

仲介による売却では、複数の購入希望者の間で競争が期待でき、市場価格に近い価格で売却できる可能性があります。購入希望者と直接交渉する機会もあるので、売主の条件に合った売却がしやすいでしょう。

ただし、購入希望者が見つかるまで時間がかかる点がデメリットで、売却完了まで長期間かかることもあります。時間に余裕があり、少しでも高く売却したい場合には仲介のほうが適しているでしょう。

買取

買取は、不動産会社が買主となり、売主から直接物件を買取する方法です。買取の主な特徴は以下のとおりです。

  • 売却がすぐに完了する
  • 売却活動の手間が少ない
  • 売却価格が低くなる傾向にある

買取の場合、不動産会社に直接売却するので、購入希望者を探す必要がなく短期間で売却が完了します。内覧や広告活動も不要で、迅速かつ簡単に手続きを進められます。物件に問題がある場合でも、リフォームをせずに売却できるケースが多いでしょう。

一方、不動産会社が転売を前提としてリフォームなどを実施したうえで購入するので、仲介の価格相場よりも安くなるのが一般的です。目安としては、相場の1〜3割程度安くなることを理解しておきましょう。

すぐに現金化したい場合や、売却活動に手間をかけたくない場合は買取のほうが適していますが、逆に高く売却したい人にはおすすめできません。

一棟マンション売却の流れ7ステップ

ここでは、一棟マンション売却の流れを以下の7ステップで紹介します。

  • STEP1. 事前準備
  • STEP2. 査定依頼
  • STEP3. 媒介契約の締結
  • STEP4. 売却活動
  • STEP5. 売買契約の締結
  • STEP6. 決済・引渡し
  • STEP7. 確定申告

STEP1. 事前準備

一棟マンションの売却を成功させるためには、慎重な事前準備が欠かせません。まずは、以下を確認しましょう。

  • 不動産投資ローンの残債を確認する
  • 売却のために必要な書類を準備する
  • 相場を把握する

売却後に現在抱えている不動産投資ローンが残ってしまうと売却できないため、残債を確認することが重要です。売却で得られる資金で完済できない場合は、自己資金を充てる必要があります。

また、売却のためには以下の書類を準備する必要があります。

  • 住民票・印鑑証明書
  • 間取り図・管理報告書・管理規約
  • ローン残高証明書
  • 賃貸契約書

さらに、相場を把握しておくことで不動産会社から提示される査定価格の妥当性を判断できます。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」などで調べておきましょう。

STEP2. 査定依頼

事前準備が整ったら、次は一棟マンションの査定依頼を行います。複数社に査定を依頼し、事前に調べておいた相場を考慮しながら比較検討しましょう。不動産会社によっては、媒介契約を締結するために根拠のない高額な査定価格を提示してくることもあるため、注意が必要です。

また、査定には机上査定と訪問査定の2つがあります。最初に過去の取引データなどを参考にして査定価格を算出する机上査定を利用し、そのあとに現地を見て、より正確な査定価格を算出する訪問査定を依頼するという方法もあります。査定価格が自分の期待に合わない場合でも焦らずその根拠を聞いて、売却に向けて戦略を練ることが重要です。

STEP3. 媒介契約の締結

査定が終わったら、選んだ不動産会社と媒介契約を締結します。媒介契約は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類です。

項目 専属専任媒介 専任媒介 一般媒介
複数社への依頼不可不可
自己発見取引不可
契約有効期限3ヶ月以内3ヶ月以内指定なし
レインズ登録義務5日以内7日以内任意
報告義務1週間に1回以上2週間に1回以上任意

一棟マンションの場合は購入希望者層が限定されるため、一棟マンションの売却が得意な不動産会社との専属専任媒介契約か専任媒介契約を結ぶことをおすすめします。

STEP4. 売却活動

売却活動を開始すると、Web上に情報が掲載されたり、購入希望者が内覧に来たりします。この時期は、売却価格や物件の魅力を適切にアピールすることが重要です。

分譲マンションの売却期間は一般的に3〜6ヶ月程度かかるといわれていますが、一棟マンションでもこれに準じます。ただし、売却価格や立地などの条件によっては長引く場合もあることを想定しておきましょう。

STEP5. 売買契約の締結

買主が見つかり売却条件が合意されたら、売買契約を締結します。買主から売主に対して売買代金の10%程度の手付金を渡し、売主から不動産会社に仲介手数料を支払うのが一般的です。

