意外に時間がない?消費税アップまで

消費税が平成29年4月に8%から10%に上がる予定だ。
建物は数千万円するのでたった2%の上昇でも数十万円のアップ。仮に建物本体が2,000万円するなら40万円もアップする。その他、外構や家具、照明、諸々の手数料や火災保険料なども消費税の対象内となる。また、意外に盲点なのが、その分ローン金額を増やすことで生じる総返済額のアップ。あれもこれも支払うお金がアップする…良い物を安く買いたい消費者にとっては、この消費税アップは良いことは1つもないと言える。

ただ、それも平成29年の4月から。この記事を書いている今は平成27年9月なので「なんだ、まだまだ先(16ヵ月後)のことじゃないか」と考えられる方は多いと思う。
家を“買われる”方はその考えで正解。ぎりぎりまで大丈夫なのでゆっくり考えて検討していって欲しい。焦る必要はないと思う。ただ、これから“家を建てようかな”、と考えている人は意外に余裕がないので注意が必要だ。スケジュールから言うともう決断の期限まで1年しかない。

「えっ、そうなの?」と思われた方。そうなんです。平成28年9月末までに請負契約(建物の契約)をハウスメーカー・工務店とするか、平成29年3月末まで建物の引き渡しを受けなければ消費税は8%は適用されないことになる。一見平成29年3月末までならまだ余裕があると見えるが、建物が出来上がるまでには契約し着工してから一般的には4~6ヵ月はかかるので、引き渡しを平成29年3月末までに受けようとすると、結局平成28年9月末頃までに契約をしないと間に合わないことになる。どのみち平成28年9月末までに請負契約が必要なのだ。このことから、あと1年しか決めるまでの時間はないと言える。

また、これも請負契約をするまでの期限。どのハウスメーカーや工務店がいいのかを比較検討したり、プランを詰めたりする時間が含まれていない。一般的にはその時間は平均して2~3ヵ月ほどはかかる。もっとこだわりたい方はそれ以上かかる。とすると、意外にも今時点では1年を切っているという表現の方が正解かもしれない。少なくとも「家を建てたい」と思ったら、来年の4月頃には動いていかないと遅いのかもしれず、6月からだと本当にギリギリになるのだ。
どのみち2%上がることが確定していて、そのうえ期限があるのだ。「家を建てたいな」と考えている方は1日でも早く動いていた方が正解と言える。

そこで本コラムでは、前回の8%への消費税アップ時の状況を振り返って見て、「家を建てたいな」と思ったら、知っておいた方が良い4つのトピックスを上げてみたい。「家を建てたいな」と考えている人にとって有益になるものと思う。

消費税アップまでのケース比較消費税アップまでのケース比較

1)7月から9月末まで忙しくて対応ができない?

8%への消費税アップ前の平成25年夏頃、あるハウスメーカーの担当者がこう言っていた。
「受注数が多くてこれ以上だと対応できないんですよ。なので、予算規模がかなり高くない限りはうちでは無理ですと言っています。もったいない話ですけど…」
話を聞くと年初から受注数は前年比より大幅アップで、7月に入ったらすでに進めているお客さんの対応で一杯とのこと。新規のお客さんはなかなか受けられない状況だったみたいだ。数が多いのにもかかわらず何せ顧客のほとんどは9月末の請負契約に向けて必死のはず。締切が毎日毎週あるような感じだったに違いない。ハウスメーカーの担当者も「本当にあの時は忙しかった…」と反動が来た翌年以降によく言っていた。

そういう状況であったので、動き始めたのが遅かった顧客は多くは間に合わなかったに違いない。話を聞くと「うちでは消費税5%で進めるのは確約できません」と言われたようだ。9月末が駄目なら3月末引き渡しで消費税5%に間に合うかも…と動いた方も、そちらもあっさりと「3月末の引き渡しは確約できません」と言われたようだ。どのみち依頼数が多くてハウスメーカー・工務店も動けなかったのだ。

それならいつ頃から動いた方が良かったのか?ハウスメーカーや工務店の担当者は「遅くとも4月頃から動いていた方は間に合った」と言っていた。5月のGWから家を建てようと相談してくるお客さんが急激に増えたという話もあるので、その前に相談をしていた方はセーフだったのだろう。今回もおそらく似たような状況が生まれる可能性が高い。
動くなら1日でも早い方が良さそうだ。

■トピックス1:動くなら1日でも早く。できるなら4月ぐらいから動くのが賢明。

2)様々な補助金や制度で消費税を補填?

