女性誌3誌と大成有楽不動産が初コラボ

『AneCan』、『Oggi』、『美的』…女性であれば聞いたことがない人はいないであろう、小学館の有名女性雑誌である。一般的に女性誌とのコラボと聞くと、洋服や化粧品がまっさきに浮かぶが、今回は女性誌と不動産という意外な組合せ。不動産管理からマンション開発まで幅広く展開する、大成有楽不動産株式会社が手がける新築分譲マンション「オーベルグランディオ三郷中央」は、企画段階から小学館と打合せを重ね、今回のコラボが実現したという。大成有楽不動産の出版社とのコラボは初、小学館もマンションの開発に関わるのは初と、双方初めての試みだ。

2016年7月9日に開催された、「オーベルグランディオ三郷中央×AneCan×Oggi×美的 HomeParty」と題された、モデルルームのお披露目イベントに参加した。女性誌らしく、専属モデルのトークショーや簡単なエクササイズの時間があったりと、一瞬見るとマンションのモデルルームとは思えないほどに華やかな空間となっていた。そして集まったのはほとんどが女性…。まさに女性を意識し、ターゲットにしたマンションであることが分かる。
なぜ、女性誌とのコラボに至ったのだろうか?大成有楽不動産 マンション事業部事業室の日原洋一氏に伺った。

「オーベルグランディオ三郷中央×AneCan×Oggi×美的 HomeParty」の様子。左から、大成有楽不動産株式会社の日原洋一氏。『AneCan』編集長の佐藤明美さん、『美的』デスクの田中ゆかさん(撮影 大田真三 <小学館>)「オーベルグランディオ三郷中央×AneCan×Oggi×美的 HomeParty」の様子。左から、大成有楽不動産株式会社の日原洋一氏。『AneCan』編集長の佐藤明美さん、『美的』デスクの田中ゆかさん(撮影 大田真三 <小学館>)

女性の心を掴むには、トレンドとインサイトは重要

「これまでマンションの販売現場などを見ていて、購入に至るまでにはやはり女性の声は圧倒的に強い、と感じていました。ファミリー層であれば、奥さまにいいと思ってもらえないと次に進まないことが多いんです。女性に気に入ってもらえて、喜んでもらえるようなマンションにしたいと、当初から女性との関わりの強い会社を探していました。小学館さんは、女性誌ももちろん有名ですが、女性消費者を調査・分析する女性インサイト研究所があり、女性についての知見がある。企画段階から小学館の方にはご参加いただき、意見やアイディアをマンションに反映させています」

「オーベルグランディオ三郷中央」のターゲットは、30代のファミリーや、これから子どもができる予定のプレファミリーだそうだ。特に女性に選んでもらえるためには、今のトレンドを把握し、女性が何を感じているかを知ることは重要である。
『AneCan』、『Oggi』、『美的』は、それぞれ読者層は異なるものの、どれもメインとなる読者は30代。まさに大成有楽不動産がターゲットとしているユーザーと合致している。また、小学館女性インサイト研究所は、各誌の読者層を横断して調査・研究しており、これまで幅広い調査の実績がある。

プロジェクトは各誌の編集長、女性インサイト研究所、そして大成有楽不動産の事業や企画設計担当による、かなり大掛かりなものとなった。いまの女性の考え方やトレンドをよく知る出版社が関わった、はじめてのマンション。
さて、女性たちは住まいについてどう考えているのだろうか?

1階モデルルームの大きなブックシェルフには『Oggi』、『AneCan』、『美的』が並ぶ。『Oggi』、『AneCan』ともに30代がメイン読者のファッション誌であるが、『Oggi』はキャリア系、『AnaCan』は新しいコトやモノに敏感でトレンドを意識した女性向け。『美的』も30代が主な読者層だが、取り上げるものは主にコスメなどで美容雑誌である。共用スペースのブックラウンジにも、今後3誌が置かれる予定とのこと1階モデルルームの大きなブックシェルフには『Oggi』、『AneCan』、『美的』が並ぶ。『Oggi』、『AneCan』ともに30代がメイン読者のファッション誌であるが、『Oggi』はキャリア系、『AnaCan』は新しいコトやモノに敏感でトレンドを意識した女性向け。『美的』も30代が主な読者層だが、取り上げるものは主にコスメなどで美容雑誌である。共用スペースのブックラウンジにも、今後3誌が置かれる予定とのこと

各誌の読者が感じる住宅の不満は?

