なぜ東京のファミリー賃貸はこんなに高い?
【今回ピックアップするニュース】
【賃料動向】東京23区ファミリータイプの掲載賃料は過去最高値を更新(LIFULL HOME'Sマーケットレポート2026年7月)
LIFULLが公表した「LIFULL HOME'Sマーケットレポート2026年7月」によると、東京23区のファミリータイプの掲載賃料は25万9,107円となり、過去最高値を更新した。前年同月比では9.2%上昇している。一方、実際にユーザーから問い合わせがあった物件の「反響賃料」は18万1,950円で、前年同月比3.6%増にとどまった。貸主側の募集賃料と借主側が反応する賃料の差が「ワニの口」のように広がっている状況だ。
そもそも東京23区では、ファミリー向け賃貸住宅の希少性が高い。土地価格や建築費が高い都心部では、賃貸住宅を開発する際にワンルームや1Kなど、面積を抑えて戸数を確保できるシングルタイプが供給されやすい。さらに近年はマンション価格の上昇によって住宅購入を見送る世帯も増え、ファミリー賃貸への需要を押し上げている。
今後も建築費や土地価格が大幅に下落しない限り、募集賃料は高止まりする可能性が高い。ただ、今回のデータが示すように、募集賃料の上昇に入居希望者の予算が追いついているわけではない。今後は「いくらまで上げられるか」ではなく、「実際に反響が取れる賃料はいくらなのか」を見極めることが、賃貸経営やリーシングでより重要になりそうだ。
「南智仁の賃貸ニュースピックアップ」について
不動産会社向けコンサルティング会社、株式会社南総合研究所の代表 南智仁氏が、賃貸業界に関わる方なら知っておくべきという観点でニュースを厳選し、豊富な経験に基づくコメントとともに伝えるコーナー。業界関係者はもちろん、賃貸住宅を探す人にとっても、重要な動きを理解できるほか、新たな視点を得ることができるはずだ。



