- 片方でもブラックリストに載るとペアローンの審査は通らない
- ペアローンは夫婦それぞれが債務者となり厳格に審査されるため、どちらか一人の信用情報に傷(異動情報)があると、もう一方が高収入であっても審査通過は極めて困難です。
詳しくは、「結論:片方がブラックリストならペアローンの審査は非常に厳しい」をご覧ください。 - スマホの分割払いや奨学金の遅延で無自覚にブラック入りしているケースも
- クレジットカードの滞納だけでなく、携帯電話端末の分割払いや奨学金の返済遅れでも信用情報に傷がつきます。引越し時の督促漏れなど、自覚のないままブラックリストに載っているケースも多いため注意が必要です。
詳しくは、「意外と多い「携帯電話の分割払い」や「奨学金」の落とし穴」をご覧ください。 - 情報が消えるのを待つか、配偶者の単独ローンなら家は買える
- ブラックリストに載っても一生家が買えないわけではありません。一定期間経過して信用情報が回復するのを待つか、信用に問題のない配偶者の単独名義でローンを組むことで、マイホームを購入できる可能性があります。
詳しくは、「ブラックリスト入り(異動情報あり)でも家を買うための代替案」をご覧ください。
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近年の物件価格高騰の影響から、夫婦で協力して希望の住まいを購入する「ペアローン」を検討する人も多いのではないでしょうか。
しかし、ローンの審査で注意したいのが、夫または妻のどちらかが過去に支払いを遅延して『ブラックリストに載っている』可能性です。
結論から言うと、夫婦のどちらか片方でもブラックリスト(延滞や異動など、信用情報に傷がある状態)に載っていると、ペアローンの審査に通ることは非常に困難です。
この記事では、ペアローン審査における信用情報のリアルな実態や、自分の情報を確認する開示手順、そしてブラックリスト状態からマイホームを購入するための「代替案」について、住宅専門のFP(ファイナンシャルプランナー)として活躍している草野芳史さんの監修のもと解説します。
結論:片方がブラックリストならペアローンの審査は非常に厳しい
ペアローンの審査において、個人の信用情報は重要項目のひとつで、夫婦どちらかがブラックリストに載っていると、審査に通過することは難しいでしょう。
ブラックリストに載ること自体は、誰にでも起こりうることです。しかし、長期間にわたって支払い続けるローンの場合、信用情報は厳しく審査されるのが現状です。
なお、実際に「ブラックリスト」という名簿が存在するわけではありません。
一般に、長期延滞や代位弁済(保証会社などが代わりに借金を返済すること)、債務整理(借金を整理し負担を軽減する手続き)など、返済状況に関する重大な情報が信用情報機関に登録されている状態を、「ブラックリストに載っている」と表現することがあります。
信用情報機関によっては、こうした情報の一部を「異動情報」と呼ぶこともあります。
本記事では、分かりやすさを優先して「ブラックリスト」という表現を使用します。
ペアローンは「2人とも」が厳しく審査される
ペアローンは、一般的に夫婦それぞれが主債務者としてローンを契約し、お互いが連帯保証人となる仕組みなため、どちらか一人の信用情報に「ブラックリスト(異動情報)」があると、もう一人がどれだけ高収入であっても審査に通過することは非常に難しくなります。
夫婦それぞれが債務者として返済能力と信用力があるのか厳しく審査されることになり、どちらか一人がブラックリストに載った状態では審査基準を満たせない可能性があるのです。
意外と多い「携帯電話の分割払い」や「奨学金」の落とし穴
ブラックリストに載る主な原因は、クレジットカードやローンの長期滞納(CICの場合、61日以上または3ヶ月以上)ですが、「スマホ本体の分割払いの遅れ」や「日本学生支援機構の奨学金の返済遅延」など、10代や20代でも、自覚のないままブラックリスト入りしているケースも多いです。
「昔のことだから大丈夫」と思っていても、ブラックリストに載った情報は、完済したあとも一定期間消えることはありません。
「忙しくて未払いのまま放置していた」というようなケースでは、時間が経っていてもブラックリストの情報が消えていないという落とし穴に注意が必要です。
【専門家からのアドバイス】 転居時の確認不足に注意! 自覚がないままブラックリストに載っていることも
過去の相談事例の中には、本人にまったく自覚がないまま、携帯電話に関係する支払いの遅れが個人信用情報に登録され、住宅ローンの審査に影響していたケースがありました。
特に注意したいのが、携帯電話の端末代金を分割払いにしている場合です。毎月の請求額が少額であっても、端末代金の分割払いはクレジット契約に当たるため、長期間支払いが滞ると、信用情報に「異動」として登録されることがあります。
実際にあったのは、実家に住んでいた方が携帯電話の機種変更後に転居し、その後、携帯電話の契約を解約したケースです。端末代金の支払いが1回分だけ残っていましたが、督促状は以前住んでいた実家に届いており、ご本人には伝わっていませんでした。そのまま未払いが続き、住宅ローンを申し込んだ段階で、初めて信用情報に異動情報が登録されていることに気付いたのです。
