法制度はどうやってつくられるのか

概算要求は夏頃、予算は年末にまとまる概算要求は夏頃、予算は年末にまとまる

今回からしばらくは、住宅業界紙を出している出版社の社長らしく、2014年の住宅関連の法制度について解説してみたい。とくに今回は堅苦しい(つまらない)話で恐縮だが、法制度の基本からお伝えしたい。

法制度は基本的にその業界を所管する省庁が企画・運用する。
住宅は裾野が広い産業なので、国土交通省(所管:建築・不動産関連)のほか、経済産業省(エネルギー・建材設備関連)、農林水産省・林野庁(木材関連)、環境省(エコロジー・省エネ関連)、厚生労働省(健康・福祉関連)がそれぞれ所管分野で企画・運用している。
以前は縦割りによるムダや不合理もあったが、最近は調整が行われているように見える。

法律をつくる場合や改正する場合は国会で審議され(難解な)条文に落とし込まれ、公布(=発表)後、一定の周知期間の後に施行(=運用開始)される。

予算とスケジュール

国土交通省の予算のページ。予算の情報を部局ごとに掲載。住宅関連は「住宅局」を見ればいい国土交通省の予算のページ。予算の情報を部局ごとに掲載。住宅関連は「住宅局」を見ればいい

行政の年度は4月〜次の年の3月で、制度や補助事業などは基本的にこの間の「単年度事業」として予算化される。
補助金の申請期間がタイトだったりする理由はここにある。また取れた予算は消化するのが行政の基本なので、そのために急に補助事業が行われたり、補助の枠が増えたりする。

もちろん使える予算には限りがあり、8月末頃に各省庁が「来年度の予算これぐらい必要です」という見積もり(「概算要求」と呼ぶ)を出し、それを財務省が査定する。折衝が続き増やしたり削ったりした後、1月に次年度の予算案が確定する。その後、国会審議で可決されると実行される(景気対策のために臨時で「補正予算」が組まれることもある)。

各省庁の概算要求や予算(案)はホームページですべて公開されている(以前は記者クラブメディアの既得権的コンテンツだった)。なので、これらを全部見ると誰でも住宅関連法制度を知ることができる。
とはいえ、面倒なうえ、以前よりはわかりやすくなったもののお役所的表現も多く、生活者の皆さんが自らチェックすることはおすすめしない。

2014年の重点分野・注目制度

国の住宅関連の重点分野はここ数年一貫している。
ざっくり、1耐震・防災、2省エネ・エコ、3中古住宅・リフォーム、4高齢者・弱者対策、5消費者保護―の5つだ。

これらは適当に決めているわけではなく、各省庁が目標数値付きのロードマップをつくっており、そのなかで重点分野、とくに目標達成が厳しい分野にはテコ入れのための法制度が打ち出されたり、インセンティブとしての補助事業が導入されたりする。

ちなみにロードマップのゴールは基本的に2020年とされているが、それはこの年が団塊世代が75歳の後期高齢者に入っていき税収が減る一方でその対応で国の負担が増える年=補助金などを出す余裕がなくなる年ということらしい。

そのなかで今年の注目法制度としては、「リフォーム版長期優良住宅制度」「スマートウェルネス住宅」「家庭エコ診断制度」を挙げる。また、14年度も継続される住宅関連補助事業としては「地域型住宅ブランド化事業」「ゼロエネ住宅補助」「木材利用ポイント」「再生エネルギー買い取り制度」などがある。

生活者の皆さんにとっては何のことやらだと思うが、100万円以上おトクになる制度もあるので、家づくり・リフォームを検討中の方は知っておいても損はない。なので、次回はこれらのポイントを紹介したい。

2014年 01月27日 09時56分