建てたばかりの住宅に漂う謎のニオイって、何?

結露する窓結露する窓

におい探偵の石川英一さん(第1回参照)の話によると、新築戸建てのニオイ問題は年々増加しているらしい。何十年のローンと引き換えに憧れのマイホームを手に入れたのに、いきなりニオイのトラブルでは困る…。

そもそも現在の住宅は2003年の建築基準法によって、“シックハウス症候群”の対策を行い空気の流れも設計された高気密高断熱の住宅が基本だ。空気の設計まで行われた住宅なのに、今まで嗅いだことのない異物のニオイがするのは何故だろう。新しい住宅は独特のニオイがするから…と思ってお香やアロマでごまかそうとしても、そもそも原因が判明しないと原因となるニオイは消えるわけではない。建てたばかりの住宅に漂う謎の異臭。今回はその原因をクローズしていく。

新築戸建て住宅の軽度なトラブル

新築住宅の場合、今まで嗅いだことのないニオイが室内から漂うケースが多い。この内、7~8割が建材のニオイが室内に入ってしまったことで起こる軽度なトラブルだ。連載第1回目でもふれた「24時間換気システム」を間違えた方法で使用すると部屋の気圧が限界まで下がってしまう。ちなみに間違えた方法とは、電気代がもったいないからと換気を止めたり、外からの空気をいれたくなくレジスタを閉めてしまうなどが挙げられる。そうなった場合、室内に露出していない木材や合板のニオイがコンセントや壁のスイッチから出てきてしまうことがあるのだ。

建材のニオイということは、室内に“シックハウス症候群”の原因であるホルムアルデヒドが入ってきている?と思った人がいるかもしれない。そこで今回知ってほしいのが、「f☆☆☆☆(エフフォースター)」という一見見慣れない認定基準のマークだ。このマークは、JIS製品に表示することが義務づけられておりホルムアルデヒドの拡散量の性能区分を表すために設けられたもの。☆が少なくなるほど、ホルムアルデヒドの拡散量は多く、例えば「f☆」のものは内装材としての使用は禁止されている。

軽度なトラブル対策としては、建材のニオイをさせないため換気を適切な方法で行い室内の気圧をなるべく下げないことが挙げられる。しかし、住宅の換気システムによって避けられない場合もある。その時には、次にニオイが何なのか特定する。そのニオイが建材自体から発せられる新材独特のニオイであればその内自然と消えていく。また、その建材がf☆☆☆☆の建材を使っており、体への負担も少ないものであれば、時間による解決を待つしかない。この軽度なトラブルを解決するためには、施工後の対策ではなく施工前に使用される建材が安全かどうか施工主に確認をすることが重要だ。

新築戸建て住宅でニオイがする方はチェック。新築戸建て住宅でニオイがする方はチェック。

新築戸建て住宅の重度なトラブル

重度なトラブルとしては、軽度なトラブルであげた“建材のニオイ”ではない場合に挙げられる。天井裏や床下の空気が住宅の室内に流入することで起こる。天井裏や床下がカビなど予想外の状態の場合にこのトラブルは起こる。

新築なのに、何故こうしたニオイの原因が起こるかというと、基礎部分を作っているときに雨などが降って、カビや菌が繁殖するケースが稀にあるのだ。基礎部分の工事終了後にその上に住宅を造るが、その際に基礎部分を建物の構造によっては密閉してしまうため、濡れたまま工事を行うとカビてしまうケースが起こる。この場合、施工時によるトラブルのため、自然にニオイはとれず、場合によってはカビてしまった部分を取り換えるなど工事が必要となる。このような場合は、時間による解決は逆に自体を悪化させるだけなので、専門家に相談して速やかにニオイの原因を特定してもらい対策した方が早期解決につながる。

戸建てのニオイのトラブル回避方法は?

建材のニオイ問題に関しては、国土交通省の「建築物のシックハウス対策マニュアル」が役に立つ。下記リストは抜粋したもの。詳しくはマニュアルを参照してほしい。

幾つかの対策は文中で紹介したが、トラブルに悩まされないための対策を2つポイントとしてまとめる。
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① まず施工前。建材のチェックと、基礎部分の工事に関して建設現場に足を向けること。
② 施工後としては、24時間換気システムを正しく使う。
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まず①に関しては、施工会社に任せっぱなしにするのではなく、自分の目でもチェックするように心がけたい。万が一トラブルが起きた場合のため、施工写真を撮るのもいいかもしれない。②に関しては、24時間換気システムを正しく使うことで設計者が想定した空気の流れになる。正しく使えば、それだけトラブル発生率を減らすことができる。


出典:国土交通省「建築物のシックハウス対策マニュアル」

【室内の換気はこんなところに気をつけましょう】  【化学物質の発生源はこんなところに気をつけましょう】 
 □24時間換気システムのスイッチは切らずに常に運転するようにする。  □新しい家具やカーテン、じゅうたんにも化学物質を発散するものがあるので注意が必要。
 □新築やリフォーム当初は、室内の化学物質の発散が多いので、しばらくの間は、換気や通風を十分に行うように心がける。  □家具や床に塗るワックス類には、化学物質を発散するものがあるので注意が必要。
 □特に夏は化学物質の発散が増えるので室内が著しく高温多湿となる場合(温度28℃、相対湿度50%超が目安)には窓を閉め切らないようにする。  □防虫剤、芳香剤、消臭剤、潜在なども発生源となることがある。
 □窓を開けて換気する場合には、複数の窓を開けて汚染空気を捻出するとともに新鮮な空気を室内に導入するようにする。  □化粧品、香水、散髪量なども影響することがある。
 □換気設備はフィルターの清掃など定期的に維持管理する。  □室内でタバコを吸うことは避けた方が望ましい。
 

2013年 09月26日 11時08分