全160戸のエコハウス仕様、最長40年の専用住宅ローンが使える一戸建てが登場

5月に行われた記者会見では日本では最大規模になるという点、地域と関わる種々の仕組みがある点などが関心を呼び、多数のメディアが集まった5月に行われた記者会見では日本では最大規模になるという点、地域と関わる種々の仕組みがある点などが関心を呼び、多数のメディアが集まった

住宅の数自体は充足している現在、次に目が向いているのは質だ。特にホットな話題は住宅では2016年4月からスタートした建築物省エネルギー性能表示制度「BELS(ベルス。Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)」。これは建物の省エネルギー性能を表示する第三者認証制度のことで、開始からの1年間で共同住宅、一戸建てで19,660件の評価書が交付されている。

だが、その認証制度で最高ランクの5つ星を取得する予定の一戸建て住宅がまとまって160戸も供給されるのはおそらく初めてのことだろう。それがリストグループの分譲するリストガーデン 「nococo-town(ノココタウン)」だ。場所は横浜市戸塚区。JR戸塚駅からバスで約18分の位置にある自動車製造工場跡地の約2万7,400平米強を利用したもので、住宅自体は2階建て、延床面積79.32~98.56平米の3LDK。価格は3000万円台になる予定。全戸に太陽光発電が標準装備されてもいる。

省エネ性能が高いことが評価され、購入者であれば城南信用金庫が用意する、BELS5つ星専用の40年返済型の住宅ローンが使えるようにもなっている。総返済額が増えるというマイナスもあるが、若い人でも買いやすくなるのは確かだ。

と、ここまででも、質の高い一戸建てが欲しい人にはかなり魅力的だが、この物件には他にも様々な、暮らしの質を上げる工夫が用意されている。

クラブハウス、農園やハーブシェアなど人間関係を育む仕組みも多数

ハーブシェア用に設けられたポスト脇の菜園スペース。全戸に用意されているハーブシェア用に設けられたポスト脇の菜園スペース。全戸に用意されている

そのひとつが敷地内のクラブハウス「nococoハウス」や農園などを利用した、住民同士の交流を促進する仕組み。防災拠点も兼ねたnococoハウスでは月に2回ほど地域の子育て支援団体、戸塚区保育協力者グループなどと連携した子育て世代向けの交流イベントが予定されており、ベテランママによる無料の子育てサポートが受けられる。農園は区分利用できるタイプと、農園運営者が育ててくれて年2回の収穫体験ができるタイプの2種類が用意され、自分たちの暮らしに合わせて土いじりが楽しめる。この地域は都市農業の盛んなエリアでもあり、それを意識してのものという。

農という観点で面白いのは「ハーブシェア」という仕組み。これは各宅地の道路沿いに設けられた小さな菜園スペースを利用して、各世帯が好きなハーブを栽培。それを互いにお裾分けしあうというもの。ハーブは繁殖力が強く、露地に植えると想像以上に繁茂してしまうが、限られた空間なら安心だ。自分で育てたハーブが我が家だけでなく、ご近所さんの食卓にも上るとなると、そこに自然と会話が生まれ、人間関係にも繋がることになろう。

さらに、地元の横浜薬科大学と連携、クラブハウスでハーブや漢方薬の講座が開かれるとも。記者発表時にはハーブの種類と利用法が記載されたカラフルなパンフレットのコピーが配布されたが、入居者にはその実物がプレゼントされる。

最先端のIoTを導入した、便利、安心さも売り

玄関や室内の窓近くに設置されたセンサーが何を捕らえているかなど実物を使っての説明が行われた玄関や室内の窓近くに設置されたセンサーが何を捕らえているかなど実物を使っての説明が行われた

住宅そのものではエコハウスであると同時に、全棟が最新のIoTを取り入れた住宅である点も特徴。IoTとはInternet of Thingsの略で、一般にはモノのインターネットと訳されている。nococo-townでいえば、住宅とインターネットが繋がることで生活をより便利に、安心にしていこうという仕組みと考えれば良いだろう。