補助金が出来たり、消費税を補填する制度拡充はあるが…補助金が出来たり、消費税を補填する制度拡充はあるが…

とは言っても何だかんだで前回の消費税アップ時には消費税の影響を抑えようと補助金が出来たり、消費税を補填する制度拡充があった。それを知っている顧客からは「今回も補助金とかあるだろうから消費税の影響をそこまで考えなくともいいですよね」とよく言われる。

答えから言うと、補助金とかでは消費税アップ分はそこまで吸収できない。
なぜなら、補助金や制度を利用するには、様々な制限や条件があって全ての方が使えるということではないからだ。たとえば住まい給付金という制度がある。年収に応じて給付金を交付してくれる制度だが、8%へのアップ時は年収510万円以下(実際は所得割額)が適用要件であり、全員が当てはまるということではなかった。10%時は年収775万円以下が適用要件となるので、以前よりかは該当する方が多くなるが、年収が高いほど給付額は少ないので、あまり補填にはならなそうだ。

このようなことからも、どうしても期限までに間に合わなかったら、アップ分は多少なりとも補助金や制度で補填しようぐらいがいいところだろう。補助金や制度は当てにはせず、できれば消費税8%のうちに対応していく、前回の経験からはそう言えるだろう。

■トピックス2:補助金や制度があるので、消費税アップでも安心できるは間違い

3)反動で値引きも有り?

ただ、一方で前回の8%消費税アップ後は需要が落ち込み、その反動で値引きの話しが多くあった。
どれぐらい需要が落ち込んだかと言うと、たとえば消費税8%となった平成26年初夏頃、業界紙にはあるハウスメーカーが約2割の前年比受注減となった掲載されていたぐらいだ。これはかなり大きなダウンだ。実際、営業担当者と話をしていると「昨年の忙しさが嘘のように暇」という話で、「大きな値引きにも応じられる状況」と言っていた。顧客にとっては良い話だ。実際にその頃、消費税5%では諦めていた顧客があるハウスメーカーと請負契約をしたが、交渉の末、消費税アップ分以上に値引きをしてもらったことがある。こんなこともあるのだ。

「家を建てたい」と思っているなら早ければ早い方がいいが、まだそこまで煮詰まっていないのに「消費税がアップ」するから早く「家を建てなきゃ」と焦る必要はないということだ。焦って家を建ててもいい家にはならないだろうし、何とも言っても後から後悔する。このように値引きでその分を…ということがあることを理解しておきたい。

■トピックス3:消費税アップだからと言って焦って家を建てる必要は全くない。

4)消費税以上に痛いことがある?

建設業界では常識のことだが、エンドユーザーの方々にはあまり知られていないことがある。それは消費税よりもつくり手の人件費の高騰化の方が価格を押し上げている事実だ。
ある工務店の社長いわく「大工の奪い合い」という状況。そもそも大工さんなどつくり手は、高齢化や成り手が少ないことに加えて、震災復興やオリンピックなどの需要があったため、ほぼ慢性的に人手が足りない状況なのだ。それに伴って人件費は上がるばかりだ。これがこれから「家を建てたい」と思う顧客にとっては痛い。

懇意にしているハウスメーカーの営業マンはこう言っている。「人件費が上がっているのが痛くて前なら坪50万円でもできていたことが、下手をしたら坪60万円じゃないと難しいですよ。」ざっくりとした話なのでその数字が正しいか確認はできないが、坪10万円アップとなると価格は約20%増しとなる。総額で考えると30坪の家なら300万円ものアップとなる。確かにこれは痛い。さすがにそこまでは行かないとしても、消費税は2%アップ程度だから、人件費の高騰と比べるとカワイイものと言えそうだ。

そしてこの人件費の高騰はこれからもずっと続くと見られている。
成り手の問題や、需要が落ちないなど状況は変わらないからだ。おそらくここ数年は年々人件費は高くなる可能性がありそうだ。そうだとしたら、「家を建てたないな」と真剣に考えるなら、消費税を考慮せずとも早めに動く方が安く買える可能性が高くなると言えよう。

■トピックス4:消費税より人件費の高騰化の方が価格に影響する。

ここまで4つのトピックスを見てきた。これらのトピックスをまとめると、

・「家を建てたいな」と考えている人なら早めに動き出すのが吉。
消費税も人件費も時間が経てば経つほど、価格を高く押し上げてくる。また、来年の7~9月頃は駆け込み需要で場合によっては対応が遅くなることもありそうだ。少しでも安く、満足する家をつくりたいなら早め早めに動くのが良い結果をもたらすと言えそうだ。
・「消費税がアップするから家を建てなきゃ」という人は焦らずともOK。
消費税アップ後は、制度や補助金がある程度は補填してくれるし、場合によってはハウスメーカーや工務店がその分値引きに応じてくれるかもしれない。そして何よりも焦って家を建てると満足がいかないことも多い。そうであれば、消費税アップするからと焦って動くよりかは、自分達が家を建てる必要性を見つめ直してから動いた方が良さそうだ。ただ、事前に制度や補助金を予習して、自分はそれに当てはまるかを見ておくことは不可欠と言える。

皆さんはどちらに当てはまっただろうか。

前回の教訓から来年の1月頃から家を建てたい層の動きが活発化することが予想される。是非、皆さんも後悔のない選択をして欲しいと思う。

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2015年 09月28日 11時05分