それぞれの生活スタイルにあった器具を使いこなす

今年(2015年)の夏は、東京で猛暑日が8日間続くという非常に暑いものだった。これは残暑も厳しいだろうと思っていたら、9月に入って一転。肌寒い日が続いた。
今年は早めに暖房器具を出そう、または買おうという人も多いだろう。

暖房器具といっても様々な種類がある。エアコンだけに頼らずに、それぞれの生活スタイルにあった器具を使いこなせば、より快適に、そしてエコな冬が迎えられるはずだ。

暖房器具は、大きく分けて「部屋全体を暖めるタイプ」と「限られた範囲を暖めるタイプ」がある。
前者は温風を出すエアコンや石油ファンヒーターなどと、部屋の空気の流れを利用してじっくり暖房するオイルヒーターなどがある。
この中でも灯油やガスを燃料とした器具は、使用時に部屋が結露しやすくなることを覚えておきたい。
灯油やガスは炭素(C)と水素(H)を含んでいる。これらを燃焼させると空気中の酸素(O)と結びつく。その結果H2O、つまり水となるわけだ。

後者はこたつやホットカーペットだ。身体に接することで暖かさを感じるタイプ。したがって部屋全体の空気までは暖められない。

では、それぞれの暖房器具の特徴から解説しよう。

リモコンで手軽にON・OFFでき、タイマー機能もあるエアコン。最近の暖房器具の主力だが、万能というわけではないリモコンで手軽にON・OFFでき、タイマー機能もあるエアコン。最近の暖房器具の主力だが、万能というわけではない

「部屋全体を暖めるタイプ」のメリット・デメリット

●エアコン
現在もっとも普及している暖房器具。最近の製品は省エネ仕様なので、ランニングコストが安い。

メリット
・冷房機能もある
・ランニングコストが安い
・発火の可能性が低いので安全
・タイマー機能がある

デメリット
・イニシャルコストが高い
・空気が乾燥しやすい
・頭上から温風が吹いて来るので不快感を覚える人もいる

●石油ファンヒーター
スイッチを入れてすぐに温風が出る速暖性が魅力。ただし燃焼時に水分を出す。また、灯油を購入し、入れる手間がかかる。

メリット
・速暖性が高い
・イニシャルコストが安い
・タイマー機能がある

デメリット
・灯油を購入し、入れる手間が掛かる
・使用時に独特のニオイがある
・賃貸住宅によっては使用禁止のところがある
・結露の心配がある
・定期的な換気が必要

●ガスファンヒーター
こちらも速暖性が魅力だが、やはり燃焼時に水分を出す。また、設置工事の手間がかかる。

メリット
・速暖性が高い
・燃料を入れる手間がかからない
・タイマー機能がある

デメリット
・設置工事をする必要がある
・定期的な換気が必要
・結露の心配がある

●オイルヒーター
本体内のオイルを電気で加熱して部屋を暖める器具。日本よりも欧米で人気。温風が出ないので、静かでホコリが舞うことがない。寝室や赤ちゃんのいる家庭に向く。

メリット
・空気が乾燥しにくい
・静か
・発火の心配が少ない

デメリット
・電気代が高い
・速暖性が低い

速暖性が魅力のガスファンヒーター。エアコンと違い、空気が乾かないところも特長だが、同時に結露を起こす可能性もある速暖性が魅力のガスファンヒーター。エアコンと違い、空気が乾かないところも特長だが、同時に結露を起こす可能性もある

「限られた範囲を暖めるタイプ」のメリット・デメリット

●ホットカーペット
床暖房のように床面を暖めるが、イニシャルコストは圧倒的に安い。寒い時期以外は、片づけておけるところも魅力。

メリット
・イニシャルコストが安い
・発火の心配が少ない
・他の暖房器具と併用しやすい
・床暖房と違い片づけることができる

デメリット
・速暖性が低い
・部屋全体を暖めることはできない

●こたつ
日本人にとって一家団欒を象徴する暖房器具といえばこたつ。中に入っている部分は、他のどの暖房器具よりもぬくぬく感を味わえる。

メリット
・速暖性が高い
・閉じられた空間なので暖房効率がよい
・他の暖房器具と併用しやすい

デメリット
・暖かい場所が限られている
・使わない時期は大きな収納スペースが必要
・インテリアによっては相性が悪い場合がある

エコと快適性を両立する併用使用

なかなか暖まりづらいというオイルヒーターのデメリットは、エアコンと併用することでカバーできるなかなか暖まりづらいというオイルヒーターのデメリットは、エアコンと併用することでカバーできる

では、どの暖房器具をどう使い分ければいいのか。
お勧めは併用だ。たとえばリビングでは、エアコンをガンガンに効かせるのではなく、できるだけ設定温度を下げて、ホットカーペットやこたつも利用する。寝室ではオイルヒーターが暖まるまでの1時間だけエアコンを利用する。どちらも設定温度を低めにすることで、エコと快適性を両立できるはずだ。

このほかの暖房器具として最近の新築住宅では、全館空調システムが普及し始めている。これは屋根裏などに設置した1台の設備で、トイレ、バスルームを含め家の隅々まで暖めるシステムだ。暖かい部屋から寒いトイレに入るなどで身体に悪影響を与えるヒートショックの予防にもなる。また、暖房だけでなく冷房、換気、空気清浄、除湿まで行う。
いいことばかりのシステムだが、この性能を活かすには建物のかなり高い断熱性能が必須となる。家の新築や断熱リフォームをするなら検討する価値はあるだろう。

2015年 10月13日 11時05分