世界的に見ても珍しい!?積雪の多い200万人都市「札幌」

広大な大地や大自然、農作物や海鮮などをはじめとする食の豊かさなど、日本有数の観光地の一つでもある北海道。その中でも北海道庁が置かれ、北海道の経済や産業の中心となっている都市が「札幌市」である。人口は2017年10月1日現在、約196万人と日本の主要都市の中では、名古屋市に次いで5番目の人口である。
全国の自治体の魅力度を「地域ブランド」として毎年順位付けを行っている民間企業の2017年度の調査結果によれば、都道府県別で「北海道」は、2009年から9年連続で1位となっており、都市別のランキングにおいても、札幌市は調査対象である国内1000の市区町村中、京都市(京都府)、函館市(北海道)に次いで3位と、調査開始以来、常に上位にランクインしている。

札幌市といえば、「積雪」も大きな特徴の一つである。札幌管区気象台の観測値によれば、札幌の1年間の平均降雪量は597cmにもなり、人口が100万人を超える大都市でこれほどの積雪がある都市は、世界的に見ても珍しいという。
冬の寒さや除雪など、雪が降らない地域と比べて冬の生活が大変であることは容易に想像できるが、実際に札幌に住んでいる人は、札幌のどのような点に魅力を感じているのだろうか。
今回は、札幌市に加え、札幌中心部の通勤圏内である11市町村(小樽市、岩見沢市、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村、南幌町、長沼町)を含めた"札幌都市圏"に5年以上住んでいる人に調査対象を絞り、その魅力について探ってみた。

札幌都市圏の交通の中心であるJR札幌駅。2003年に駅ビルである「JRタワー」が開業し、大型複合商業施設へと生まれ変わった札幌都市圏の交通の中心であるJR札幌駅。2003年に駅ビルである「JRタワー」が開業し、大型複合商業施設へと生まれ変わった

「札幌都市圏が好き」と回答した人の割合は94.8%!圏外の人におすすめしたい点とは?

グラフ1:札幌についてどう思っていますか?(N=530)グラフ1:札幌についてどう思っていますか?(N=530)

まず、札幌都市圏に対してどう思っているかを聞いた結果、「誰がなんと言おうと愛している」が14.6%、「住んでいる事に満足しているし、結構好きだ」が59.9%と、札幌都市圏に強い愛着を持つ人と住み心地に満足している人で74.4%を占めており、「好きでも嫌いでもないけど、どちらかというと好きな方だ」まで含めると、94.8%とほとんどの人が札幌都市圏に対して好感を持っている結果になった。(※グラフ1参照)
では、具体的にどのような点を気に入っているのだろうか。「札幌都市圏へ引越しを考えている人に教えてあげたい"おすすめしたい点"」から聞いてみた。

1位は「JR、地下鉄、市電、バスなど公共交通機関が整っている」で31.7%を占めた。その他の項目では、2位に「魚介類が美味しい」(24.6%)、5位「森、川、湖、海など自然が豊かである」(19.7%)など食材や自然の豊かさがランクインしており、札幌都市圏に好感を持つ理由として、食材や自然の豊かさよりも交通機関の利便性が勝る結果になった。降雪量が多い都市にも関わらず、住み心地に満足している人が多い理由には、天候に左右されにくい地下鉄をはじめ、街へアクセスしやすい交通機関の存在が大きいのかもしれない。

では反対に、アンケートから見えた札幌都市圏の"残念な点"についてはどうだろうか。
やはりというべきか、半分以上の56.8%の人が「冬の雪と寒さが大変」と回答しており、次いで「暖房費が高い」が36.7%、「雪解けシーズンになると道路が汚い」が26.2%と、冬の寒さに加え、雪の多い都市ならではの回答が上位を占めた。
意外な結果でいえば、8位の「エアコン付きの賃貸が少ない」(12.0%)という回答。北海道の夏は涼しく過ごせるイメージがあるが、近年その様相は変わってきている。気象庁の公表データによれば、札幌市における最高気温が25度を超す「夏日」は、2003年から2009年までは年間で34~59日間だったが、2010年~2016年は59~79日間となり、最高気温が30度を超す「真夏日」についても0~12日間が9~20日間に増えている。
北海道といえども、夏のクーラー無しというのは年々厳しさを増しているのかもしれない。


