とりあえず「入った!」と達成感を感じるだけの収納は間違い

「収納」という動作は家に住む以上にとても重要なポイントとなることは間違いない。しかし、自分の家において「収納」とはどういう役割なのだろうか。何を収める場所なのかということを考えることが大事なのに、最近は量の方にフォーカスされている感がある。

様々な収納方法があるが、住まいにあったオリジナル家具を使えば適切に収納ができる。
今回はそんな収納方法のひとつとして、オリジナル家具を提供する大阪にある「0556style」に取材を行った。どういう収納で困っていて、どういう家具のニーズがあるかを伺ってきた。

流行りのオリジナル家具はどんなものがあるか?

オリジナル家具にも流行りがあるオリジナル家具にも流行りがある

今回取材した「0556style」は大阪にある完全フルオーダーの家具製作施工会社。
完全フルオーダーの収納家具というと新築時やリノベーションの時に…と考えがちだが、既に居住中の場合でも部屋にあわせて追加できる。

では、実際どのような問い合わせが多いのか?「0556style」の専務代表執行役/収納家具デザインプロデューサーの心映氏に聞いてみた。

「オリジナル家具の市場はとても大きい市場です。少し前でいえば、地デジ対応に移り変わるときテレビを買い換えた方が、市販のものでは小さいということで大きなテレビを置けるオリジナルの架台を作られるお客様が非常に多かったです。最近では、和室の収納スペースやウォークインクローゼットではなく専用の収納部屋をつくりたいというお声をよく頂き、多く問い合わせいただきます」

何故、専用の収納部屋をつくりたいのだろうか。具体的なことを伺うと、下記の2点に分かれるようだ。

①和室の1部屋を収納に変身させたい
和室の使用方法や有無については多様な意見があると思うが実際、家族形態や年齢によっても様々のようだ。小さな子供がいる家などでは必ず欲しいという要望も多いというが、子供が大きくなるにつれて和室の使い勝手が悪くなり、もったいない空間になる事も事実。来客用にと考えていても実際には泊まりに来なかったりするケースがあり、和室は物置き状態になってしまうことが多いようだ。
とはいえ、物置きとして利用するにしても、畳が邪魔だったり、押入れ収納なのでクローゼットとしての利用が難しいなど、困っている人が多いようだ。そういう人が、和室をごっそりと収納部屋に変えたり、押入れ収納部分だけをクローゼットに変えたいという依頼が多いという。

②専用の収納部屋を作って家中のものを収めたい
ウォークインクローゼットではなく収納部屋を求められることが多い。
これは映画の影響が多いようだ。ユーザーの要望として送られてくるイメージ写真は、おもしろいほどに映画「SEX AND THE CITY」の主人公の家にあるような収納部屋だという。
どんなものかというと、ほかの部屋には収納場所はなく収納だけがメインの部屋を設けるというもの。収納は一箇所に集約する、そんな部屋をイメージしている人も増えて来ているという。雑誌などの影響も多く、インテリアの家具以外に何も置きたくないという理想を持たれている方も多いようだ。

オリジナルでつくるメリットは?

オリジナル家具だから叶えられるオリジナル家具だから叶えられる

様々な収納に特化した既製品の家具は多く世に出回るが、あえてオリジナル家具をつくる、その利点を伺ってみた。こちらも大きく分けて下記の2点に分かれるようだ。

①部屋に馴染む家具を入れる事ができる
例えば、新たに購入した家具だと、今までのデザインと色が違ってしまったり、高さやディテールが異なる事が多い。そのため、部屋の統一感を損なう恐れがある。家具は「ものが入れば良い」というだけではない。壁やフローリング、天井と同じようにお部屋の印象も大きく変える。家具が多い家は、家具でお家のインテリアのイメージが決まる事もあるだろう。すでにある壁や建具などの色具合とあわせて作れる点は家の印象を大きく変えずに、より今までのインテリアが生かされる。

②とにかく希望の家具が叶う
引き出しを造って欲しい箇所やフックをつけて欲しい場所など、間仕切りや形も全てが自由につくれる。希望が叶う収納家具を作れるというのは、注文する側の満足度も非常に高い。通常の家具だけでなく、キッチンや洗面台などもオリジナルで依頼ができるので希望が叶わないということがないという。洗面やキッチンは生活の中でも非常に使用する頻度が高いので、毎日使う場所で希望が叶うのはとても嬉しい。

オリジナル家具をつくるときの注意点

デットスペースを生かせる家具の設置デットスペースを生かせる家具の設置

オリジナル家具を作りたいと思っても、どんなものが欲しいか考えて発注するのが大変な気がするが、その点についても伺った。

「新築で家を立てたり、リフォームをして新しい家をつくりあげるときには、様々な自分の要望を取り込んでもらえると思います。とはいっても、素人から職人へ言葉で伝えるのはとても難しく、それが原因で工事が難航したり、ある程度の定形サイズ収納から結局選ぶしかない、という場合が多いと思います。そのため、希望の家具を作れない可能性も多いようです。
そうしたことがないように私たちは、細部まで自分が何を収納したいか、どこにおきたいのか、などお客様と相談させていただき、思い通りの収納スペースができるよう協力させて頂いております。
自分で家具を選ぶ時には自分の好みでアドバイスを受けずに購入する事が多いと思いますが、オリジナル家具づくりだと例えば私たちの場合だと、コーディネータと設計がしっかりつくため、ついつい無難なものでつくってしまいがちな家具も適切な提案をさせていただきます」

また、現在中古市場で販売されている20年前後の間取りでは収納に関する問題点も多いそうだ。収納場所は明らかに不足している間取りが多く、無駄や使用用途がわからない収納部分があるという。

「なぜこのサイズの収納がここにあるの?」と思う収納スペースも少なくない。また、少し古いマンションの場合などでは、異様なスペースがあることが多い。奥行のないのワイドな収納スペースだったり、ダボ穴も板もなくただ収納空間だった場合など。とても難解な収納スペースは未だに多いが、そんな場所にもオリジナル家具だと機能的なものが設置できるのが利点だと感じた。

住まいにあったものを

今回、取材を通してオリジナルの収納家具について様々なことが聞けたが、イメージしていたよりも実は多くの人が家全体のコーディネートを深く考えていたり、収納へのこだわりを持っていることが分かった。

そんなニーズに答えてくれるオリジナル家具はとても魅力的だと感じた。
収納はやはり機能的な事がとても大切。自分の生活空間や動線にあった収納スペースやグッズを利用して、本来持っている物の価値をきちんと見いだせる事で、はじめて持っている物が役割を果たすことになる。既存のものオリジナルなもの、様々な方法を使い住まいに合ったものをつくって活用するのが大事だと思った。

2014年 09月30日 12時29分