就職や大学進学などのタイミングで一人暮らしを始める際、どのくらいの費用がかかるのか気になるところです。食費や光熱費などの生活費はもちろん、毎月の家賃、契約の際の初期費用などをシミュレーションしてみましょう。

※「家計調査」および「民間給与実態統計調査」は編集部にて2025年5月時点に更新
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一人暮らしのシミュレーション

 

賃貸物件に住む場合、一般的に家賃は収入の25%程度に収めると無理なく支払えるとされています。

 

仮に年収200万円であれば、25%は50万円なので、家賃は4万1,600円程度までが無理のないラインとなります。

 

国税庁の「民間給与実態統計調査(令和5年分)」によると、給与所得者の平均年収は460万円とされています。この収入の25%程度が家賃と考えると、約9万6,000円を家賃にあててもよさそうです。

 

では、実際には収入に対してどのくらいの金額を家賃にあてているのでしょうか。

 

2018年にLIFULL HOME’Sが首都圏、京阪神の賃貸物件で一人暮らし、または二人暮らしをしている人を対象に行った調査の結果が以下です。

年収

家賃の平均額(年収に対する割合)

200万円未満

5万3,000円(32.0%)

200万円以上300万円未満

6万円(28.8%)

300万円以上400万円未満

6万8,000円(23.3%)

400万円以上500万円未満

7万3,000円(19.6%)

500万円以上600万円未満

8万円(17.4%)

600万円以上

8万8,000円(12.5%)

296人が回答した家賃から平均額を出し、収入別にまとめています。( )内は、年収のうち家賃が占めている割合です。参照:「【収入別】家賃は収入の何パーセントまで? 1人暮らしの実態調査」(LIFULL HOME’S調べ)

 

この調査結果を見ると、年収が低いほど収入に占める家賃の割合が高くなり、年収300万円以上を境に目安とされている年収の25%を下回るようになります。

 

年収300万円台の人が無理なく支払える家賃をおおむね7万円とした場合、どのような物件を借りられるでしょうか。

 

物件タイプや生活費をシミュレーションした「家賃7万円で一人暮らしは実際きつい? 必要な手取りや年収、生活費の目安をシミュレーション」という記事もありますので、該当する人はチェックしてみてくださいね。 

 

一人暮らしにぴったりな物件 家賃相場を調べる

一人暮らしの生活費

 

総務省の「家計調査 家計収支編(2024年調査)」によれば、単身世帯の生活費として1ヶ月にかかる費用の平均額(住居費を除く)は、項目別に以下のようになっています。

食費

4万3,941円

光熱・水道代

1万2,816円

家具・家事用品費

5,822円

被服および履物費

4,881円

交通・通信費

2万418円

保健医療費

8,394円

教養・娯楽費

1万9,519円

交際費

1万3,897円

その他

1万6,478円

合計

14万6,166円

こちらはあくまで平均額なので、実際は年齢・収入・生活する地域などによっても異なります。

 

平均額を目安としながらも、自分の収入や状況によって、節約できる項目・お金をかけるべき項目を考えましょう。

 

若い世代(34歳以下)の平均支出額や、手取り額から見た家賃や生活費については「一人暮らしの生活費は平均いくら? 無理のない家賃設定と節約のコツ」で紹介しています。 

 

また、大学生の平均支出額や平均家賃については「大学生の一人暮らし、生活費はどのくらいかかる? 家賃・初期費用も併せて解説」で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。 

 

家賃・賃料6万円以下の快適物件

内見

 

初めて一人暮らしを始めるときには、敷金・礼金といった賃貸借契約に必要な費用のほか、引越し費用や家具・家電の購入費用がかかります。

賃貸借契約に必要な初期費用

 

敷金、礼金、仲介手数料、日割り家賃・前家賃、火災保険料、鍵の交換代などが含まれます。

 

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物件によっては敷金・礼金がかからないところもありますし、別途保証会社の利用料などが発生することもあるので金額に幅がありますが、だいたい家賃の4〜6ヶ月分が初期費用の相場です。

 

仮に家賃6万円の物件であれば、初期費用として24万〜36万円程度はみておきましょう。

 

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引越し代

 

時期や荷物の量、距離などによって差がありますが、単身者向けの引越しパックを利用すれば数万円程度で済むケースもあります。

 

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家具・家電の購入費用

 

こちらも機能やグレードなどによって差が大きいですが、一から新しいものをそろえる場合は20万円程度かかると考えておきましょう。

 

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以上のことを踏まえると、家賃6万円の物件で一人暮らしを始める場合、契約にかかる初期費用が36万円程度かかるのに加えて、数万円程度の引越し費用、家具・家電購入のための20万円を合わせて、60万〜70万円はかかると考えられます。

 

ちなみに 、2022年3月にLIFULL HOME’Sが賃貸物件で一人暮らしをしている男女を対象に行った調査によると、一人暮らしで欠かせない家具・なくてもよかった家具の回答結果は以下のようになっています。

Q.一人暮らしで欠かせない家具は?