■札幌都市圏へ引越しを考えている人に教えたい、"ここがおすすめ"ランキング ベスト10
(複数回答可最大3つまで N=530)
第1位  JR、地下鉄、市電、バスなど公共交通機関が整っている 31.7%
第2位  魚介類が美味しい 24.6%
第3位  台風、地震などの自然災害が少ない 23.3%
第4位  夏が涼しく過ごしやすい 20.5%
第5位  森、川、湖、海など自然が豊かである 19.7%
第6位  大通公園や中島公園など公園が多い 17.3%
第7位  まちがコンパクトで便利である  15.9%
第8位  雪まつりやウィンタースポーツなど冬ならではの楽しみがある 15.2%
第9位  じゃがいもや玉ねぎなど野菜が美味しい 12.7%
第10位  歓楽街「すすきの」がある 12.4%


■札幌都市圏へ引越しを考えている人に教えたい"ここが残念"ランキング ベスト10
(複数回答可最大3つまで N=530)
第1位  冬の雪と寒さが大変 56.8%
第2位  暖房費が高い 36.7%
第3位  雪解けシーズンになると道路が汚い 26.2%
第4位  荷物の送料が離島扱いで高い 17.2%
第5位  広すぎて北海道内の移動が大変 16.7%
第6位  賃金に対して物価が高い 15.9%
第7位  仕事の選択肢が少ない  12.8%
第8位  エアコン付きの賃貸が少ない 12.0%
第9位  歴史的な観光名所が少ない 7.6%
第10位  国民健康保険料が高い 6.5%

札幌都市圏の"誇れるスポット"といえば?

では、長く札幌都市圏に住む人が自慢したいスポットにはどのような場所がランクインしているのだろうか。道外の人に紹介して恥ずかしくない、札幌都市圏の誇れるスポットを聞いてみた。
1位は札幌中心部を東西に横断するように位置する「大通公園」(15.2%)。誇れる理由には、「街中なのに広く見渡せる空が広くて気持ちがいい」、「都市のど真ん中に緑と噴水がある大規模公園は珍しい」、「都会の中のオアシス的存在だから」など、ビル街を断ち切るように広がる公園の希少性に魅力を感じる人が多かった。また、「季節ごとに様々なイベントがあり楽しめる」、「自然環境が整い、それにふさわしいイベントも多くていい」といった、季節毎に開催されるイベント頻度の高さが魅力という回答もあった。

今回のアンケート調査では、誇れるスポットとは別に、「札幌と聞いて思い浮かぶもの」について、自由記入で募集した。その結果を見てみると、誇れるスポットでランキング外だった「札幌時計台」という回答が多く寄せられた。(※図1参照)
"札幌らしさ"を象徴するイメージとして「時計台」を思い浮かべる人が多い反面、紹介して恥ずかしくないと思う人は多くないという現実…。巷では、日本三大がっかりスポットの一つとして揶揄されることも多い時計台だが、こうした自虐性を含めて"札幌のシンボル"なのかもしれない。

■あなたが道外の人に紹介して恥ずかしくない、札幌都市圏の誇れるスポットといえば?
(単一回答 N=530)
第1位  大通公園 15.2%
第2位  積丹半島 10.0%
第3位  小樽運河 6.0%
第4位  定山渓温泉 5.6%
第5位  北海道大学 5.5%
第6位  白い恋人パーク 4.5%
第7位  北海道神宮  4.1%
第7位  モエレ沼公園 4.1%
第9位  藻岩山 3.6%
第10位  滝野すずらん丘陵公園 3.2%

図1:「◯◯がなければ札幌じゃない!」あなたが札幌と聞いて思い浮かぶ◯◯とは?(N=530)<BR />
(株式会社ユーザーローカル社「テキストマイニングツール」利用)図1:「◯◯がなければ札幌じゃない!」あなたが札幌と聞いて思い浮かぶ◯◯とは?(N=530)
(株式会社ユーザーローカル社「テキストマイニングツール」利用)

地元密着型のコンビニへの好感も

グラフ2:ずばり、あなたが一番好きなコンビニは?(N=530)グラフ2:ずばり、あなたが一番好きなコンビニは?(N=530)

続けて、今や暮らしのインフラの一つになりつつあるコンビニについても聞いてみた。
単刀直入に一番好きなコンビニを聞いたところ、1位は「セブンイレブン」で40.3%。そして2位には北海道を中心に展開する「セイコーマート」(31.7%)がランクインし、この上位2つで全体の72.0%を占める結果となった。(※グラフ2参照)

