自社の強味を活かし、女性が求める“美”の要素を盛り込んだ住まい

「Beauty&Diet」レディスシェアハウスの外観「Beauty&Diet」レディスシェアハウスの外観

あなたは賃貸物件を探すとき、何を重視して住まいを探しますか。

一般的には、住みやいエリアや沿線検索、家賃相場だと思うが、さすがに“ダイエット”や“美容”を重視して住まいを探すことはないだろう。ところが、その「ないだろう」と思われた“ダイエット”や“美容”に焦点をあてた賃貸物件が出てきたのだ。

2012年11月、本格メディカルエステティックサロンを運営する株式会社ブロードエンタープライズが、自社の強味を活かし「ビューティー&ダイエット」をコンセプトにしたレディスシェアハウスを大阪府吹田市にオープンさせた。今回、賃貸×ダイエット・美容の取り組みをするこの通称「ダイエットシェアハウス」の取り組みについて取材してみた。

このシェアハウスは、体重に応じて家賃が決まるという少し変わった家賃システムを採用している。住むことでダイエットでき、しかもキレイになれそうな印象を与えるシェアハウスだが、はたしてその効果はどうなのだろうか。ブロードエンタープライズ代表取締役の中西さんとシェアハウスの管理をしている片岡さんに、現在の実情について話しを聞いてみた。

1Kg痩せれば、1,000円ダウン!?体重で家賃が決まる、その仕組みとは

美容や健康についての情報交換も盛んだという入居者が憩うリビング美容や健康についての情報交換も盛んだという入居者が憩うリビング

体重で家賃が決まる、そのシステムの具体的な内容はどのようなものなのか。

入居時の体重で家賃が決まるのかと思っていたが、少し違うようだ。年4回、3ヶ月ごとに体重測定が行われその時の体重によって、家賃が決まるという変動制だという。レートは、1kg×1,000円、100g以下切り捨てとなっている。

例えば、家賃45,000円の部屋を契約したとする、入居当時の体重が55kg。入居後の体重測定時に、ー3kg(52kg)になったとする。体重が3kg減ったことに連動し、家賃が3,000円下がり当初、45,000円だったのが42,000円になるというわけだ。この賃料は、次回の体重測定時まで続く。ちなみに次の測定時に、5kg増加すると賃料は5,000円アップすることになる。

ただ、心配なのはダイエットに勤しむあまり体重が激減、または反動で太ってしまう場合だ。こうなると賃料のアップダウンが激しくなり、入居者の健康や家計にも影響がでてきかねない。そこで、このシェアハウスでは下限40,000円〜上限50,000円という枠を設け、無理なダイエットによる家賃の大幅な変動を防止しているという。

ダイエット以外にもある入居者の特典

プロのエステティシャンによる講習会(ホームケアアドバイス)プロのエステティシャンによる講習会(ホームケアアドバイス)

このシェアハウスが掲げるもうひとつのコンセプトに、ビューティーがある。「ビューティー」について具体的に聞いてみると、女性の“美”に関する特典がふんだんに盛り込まれている内容だった。

■ブロードエンタープライズが運営する
 メディカルエステティックサロンのメニューの
 一部が約40%割引きで利用できる。
■プロのエステティシャンによるホームケアアドバイスが月1回、無料で受けられる。
■エステ、ネイル、ヘアケア、ピラティスなど“美”に関する各店舗との提携により、
 利用時に割引が適用される。
■美容院にしか小売りされていない、高品質なシャンプーが使い放題。
 自分の髪質にあわせて、数種類の中からシャンプーが選べる。
など、頭の先から指の先までトータル的にカバーする特典内容になっている。

ここまで至れり尽くせりな待遇をみると、何かあるのでは?という思いにかられてしまう。その点についてストレートに質問してみると、この特典はどれも任意となり、利用するか否かは入居者しだいで強要もしていない。ブロードエンタープライズと各店舗は、ただ提携しているだけで特段の利害関係はないという。また、入居者がいつどの提携先を利用しているのかやその利用頻度などについては把握していないという。

良いことばかりではない!仕掛けられたワナに注意を

各自が自分にあった方法で、体を動かすトレーニングルーム各自が自分にあった方法で、体を動かすトレーニングルーム

次に気になるのは、これらのシステムや特典が入居者のダイエットに対して、効果がでているのかどうかだ。

先月行った体重測定では、1〜3kgの間で全員の体重が減っていたという。この結果、設定された下限の賃料以内で、安い人で1,000円、多い人で3,000円、家賃が下がることになる。今回は、全員体重が減っていたが、過去には一旦減ったが元の体重に戻ったり増えたりする人もいたようだ。

入居者は20代前半〜30代の方が多く、共用スペースでの過ごし方も様々だという。リビングでは、健康に良い物や、あのお店にこんなのが売ってますよとか、入居者同士で知っている情報を交換する場になっている。「キッチンではお料理を教えてもらっていたり、トレーニングルームではヨガや筋トレなど各自トレーニングに励んでいる」と片岡さんはいう。

入居者の憩いの場となっている共用スペースには、あるワナが仕掛けられている。それは、ポテトチップスとコーラが食べ放題、飲み放題というものだ。入居者はこの誘惑にどこまで耐えられるのか。その消費について聞いてみると、ポテトチップスは1回につき20袋ほど補充するが、早いときは翌朝には全て無くなってるという。また、コーラについても1.5Lを2〜3本ほど補充するが3日ぐらいで無くなるという。

入居者のほとんどは、ダイエットを期待していない?

ビューティー&ダイエットのコンセプトについて、入居者の傾向と反響はどうなのだろう。

私の勝手なイメージでは、少しぽっちゃりしている方が痩せたいと思って入居されるケースが多いのではないかと推測していた。ところが代表の中西さんからは、「このコンセプトだからここに決めたという方は、ほとんどいない」と意外な答えが返ってきた。しかも入居者のほとんどは、それ以上体重は落ちないんじゃないかと思うようなスリムな方ばかりだという。実際のところ、入居者が気にするのは体重がどれくらい落ちたかよりも、一緒に暮らしている人の家賃がいくらになったのかが気になっているのではないかと冗談を交えて話されていた。

傾向としては、通常の賃貸を検討するときと同じように、通勤・通学の距離や家賃、間取りなど自分のライフスタイルに合う物件を選んだら、それがたまたまビューティー&ダイエットをコンセプトにした物件だった、というのが本音のようだ。とはいえ、駅徒歩18分という程よい距離にもかかわらず、全25部屋ほぼ満室状態で稼働率約90%という高い反響を得ている。もしかすると、このシェアハウスを見学した人や入居者にしか分からない魅力があるのかもしれない。

取材協力:「Beauty&Diet」レディスシェアハウス
http://www.beautydiet-house.jp/

2013年 11月01日 10時25分