省エネリフォームを行う時は空気の設計も大事【ニオイがする家には住みたくない！②】

目的別リフォーム・リニューアル工事

「リフォーム」「リノベーション」について考えるのはどんな時だろうか？
国土交通省調べの調査報告書によると、「劣化や壊れた部位の更新・修繕」に次いで「省エネルギー対策」のためにリフォームを行うといったデータが出ている。

高気密高断熱の家に建て替えることで様々なメリットがある。冬暖かく、夏涼しく、そのため空調の電気代も抑えられる。良いことずくめの省エネルギー対策のリフォームは、健康に暮らすためにも必要。

しかし、安易にリフォーム会社を選んではいけない。作業スキルもそうだが省エネルギー対策を行う場合、空気の流れをきちんと分かっている施工者かどうかを確認してほしい。また、現在国からの控除もあるのも念頭にいれることが大切だ。

施工者も施主もこうした点が知識不足だと、様々なトラブルが浮上する。今回連載の「住まいのニオイ」問題もその中の1つである。

リフォーム物件の場合、新築戸建てやマンションと異なり、違ったニオイトラブルが現れる。「時間差トラブル」とでも言うべきだろうか。

木造の古い戸建て住宅を高気密高断熱の住宅に変更する場合、外壁、窓のサッシ、床下などのリフォームが考えられる。しかし、「空気の流れ」について考慮しない設計だと、高気密高断熱住宅にはなるものの、湿気の逃げ場もなくなってしまう程の高気密空間になってしまう。
しかし、こうした状態でもしばらくはニオイの異変は形として現れない。冬を超え、そして夏になった時にその異変は起こり始める。

リフォーム物件で異変が起こりがちなのは窓のサッシ部分。実は最新のサッシにすることで高気密にはなるものの、上記のように空気の流れを考えない設計だと湿気の逃げ道もなくなってしまう。例えるのなら、温かい料理を熱冷ましせずにサランラップで包んだ状態のようなものだ。サランラップには、結露した水滴がつくのはご存じだろう。

それと同様に、冬場暖房をしている暖かな家をラップのような役割を果たす最新サッシなどの高断熱材でぴったり密封してしまうと、窓部分などに結露が出てしまうのだ。結露対策を行ったサッシでも湿気の逃げ場がない状況下では性能能力も下がる。

この結露が発生するとサッシ自体だけでなく、近くの木枠や壁、床など様々な場所に水滴が付着する。このような場所が、夏になるとカビの大量発生ポイントになるのだ。その大量のカビは不快なニオイを生み出す結果となる。
こうした事態を防ぐためには、繰り返して言うがきちんとした空気の逃げ道、つまり換気が必要である。空気の流れをきちんとした施工会社でないと、このようなことが起きてしまうので注意したい。

結露する窓

省エネリフォームと言えばご存じの方も多いと思うが、平成26年3月31日までに省エネリフォームをすると200万円までを限度に10％の控除を受けられる。

省エネリフォームに該当するリフォームは、サッシの交換などの窓の改修、天井・屋根の改修、壁の改修、床・基礎の改修である。財団法人建築環境・省エネルギー機構の出す「住宅の省エネリフォーム税制の手引き」によると、控除を受けるにあたって下記6点を留意したい点として挙げられている。

１）改修前の住宅の省エネ性能の確認が必要
２）断熱地域区分は市町村区分
３）改修前の住宅の省エネ性能・地域によって、必要工事内容に差がある
４）改修する各部位については、原稿省エネ基準レベルに到達することが必要
５）窓の改修工事は必須
６）気密工事、熱橋部分の断熱補強等は不要

省エネリフォームは、そこに住む人々の健康向上、電気代の低減など様々なメリットをもたらすものだ。だからこそ、トラブルなくそして国からもきちんと控除してもらえる体制で行いたい。

省エネリフォームの施工会社を選ぶ際には下記2つを念頭に選んでほしい。

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①空気の流れも考えている
②省エネリフォームの税制手引きに沿った改修をしてくれる
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また、そのリフォームが適正価格かどうかもきちんと事前調査が必要。
断熱改修工事を行う際の工事費用相当額は国土交通省が発表しているので、参考にしてもらいたい。
データを参考に、ニオイトラブルのない正しい省エネリフォームを行いたいものだ。