湿気を考えない暮らしで、衣類、布団がカビだらけに

水槽やケージに入っている動物ならいいだろうと勝手に買う人がいるが、これも厳密には契約違反。注意しよう水槽やケージに入っている動物ならいいだろうと勝手に買う人がいるが、これも厳密には契約違反。注意しよう

賃貸では部屋を探す時はもちろん、暮らし始めてからも設備の故障その他で不動産会社とお付き合いするケースは多々想定される。そんな時に気持ちよく対処してもらい、楽しい暮らしを送るためには、不動産会社の仕事や役割、どんなことをしてもらえるのかなどを知っておくと何かと便利。これは日夜様々なトラブルに対処してきた不動産会社の裏話に耳を傾け、より良い暮らしのためのノウハウを学ぶ連載の第2回目。※1回目はコチラから。

よくある失敗例として挙げられるのが湿気に無神経な暮らし。「換気扇の動きが弱かったからと、換気扇を使わずに毎日シャワーを浴びていたご家族が、引越し後、カビが大量に出たから引っ越した、引越し代を払えと言っていらっしゃったことがありました。建物自体は築10何年と古いもので、コンクリートからの水分の蒸発などもとっくに終わっており、湿っぽいはずはありません。過去にどの部屋からもカビに関するクレームはありませんでしたし、給排水管からの漏水も、雨漏りもない。

ところが部屋に入って見ると、むわあっと湿っぽい。押入れ、下駄箱はカビだらけでした。ただ、念のため、クロスを剥がし、畳を上げてみたものの、壁のボードにも床下にもカビは生えていません。つまり、建物本体は湿気てはいないのです。また、換気扇が壊れているわけではない。そこで様子を聞いてみると、シャワーを浴びた後、バスルームの扉をずっと開けっぱなしにしていたと。換気扇を使っていないのですから、当然、その湿気が室内に充満、それがカビの原因になったと思われます。ですから、建物ではなく、暮らし方の問題です。そう申し上げたところ、風呂から出た後、風呂場のドアを閉めるようにとは言われなかったと激怒されました……」(ハウスメイトパートナーズ東東京支店支店長・谷尚子さん)。

新築など築年数の浅い建物は当然、古い建物でも入浴時、入浴後はしばらく換気扇をつけておくなど、湿気対策は大事。もし、換気扇が弱いと思うようなら、その時点で不動産会社に相談しよう。

「布団がカビたから弁償しろという話もありました。そのケースでも、カビが発生しているのは複数戸あるうちの、そのお宅だけ。おかしいなと訪問すると、ドアを開けた途端に湿っぽさを感じるほどで、金属製の玄関ドアの内側に結露があり、水滴が床に滴っているありさま。そして、室内に入ると、大型の熱帯魚の水槽。その上、万年床にしていたようで、フローリングにも布団の形にカビが。ですが、物件が悪い、布団代を弁償しろとおっしゃって……」

思わず、男性単身者を想像したが、この例はご夫婦だったとか。それで万年床。う~ん、予想外である。

水漏れ防止のため、排水口くらいは掃除しよう

水漏れも実にしばしば発生する問題である。「初めてひとり暮らしをする男性のお部屋でした。きちんとプロに清掃してもらって入居したはずなのに、入居後1カ月くらい経って、排水口が詰まって水が流れないという連絡がありました。行ってみると排水口に長い髪の毛がびっしり詰まっていて、そりゃ、流れないでしょうという状態。そこで、排水口は掃除していますか?と聞くと、そんなところの掃除が必要とは聞いていない。それに、そんなところに手を突っ込むなんて、汚くてできないとおっしゃる。といっても、それは入居者がやらなくてはいけないこと。さんざん、説得して、ようやく、やりますと言ってもらえました」。

自宅にいた時にはお母さんがやってくれていたことも、ひとり暮らしでは自分でやらなくてはいけない。世のお母さん方には、我が子の人生を長い目で考え、ひとり暮らしに必要最低限の生活能力くらいはつけておいていただきたいものである。

水漏れも拡大すると、損害賠償問題に至ることも

水が流れないというだけで済めば良いが、それで階下を水浸しにしてしまった例もある。「入居者の女性が帰宅後、風呂に湯を入れている間に寝てしまったのです。そのため、風呂の湯が溢れ、排水口の掃除を怠っていたために湯が廊下に流れ出し、さらにそれが階下へ。彼女の下の階は大家さんのお母さんの部屋で、寝ているところに水が降ってきたと大騒ぎ。そこで管理会社の夜間緊急対応の社員が大勢出動し、起きた彼女はパニック状態に。そりゃ、室内が水浸しの上、外には人や車が集まり、共用廊下では知らない人が大勢、箒で水を掻き出している……。

さらに悪かったのは、こういう場合、火災保険に加入していれば、保険から階下への賠償のお金が出ます。ところが彼女は入居後に管理会社が変わったと言う事情があり、保険に加入しているかどうかがその時点で分からなかった。もし、保険が使えないということになると、多額の費用が必要になる。それでさらにパニクって彼氏に相談、その彼氏が私に電話をかけてきました。すぐ、保険に入っているか確認しろ~。幸い、調べた結果、保険には加入しており、最悪の事態は回避できましたが、室内はひどい状態でしたね」。

火災保険加入は大半の賃貸物件加入の要件となっており、他人のために入るもののように思っている人もいるようだが、自分の過失はもちろん、自分が被害に遭った時に払われるものもある。確実に入り、かつ保障の内容をよく理解しておくことが大事だ。

電気関係のトラブルは意外に簡単に自分で解決できる

容量がなくなった電池のマークが点滅するなどして、電池切れを教えてくれるタイプもある容量がなくなった電池のマークが点滅するなどして、電池切れを教えてくれるタイプもある

電気関係のトラブルも不動産会社への問い合わせが多いもののひとつ。「エアコンが付かない、リモコンが使えないと言う場合、リモコンの電池が切れているだけということがよくあります。不動産会社に電話する前にリモコンの液晶画面を確認、画面が消えていたり、薄くなっていたら電池を交換してみてください。そうすればどちらも使えるようになることが多いんですよ」。

ブレーカーが落ちた!パソコンのデータが飛んだ!という電話も多いが、落ちただけなら、元に戻せば問題ない。ただ、しょっちゅう落ちるようであれば、電気の容量が不足している可能性が高い。東京電力のホームページ内に現在の契約アンペアの確認方法、適正な契約アンペアの選び方が掲出されているので、自分の持っている家電製品から適正な容量を計算、足りないようなら増やしてもらうようにしよう。契約アンペア数の変更は無料でできる。ただし、アンペア数を上げた場合、基本料金などが変わることがあるので、その辺は確認しておきたい。

逆に前の人が単身者に不要なほどのアンペア数にしていたため、電気代が高くついたという例もある。入居時には契約アンペア数をチェック、最初の段階で適正、不適正を知っておけばブレーカーが落ちるような事態には至らないはずだ。ちなみに、ブレーカーは玄関周辺の収納の中、キッチンなどについていることが多い。

■ブレーカーがよく落ちるようならこちらをチェック
ご契約アンペアの選び方(東京電力)
http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/basic/ampere/ampere01-j.html

2014年 02月20日 08時15分