情報が多すぎて迷ってしまう

「何から手をつけていいか分からない」
新しく始めることは何でもそうだが、どこから手をつけていいのかよく分からないもの。そのため最初の1歩を「どう踏み出すのか」を探るため、ネットや書籍、雑誌から情報を得ることが多いと思う。
ただ不動産の購入に関しては、ネットで「不動産」「購入」と検索をかけると今や248,000,000件もヒットする時代。不動産の情報もここまでの数があると、逆に多すぎて「不動産の買い方を調べているのに、どの情報を見て信用したらいいか分からない」と前段階で惑われる方も少なくないはずだ。
先日、ご相談を受けた方もその一人。いろんな方がいろんな方法で語るので「どの方法を選んだら良いのか」が分かりづらいとのこと。「業界的にこれで決まり!というのがあれば迷わずいいんですけどね~」と笑いながら話されていた。不動産の買い方も選択肢が多いだけに悩みはつきない。
「不動産を買うのに何から始めたら良いでしょうか?」
この問いには「誰もが良いと言う不動産を選ぶこと」よりも「自分に合っている不動産が良い」という考えをしっかり持てば答えが得られるのでないかと思う。今回のコラムでは、相談者の方と話をした際に提示した考え方を見て頂きたい。

不動産を買う際に考える3要素

不動産の購入にあたって抑えるべき要素は3つある不動産の購入にあたって抑えるべき要素は3つある

不動産の購入にあたって抑えるべき要素は3つある。
まずは自分でしか決められない不動産への希望やライフプラン、資金計画といった要素。これは、自分の内側にある要素だ。
その反対に自分で決めることができない不動産の売出状況やその市場の需給関係といった要素。これは、自分の外側にある要素となる。
そして、最後に自らの希望条件に今売り出している不動産がマッチしているか、つまり自分から不動産にどうアプローチするかといった要素。内側と外側をつなぐ(媒介する)要素である。ここは、主に不動産仲介会社が担っている部分となる。
この3つの要素が、不動産の購入にあたって抑えるべきポイントと言える。

多くの方は唯一自分で何とかできるライフプラン等を詰めることから始まる。
まずは軽くライフプランを詰め、不動産の希望条件を出した後に月に幾らまで支払えるかという資金計画を行う。その後、実際に不動産を見てみないとイメージが湧かないので、ネットで不動産を探し、不動産業者に連絡をして実際に不動産を見る。気にいらなければ他を見て、気にいったなら再度ライフプランや希望条件、資金計画を精査して、問題なければ買う。皆さん、不動産購入にあたっての動きは、こんな感じかなと思う。

不動産の良し悪しに流されていないか?

私もこの流れで問題はないと思うのだが、1点気になることがある。
ライフプラン等を軽く詰める程度では、良い不動産に出会った場合に、その不動産に自分が引きずられないか?という点だ。

詰め方が甘いと自らの不動産に対する判断基準が育たない。あやふやな判断基準のまま不動産を見ていくことになる。
駅から近い、静かな住環境、内装の綺麗さなど誰から見ても「良いですね!」と言われる不動産は、誰もが目を引くし、魅力的に映るもの。価格を気にしなければ、できれば「買いたい」「欲しい」と思うはずだ。
あやふやな判断基準のまま良い不動産に出会うとどうなるのか?
おそらく自らが最初に決めた判断基準は雲散霧消し、「毎月〇〇を我慢すれば支払えるかな?」と不動産に合わせて自らの諸条件を上げていくことになる。不動産に合わせたライフプラン等が出来上がってしまう。
これで良いのだろうか?
人によっては「支払いが大丈夫なのかな?」と思うほど、不動産を見て自らの支払条件を上げていく人がいる。また、夫婦共働きの方などは、二人の年収で目一杯に資金計画の組み立てをすることがあるが、子供が出来てどちらかが育児で働けなくなったらどうするんだろう?と思うこともしばしばある。こうなると、せっかく買ったのに住みつづけることが難しくなるかもしれない。

判断基準を育てていくにはどうするか

最初にどの不動産会社やFPを自分のアドバイザーとして引き込むのか、このような視点も重要になるかもしれない最初にどの不動産会社やFPを自分のアドバイザーとして引き込むのか、このような視点も重要になるかもしれない

「自分に合っている不動産」つまり、皆さんにとって良い不動産とは、皆さんのライフプラン、希望条件、資金計画などが不動産の条件と合致しているものだ。皆さんが主体で、不動産が客体となる。
将来売ることが前提なら売り易くかつ価格が落ちにくい不動産を選ぶことになるが、そうすると時間が経過することで評価が確実に変わる部分、内装などの綺麗さは二の次になるかもしれない。
同じく家族6人で広いリビングに住みたいというなら、バス便でも広い不動産を選ぶことになるし、広いリビングをリフォームでつくることになるかもしれない。個性的ともいえるので、誰もが「良いですね!」と言わないかもしれないが、自分にとっては最高の不動産になるはずだ。
そうなるためには、自分に合った不動産を見極めることができる、外側の要素に流されにくい判断基準を育てることが肝要。価格など外側要素もしっかり踏まえて内側要素を詰めていけば、現実に沿ったしっかりとした判断基準を育てることができると思う。また、不動産を数多く見ていくことで、現実を見て判断基準を育てていける。流されることがないはずだ。
中には「その条件ではこのエリアでは買えませんよ」という判断基準もあるが、それは時間の無駄になるので注意が必要。
価格など市場動向が分かりづらい場合は、不動産会社やFPなど媒介要素にあたる第三者の専門家を入れて内側要素を詰めていってもいいかもしれない。何も一人や家族だけで詰めていく必要はないと思う。
そう考えると最初にどの不動産会社やFPを自分のアドバイザーとして引き込むのか、このような視点も重要になるかもしれない。

「不動産を買うには何から始めたらいいのか?」の答えは、先に挙げた3つの要素のどこから取り掛かるのか?また、どこを重視するのかという問いから始まるものだと思う。

2013年 12月02日 10時03分