地熱活用とまちづくりの関係

秋田県で行われた地熱サミット秋田県で行われた地熱サミット

8月7日に秋田県湯沢市で行われた地熱サミット。1回目では【【地熱サミット①】地熱エネルギー保有国世界第3位の日本。全国8つの市町村の活用事例 】の記事で、地熱エネルギーと各自治体の活用例についてお届けしたが、今回は地熱活用と地域の活性化の関係についてお届けしたい。

再生エネルギーについて再び注目が集まる中、その中でも特に勢いがでてきた地熱エネルギー。地熱開発を行うことで日本の電力事情にプラスになるほか、二次的な副産物として地熱を利用による地域の活性化にもつながる。現状の課題や、今後活性化した街づくりをするにはどうしたらいいのか?前回に引き続き、地熱サミットのプログラムから考えてみたい。

地熱エネルギーついてのトークセッション

地熱エネルギーを生み出し活用する8自治体のプレゼン後、東京大学の教養学部客員准教授の松本真由美先生をファシリテイターに、サミットにゲスト参加した俳優の伊勢谷友介さん、女優の壇蜜さん、コミュニティデザイナーの山崎亮さんの3人によるトークセッションが行われた。

地熱エネルギーそのものについては、伊勢谷さんは今後について
「各自治体のプレゼンテーションをお聞きして、自然エネルギーが日本のエネルギーの屋台骨になれるような現実を見させていただき、希望を持ちました。でも、僕たちは国民は例えば今回の地熱エネルギーのように、こうした良いエネルギーがあることを知りません。今の僕たちは選択する余地がないからです。エネルギーだけでなく地域活性化にしても僕らは色々な事を知らない状態です。これから様々なことを知ることで選択肢も増えていければいいなと思います」と述べた。

伊勢谷さんのそうした意見に同意しつつ山崎さんは
「地熱エネルギー自体を考えると、地熱は電力と熱2つの活用方法があります。電力を増やす事も重要ですが、熱は経済を回していくことに寄与します。しかし、最初の段階で地域に住む市民に両方向があることをきちんと示さないと、いいアイデアが出なくなってしまうのではと思います」と、行政の地熱エネルギー開発の行動について感想を述べた。

左から東京大学の客員准教授の松本真由美先生、俳優の伊勢谷友介さん、女優の壇蜜さん、コミュニティデザイナーの山崎亮さん左から東京大学の客員准教授の松本真由美先生、俳優の伊勢谷友介さん、女優の壇蜜さん、コミュニティデザイナーの山崎亮さん

地方活性化のカギは「人口減の時代」

檀蜜さんは地域活性化のカギは『美味しいもの』ではないかと意見を述べた。
「自分に関係のある地域以外に興味を持つきっかけになるのが『美味しいもの』ではないかと思います。地熱活用したその地域でしかとれないものがあれば、その美味しいものがとれる地域に興味を持ち始めて、徐々に関心につながっていくのではと思いました」。

自治体のプレゼンの中にも出てきたが、例えば北海道森町の地熱を使い冬から春にかけて作るトマトはとても甘いという。有名テーマパークでもその糖度の高いトマトは採用され人気とのこと。壇蜜さんの言葉を受けて松本先生は「食からの関心はとても良い視点です」とコメントを返した。

しかし一方、今の日本の状態で地域活性化を行うことに山崎氏は苦言を呈した。
「今の日本の人口は1億2,000万人ですが、江戸から明治にかけて日本は3,000万人しかいませんでした。もともとそんな人口だったこともあり、日本の人口が減っていくからと言って地獄に向かっていく訳ではありません。人口が減少して何が問題かと言うと、今の経済構造のままでは難しいことだけであって、これから変えていけばいいのだと思います。地熱で観光や人口を増やそうとするのは悪くはないですが、人口増加のときのやり方だと思います。こういう人口減のときに人をとりあうのではなく、移住したいと思うほど魅力的な街をどう作るのかが重要だと思います」

伊勢谷さんも山崎さんの言葉にうなずきつつ、
「みんな物産を増やして、観光客を呼び、人口を増やしたいと、どこに言っても同じことを言っている印象があります。一昔前はそうした事でも人口は自然と増えていたし、通用していた部分もあったと思います。しかし、今そういう時代ではなくなりました。より本質的なクリエイティブが必要な時代になりました。たくさんの人たちとつながって、みんなの意見を聞いて、どれだけ民間が自分達で未来を選択できるかが重要だと思います」

行政関係者が多く集まるサミットで敢えて手厳しい意見をぶつけた結果となった。しかし、打開策についてもその後それぞれ示唆をした。山崎さんは「観光などで入ってくる活動人口ではなく、主体的に街の中を動く交流人口を増やすことが大事だと思います」、壇蜜さんは「WEBはあんまり好きではありませんが、今こそWEBの力を利用するべきだと思います」と述べた。

再生可能エネルギーはどう開発され、どう地域に貢献できるか?

再生可能エネルギーの中でも地熱エネルギーはここ最近急激にまわりを取り巻く環境が変わったと言ってもいい。今まで再生可能エネルギーの中でも最も重視されていた太陽光エネルギーは売電買取り問題などで取り上げられるように、供給の安定さに欠ける。その点、地熱エネルギーは安定性もあり、何より日本は世界3位のエネルギー量を持つ。

山崎さんが言っていたが、地熱はエネルギーとしての電力面と地域活性化として使える熱の面がある。2つを混同しないように計画段階からどう使うかを策定する必要があり、またこれからの時代にあわせた地熱活用が今後各自治体、各民間団体ができるかどうか、まだまだ課題も正直多いと思う。しかし、それ以上に様々な希望を持ったエネルギーが地熱だ。国立公園の問題などで存在感を失ってしまった過去のように同じ轍を踏まず、未来の日本になくてはならないエネルギーになることを期待したい。

今後地熱エネルギーが、電力的な面と地域活性化に寄与する面で、きちんと地産地消で使われていくのか興味深い今後地熱エネルギーが、電力的な面と地域活性化に寄与する面で、きちんと地産地消で使われていくのか興味深い

2015年 09月14日 11時05分