賃貸の現状は難しい

リノベーションをする際には自分で購入した家をリノベーションしたり、リノベーション済みの家を購入する事で自分好みのテイストで自分らしく暮らせる。ただ、住む側にとっても賃貸の場合は制限が多く自由度がとても低い。賃貸オーナーとしても管理し続ける事が非常に難しく、数年前には新しかった建物も5年、10年と経過すると設備は古くなり、時代と合わなくなってしまい結果的に入居者が不足し、空室が目立つようになってくる。駅近い物件でも外見がイマイチだったり、防犯面で不安、設備が古いという点で家を探す選択肢から敬遠される。

今回は、そんな古いアパートを1棟まるごとリノベーションした実例を紹介する。今回訪れたのは、グッドルーム株式会社のオリジナルリノベーションブランド「TOMOS」による一棟リノベーション物件。大阪市城東区、関目高殿駅徒歩3分の場所にある。梅田まで谷町線で9分。という利便性の高い立地。築41年を迎えた本物件は、総戸数20戸のうち14部屋が空き部屋という難しい状況にあった。建て替えるにしても接道等で既存不適格物件であり、再度同じ条件で建てる事ができない物件である。築41年という歴史感じてしまうつくりが入居者を遠ざけている要因でもあった。

[空室がうまらない要因]
・トイレは和式
・お風呂は在来
・キッチンコンロは自分で準備
・和室2室続きの奥に長い間取り
・オートロック無し
・エレベータ無しの4階建て
・共用部が古びている

この物件が、このたびのリノベーションで14部屋の空室がすべて満室となったのだ。
一体何をしたのか?現地に取材を行い、“変化”について迫ってみた。

good room のリノベーション賃貸「TOMOS」good room のリノベーション賃貸「TOMOS」

共用部のリノベーションで住む人に満足感を与える

1棟まるごとリノベーションの場合、一住戸でのリノベーションと異なる点はオーナーの希望で「共用部も手を付けられる」ということ。
住人にとっては、家の顔である共用部もきちんと管理されていて、かっこいい方がいいので、その点も共用部に手を加える事の意義は大きい。そんな共用部のリノベーションを一部紹介する。

[共用部リノベーション]
・外壁、手すり、扉の塗装
 色があせたり、塗装がはげていたので新たにデザイン性を考えて塗装をやり直し、本物件の印象をさらにアップさせている。
・表札変更
 賃貸では表札を掲げる事は少なくなった事もあり、木の板に部屋番号を記載する表札に変更され、玄関先でも上手にリノベーションの印象をもたせている。
・カメラ付きインターホンの設置
 古い物件ではオートロックが無い為、やはり防犯面が心配になるので、カメラ付きインターフォンで安心感をアップさせている。
・階段の補修
 階段のコンクリートの欠けも劣化とともに進んでいるので、その点も補修して安心。
・自転車置き場の作り変え
 物件の入口にある錆びついた自転車置き場はどうしても目についてしまう、木の骨組みでかわいく作りなおして、物件の印象変化に大きく貢献。

[本物件] 外観、共用部リノベーション済み[本物件] 外観、共用部リノベーション済み

各住戸のリノベーションで理想の住み方がイメージできる

共用部以外にももちろん専有部でもリノベーションは施されている。ベースのリノベーションプラン(TOMOS)を軸にリノベーションがなされている。専有部のリノベーションについても取材してみた思ったことをここで紹介したい。

[専有部リノベーション]
・フローリングを無垢材に変更(栗など使用)
  時間が経過するほどに風合いが良くなり、触れたときの天然の心地良さが良い。
・エアコン設置
  自分で設置すると費用もかかり、次に引っ越しするときには持っていくのも難しいので今では生活の必需品。
・キッチンをTOMOSオリジナル
  オリジナルの為、各部屋にあったサイズで設置可能、シンプルなのに使い勝手の良いつくりで、配管処理もうまく目隠しされている。
・トイレは洋式ウォシュレット付きに変更
  洋式トイレに慣れすぎたので、和式トイレでの生活は不便を感じる。その点も解消
・お風呂は在来からユニットへ変更
  お風呂は冷たいタイル張り、また深い浴槽から新しいユニットバスに変更。浴室乾燥機付きなのでいつでも洗濯できるのがうれしい。

[本物件] 居室リノベーション済み(TOMOSプラン)のお部屋[本物件] 居室リノベーション済み(TOMOSプラン)のお部屋

各住戸のリノベーションにアクセントをつける「コラボ」

ベースのリノベーションプラン(TOMOS)に少し変化を持たせる為に、「ヴィレッジヴァンガード」「整理収納アドバイザー」とコラボしたお部屋がある。

●「ヴィレッジヴァンガード」とのコラボポイント
アメリカの海辺の暮らしをイメージしたデザインという事で、アクティブなイメージのヤマグリの床材を使用して優しいウッドデッキにいるような気持ちになる心地良さ。壁にはパイン材を白で塗装したお部屋のポイントになっている。
全体的に男性的な少しシックな色具合が使用され、キッチンやコンセント、スイッチパネルなどシンプルな形状ながら、部屋をまとめる統一感がある。

●「整理収納アドバイザー」とのコラボポイント
「ヴィレッジヴァンガード」とは異なり、女性的な優しいグリーンを使用したアクセント壁がとても部屋をシンプルに優しくまとまった部屋になっている。
整理収納アドバイザーがプランしたという事で、出し入れがしやすいように収納に扉を設けずカーテンにしたり、1ルームでは玄関・キッチン・バスルームが集約して混在してしまう部分だが、バーを設置して、傘立てに利用したり、タオル・鍵・バッグをかけられたりとても万能に使用できる。


[コラボポイント]
・クロスの工夫
  部屋ごとに一部分アクセントのある壁がある、その部屋にあった雰囲気の色
  やフローリングを使用した壁など自分オリジナルな感じがするのがうれしい。
・キッチンカラー
  キッチンの天板の色が「ヴィレッジヴァンガード」「整理収納アドバイザー」
  で異なる。
・玄関周りのフック使い
  玄関の小さいスペースも効率的な住まいができるようにフックなどが使用
  され、家の顔にアクセントを持たせている
・コンセント、スイッチパネル
  シックなテイストとナチュラルなスイッチパネルがシンプルなお部屋のアクセント
  になっている。

[本物件] 居室リノベーション「コラボ」したお部屋[本物件] 居室リノベーション「コラボ」したお部屋

コラボ、1棟リノベ…、賃貸業界の起爆剤となるか?

新しい賃貸物件ほど入居者が埋まっていく背景から、次々と人口が集中する都心では新しい賃貸物件は増加していくが、それと同時に時間が経過した物件は空室が目立つようになり、時間が経つほど空室率がアップしてしまう現状だ。新たな価値を付けて、それに共感できる輪が広がり、住む人は自分らしく快適に暮らせる場所を求め、オーナーとしても満足できる物件管理をする事で、空室物件を解消できるプラスのスパイラルが今後も生まれ続ける事に期待したい。

・取材協力
取材協力 グッドルーム株式会社 http://goodrooms.jp/

2014年 04月16日 11時43分