このように、本人が意図的に支払いを怠ったわけではなくても、引越しや解約、口座変更などが重なると、請求や督促に気付かないことがあります。携帯電話を解約したときは、最終請求の有無や端末代金の残額、登録住所が正しいかまで確認しておくことが大切です。 |
自己判断で審査に出すのはNG! まずは「信用情報の開示請求」を

クレジットカードやローンの支払いが一度遅れたからといって、直ちに「ブラックリスト」と呼ばれる状態になるとは限りません。
支払いの遅れの期間や内容によって登録される情報は異なり、信用情報機関によって情報の種類や登録期間も異なります。
そこで重要なのが、「たぶん大丈夫だろう」と自己判断せず、信用情報を開示して実際の登録内容を確認することです。ブラックリストに載っているかどうかは、情報開示請求を行えば、確認できます。
信用情報機関(KSC・CIC・JICC等)で自分の状態を確認する手順
個人の信用情報の開示は、主にインターネット、スマホアプリ、郵送の3つの方法があります。
開示のおおよその手順は、一般的に下記となります。
インターネットでの開示請求の申し込み手順
- ステップ1:メールアドレスの登録
- ステップ2:名前・住所・電話番号などの申込者情報を入力
- ステップ3:オンラインでの本人確認
- ステップ4:手数料の支払い
- ステップ5:開示報告書のダウンロード
スマホアプリからの開示請求の申し込み手順
- ステップ1:アプリのダウンロード
- ステップ2:本人認証(マイナンバーカードによる認証)
- ステップ3:名前・住所・電話番号などの申込者情報を入力
- ステップ4:手数料の支払い
- ステップ5:開示結果の受け取り
郵送での開示請求の申し込み手順
- ステップ1:申込書をダウンロードまたは印刷し、記入
- ステップ2:手数料の支払い(コンビニや振り込み)
- ステップ3:本人確認書類とともに申込書を郵送
- ステップ4:開示結果の受け取り
請求先は、以下の3つの機関が挙げられます。ご覧のとおり、信用情報機関によって開示請求の方法が違うので、詳しい手順や最新の情報は各機関の公式サイトなどで確認してください。
信用情報機関の名称 | 加盟事業者 | 開示請求の方法 |
KSC(全国銀行個人信用情報センター) | 銀行・信金・信組・JA等 | インターネット、郵送 |
CIC(指定信用情報機関) | クレジット会社、カード会社など | インターネット、郵送 |
JICC(日本信用情報機構) | 貸金会社(消費者金融など) | スマホアプリ、郵送 |
「もしかしてブラックリストに載っているかも?」と少しでも不安に思っているのなら、銀行の仮審査に申し込むのは厳禁です。
まずは、その疑問を解消するために、信用情報の開示請求を行いましょう。
【専門家からのアドバイス】 信用情報を確認してからローン審査へ進むのがベスト
開示請求を行わずに審査に進むのは危険です。まずは信用情報を開示して、延滞や異動情報の有無、現在も未払いが残っていないか、情報がいつまで登録される見込みなのかを確認しましょう。そのうえで、家計や借り入れ希望額、審査上の課題を整理し、申込先を絞って審査に臨む方が、時間や手間の面でも合理的です。
たとえば、短期間に複数の住宅ローンへ申し込むと、信用情報には複数の申し込み・照会記録が残ります。複数の金融機関を比較すること自体が悪いわけではありませんが、金融機関から「なぜ短期間に何件も申し込んでいるのか」「ほかにも借り入れや審査上の問題があるのではないか」と、資金計画や借り入れ状況を慎重に確認される可能性があります。
特に売買契約後は、ローン特約の期限があります。原因を確認しないまま審査を繰り返していると期限に間に合わなくなる可能性もあるため、信用情報に不安がある場合は、物件の契約前に確認しておくのが安心です。 |
ブラックリスト入り(異動情報あり)でも家を買うための代替案

夫婦どちらかがブラックリストに載っている場合は、「異動情報が消えるまで待つ」か、ブラックリストに載っていない人が「単独の住宅ローンを組む」という方法が考えられます。
異動情報が消えるまで待つ | 単独の住宅ローンを組む | |
メリット | 夫婦二人の名義でローンが申し込め、借入額が増える可能性がある | 今すぐ住宅ローンの審査を受けられる |
デメリット | マイホーム購入まで数年待たなければならない | 借り入れ可能額が減る場合がある |
それぞれの詳細を見ていきましょう。
代替案1:異動情報が消えるまで待つ
信用情報の傷はずっと残るわけではなく、一定の期間が経過すれば履歴は消えるため、情報が消えた後でローンを申し込めば、審査に通過する可能性があります。
ただ、マイホーム購入を待たなければいけないうえ、個別の状況によって異動情報が消えるまでの期間は異なります。
また、信用情報機関によって登録期間が違うこともあるため、自分の場合はいつ情報が消える見込みなのかを確認することが大切です。
そのうえで、情報が消えるまでの時間を有効に使い、頭金を貯めたり、マイホームに求める条件を整理したりしておくのもいいでしょう。
「今すぐマイホームを購入しなければならない」という状況でなければ、焦らず準備期間に充てるのも、堅実な選択です。
代替案2:単独の住宅ローンを組む