仲介手数料の支払いは売買契約締結時と決済・引渡し時で半分ずつとなることが多いですが、一棟マンションの場合は金額が大きくなりやすいため、事前に支払い額を確認しておきましょう。

STEP6. 決済・引渡し

売買契約が成立したら、売主や買主、不動産会社、司法書士などの関係者が集まって決済・引渡しの手続きをします。

決済では手付金を差し引いた残りの売買代金の受渡しや仲介手数料の支払い、一棟マンションの引渡しが行われ、最後に司法書士が法務局にて登記を行う流れです。

STEP7. 確定申告

一棟マンションの売却で利益が生じた場合は、その利益に対して譲渡所得税が課せられます。譲渡所得税が発生したら、原則として売却した年の翌年の2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。

また、売却による損失があった場合でも一定の条件を満たせば損益通算ができるため、確定申告の手続きや期限を確認し対応しましょう。

確定申告において虚偽の金額を申告したり、申告を怠ったりすると税務署から罰則を受けてしまいます。確定申告の期限内に申告がなく、税務調査後に申告した場合は、無申告加算税(財務省)が以下のように課されます。

納税額 税率
50万円以下15%
50万円超300万円以下20%
300万円超30%

さらに延滞税も課されるため、売却した翌年の確定申告期限内に正しく申告しましょう。

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一棟マンション売却にかかる費用・税金

一棟マンションの売却時には、通常の売却と同様に費用や税金が発生します。一棟マンションの場合は通常よりも高額になるため、発生する費用や税金の負担も大きくなります。主な費用・税金は以下のとおりです。

  • 登記費用
  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 譲渡所得税
  • その他の費用

登記費用

登記費用とは、登録免許税と司法書士に支払う司法書士報酬を合わせた費用のことです。登録免許税は登記手続きのときに国に納める税金で、「抵当権抹消登記」や「住所変更登記」を実施する際にかかります。原則として登録免許税も司法書士報酬も現金納付のため、事前に不動産会社に確認しておきましょう。

売主が売却する一棟マンションに抵当権が設定されている場合は、売却時に抵当権を抹消しなければ売却できません。抵当権抹消登記と住所変更登記は、1つの不動産につき1,000円の登録免許税がかかります。

たとえば、一棟マンション売却の抵当権抹消登記にかかる費用は、土地と建物に適用されるため2,000円です。ただし、敷地が複数の地番にまたがっているマンションの場合は、敷地それぞれに登録免許税がかかるため注意が必要です。司法書士報酬は20,000円前後が目安ですが、依頼する司法書士によって異なります。

仲介手数料

仲介手数料とは、一棟マンションの売却が成立した際に不動産会社に支払う成功報酬です。売却価格が大きくなるほど売主は手数料分の負担を考慮する必要があります。

仲介手数料は法律で上限が決められており、不動産会社が上限額を超えて請求することは宅建業法違反となります。売却価格が400万円を超える場合の上限額の速算式は以下のとおりです。

仲介手数料の上限 = 売買価格(税抜)× 3% + 6万円 + 消費税

一棟マンションであればほとんどの取引で売却価格が400万円を超えるため、上記の計算式を参考にしてください。

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印紙税

印紙税は、売却した一棟マンションの売買契約書に記載された売却金額に対して課税される税金です。印紙税は売買契約書に収入印紙を貼ることで納税できます。

2027年3月31日までに作成された契約書は軽減措置の適用が可能です。契約金額ごとにかかる印紙税の金額は、以下のとおりです。

契約金額 本則税率 軽減措置適用後の税額
10万円超〜50万円以下400円200円
50万円超〜100万円以下1,000円500円
100万円超〜500万円以下2,000円1,000円
500万円超〜1,000万円以下1万円5,000円
1,000万円超〜5,000万円以下2万円1万円
5,000万円超〜1億円以下6万円3万円
1億円超〜5億円以下10万円6万円
5億円超〜10億円以下20万円16万円

※出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

印紙税は現金納付になるため、金額の大きくなりやすい一棟マンションでは、事前にいくらかかるのかを押さえておくことが重要です。収入印紙を貼り忘れると過怠税が課せられ、本来納めるべき印紙税額の倍以上の金額を納めることになります。

譲渡所得税

一棟マンションの売却で利益が出た場合は、その利益に対して譲渡所得税として所得税や住民税、復興特別所得税が加算されます。譲渡所得税の計算式は、以下のとおりです。

① 譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)

