人口は少ないが若い移住者に人気あり。変化しつつある鳥取県

鳥取駅前では某コーヒーショップオープン時の大行列が話題となった鳥取駅前では某コーヒーショップオープン時の大行列が話題となった

転勤などでこれまで縁もゆかりもない場所へ引越すことになったとき、引越し先の利便性はもちろん、どのような文化があるのかも知っておきたいところ。県民性や食べ物など、その土地の特徴になじめるかは、その後の生活を左右しかねない重要な要素だ。
今回は、現在鳥取県に住んでいる男女100人にアンケートを実施。鳥取県の特徴や魅力などについて聞いた。

鳥取県の人口は、2017(平成29)年推計人口では56万5,000人で全国最下位。人口密度は163.5人/km2で、東京都の6,168.7人/km2に比べるとおよそ40分の1である。全国チェーンのコーヒーショップが鳥取にだけないなど、自虐的なネタで注目を集めることもあったが、近年は出店が進み、鳥取駅前を中心に町並みも変わってきている様子だ。
県の発表によると、2018(平成30)年度の移住者数は2,157人で過去最多を記録。累計8,258人となり、2015(平成27)年度から5年間で8,000人を達成するという目標を1年前倒しで達成した。移住者の7割近くが30代以下の世帯だという。ターゲット別のこまやかな移住支援に力を入れていることから、移住希望者の注目度が高いようだ。

控えめな県民性が影響? 大好きというほどではないけど…という人が多い結果に

まずは鳥取県についてどう思うか聞いてみた。回答者のうち、90%以上が5年以上鳥取に住んでいる人だったが、結果はグラフ1のようになった。
最も多かったのは「住んでいることに満足しているし、結構好きだ」で41%、次に多いのが「好きでも嫌いでもないけど、どちらかと言うと好きな方だ」で31%と、愛しているというほどではないけれど、嫌いではない、という人が大半を占めている。
後述するが、鳥取県民は穏やかで控えめな人が多いという。それが結果にも表れているのかもしれない。

では、鳥取県を好きな理由を見ていこう。
最も多くの人が挙げたのは「自然が豊か」という回答だった。鳥取砂丘以外にも美しい海岸や、中国地方最高峰の大山に代表される山々もある。また、そうした自然の恵みである「食べ物がおいしい」という声も多かった。中には「星取県と銘打っているだけあり、夜空の澄んだ星など夜景が尋常でなく、この地に住んでよかったと思う」という回答も。鳥取県はどの市町村からも天の川が見え、流れ星も見えやすいそうで、「星取県」と名乗って星にちなんだプロモーションを行っている。鳥取に訪れた際には、ぜひとも夜空を見上げてみてほしい。

また、「治安が良い」ことも理由として挙げられた。鳥取県で発生した住宅に侵入しての窃盗事件について、犯人の侵入方法の約6割が施錠されていない扉や窓からだったという(鳥取県警平成29年犯罪統計書より)。治安が良いために戸締まりが緩くなりがちなのかもしれない。
ほかには、冒頭にも紹介したように、「人が少ない」ということを挙げる意見もあった。ゴミゴミとした都会の雰囲気が好きではない人には、メリットと感じられるのではないだろうか。

嫌いな理由としては、交通の便の悪さなど利便性の面を挙げる人が多かったが、特徴的だったのは「雪が降る」。鳥取県は中国地方で唯一、全域が豪雪地帯となっている。鳥取地方気象台によれば、年平均気温の平年値は14.9℃。同じ日本海側の新潟県が13.9℃である。砂丘の暑そうなイメージとは逆に、冬は比較的寒くなる地域と考えた方がよさそうだ。

グラフ1:鳥取県についてどう思っていますか? 最も近いものを選んでください。(N=100)グラフ1:鳥取県についてどう思っていますか? 最も近いものを選んでください。(N=100)

便利な鳥取や米子、「山陰の小京都」倉吉は暮らしやすさで人気

続いて、普段利用している最寄り駅周辺のエリアについてもどう思っているか聞いてみた。全体の傾向としては前述の県に対する印象と似た結果となった。また、鳥取県は大きく東部・中部・西部の3つに分けられるので、地区ごとにも集計してみた(グラフ2)。各地区で比較的似た結果になったが、東部・中部に比べて西部の「ここに住んでいることに満足しているし、結構好きだ」と答えた割合が低いことが特徴的だ。

