島根県には何がある?

今回のランキングは、中国地方の北部、日本海に面し東西に長く伸びている島根県について調べてみた。
島根県は出雲大社がある出雲地方、世界遺産に認定された石見銀山がある石見地方、日本海の島々の隠岐諸島を抱える隠岐地方と、旧国名の出雲国、石見国、隠岐国という呼び名の名残をとどめたままの3つ地域に分かれている。
近年は若年層の人口流出が多く、人口が70万人を割るなど人口減少や高齢化が問題になっている地方だ。
島根県に長く住んでいる人は島根県をどう思っているのだろう。島根県に5年以上住み続けている人たちに質問をして、この歴史ある土地、島根県の魅力を探ることにした。

出雲大社拝殿の注連縄出雲大社拝殿の注連縄

好感度は80%以上だが男女差に大きな開きが

グラフ1:島根県についてどう思っていますか?(n=380)グラフ1:島根県についてどう思っていますか?(n=380)

5年以上住んでいる人が、島根県にどの程度好感を持っているかを聞いてみた結果、「島根県を愛している・満足している」が46.3%、「どちらかというと好き」という答えまで含めると80.8%と、概ね好感を持っているということが分かった。しかし男女別で見ると男性が54.1%、女性が39.0%、その差は15.1ポイントと、これまで調査した埼玉県・滋賀県と比べると最も大きな差となっている。(※埼玉県では男性が6.0ポイント女性を上回っており、滋賀県では女性が1.7ポイント男性を上回る結果となっている。)

「今すぐ出て行きたい・機会があれば他県へ住み替えたい」と思っている人は14.5%と、これもまた埼玉県の13.1%・滋賀県の10.0%を上回る結果となった。回答者のうち、島根県に30年以上住んでいる人は全体の58.7%とおり、これまでの調査と比べると、居住年数が長い人は多いが、居住県に対しての好意が少し低めの結果となった。(グラフ1参照)

出雲大社に神様。これでももう間違えない!?島根と鳥取の見分け方

しかし8割の人は島根県に好感を持っている。島根県のどこを気に入っているのか聞いてみた。
1位には「のんびりとしていて、落ち着いた空気」という回答が193票と最も多く50.8%を占めた。14ポイント引き離された2位に「海、山など自然が多い」が入り、次いで3位は「食べ物(海の幸)が美味しい」が入った。
上位3位までが100票以上を獲得しており、4位以下は大きな差がないのが特徴だ。
もう一つ特徴的なのが6位、9位、10位の結果だ。「出雲大社」や「神話」「神社仏閣」などの神様にまつわる点が評価のポイントにつながっている。実は圏外ではあるが11位には、そのものずばり「神様が多い」が入っていた。10月の島根県は、八百万神(やおよろずのかみ)が全国から集うため「神無月」ではなく「神在月(カミアリヅキ)」と言っている。時には、県民より神様の方が多いのでは、などと言われたりするほど、神様がたくさん集まってくる土地として認識されているのだ。

■島根県の気に入っているところランキング ベスト10(複数回答可最大3つまで n=380)

第1位  のんびりとしていて、落ち着いた空気 50.8%(193票)
第2位  海、山など自然が多い 36.8%(140票)
第3位  食べ物(海の幸)が美味しい 33.2%(126票)
第4位  海がきれい 15.5%(59票)
第5位  水道水が美味しい 15.5%(59票)
第6位  出雲大社がある 15.0%(57票)
第6位  人が優しい 15.0%(57票)
第8位  お米が美味しい 13.4%(51票)
第9位  神話も多く歴史的に面白い 12.6%(48票)
第10位  神社仏閣・遺跡が多い 8.4%(32票)


一方、残念なところランキングでは38.9%の人が「遊びに行く場所が少ない」と回答しており、次いで25.5%の人が「若い人が少ない」と答えている。2015年10月の国勢調査速報値で人口は70万人を割り込み、全国46位となっている。進学・就職による転出超過が多いことがその要因のようだ。(平成27年『島根県人口ビジョン(案)』 )