1

カーテン

60.7%

2

ベッド

46.9%

3

ローテーブル・ちゃぶ台

31.4%

4

椅子・スツール

25.8%

5

パソコンなどの作業用デスク

24.8%

6

ラグ・カーペット

24.1%

7

ソファー

16.7%

8

ダイニングテーブル

13.4%

Q.一人暮らしでなくてもよかった家具は?

1

ソファー

25.2%

2

ダイニングテーブル

21.6%

3

パソコンなどの作業用デスク

17.5%

4

ラグ・カーペット

17.4%

5

椅子・スツール

14.5%

6

ローテーブル・ちゃぶ台

13.3%

7

ベッド

11.2%

8

カーテン

2.2%

賃貸物件に住んで3年以内で、自分の収入のみで生活し、「節約している」と回答した一人暮らしの20-49歳の男女のアンケート調査の結果です。参照:引越し費用を抑えるには? なくてもよかった家具家電は? 一人暮らしの費用を抑える住まいの工夫を調査(LIFULL HOME’S調べ)

 

カーテンとベッドが約半数の割合で欠かせないと答えている一方で、ソファーやダイニングテーブルは準備したもののなくてもよかったと感じている人が多いことが分かります。

 

スペースに限りのある一人暮らしの部屋では、場所を取る家具の購入可否は慎重に判断したほうがいいでしょう。

 

敷金礼金0(ゼロ・なし)物件

一人暮らし費用のシミュレーション

 

国税庁の「民間給与実態統計調査(令和5年分)」によると、初めて一人暮らしをする人が多い20代前半の平均年収は267万円とされています。

 

月額に換算すると22万2,500円です。ただし、これはあくまでも税金や各種保険料などを差し引く前の額面給与のため、この75〜85%が実際に受け取れる給与(手取り)です。

 

つまり、20代前半の人の手取りの平均は17万〜19万円程度と計算できます。

 

家賃は収入の25%程度に抑えるのが目安です。ですから、月収22万5,000円の人であれば、家賃は5万6,000円程度に収めるといいでしょう。

 

この数字を基に月収22万5,000円、手取り18万円の人の生活費をシミュレーションしてみると、だいたい以下のようになります。

 

生活費は、先に紹介した総務省の「家計調査 家計収支編(2024年調査)」の単身世帯の平均額を基にしています。

家賃

5万6,000円

食費

3万5,000円

光熱費・水道代

1万円

家具・家事用品費

5,000円

被服および履物費

5,000円

交通・通信費

2万円

保健医療費

6,000円

教養・娯楽費

1万5,000円

交際費

1万円

合計

16万2,000円

手取りが18万円とすると2万円程度は手元に残るので、貯蓄やその他の出費に回すことができます。

 

家賃・賃料5万円以下の物件

一人暮らしの費用を抑えるポイント

 

手取り18万円くらいであれば計画的にやりくりすることで、貯金する資金なども捻出できるでしょう。

 

しかし、もっと収入が少ない場合やお金をしっかりためたいという場合は、以下のようなポイントを押さえ、節約を心がけましょう。

ポイント

  • 外食を減らして自炊を増やし、食費を抑える
  • 電気、ガス、水道の無駄遣いをしない
  • 携帯電話は格安SIMなどを利用し、通信費を抑える
  • 冠婚葬祭など急な出費があった月は、他の支出を抑えるなどして調整する

また、家計簿をつけたり、買い物したときのレシートを取っておいたりして、自分が何にどのくらいお金を使っているのかを把握することが大切です。そのうえで何の出費が減らせそうかを検討しましょう。

 

なお、 さきほど紹介した賃貸物件で一人暮らしをしている人を対象にした調査では、一人暮らしで節約をしていると回答した人は50%を超えています。

 

具体的な節約方法や、節約してみて感じたリアルな声は以下のとおりです。

Q.節約するために実際にどんなことをやっているの?

1

ポイントやクーポンを利用する

54.3%

2

自炊をする

48.7%

3

クレジットカードや電子マネーなどキャッシュレスで買い物をする         

44.9%

4

安いお店で食材や日用品を買う

43.3%

5

外食を控える

36.8%

6

食材や日用品のまとめ買いをする

29.7%

7

不要な保険に入らない

27.1%

8

洋服など身に着けるものをできるだけ買わない

25.0%

 

9

格安SIM・スマホを利用している  

23.8%

10

デートや飲み会など交際費をできるだけ使わない

18.6%

11

安い電力・ガス会社と契約している

16.8%

12

フリマアプリで不要なものを売る

14.3%

13

美容にできるだけお金を使わない

13.3%

Q. 生活費のうち、削りたくないと思ったものは?

1

食費

32.2%

2

趣味費

31.9%

3

交際費(デートや飲み会など)

25.8%

4

美容費

17.3%

5

被服費(洋服やアクセサリーなど身に着けるもの)