「愛してる」「結構好き」「どちらかといえば好き」と答えた人の割合が多かったのは、鳥取駅、米子駅、湖山駅、三本松口駅、倉吉駅周辺エリアだった。
理由としては、「近隣にあらゆる公共機関や施設が揃っている」「車がないと不便なところもあるが静かで暮らしやすい」(鳥取駅)、「交通の便がよく適度に都会」(米子駅)、「公共交通機関は少しだけど車があれば近くにスーパー、病院など揃っていて便利だから」(湖山駅)、「周りにコンビニやスーパーなどいろいろあるから」(三本松口駅)、「交通網が整備され商業施設が増えている」「農産物の特産品も西日本で有数のものがある」「車に乗って遠くに行かなくても生活に困らない」(倉吉駅)と、交通や買い物の便を挙げる人が多かった。

一方、嫌いだと答えた人の割合が多かったのは伯耆大山駅周辺エリア。理由は「田舎だから」「変化がなく退屈感があるから」など、まちとしてつまらないと感じている人が多いようだった。だが、「治安も良く安心感がある」「大山が近い」など、治安の良さや自然の豊かさは良いところとして挙がった。少々不便さはあるかもしれないが、大山のふもとで静かに暮らしてみたいという人には悪くないエリアかもしれない。

冒頭で紹介したように、移住者が増えている鳥取県。移住人数を市町村別に見てみると、鳥取、米子、倉吉、境港の4市が多い。今回の調査で挙がったのも鳥取市と米子市の駅がほとんど。これらのまちは、県外の人から見ても住みたいと感じる魅力があるようだ。

グラフ2:お住まいのエリア(最寄り駅周辺)についてはどう思っていますか? 最も近いものを選んでください。(N=100)グラフ2:お住まいのエリア(最寄り駅周辺)についてはどう思っていますか? 最も近いものを選んでください。(N=100)

隣の県には負けたくない! ライバル意識の理由とは

鳥取県といえば、隣の島根県とのライバル関係が有名だ。実際のところ、鳥取の人たちはどう思っているのだろうか? あらためて聞いてみた。

■「ここには負けていない!」「負けたくない!」と思う、ライバル都道府県はどこですか?(N=100)
1位:島根県…50票
2位:ライバル都道府県はない…40票
3位:石川県…2票
4位:その他(北海道、宮城、秋田、山形、静岡、兵庫、岡山、広島)…各1票

結果を見ると、やはり島根県との因縁はあるようだ。
理由として最も多いのは「隣だから」。次いで「間違えられたくない」という回答が多かったのを見ると、同じ山陰地方で隣り合っているために間違える人が多く、その経験が積もり積もってライバル意識へと発展しているものと考えられる。

島根県に負けていないと思う点としては「人口は少ないが、観光地がたくさんある」「鳥取のほうが、関西に出やすい!」「島根県よりは運転もしやすくて住むのにはいいと思う」という意見が聞かれた一方で、「人口日本一少ない県か、日本一高齢者が多い県か、どっちもどっちだと思う」「特に張り合ってないし一緒に協力するほうが有意義に思います」との冷静な意見もあった。

島根県の人口は67万8,000人と推計されている(出典:平成29年人口動態統計月報年計(概数)の概況)。観光庁が取りまとめている全国観光入込客統計(平成29年年間値)によると、観光地点数(※)は鳥取が132、島根が184。訪問観光客の消費金額を見ても、外国人観光客の消費金額は鳥取のほうが多いものの、総合的には島根のほうが多く、少々水をあけられているのが現状のようだ。
ちなみに石川県をライバルとした人は、松葉ガニをはじめ「魚介類は鳥取のほうがおいしい」という理由だった。
※この調査における「観光地点」とは、①非日常利用が多い(月1回以上の頻度で訪問する人数の割合が半分未満)と判断される地点である②観光入込客数が適切に把握できる地点である③前年の観光入込客数が年間1万人以上、若しくは前年の特定月の観光入込客数が5千人以上であるという要件を満たすものと定義されている。

では、そんな鳥取県民の誇る、知る人ぞ知る(?)おすすめスポットを聞いてみよう。

「海が透明できれいで、透明なカヌーに乗って海の美しさを堪能することができる」という「浦富海岸」(岩美町~福部町)。東西15kmに及ぶ長い海岸で、途中にある「西脇海岸」や「城原海岸」もそれぞれ絶景ポイント。宮城県の松島のような光景も見られるという。
また、大山から湧き出る「天の真名井」(米子市)は地元が誇る名水。米子市は水道水もおいしいといわれているそうだ。

歴史的建造物もある。「白壁土蔵群」(倉吉市)は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、赤瓦に白い漆喰壁の建物が立ち並ぶレトロな町並みが人気だ。現在は飲食店や土産物屋が入っており、「タピオカがおいしい」という情報も寄せられた。

