借主が負う連帯保証人の精神的負担

総務省統計局住宅・土地統計調査(平成20年度版)より総務省統計局住宅・土地統計調査(平成20年度版)より

5年ごとに行われる総務省統計局住宅・土地統計調査の平成20年度版によると普通世帯4980万世帯のうち、持ち家に居住する主世帯は3032万世帯で、普通世帯全体に占める割合(持ち家世帯率)は60.9%となっている。一方,借家に居住する主世帯は1777万世帯で、普通世帯全体の35.7%。日本は持ち家率の方が高い。
ただし、40歳以下の持ち家率は46%。これが35歳以下だと29.8%となり、借家率が高くなる。
35歳以下の70%は賃貸住宅に住んでいるわけである。

賃貸住宅を借りる際、礼金(通常家賃の2か月分以内)・敷金(家賃の2~3か月以内)・仲介手数料・引越しを含めてお金がかかる。が、お金の負担だけではない。
HOME'S PRESSで以前とりあげたように(「賃貸物件を借りる際に求められる『連帯保証人』。その責任はどれほどのもの?」)賃貸住宅を借りる際、多くの場合「連帯保証人」が必要である。連帯保証人は借主と全く同じ責任を負うため、収入面や支払い能力など審査を受けることとなる。通常、親に連帯保証人を頼むのが一般的ではあるが、年金暮らしをしている等支払い能力などの面で、親でも連帯保証人として認められないケースもある。

親戚であれ、友達であれ、借主と全く同じ責任を負う「連帯保証人」をお願いするのは精神的にも負担となる。近年では連帯保証人をなくして、連帯保証代行会社をつけるケースもあるが、もちろんその分お金がかかる。(※一般的には初期費用として家賃の30~50%と、更新料として1万円前後が相場)

連帯保証不要制度~大和リビングが業界に先駆けて発表

大和リビング株式会社 経営企画部 山本課長(右)と菅主任(左)大和リビング株式会社 経営企画部 山本課長(右)と菅主任(左)

つまり、日本では賃貸物件を借りる際、一時的にお金もかかり、連帯保証人を頼む気苦労もある。
ちなみに海外ではどうなっているのだろうか?どの国も入居審査として本人の収入や仕事など支払い能力は審査されるが、アメリカでは保証人は不要、フランス・カナダ・台湾など身分を証明するための保証人は必要なところもあるようだが、債務を肩代わりする役割ではないのが実情のようだ。韓国・香港等も保証人は不要である。

そんな中、大和リビング株式会社が管理する賃貸物件D-room(ディールーム)では、連帯保証人を不要とするだけでなく、連帯保証代行会社との契約も不要とする「連帯保証不要制度」を業界に先駆けて打ち出した。

「大和ハウスグループでは、"セキュリティ賃貸"など、様々な賃貸物件の設備・サービスの充実を追求してきました。そうしたハード面だけでなく、もっと借主に寄り添ったソフト面のサービスの在り方も検討してきました。近年では核家族化や単身世帯が増加し、連帯保証人を見つけることが困難な人も多い。時代にあった賃貸住宅の在り方を検討した結果、弊社が扱うD-roomのほとんどで連帯保証不要制度を取り入れることにしたんです」(大和リビング株式会社 経営企画部 菅 主任)

同社では2014年3月からトライアルをはじめ、7月下旬からは本格稼働、10月以降のすべての新規契約物件にこの制度を適用する予定だ。これにより、入居希望者は自身の入居審査のみとなり、保証人の手続きや審査を待たず、入居確定までの期間を短縮できる。

借りやすく、住み替えやすく…サービス付きの賃貸物件への取り組み

大和リビングではほかにも「サツキ」「タダシ」というオリジナルの賃貸メニューを用意している。

「サツキ」物件は、「リビング補償制度」「D.U-NET(ディーユーネット)」「D-roomTV(ディールームティービー)」という3つのサービスのうち、1つまたは複数のサービスが導入されている物件のこと。「リビング補償制度」付き物件は、保険会社との契約や追加費用が不要で、入居者は賃貸物件の契約開始日から自動的に補償を受けられる。「D.U-NET」物件は、モジュラージャックにLANケーブルを差し込むだけで入居日からインターネットサービスを受けられる物件。「D-roomTV」とは専用端末と対応デバイス(テレビ・タブレット・スマホなど)をつなげば、映画やドラマなどを視聴できるサービスである。つまり、入居を決めた際に生活に必要なサービスの手続きを別で行わなくても済むようにしているわけだ。

「タダシ」物件は、入居者の入居時や更新時にかかる費用負担を軽減する仕組み。これは通常の家賃とは別に設定された「タダシ」家賃を選択することで、敷金・礼金・更新料を0にすることができ、入居時や更新時に支払う費用を抑えるというもの。薄く月々の家賃に上乗せされているが、引越し費用や家具の買い替えなどただでさえ初期費用がかさむ際には、ありがたい仕組みである。

大和リビングでは、“入居者のライフスタイルに寄り添うようなサービス”を目指しているという。大和リビング株式会社 経営企画部 山本課長は、
「一般的にかかる賃貸物件契約の煩わしさ、一時的金額負担や精神負担を軽減してポジティブな住み替えを応援したい。海外ではサービス付きの賃貸物件が一般的なんです。日本の賃貸状況をもっとグローバルレベルに引き上げていきたいですね」と語る。

DIY賃貸やリノベーション賃貸など、部屋そのものの自由度があがってきている昨今、手続きや制度の面からも時代にあったサービスが取り入れられてきている。「借り方」という制度の面や家賃だけでないトータルコストの観点からも負担が少なくなり、住み替えやすくなることで、住まい選びがトータルで自由になることを望みたい。

大和リビングでは管理する「D-room」を通して</br>“入居者のライフスタイルに寄り添うようなサービス”を様々な観点から検討しているという大和リビングでは管理する「D-room」を通して
“入居者のライフスタイルに寄り添うようなサービス”を様々な観点から検討しているという

2014年 07月25日 11時27分