分別ルールにあわせたゴミ箱を置くスペースを確保したい

ライフスタイルの変化により、在宅時間が長くなると、家での暮らしをより快適に、使い勝手のいい住まいとしたい、と希望する方も増えてきているようだ。ワークスペースの確保や子どもとのコミュニケーションの場を充実させたい、ゆったりとくつろげるバスルームが欲しい、といった声も聞く。

また、家にいる時間が長くなると、食事の回数も多くなり、家族で料理をしたり、子どもとお菓子を作ったりする機会が増える家庭もあるだろう。より使い勝手のいい設備を取り入れたい、おしゃれなキッチンにしたい、とリフォームを考える方もみられる。

新築やリフォームでキッチンプランを検討する際には、レイアウトや機器選びも重要だが、忘れがちなのがゴミ箱置き場。家での食事の回数が増えたり、テイクアウトの料理を購入する機会が多くなれば、必然的にキッチンのゴミもかさ張るものだ。また、ゴミの分別は各地で推進されており、地域によっては分別の種類が多数に及ぶこともある。それぞれにゴミ箱を用意すると、キッチン空間でかなりのスペースを確保することが必要になる。

どこにどの程度のスペースを確保すればいいのか、検討する前にまず確認しておきたいのは、新居の地域エリアのゴミ分別の方法や収集回数など。現在暮らしている家の建て替えやリフォームであれば必要はないが、初めて住む地域の場合は、ゴミ出しルールを把握しておくことは重要だ。その上で必要なゴミ箱の大きさや数を明確にし、それらを置くために必要なスペースをプランニングすることになる。現在の不便さや不都合に感じることを洗い出し、ライフスタイルや家族構成の変化などを配慮することも大切だろう。

キッチンプランを検討する際には、忘れずにゴミ箱を置くスペースを確保しておきたい。[ザ・クラッソ] TOTOキッチンプランを検討する際には、忘れずにゴミ箱を置くスペースを確保しておきたい。[ザ・クラッソ] TOTO

キッチンプランと同時に検討することが大切

キッチンのゴミ箱置き場は、キッチン空間内だけでなく、パントリーを利用したり、勝手口まわりやサービスヤードなどを一時保管場所とすることも考えられるが、もっとも多くみられるのは、キッチンのカウンターやキャビネットの下部などにスペースを確保するプランだろう。

キッチンを検討する方のゴミ箱置き場に対する希望について、パナソニックのハウジングシステム事業部 水廻りシステムBU キッチン洗面企画開発部 西田美佐子さんは「置き場所に困るゴミ箱の定位置を確保してほしい、できればキッチンの中に組み込んで見た目をすっきりさせてほしい、という要望が多く聞かれます」と話す。

プランニングの際のポイントとしては、「手持ちのゴミ箱や市販のゴミ箱を置く場合は、ゴミ箱のサイズを確認し、置き場所を確保しましょう。キッチンに組み込む場合は、ゴミの分別やゴミの量に合わせてサイズを選ぶことが大切です」(パナソニック 西田さん)ということだ。

また、最近では、 キッチンがダイニングやリビングとひとつの空間となっているプランも多い。TOTOのキッチン商品営業グループ 井上祐一さんは、「リビング側からできるだけ見えにくく、シンクから近い所にゴミ箱スペースを確保するといいでしょう」とアドバイスする。ソファの位置などから直接見えない位置に設けるか、扉をつけるなど、工夫をしておくことがポイントだ。その他、ゴミ箱周辺にはゴミ袋の収納スペースを確保しておくと重宝するだろう。どのようなプランとするにしても、キッチンプランを同時に検討することが大切だ。

ゴミの分別方法や量に合わせてスペースを調整可能。[ダストボックスワゴン] パナソニックゴミの分別方法や量に合わせてスペースを調整可能。[ダストボックスワゴン] パナソニック

キッチン空間以外にスペースを確保する場合も

キッチン空間だけでなく、他の空間を利用することも考えられる。たとえば、キッチンに隣接するパントリー(食品庫)などがある場合、ビンや缶、紙などかさ張りがちなゴミをまとめておき、生ごみなどはキッチン空間内にと分けてプランニングしてもいいだろう。

また、ゴミの品目によっては、収集は週に1度、月に1度というケースもある。収集日までにゴミ箱がいっぱいになり、作業の邪魔になる場合も。キッチンが狭い場合や近くに適したスペースがない場合、臭いがくつろぎの場にまで流れてこもるのを避けたい場合など、収集日まで一時的に保管できる場所として、勝手口まわりやカーポートなどにスペースを確保する方法も。裏庭など屋外空間に余裕がある場合は、ゴミ箱置き場も含め家事全般の裏方スペース(サービスヤード)をプランニングしてもいいだろう。