具体的には室内に設置されたITカメラ、赤外線センサー、家電コントローラーなどの4つのデバイスを通じ、外出先からスマホやタブレットを利用して、我が家内の様子をチェック、コントロールできるというもの。

利用例としては子どもの帰宅をスマホで確認する、留守番するペットのために室内のエアコンの温度を変更する、窓のセンサーで侵入を察知するなどなど。利用については当初6ヶ月間は無料で利用でき、以降は月額1,380円の使用料が発生する。子ども、ペットや高齢者のいる家庭なら、利用価値ありだろう。ただ、新築でこうした仕組みを取り入れる前提であれば、各種デバイスがインテリアの邪魔にならないように配することはできなかったかがひとつ疑問。赤外線センサーや防犯カメラなどは見えていたほうが抑止効果が期待できるというが、それ以外には何か手はなかったのだろうか。

敷地全体の統一感、安全性、資産性に配慮

上/道路と道路の間、住宅が建つことになるブロック内に淡い茶色のラインがあるが、これがnococoみちとなる部分。下/敷地内の一画にモデルハウスが建設されている上/道路と道路の間、住宅が建つことになるブロック内に淡い茶色のラインがあるが、これがnococoみちとなる部分。下/敷地内の一画にモデルハウスが建設されている

160戸という数だけに、敷地全体の統一感も資産価値維持のためには大事だ。全部が同じではつまらないし、かといって、全部バラバラでも困る。そのため、nococo-townでは建築家佐々木龍郎氏の元に町並み検討チームを作り、建物の意匠、配置、形状をコントロール。全体を土を意識した穏やかで柔らかな印象でまとめたという。また、その町並みを長く維持していくために町並みガイドラインを策定している。具体的には敷地の形状は変更しないこと、住宅は2階建てとし、片流れ屋根とすることなどが推奨されている。

敷地全体で印象的だったのはブロック内の裏道的な存在であるフットパス(nococoみち)。ほんの幅1.6mほどの細い道だが、住宅が塀を挟んで背を向け合うのではなく、そこを通ることで互いの雰囲気をなんとなく感じられる仕組みを作ると言えば良いだろうか。コミュニケーションはこうした小さな気配りから生まれるのだろう。

とはいえ、セキュリティにも配慮されており、敷地全体では11台の防犯カメラが設置されている。

敷地のすぐ目の前に大型スーパー、ホームセンターがある点もメリットだろう。駅まではバス便利用ではあるが、日常の買い物は徒歩圏で済ませられる。その先には戸塚西公園もある。

農、所縁、エコが名称の由来

敷地の一番奥に作られる公園と農園。その間にクラブハウスが作られる。入口には災害時にも役に立つ、土かまどが作られる予定だ敷地の一番奥に作られる公園と農園。その間にクラブハウスが作られる。入口には災害時にも役に立つ、土かまどが作られる予定だ

エコ仕様というだけではなく、人間関係を育む、農と触れ合うなど様々な仕組みのある物件というわけだが、その根本にあるのは地域の活性化の原動力となるような街にしたいという思いだという。

「工場がまだ稼働していた2012年にプロジェクトを開始、どのような街を作ろうか、ずっと考えてきましたが、ここは人の繋がりが強く、農業も盛んな地域。それを考えると、160世帯が周辺とは無関係に引っ越してくるのではなく、周辺の人と関係を持ち、街の中でも人間関係が生まれるように考えたほうが良いのではないかと。人が繋がることが地域活性、地域価値の向上に繋がると考えたのです。そこで多くの外部の人たちに協力を仰ぎ、農も活用して様々な仕組みを用意しました。それが結果として、ここでなければ実現しない暮らしに繋がるのではないかとも思っています」(リストデベロップメント事業企画部・相澤毅氏)

ちなみにnococo-townとは「農(のう)」「所縁(ここ)」「エコ」を組み合わせて作られた造語。エコだけでも、所縁だけでもなく、農がある点にここらしさが感じられると思うが、どうだろう。

リストガーデンnococo-town
http://www.list.co.jp/list-g/nococotown/

2017年 06月24日 11時00分