童謡・唱歌をテーマとした「わらべ館」(鳥取市)やカニが主役の水族館「とっとり賀露かにっこ館」(鳥取市)をおすすめスポットとして挙げた人もいた。鳥取県にはほかにも、日本唯一の梨をテーマにした施設「鳥取二十世紀梨記念館なしっこ館」(倉吉市)や「水木しげる記念館」(境港市)、「青山剛昌ふるさと館」(東伯郡北栄町)といった漫画家の記念館など、ユニークなミュージアムがあるようだ。

また、ラーメン店を挙げる人も多かった。実は鳥取県では豚骨ならぬ「牛骨ラーメン」が食べられる。鳥取県のほかにはあまり見られないそうなので、ぜひ一度食べてみてほしい。

素晴らしい景観が楽しめる浦富海岸素晴らしい景観が楽しめる浦富海岸

学校給食に特徴あり? 鳥取県民あるある

鳥取県を象徴する鳥取砂丘だが、県民はあまり訪れないのだという鳥取県を象徴する鳥取砂丘だが、県民はあまり訪れないのだという

最後に、鳥取県民にとっての「あるある」をランキング形式で紹介しよう。今回は食べ物に関する「あるある」が多く集まった。

■思わず「わかる!」と頷いてしまう鳥取県あるあるランキング(自由回答を集計)
第1位 砂丘にはそんなに行かない
第2位 牛乳といえば白バラ牛乳
第2位 のんびりしている、おとなしく人見知りな県民性
第4位 休みの日は近所のスーパーに集まる
第5位 スタミナ納豆を食べる
第5位 方言がかわいい

1位は、「砂丘にはそんなに行かない」。鳥取砂丘は東西に長い鳥取県の東側に位置するため、西側に住んでいる人は特に行きにくいようだ。「子どもの頃に遠足で行って以来、行ったことがない」という意見もあった。
2位は、「白バラ牛乳」。県内すべての酪農家が所属する協同組合組織「大山乳業」の牛乳で、学校給食でも出される。「とにかくおいしい!」というファンもおり、文房具やクッションなどのグッズが販売されるほどの愛されっぷりである。
同率2位は「のんびりしている、おとなしく人見知り」だという県民性についての意見。「街頭インタビューをやっていると避ける」という意見もあり、あまり目立ちたがらない人が多いようだ。鳥取県が好きな理由として「みんないい人で過ごしやすい」と書いていた人もいたが、このような県民性が心地よく感じられるのかもしれない。
4位は、「休みの日は近所のスーパーに集まる」。少し遠くのスーパーに行っても知り合いに会う、遊びに行く場所に困ったら近所のショッピングモールに行く、との声も寄せられた。
5位の「スタミナ納豆」は納豆が苦手な子どもでも食べられるようにと学校給食に登場したメニューで、隠し味としてタバスコを入れるのが特徴だ。同じく5位の「方言が可愛い」だが、鳥取県には東部の因州弁、中部の倉吉弁、西部の西伯耆方言と3種類の方言があるという。有名なのは「がいな(大きい、すごい)」「だらず(ばかもの)」という言葉や「~だっちゃ」という語尾など。方言と気づかずに使いがちなのが「すかる(もたれかかる)」だそうだ。雷のことを「どんどろけ」というのもどこか可愛らしい。

5位までに入らなかったが多かった回答が、「ちくわをよく食べる」。特に鳥取市でよく食べられているようで、総務省統計局が行った家計調査(二人以上の世帯)の品目別支出金額の「ちくわ」の項目で、鳥取市は2016~2018年までの平均で1位を獲得。全国平均が1,693円なのに対し鳥取市は3,534円という結果だった。鳥取市では豆腐と魚のすり身を混ぜた「とうふちくわ」がよく食べられているそうだ。
ちくわと同数だったのが「給食に松葉ガニが出る」。鳥取県の岩美町では、中学3年生に年1回だけ松葉ガニの給食を提供しているという。地元の名産を味わい、わが町に誇りを持ってほしいとのことで行われているそうだが、何とも羨ましい話である。


自然が豊かなのはもちろんのこと、地元産の食べ物もたくさんあり食文化も豊かな鳥取県。住んでいる人たちは、多少の不便さはあるにしても、自然の中で穏やかな生活を楽しんでいることがうかがえる結果となった。
人が多すぎる都心での生活に追われたくないという人は、鳥取での生活が心地よく感じられるかもしれない。

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【調査実施期間】
2019年8月21日~8月22日
【調査対象者】
現在鳥取県に在住している19歳~65歳までの男女
【調査方法】
インターネット調査
【有効回答数】
100サンプル

※データ使用や詳細データのお問合せはhomes-press@LIFULL.comまでご連絡ください。

2019年 10月09日 11時05分