どちらか一方がブラックリストに載っている場合は、信用情報に問題がない配偶者の「単独名義」で審査を受けるという方法があります。
借入額はペアローンよりも低くなる可能性があるため、資金計画の見直しは必要になりますが、「今すぐマイホームを購入したい」という場合は、現実的な打開策のひとつといえます。
頭金を多くして借入額を抑えたり、購入予算を見直して返済負担を軽くすることで、単独でも住宅ローンの審査に通過する可能性が高まるでしょう。
ただし、住宅ローンの審査を通すことが目的ではありません。自分たちの家計や収入状況を整理したうえで、無理のない返済計画を立てることを忘れないでください。
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FPに聞く! ブラックリストでも家づくりを進められた事例
ケース例:夫の信用情報に異動情報が登録されており、その登録が終了する見込みは3年後
→このケースでは、すぐに住宅ローンを申し込むのではなく、その3年間を準備期間と考えることに。
まずは家計を見直して頭金や諸費用を計画的にため、登録期間が終了する見込みの約1年前から、土地の相場を調べたり、住宅会社を比較したりするなど、契約を伴わない範囲で少しずつ家づくりを進めていきました。
そして、信用情報の登録がなくなったことを改めて確認したうえで、住宅ローンの申し込みと土地探しを本格化。
その後、ほどなく条件に合う土地が見つかり、住宅ローンの審査も進めることができ、注文住宅の建築につながりました。
このようなケースでは、「今すぐ買えない」と悲観するのではなく、購入できる可能性が高まる時期から逆算して準備したことがポイントです。
待っている間に頭金を増やし、家計や希望条件も整理できたため、結果として無理のない資金計画で住宅取得を進めることができました。
【専門家からのアドバイス】 信用情報の問題を夫婦間で話し合えば、家計を見直すきっかけに
片方の信用情報に異動情報などが登録されていた場合は、夫婦間での話し合いも大切です。過去には、配偶者に話していない金融事故の履歴があり、住宅購入の話が進むなかで、「ペアローンの審査を受けたら、配偶者に知られてしまうのではないか」と相談されたこともあります。
金融機関が信用情報の具体的な内容を配偶者にそのまま伝えるわけではありませんが、審査結果やその後の確認を通じて、理由を隠し続けることが難しくなる可能性もあるのです。
住宅購入は、夫婦の今後の家計や暮らしに長期間の影響を与える大きな決断です。そのため、審査に通す方法を考える前に、過去の事実と現在の状況を、できるだけ夫婦で共有することが大切です。
ただし、その場で一方を責めるのではなく、なぜ支払いの問題が起きたのか、現段階で未払いが残っていないか、今後同じことを繰り返さないために家計をどう管理するかを、夫婦で整理しておきましょう。
マイホームは、住宅ローンの審査に通ることがゴールではありません。購入後も夫婦が安心して暮らし続けられることが目的です。その意味でも、信用情報の問題を夫婦関係の亀裂にするのではなく、今後の家計管理を立て直すきっかけとして捉えてみましょう。 |
ブラックリスト明けのタイミングやローン戦略はプロに相談しよう

「ブラックリストでなくなったら、すぐにローンを組めるの?」と不安に感じる方は、まずは、住まいに関する専門家にローンを組むタイミングや返済計画について相談しましょう。
ブラックリストから消えた後でも、「いつ申し込むのか」「どの金融機関や住宅ローンが自分たちの条件に合っているのか」を自分たちだけで判断するのは困難です。
「信用情報の見方が分からない」「過去の延滞履歴や完済状況が気になる」という方は、第三者の専門家に相談してみるのがおすすめです。
住宅に詳しい中立アドバイザーが在籍しているLIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」では、無理のない資金計画のサポートから、希望条件の整理、建築会社の選定まで、ハウジングアドバイザーが住まい選びの悩みをサポートします。FPの紹介も受けられますので、自己判断せずに相談を検討してみてください。
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まとめ

夫婦どちらかがブラックリストに載っている状態の場合は、ペアローンの審査に通過することは困難です。
しかし、焦りは禁物です。まずは、信用情報の開示を行い、「事実」を正確に把握することが、マイホーム購入への第一歩につながります。
住宅ローンの審査に通らないと、「自分自身や人間性まで否定された」と感じ、大きなショックを受けることがあります。
しかし、住宅ローンの審査は、信用情報や収入・借り入れ状況などを基にした金融機関の判断であり、人間性を評価するものではありません。
いまブラックリストに載っている状態でも、将来のマイホーム購入を諦める必要はないのです。
専門家に相談しながら、信用情報の登録期間が終了するまで待つ、信用情報に問題のない配偶者の単独ローンを検討するなど、家庭の状況に合わせて、適切な選択をすることが重要です。
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