セイコーマートは、1971年に札幌市内に1号店を出店したのがはじまりだ。セブンイレブンの1号店が1974年であるから、セイコーマートは日本で現存する最も古いコンビニなのだ。
今や国内外で約8万店舗以上を出店するセブンイレブンに対し、引けを取らないセイコーマート。北海道発のコンビニがここまで地元から好感を集める理由はどのような点にあるのだろうか。

セイコーマートが好きと回答した人の理由を見てみると、「他のコンビニよりも安くてプライベートブランド商品が豊富で品質が良い」、「弁当や惣菜パンがセブンイレブンに比べ2割以上安い」など、主に他コンビニと比べて低価格であることに魅力を感じる人がいる中で、注目したいのは企業に対する好感だ。
「地元密着。どんな田舎にも出店する根性がすごい!!」、「北海道の企業だから応援したいので」、「北海道にしかないことが何となくレア感がある(※)」など、地元札幌の企業として誇りを感じる人も多かった。
※2017年11月現在、セイコーマートは北海道以外に、茨城県に85店舗、埼玉県に11店舗を出店している。

思わずわかる!と頷いてしまう札幌あるあるとは?

雪の日に傘をさす人は負け?雪の日に傘をさす人は負け?

最後に、札幌都市圏特有の共通意識、いわゆる"あるある"ランキングを紹介しよう。
1位は、「『まちに行く』事は、札幌駅~大通り駅周辺に行く事」で、45.0%と半数近い票を集めた。他の都府県と陸続きで隣接しない広大な北海道の中で、北海道の主要な行政機関や大型商業施設が1ケ所にまとまった唯一の地域であることが、"まち"と呼ぶようになった所以なのだろうか。2位、3位、6位には、「丸井今井」、「みよしの」、「串鳥」といった北海道を中心に展開をする百貨店、飲食店がランクイン。
今回上位にランクインした回答の中でも、雪国以外に住む人にとって理解しがたいであろう"あるある"が、8位「雪が降る日に傘をさす人は負け」ではないだろうか。雨と違い、多少の雪ならば我慢できるということなのだろうか。

雪が多いにもかかわらず、9割以上の人が好感を持つ結果となった札幌都市圏。都市と調和する豊かな自然や新鮮な食材は、「四季の変化を楽しむ暮らし」をもたらしてくれる。その上、まちがコンパクトで交通機関が充実しており、災害が少なく安心して暮らせていると感じるのだから、札幌都市圏を好きな人が多いという結果もうなずける。札幌駅周辺は、2031年を目処に北海道新幹線が延伸される予定で多くの注目を集めている。本州からのアクセス手段が増え、札幌を起点に観光客などの多くの人が訪れることで、商業施設の増加やビルの建替えなどが今以上に進むことも考えられる。都市として発展をしつつも、札幌都市圏の大きな魅力や市民の誇りでもある公園や自然の多さという、"札幌ならではの良さ"は失って欲しくないと願う。

■思わず「わかる!」と頷いてしまう札幌あるあるランキング ベスト10
(複数回答可最大3つまで N=530)
第1位 「まちに行く」事は、札幌駅~大通り駅周辺に行く事(45.0%)
第2位 マルイといえば「丸井今井」(34.3%)
第3位 餃子といえば「みよしの」(28.3%)
第4位 「電車」ではなく「JR」(26.6%)
第5位 全国放送で活躍する大泉洋を見て感慨にふける(20.9%)
第6位 焼き鳥といえば「串鳥」(15.0%)
第7位 テレビ搭の有料展望台にのぼったことがない(13.9%)
第8位 雪が降る日に傘をさす人は負け(10.2%)
第9位 雪まつりの醍醐味は雪像解体(8.2%)
第10位 道外の人にこたつに入ったことがない事を信じてもらえない(7.8%)


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【調査実施期間】
2017年9月5日~9月12日
【調査対象者】
札幌都市圏(札幌市、小樽市、岩見沢市、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村、南幌町、長沼町)に5年以上在住している20歳~59歳までの男女
【調査方法】
インターネット調査
【有効回答数】
530サンプル

※本調査においては、事前調査から「札幌都市圏に5年以上居住している人」の性年代出現率を算出し、その比率に合わせて重みづけ(ウエイトバック)を実施して集計を行った。

※データ使用や詳細データのお問い合わせはhomes-press@LIFULL.comまでご連絡ください。

2017年 11月23日 11時00分