14.1%

6

住居費

10.7%

7

日用品費

9.9%

8

通信費

9.7%

9

水道光熱費

9.6%

賃貸物件に住んで3年以内で、自分の収入のみで生活し、「節約している」と回答した一人暮らしの20-49歳の男女のアンケート調査の結果です。参照:みんなはどんな節約してるの? 一人暮らしの節約とお金に関する実態を調査(LIFULL HOME’S調べ)

 

食事にかかわる出費を抑えて節約している人が多い一方で、本音としては食費を削りたくないと感じている人が多いという結果でした。

 

やはり、暮らしの楽しみのひとつになる食事、そして趣味や交際にかかわるお金は制限なく使いたいと感じる人が多いことが分かります。

 

また、一人暮らしなど賃貸の失敗例が気になる方は「失敗例から学ぼう! 後悔しない賃貸物件選びのコツを5つの項目に分けて紹介」も併せてチェックしてみてくださいね。

 

賃貸物件を探す

一人暮らしの部屋選びのコツ

 

一人暮らしで節約をするなら、部屋選びも重要です。毎月の家賃がなるべく安い物件を選ぶことはもちろん、部屋の間取りや設備、環境によって生活にかかる支出が変わってきます。

 

以下のようなポイントを押さえて部屋を選びましょう。

ポイント

  • 駅から離れている、築年数が古い、1階などは比較的家賃が安い
  • 省エネタイプのエアコンやLED照明などが設置されていたり、冷暖房効率が良い間取りになっていたりすると光熱費を抑えやすい
  • インターネットやケーブルTV費用が家賃や管理費に含まれている物件なら、通信費を抑えられる
  • LP(プロパン)ガスよりも、都市ガスの部屋を選ぶとガス代を抑えやすい

また、敷金・礼金がゼロの部屋や、フリーレント(家賃無料)期間がある物件なら、初期費用をぐっと抑えられます。家具や家電にお金をかけたい、できるだけ節約したい、という場合にはこうした部屋も検討してみましょう。

 

そのほか女性限定(専用)の物件もあります。セキュリティ面が気になる人はこちらもチェックしてみてください。 

 

とはいえ、初めて賃貸物件を探すときは不安が多いもの。安すぎる物件はおとり物件の可能性もあります。

 

初めての一人暮らしでも大丈夫! 部屋探しを成功させる5つのコツ」では、一人暮らし初心者の人が部屋探しに失敗しないためのポイントをまとめています。 

 

敷金礼金0(ゼロ・なし)物件 フリーレント物件 家賃・賃料6万円以下の快適物件

 

※「家計調査」および「民間給与実態統計調査」は編集部にて2025年5月時点に更新

一人暮らし費用のシミュレーション

 

一人暮らしを始めるときは、月々の生活費がどのくらいかかるかシミュレーションしたうえで、無理なくやりくりできるように資金計画を立てましょう。また、家賃や生活費をできるだけ抑えるためには、部屋の選び方も重要です。

 

賃貸物件を探す

一人暮らしで最低限そろえておきたいものは次のとおりです。

  • 家具家電…寝具、照明、カーテン、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、エアコン
  • キッチン…やかんと鍋、包丁とまな板、お玉などの調理小物、一人分の食器
  • トイレとバス…トイレットペーパー、歯ブラシ、タオル、シャンプー・ボディソープ
  • 掃除用品…ぞうきん、ゴミ袋

詳しくは「一人暮らしに必要なものリスト…男女別のリストや費用を紹介」」をご覧ください。

一人暮らしをするときに最初に行うのは、自分が一人暮らしをしたときにかかる費用を知ること。費用は大きく分けて「初期費用」と「毎月かかる費用」の2つがあり、初期費用には、物件を契約するためにかかる費用、引越し費用、家具家電の購入費用などがあり、毎月かかる費用は生活費を指します。詳しくは「初めてでも安心! 一人暮らしの始め方・成功させるポイントを徹底解説」をご覧ください。 

成人年齢が18歳に引き下げられたことに伴い、18歳以上であれば本人が契約者となって賃貸借契約を結ぶことが可能になりました。ただし、契約の際には収入面の審査があるため、高校生や大学生が契約者となるのは現実的に難しい側面があります。詳しくは「成人年齢が18歳に。初めて賃貸借契約を結ぶときの注意点」をご覧ください。

アパートとマンションに明確な定義はないものの、一般的には木造や軽量鉄骨造の2階あるいは3階建ての共同住宅をアパート、RC造などの3階建て以上の共同住宅をマンションと呼んでいます。アパートのほうが建築コストを抑えられ、マンションのほうが共用部分の充実度が高い傾向にあることから、家賃や管理費はアパートのほうが安いことが多いです。詳しくは「賃貸マンション・賃貸アパートの家賃はどう決まる?」をご覧ください。 

 

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更新日: / 公開日:2020.12.24