② 譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率

取得費は一棟マンション購入時の金額ですが、相続した場合などで取得費が分からない場合は、売却価格の5%を取得費とします。譲渡費用は、売却するためにかかった費用のことです。

譲渡所得税の税率は、売却した一棟マンションの所有期間によって以下のように異なります。

区分 所有期間 所得税 住民税 復興特別所得税 合計
短期譲渡所得5年以下30%9%0.63%39.63%
長期譲渡所得5年超15%5%0.315%20.315%

※出典:No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁

譲渡所得税が発生する場合は、売却した翌年の確定申告時(原則2月16日〜3月15日)に納税します。

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その他の費用

売主が一棟マンション購入時にローンを利用していた場合、その金額を完済してから売却しなければなりません。金融機関などで完済手続きをするときには、手数料が発生します。

手数料の金額は機関によって異なりますが、3,000〜5,000円程度が目安です。場合によっては数万円かかる場合もあるため、金融機関に確認しましょう。一般の住宅ローンであれば、ネット申し込みをすると手数料が無料になるケースもあります。不動産投資物件の場合は金融機関によって異なるため、その点も含めて確認をしてください。

一棟マンションを売却するときの注意点

ここでは、一棟マンションを売却するときの注意点として、以下の3つを解説します。

  • 売却の目的・理由を曖昧にしない
  • 査定価格=売却価格ではない
  • 区分マンションや一戸建てと比べると売却しにくい

売却の目的・理由を曖昧にしない

一棟マンションを売却する際は売却の目的や理由を曖昧にせず、不動産会社に正しく伝えることが重要です。売却の目的によって、最適な売却戦略や条件が変わってくることがあるためです。

一棟マンションの購入希望者層は一般消費者ではなく投資家のため、通常の広告方法では反響がない場合もあります。また、隠さずに伝えることで信頼関係を築く一助となるでしょう。

査定価格=売却価格ではない

査定価格は、不動産会社の担当者が市場に出して3ヶ月程度で成約に至ると予想する価格です。あくまでも市場価格の相場であるため、そのまま売却価格になるわけではありません。

一棟マンションを売却するときは、不動産会社が提示した査定価格をもとに、売主の希望や事情を考慮して売却価格を決めます。つまり、売却価格の決定権は売主自身にあるため、提示された査定価格が低くても、売主の希望にあわせて売却価格を高くすることは可能です。

区分マンションや一戸建てと比べると売却しにくい

一棟マンションは、区分マンションや一戸建てと比べて売却が難しい傾向にあります。一棟マンションは区分マンションや一戸建てに比べると高額な取引であり、買主の要件が厳しくなることが多いからです。

また、区分マンションであれば大規模修繕工事の対応をせずに済みますが、一棟マンションでは対応が必要になる場合もあります。一棟マンションの売却には事前準備と売却戦略が必要であり、適切な不動産会社のサポートが必要です。売却難易度を理解し、現実的な目標を持ちながら売り出しましょう。

一棟マンションを高く売るコツ

ここでは、一棟マンションを高く売るコツを5つ紹介します。

  • 自分でも情報収集しておく
  • 物件の外観や管理状態などの価値を高めておく
  • なるべく満室の状態を保つ
  • 一棟マンションの売却に強い不動産会社に依頼する
  • 複数の不動産会社に査定依頼する

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自分でも情報収集しておく

一棟マンションの売却を成功させるには、売主自身が不動産市場の動向や物件の相場について情報収集しておくことが大切です。知識がないまま不動産会社に任せると、不利な条件で売却が進む可能性があります。

国土交通省の不動産情報ライブラリや、レインズ・マーケット・インフォメーションなどを活用して、近隣の取引事例を調べておくと良いでしょう。

また、不動産投資に関するニュースや市場レポートにも目を通しておくと、交渉の場での判断材料になります。なお、ホームズではプライスマップというサービスを提供しており、蓄積された豊富なデータからエリアごとのマンションの参考価格を確認できます。

物件の外観や管理状態などの価値を高めておく

物件の第一印象は、査定価格や買主の購入意欲に影響します。外壁や共用部分が汚れていると、物件価値が低く評価されるケースがあります。

売却前に共用部分の清掃を行い、外観を整えておくことが大切です。照明の交換やゴミ置き場の清潔感を保つだけでも、印象は大きく変わります。管理状態の良さは、買主に「安心して購入できる物件」という印象を与え、交渉でも有利な立場につながるでしょう。