小学館と大成有楽不動産のコラボが決定して、まず取り掛かったのが、女性たちの住まいについての悩みを聞くことだった。
女性インサイト研究所によると、「"キッチン"で困っていることは何ですか?」の問いに対して、最も多かった回答は、「収納スペースが少ない」。また「調理スペースが狭い」も多く、作業をする際に十分な広さが無かったり、家電や食器の収納場所に困っている人が多かった。
洗面室の困っていることも同様で、収納スペースの少なさや狭さについての不満が圧倒的に多い結果であったという。
浴室で困っていることは、「カビの発生」、「湿気の発生」という悩みが多く、浴室を清潔に保ちたいと思っている人が多いことが分かったそうだ。

女性を取り巻く環境は、年々変化を遂げている。1997年以降、共働き夫婦は専業主婦世帯数を上回り、その後も増加を続け2014年には1,077万世帯と、全体の5割を超える。
ターゲットとなるファミリー層の女性は、家事や子育て、また仕事と、毎日多忙である人が多いことが想像できる。限られた時間、部屋や収納のスペースも制限があるなかで、より効率よく、ストレスを感じずに生活をしたいという気持ちの女性が多いのだろう。

マンションのマンションの"きれいにくらす"のコンセプトに合わせて、『AneCan』専属モデルの有村実樹さんのトークショーも行われ、住まいをきれいに保つ工夫について話していた(撮影 大田真三 <小学館>)

『AneCan』、『Oggi』、『美的』。編集長のイチオシポイント

3誌は、マンションのそれぞれの部分をプロデュースした。『AneCan』と『Oggi』は共用部を、『美的』は専有部を担当したとのこと。女性たちの声は、どのようにマンションに反映されたのだろうか?

「Oggiは共用部のゲストルーム(パーティールーム)を担当しました。テーマは"女子会、ママ会、インスタ映え"です。本格的なアイランドキッチンもあるので、友達を招いて料理も振る舞えます。ホームパーティーの時は簡単に飾り付けが出来るように、壁にフックを付けました。オーナメントで飾り付けて、自分好みのデコレーションができるようになっています。写真撮影が楽しくなる空間です」

"女子会、ママ会、インスタ映え"とは、まさに女性誌らしいキーワードである。日原氏もこの発想には驚いたと言う。
『AneCan』は、1階共用部のブックラウンジ、キッズルーム、フレックスルームを担当。

「三郷市は"日本一の読書のまち"宣言をしている、本のまちでもあります。みんなで寛いだり、落ち着いて読書が楽しめるニューヨークのブルックリン風のラウンジにしました。キッズルームは、外で遊べない雨の日にも利用してほしいですね。フレックスルームはヨガをしたり、キッチンもあるので料理教室を開いたり、多目的な使い方ができます。女性が持つコミュニケーション能力の高さを活かして、一緒のマンションに住む人たちとも積極的にコミュニケーションを楽しみながら、いい環境で生活してほしいです」

「美的はお部屋の中をプロデュースしました。"きれいを磨く"という、美的らしいコンセプトのお部屋になっています。もともとは納戸設定だった場所を、ビューティーラボ※という、メイクができるスペースにしました。女性はドレッサーでメイクをする時間がとれず、リビングで子どもの世話をしながらメイクをするという声が多くありました。移動できる美的ワゴンがあることで、忙しい朝はリビングで、夜はビューティーラボでじっくりとスキンケア、とライフスタイルに合わせてきれい磨きができます。コスメを収納するスペースがないと言う悩みも美的ワゴンに反映しています。ワゴンの一番上がトレイ状になっていているのでよく使うものを置けるようになっていて、引き出しは三段とも高さが異なる特別仕様です」
※オプション(有償)

