調査の概要

住宅金融支援機構「住宅取得に係る消費実態調査」(ホームページより)住宅金融支援機構「住宅取得に係る消費実態調査」(ホームページより)

住居を取得する場合、一般的には住宅取得にかかる費用以外にも何らかの支出を伴う。
新しく世帯を形成した場合や、子供が大きくなり広い住宅に引っ越した場合では、今までとの生活スタイルが変わり新しく家具等を購入する必要があるが、それ以外にも住宅取得を機に古い家電等を買い換えたりする契機になることも考えられる。

住宅金融支援機構では、住宅取得時にどのような品を購入し、いくら支出するのかについて、インターネット調査会社に登録しているモニターを対象にし調査を行った。2014年度調査の結果については、ホームページで公表している(「住宅取得に係る消費実態調査」)。

調査の主な内容

本調査の結果は、マクロ的には住宅取得による耐久消費財等の購入額を把握することで、住宅取得に伴う経済波及効果の試算等に活用でき、個人のレベルでは、住宅を取得する予定の方が資金計画を立てる際に住宅購入費以外にどのような支出が必要かを検討するうえで参考になるだろう。
また、住生活関連メーカーや家電メーカー等にとっても、消費者の行動を知るためのマーケティング資料として活用できるのではないかと考えられる。

2014年度における消費実態調査の調査項目は以下の(1)~(4)である。
1)耐久消費財等への支出額及び購入数量
 住宅取得後、おおむね1年以内に購入した耐久消費財等について、「家具類(15品目)」、「家事用器具類(7品目)」、「冷暖房器具類(7品目)」、「照明・設備器具類(6品目)」、「教養・娯楽品類(10品目)」、「通信機器等(3品目)」、「交通(4品目)」及び「その他(6品目)」の58品目について、モニターにそれぞれの品目への支出額及び購入数量を回答してもらった。
2)引っ越しにかかる費用
3)住宅取得後における耐久消費財以外への消費支出動向
4)消費を取り巻く環境等に関する今後1年間の見通し

今回の調査結果について、2回にわたり寄稿の中で、主な特徴を紹介したい。

一世帯当たりの平均耐久消費財購入額は、新築一戸建てで約200万円

一世帯当たりの平均耐久消費財購入額を、住宅の種類別に集計した(図表1)。一戸建て(新築)については201万円であった。この結果は、2012年度調査の202万円とほぼ同じである。建売住宅は同105.1万円、新築分譲マンションは同85.9万円、中古住宅は71.1万円となった。

この結果から、新築一戸建ての住宅を取得した方の購入額が最も大きいことになるが、他の住宅取得者に比べると、①太陽光発電システム、②自動車、③門やへい(垣根)の購入額が多いことが目立つ。

①太陽光発電システムについては、一戸建て(新築)住宅取得者は購入世帯比率が23.0%と他の住宅取得者に比べて高く、また、1世帯当たりの平均購入額も48.2万円と多いのが理由である。

図表1 1世帯あたりの平均耐久消費財購入額図表1 1世帯あたりの平均耐久消費財購入額

購入額上位10位の品目について

②自動車については、購入世帯比率は14.0%とそれほど高くないが、1台当たりの購入額が大きいため、1世帯当たり平均購入額は33.6万円と多くなった。③の門・へいについても、一戸建て(新築)の購入世帯比率は20.7%で、他の住宅取得世帯に比べて高く、1世帯当たりの平均購入額も15.7万円と多かった。

一方、建売住宅については、1世帯の平均購入額は105万円で、一戸建て(新築)の約半額となっている。特に太陽光発電の設置が11.3%と約半分であり、購入額もほぼ半額となっていることや、門・へい(垣根)の平均購入額は1.5万円しかない。建売住宅は一戸建て(新築)と違って購入時点で住宅がすでに完成していることから、新たな工事を追加することが少ないことや、照明器具やエアコン等がすでに設置されており、新たに購入する必要がない等の理由が考えられる。

マンションについては、平均購入金額は86万円で、さらに低い。建物の制約から太陽光発電の設置が困難であることや、自動車の購入世帯比率が4.9%と低く、マンション購入により、新たに自動車を購入する世帯が少ないことが挙げられる。

中古住宅については1世帯当たりの平均購入額が71万円で最も低いが、この理由として、新たに購入するよりも、今までの耐久消費財等をそのまま利用していることや、1品目あたりの購入価格が低いことが考えられる。

図表2 住宅種類別の購入世帯比率と1世帯当たりの平均購入額図表2 住宅種類別の購入世帯比率と1世帯当たりの平均購入額

カーテン、照明器具、エアコンがトップ3

住宅を取得する際に、どのような耐久消費財等を購入するのかを見てみることにする。購入品目を購入世帯比率の高い順に並べると下図(図表3)のとおりとなった。

最も購入世帯比率の高い①カーテンは、どの住宅においても必需品であり、どの世帯でもすでに保有していると考えられるが、従前に住んでいた住宅と新たに取得する住宅とでは、窓の数や形状等が異なる可能性が高いことから、新たに購入する世帯が多いと考えられる。 

②照明器具についても同様の理由と考えられ、どの住宅の種類においても2番目に購入世帯比率が高い。
③ルームエアコン、④じゅうたん・カーペットについても、部屋の数や大きさ等によって変える必要性が高いため、購入世帯比率が高いものとみられる。なお、2012年度の調査においても、①から④については同じ順位であった。
⑤ベッド・ソファーベッド、⑦応接セット、⑧ふとんについても、順位に多少の変動はあるが、2012年度の調査結果とほぼ同じように購入世帯比率が高い品目であった。⑥テレビ及び⑨電気冷蔵庫については、生活必需品と考えられることから、どの世帯もすでに保有していると考えられるが、部屋の数などの理由以外に、住宅取得がより機能の高い製品への買い換えのきっかけとなっていることが推測される。

以上、住宅の種類による差はあるものの、購入世帯比率が上位となる耐久消費財は、生活必需品であること等から大きな変動がないものと予想される。

次回は、年齢帯別の購入品目の特徴、耐久消費財以外への消費支出動向等について紹介したい。

図表3 住宅種類別・品目別・購入世帯比率図表3 住宅種類別・品目別・購入世帯比率

2015年 10月27日 11時05分