なるべく満室の状態を保つ

満室の一棟マンションは魅力的な投資対象として、買主側の購入意欲を高めます。投資目的で購入する以上、収益の見込める物件かどうかが重視されるためです。

空室が多い物件は家賃収入も少なくなり、収益性が悪いと判断されるおそれがあります。売却を検討している場合は、なるべく満室の状態を保つことを心がけましょう。積極的な入居者募集や退去者への迅速な対応、入居率向上のための改善策などを検討し、安定したキャッシュフローを示すことが売却時の評価を高めるポイントとなります。

一棟マンションの売却に強い不動産会社に依頼する

一棟マンションの売却は複雑な手続きや専門的な知識が必要であるため、専門の不動産会社に依頼しましょう。同じ「売却」でも、区分マンションと一棟マンションでは購入希望者層や営業方法も異なります。

売却に関するアドバイスや適切なサポートを受けるために、一棟マンションの取扱い実績が多い不動産会社を選びましょう。取扱い実績を調べたい場合は、不動産会社のホームページに掲載されている過去の取引実績から確認できます。

複数の不動産会社に査定依頼する

一棟マンションの査定依頼をする場合、複数の不動産会社に依頼することでより適切な査定価格を知ることができるでしょう。1社に絞って査定依頼をした場合、提示された査定価格が適正であるか判断できません。

相場より異常に高い査定価格を提示する不動産会社に依頼してしまうと、売却期間が長期化するなどのリスクがあるため注意が必要です。一棟マンションの売却は大きなお金が動くため、相場を把握したり提示された価格が妥当か判断したりするためにも、複数の不動産会社に依頼して比較検討しましょう。

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一棟マンション売却に関するよくある質問

一棟マンションを売却する際に入居者への立ち退き・通知はどうする?

一棟マンションを売却する際、原則として入居者に立ち退きを求める必要はありません。賃貸借契約は、所有者が変わっても契約がそのまま引き継がれます。

ただし、所有者が変わる旨は入居者に通知することが望ましいです。新しい所有者への家賃振込先の変更や、管理会社の変更などを入居者に伝えるため、決済・引渡し後に書面で通知するのが一般的です。入居者への対応については、事前に不動産会社や弁護士に相談しながら進めましょう。

マンションの一室を分割して売却することは可能?

一棟マンションの売却では、一室を分割して売却することも可能です。ただし、一棟マンションの一室だけ分割して売る場合は、部屋ごとに所有権を分割し登記し直さなければなりません。この手続きは区分登記と呼ばれており、土地家屋調査士に依頼して行うことになります。

区分登記は、一般的に数十万円という大きな費用がかかる手続きです。資金調達を目的に一室を売却したいのであれば、その費用を計算しておかないと赤字になる可能性もあります。

一棟マンションを売却する際の期間はどれくらい?

一棟マンションを売却する際の期間は、物件の状態や市場の需給バランス、価格設定などによって異なりますが、一般的には3〜6ヶ月が目安とされています。分譲マンションの売却時と同じだけの期間がかかります。

ただし、所有している一棟マンションの売却条件が良くないと購入希望者の目に映る場合は、長期化することも考えられます。その場合は売却価格を値下げしたり、内覧対応を見直したり、不動産会社の変更をしたりして対策しましょう。

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一棟マンションの売却を検討するなら一括査定がおすすめ

一棟マンションの売却では、通常よりも大きなお金が動きますが、売却タイミングや流れ、必要な費用・税金などの項目はほとんど同じです。ただし、一棟マンションの購入希望者層は投資家になるため、入念に売り出し価格や販売戦略を立てる必要があります。

所有している一棟マンションをできるだけ早く、高く売却するには、一棟マンションの売却に強みがある不動産会社を選ぶことが重要です。なるべく複数の不動産会社に査定を依頼して、自分に合う担当者を見つけましょう。

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初回公開日:2023年9月1日

記事執筆・監修

矢野 秀一郎(やの しゅういちろう)

不動産会社で2社勤務。1社目では時間貸駐車場の開発営業を中心に携わり、2社目では不動産売買の仲介営業や、一戸建ての分譲工事のプロジェクト、および新築・リフォーム工事の現場監督など、幅広く業務を担当。現在はフリーのライターとして不動産や金融に関する内容を中心にライティング・記事監修を実施。