その他自由回答では、高速道路が未整備、新幹線が通っていない、公共交通機関の本数が少ない、など交通インフラへの課題があげられていた。県外への移動は出雲空港から東京(羽田)、大阪(伊丹)、名古屋(小牧)、福岡、札幌(新千歳)へ行き来できる状況だが、それでも5位に「県外から訪れるのが大変」がランクインしてしまい、それが8位の「島根県自体があまり知られていない」や9位の「日本のどこにあるか知られていない」といった知名度の低さにもつながっているのかもしれない。「どこにあるのかよく知らない都道府県」ランキング(Jタウンネット提供)でも、残念なことに1位を獲得してしまっている。

■島根県の残念なところランキングベスト10(複数回答可最大3つまで n=380)

第1位  遊びにいくところが少ない 38.9%(148票)
第2位  若い人が少ない 25.5%(97票)
第3位  アピールが下手だと感じる 22.1%(84票)
第4位  人口が少ない 21.6%(82票)
第5位  県外から訪れるのが大変 21.1%(80票)
第6位  民放のテレビ局(地上波)が少ない 20.3%(77票)
第7位  地味である 20.0%(76票)
第8位  島根県自体があまり知られていない 18.9%(72票)
第9位  日本のどこにあるか知られていない 15.5%(59票)
第10位  鳥取県と間違えられる 12.9%(49票)


「残念なところランキング」の10位にも入っている「鳥取県と間違えられる」問題。隣同士、似ていると言われる両県だが、これを解決するために、島根県民に「鳥取県との違い」について聞いてみた。ぜひこの機会に違いを覚えて頂ければと思う。

圧倒的に多かったのがやはり「出雲大社」だ。それに付随して「神様」や「歴史」といったキーワードも頻出していた。一方の鳥取は、「砂丘」があることが特徴としてあげられており、また「妖怪」といったキーワードもちらほら見受けられた。
これで「出雲大社と神様」推しが島根県、「砂丘と妖怪」推しが鳥取県、という明確な違いを得ることができた。しかし念のため、違いは「特になし」といった回答もそれなりに多かったことも添えておこう。(図2参照)

図2:島根県と鳥取県の違いを一言で教えてください(自由記入n=380)<br>
(株式会社ユーザーローカル社「テキストマイニングツール」利用)
図2:島根県と鳥取県の違いを一言で教えてください(自由記入n=380)
(株式会社ユーザーローカル社「テキストマイニングツール」利用)

島根県を代表するオススメスポットや有名人は?

宍道湖の夕日宍道湖の夕日

次に島根県内で遊びに行く時のオスススメスポットを聞いてみた。
圧倒的1位の「出雲大社」(61.8%)に続き、2位の「松江城」(35.0%)と、国宝の建造物がトップ2となった。2007年にユネスコの世界遺産に登録された「石見銀山遺跡」(※登録されたのは正確には「石見銀山遺跡とその文化的景観」)も10位に入っている。
3位の「しまね海洋館アクアス」(24.5%)は、以前ソフトバンクのCMで使用されたバブルリングのパフォーマンスをするシロイルカがいることで有名だ。「しまね海洋館アクアス」は男女ともに3位だが、男性18.9%に比べ、女性29.7%と、10.8ポイントの差がでており、女性の評価が高いスポットと言える。5位の「隠岐の島」は、男性だけで見ると「しまね海洋館アクアス」と同率の3位となっている。カヌーやカヤック、スキューバーダイビングなどができるのが男性に人気の理由かもしれない。

■遊びに行く時のオススメスポットランキングベスト10(複数回答可最大3つまで n=380)

第1位 出雲大社 61.8%(235票)
第2位 松江城 35.0%(133票)
第3位 しまね海洋館アクアス 24.5%(93票)
第4位 足立美術館票 17.6%(67票)
第5位 隠岐の島票 17.1%(65票)
第6位 宍道湖 13.9%(53票)
第7位 玉造温泉 12.9%(49票)
第8位 松江堀川遊覧船 10.3%(39票)
第9位 松江フォーゲルパーク 10.0%(38票)
第10位 石見銀山遺跡 8.4%(32票)