(画像左側)「オーベルグランディオ三郷中央」のモデルルーム。美的はバスやキッチンもこだわってつくったそうだ。調査した結果人気の高かったオープン型キッチンを採用している。(画像右側)リビングそばのフリースぺースを有効活用したビューティーラボ。移動できる美的ワゴンはトレイ部分に使用頻度の高いものを、下には容量の大きな化粧水などを収納することができる(画像左側)「オーベルグランディオ三郷中央」のモデルルーム。美的はバスやキッチンもこだわってつくったそうだ。調査した結果人気の高かったオープン型キッチンを採用している。(画像右側)リビングそばのフリースぺースを有効活用したビューティーラボ。移動できる美的ワゴンはトレイ部分に使用頻度の高いものを、下には容量の大きな化粧水などを収納することができる

他業種コラボの発見

(画像上)ブックラウンジと同様の落ち着いた色調でつくられたティースペース。裏側にはキッズスペース。(画像下)どれくらい収納できるかが分かりやすいパネルの説明(画像上)ブックラウンジと同様の落ち着いた色調でつくられたティースペース。裏側にはキッズスペース。(画像下)どれくらい収納できるかが分かりやすいパネルの説明

女性誌3誌がコラボするこのマンション。特徴的な部分が色々とあったが、モデルルームもこれまで見てきたマンションとは少し違う印象を受けた。全体がガラス張りで開放的な雰囲気。1階部分もカフェ風で、一見するとモデルルームのように見えないのだ。

「打合せをするなかで、やはりモデルルームは入りにくい、敷居が高いという意見があがりました。気が向いたときにふらっと立ち寄れるようなカフェをイメージしてつくりました。セルフサービスですが無料で飲み物も飲めますし、今回コラボした3誌も置いてありますので、空いた時間に気軽に入っていただきたいです」と、日原氏。

イベントを開催している最中、いったい何をしているんだろう?と、外から中の様子を眺めていく人がちらほら見えた。華やかなパーティーの雰囲気が外からも伝わったのだろう。ガラス張りの効果と言える。

今回、双方初めての試みのコラボ。業界が全く異なる二社であり、お互い戸惑うことはなかったのだろうか。
「進めていくなかで、建築上の制限で実現が難しいものもありましたが、可能な範囲でどうやったら実現出来るのか?を模索しながら反映していきました。畑が違う業界の方と一緒に仕事をするのは新しい発見があって面白いですね。"インスタ映え"というのは、私たちでは出てこない発想です。私たちが伝えようとすると、どうしても機能面や設計などに寄ってしまって、説明くさくなってしまいます。今回感じたのは、小学館のみなさんは生活のシーンを描くのが上手。住んだ後のイメージが浮かびやすく、雰囲気が伝わって、楽しんでもらえればモデルルームを訪れた方の記憶にも残るのではと思っています」
モデルルームによくある、パネルに設置された収納などの説明も、雑誌の収納特集のように分かりやすく、また見ていて楽しくなるものだったのが印象的だった。

マンションの共用部はこれから建築予定で、まだ見ることはできない。まだできていないものを検討するからこそ、住んだ後のイメージが分かりやすく、暮らしを想像してワクワクした気持ちになるのは重要かもしれない。そういった意味で、暮らしやライフスタイルを提案する女性誌と不動産がコラボするというのは、新たな挑戦であり、注目ポイントでもある。

2005年に、つくばエクスプレス三郷中央駅が開通して以降、急速に開発が進む三郷市は、分譲住宅の激戦の地とも言える。注目のエリアに登場するマンション、気になる人はホームページを確認してほしい。

オーベルグランディオ三郷中央
https://www.ober.jp/og252/

2016年 08月05日 11時06分