珍しくない!?実家暮らし単身ミドルのマンション購入

自分の空間が欲しくなるのは。どの世代も同じであろう。自分の空間が欲しくなるのは。どの世代も同じであろう。

目まぐるしく変化する世の中。現在、求められているのは変化に対応する力である。そして、何が一般例で何が例外かなどとは考えなくてよい。何でもありなのである。

決して意外ではないのが、実家暮らしの単身ミドルのマンション購入だ。マンション購入は、何も30代に限られているわけではない。ミドルもシニアも、自分や家族が必要とする時が買い時である。今回は、実家暮らし単身ミドルのマンション購入の事例をみてみよう。あなたの身近な事例であるに違いない。

一人者だし、実家を出る理由はない

2年前に話題になった「2.5世帯」は、親世帯と息子世帯、それに出戻りの姉妹が加わるというもの。なるほど、ありそうな話だと思った(出戻りは定義には入ってなかったと思うが)。ただし、今回の主人公である単身ミドルは出戻ってはいない。ずっと両親と暮らしている、それに他の兄弟世帯はいない。転勤など外部要因が加わらなければ、実家を出る理由はないのである。

だが、もう50代。少し先の自分をイメージすると、定年後の暮らしが見たくないのに見えてくるようになった。そして、家にはあきらかに年をとってきた両親がいる。ふと「老老介護」という言葉が浮かぶ。もちろん、両親の面倒を見るのは自分だと思っている。これまで「実家があるから」家を出ようとは思わなかった。だが50代の今、「実家があるからこそ」そして「両親が元気なうちに」家を出てみようと考えるようになった。中長期先のイメージが、自分ひとりの住空間への憧れを強くしているのかもしれない。

ライフプランニングでわかる購入適齢期

「実家があるからこそ」「両親が元気なうちに」という購入適齢期は、ライフイベントを書き込んだ、キャッシュフロー表を作れば一目瞭然である。キャッシュフロー表(以下、C/F表)は、時の流れを1年刻みで横軸にとり、その下の段に自分の年齢、またその下の段に父親と母親の年齢を書き込んでいく。表の右へ行くほど年齢が高くなり未来となっていく、という表である。

C/F表に15年後の自分のイベント欄にリタイア時期を書き込む。すると、当たり前だが同年の両親も15歳年をとっている。75歳の母親は90歳である。自分の収入は、ここで給与から年金に変わる。今までのような無計画で好き勝手な使い方はできないであろう。

「と、言う事は、」と感度がよいあなたは、次のステージへと頭をめぐらすこととなる。そして、「自分の時間とお金が自由になるのは、今が最大ではないだろうか」とつぶやく。そうそれは、「後がない」と自分に暗示をかけてしまうのに相違ない。だが、生きている限り後はある。その一方で確かに、自由にできる時間とお金は、両親が健康で実家暮らしの今が最大だと言えるのであろう。

50代はキャッシュで買う!?

実家暮らしの単身ミドルは、キャッシュで買えるケースが多い。そして、質問をする「どちらが得か」と。彼らには、人がなぜ住宅ローンを借りてマンションを買うのか、その理由がわからない。

手元にお金がなければ、希望のマンションは買えない。将来の稼ぎをあてにしてでも他人から借りる必要がある。だが、手元にお金があって、将来のお金も十分にあって、しかも、マンション購入よりも優先させるべきお金の使い道もない。であれば、キャッシュ買いである。

住宅ローンを利用すれば、利息、手数料、保証料、団体信用生命保険特約料、抵当権設定費用、金消契約の印紙代など、諸処のコストが発生する。だが、住宅ローンを組まなければ必要はない。

確かに、住宅ローン控除は使えない。例えば、1%の金利で10年間だけ住宅ローンを借入れ、住宅ローン控除をまるまる10年間受けたとしよう。たしかにこの間、金利はゼロかもしれない。だが、先のコストは発生する。お金的にどちらが得になるかは明白である。

ケアすべきは、お金が減る不安感

1500万円の中古マンションだろうと、5000万円の新築マンションだろうと、キャッシュで買えば、手元のお金は減る。「それはイヤ。想像しただけでも不安」だと言うならば全額キャッシュで買うことは、止めておいたほうがよいだろう。不安感が心の不安定を生み出し、心身に影響が出て来る。マンションを購入して不幸になるのは本末転倒である。

「働いていれば、また貯まる」、程度に思えればよい。だが、これもまた落とし穴の一つなのだ。一人暮らしのコストは自分持ち。実家で何もかも親恃みで暮らしていた場合は、要注意だ。あきらかに支出が増え、貯まり度は減速する。これまでどおりに使っていてはいけないのである。

必要なのは、シミュレーション。キャッシュフロー表を作成し、一生涯のお金の流れと、貯まり具合を確認しよう。手元のお金が減る不安、将来のお金の憂い、これらが数字的に解消すれば、安心し納得して、キャッシュ買いに踏みきれる。

2014年 08月21日 11時35分