島根県を代表する有名人についても聞いてみた。
第1位は、リオオリンピックのテニス競技で96年ぶりに日本にメダルをもたらした「錦織圭」さんが入った。2位の「竹内まりや」さんは40代以上の支持が高く、40代・50代では42.2%もあるが、20代・30代では20.9%と、21.3ポイントもの差が出ている。これは島根県だけではないが、もしかしたら20代・30代の中には「竹内まりや」さんの旦那さんが「山下達郎」さんということすら知らない人もいるのではないだろうか。さらに6位には「しまねっこ」、7位には「島根の吉田くん」と、島根を応援するキャラクターがランクインしている。

■島根県の有名人といえば?ランキングベスト10(複数回答可最大3つまで n=380)

第1位 錦織圭 74.5%(283票)
第2位 竹内まりや 33.7%(128票)
第3位 佐野史郎 21.8%(83票)
第4位 江角マキコ 21.3%(81票)
第5位 竹下登(竹下元首相) 19.2%(73票)
第6位 しまねっこ 18.9%(72票)
第7位 島根の吉田くん 17.1%( 65票)
第8位 宮根誠司 13.7%(52票)
第9位 錦織健 9.2%(35票)
第10位 田中美佐子 8.4%(32票)


そして島根県のイメージと言えば?

図3:島根県といえば「○○!」。思いつく○○を教えてください(自由記入 n=380)
<br>(株式会社ユーザーローカル社「テキストマイニングツール」利用)
図3:島根県といえば「○○!」。思いつく○○を教えてください(自由記入 n=380)
(株式会社ユーザーローカル社「テキストマイニングツール」利用)

最後にこのランキング恒例の【島根県といえば?】という抽象的な質問を聞いてみた。

これも圧倒的に「出雲大社」であった。「縁結び」「神在月」「神話」といった出雲大社にまつわるワードも見られる。やはり「出雲大社」を始めとした「神話」など神様にまつわることが島根県の特徴だと県民も考えているようだ。
もう一方では「吉田くん」の名前も見られる。吉田くんは島根県吉田村出身という設定で、島根県を自虐的にPRしている「秘密結社 鷹の爪」のキャラクターだ。「いいえ、砂丘はありません」「日本で47番目に有名な県」を始めとした島根自虐ネタ満載の「島根自虐カレンダー」は2011年から始まり、今年で6年目を迎えた人気商品でもある。ちなみに今年2016年版のカレンダーは 、2500年前には最も文化の発達した地域だった(「古事記」や「日本書紀」より)として「島根都構想」を掲げていた。2016年もあと4ヶ月ほどなので、2017年の島根に期待したいと思う。(図3参照)

最近ではこうした自虐ネタで話題になることが多い島根県。
しかしこうしてアンケート結果を見ると、自虐になる必要があるのだろうかと、ふと思う。
10月になると日本中の八百万の神々が集まるという、出雲大社がある。最近では縁結びの神様やパワースポットとしても人気だ。オススメスポット2位にも入っている松江城は国宝にも指定され、6位の宍道湖の夕日の美しさは圧巻だと言う。

神々の集まる場所、島根県。
「神話の世界が今も息づいている」「神話の国、八百万の神が集う国」「神様に守られている感じがする」自由回答の中にはこんな内容がいくつもあった。
神話がまだまだ語り継がれて、幾多もの国宝や世界遺産を有し、歴史ある観光地がある神秘的で情緒あふれる土地。そんな場所でパワーを目一杯もらいながら、のんびりと過ごし、美味しいものを食べることができる。
この地は神々だけでなく、人を呼び寄せる魅力がまだまだあふれる県に思えた。

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調査概要
【調査実施期間】
本調査 2016年8月19日~8月24日
【調査対象者】
島根県に5年以上在住している20歳~59歳 男女
【調査方法】
インターネット調査
【有効回答数】
本調査380サンプル
※データ使用や詳細データのお問い合わせはhomes-press@next-group.jpまでご連絡ください。

2016年 09月21日 11時06分