パントリーを隣接させたキッチンプラン。パントリーにゴミ置き場を確保するプランも考えられる。[Lクラスキッチン] パナソニックパントリーを隣接させたキッチンプラン。パントリーにゴミ置き場を確保するプランも考えられる。[Lクラスキッチン] パナソニック

システムキッチン商品には、工夫されたゴミ収納キャビネットも揃う

キッチンメーカーのシステムキッチン商品には、ゴミ箱のスペースを確保したり、すっきりと収納できるように工夫されたキャビネットやパーツなどが多く揃っている。

たとえば、カウンターの下にスペースを確保したフロアキャビネット、キャスター付きの引き出しに複数のゴミ箱を設置できるもの、食器や家電製品などの収納を目的とした「周辺収納ユニット」「壁面収納」などもある。また、キッチンとダイニングの両側から使用できるカウンターキャビネットなどにも、ゴミ箱を収納できるタイプがみられる。家族みんなが行き来しやすい場所であれば、子どものお手伝いもしやすいかもしれない。

TOTOの井上さんは、「生ごみ、資源ごみ、缶、びん類、などを小分けして入るようなゴミ箱収納をW750~W900ですっきり納めたいという希望が多く聞かれます。また、好みのゴミ箱を選びたいというようなこだわりのある方は、スペースだけ確保するような提案をすることもあります」という。

また、パナソニックの西田さんは、「使い方に合わせてキッチン側に組み込む場合もありますし、カップボード側に組み込むこともあります。臭いを気にされる方にはナノイー搭載の脱臭ユニットも提案しています」と話す。

最近人気があるキャビネットはどのようなタイプなのだろうか。
パナソニックの西田さんは、「キッチンの扉面材を取り付けたダストボックスワゴンが人気です。キッチンにすっきり納まるのはもちろん、市販のビニール袋をかけられるので分別が可能。袋止めバーを移動したり取り外すことができるのでゴミの量にあわせてスペースを自由に調整できるのが魅力です」という。

TOTOの井上さんは、「人気があるのは、周囲のキャビネットと同じ扉材のついているタイプです。特に、1段引出しのついたダストボックス収納は、引出しのレールで開け閉めがスムーズなのが特徴。また、オープンスペースに高さがあるタイプは、ワゴンを引き出さなくてもゴミ箱のフタを開閉できるため、ゴミを入れる際の手間が掛かりません。その他、家電収納とオープンスペースを上下にまとめたキャビネットもマンションリフォームなど、スペースに限りのある場合などで取り入れられています」と話す。

さまざまなタイプのボックス収納が揃う。 (上)ダストボックス収納・1段引出し (下左2点)「ハイフロア1段引出しオープンキャビネット+ダストボックス付きワゴン(扉材タイプ)」 (下右2点)「蒸気排出ユニット付き家電収納キャビネット+下部にダストボックス付きワゴン」[ザ・クラッソ] TOTOさまざまなタイプのボックス収納が揃う。 (上)ダストボックス収納・1段引出し (下左2点)「ハイフロア1段引出しオープンキャビネット+ダストボックス付きワゴン(扉材タイプ)」 (下右2点)「蒸気排出ユニット付き家電収納キャビネット+下部にダストボックス付きワゴン」[ザ・クラッソ] TOTO

家事動線を考慮して適切な場所に適切なスペースを確保したい

キッチンに限らず、住まいづくりの際には、実際の暮らしをイメージすることがとても重要だ。ゴミ箱の置き場所や一時保管場所などを図面に記入し、日々の使い勝手を確認すること。保管場所から室内外、前面道路までの動線をチェックするのもポイントのひとつだろう。玄関から持ち出すのか、勝手口から裏庭を回るのか、カースペースを通るのかなど、収集場所へのゴミ出しのしやすさも配慮したい。

また、システムキッチンのキャビネットを取り入れる場合は、必ず、実際にショールームで商品を確認すること。設定されたスペースやゴミ箱の容量で十分か、開閉操作がしやすいかなどチェックしておくことが大切だ。

キッチンをプランニングする中では、ゴミ箱置き場は細かなことだが、その使い勝手は家事の作業効率だけでなく、空間の清潔さ、快適さにも影響するものだ。使いやすいキッチンプランとするためには、「調理」「片付け」だけでなく、「ゴミ捨て」までをトータルに検討することが重要だろう。

2020年 09月05日 11時00分