「夫婦の収入を合わせれば余裕だと思っていたのに、ペアローンの審査に落ちてしまった…」念願のマイホーム購入を目前にして審査落ちの連絡を受けると、パニックになってしまうものです。
しかし、焦って行動するとさらにマイホームが遠のいてしまう恐れがあるため、まずは落ち着きましょう。
ペアローンの審査では夫婦それぞれが住宅ローンの審査を受けるため、どちらか一方が金融機関の資産基準を満たさないと、予定していたペアローンを組めないことがあります。
この記事では、ペアローンの審査に落ちてしまう主な原因と、審査に落ちた後にやってはいけないNG行動を紹介します。
また、マイホームを諦めないための具体的な代替案をFP(ファイナンシャルプランナー)のアドバイスも交えながら解説するので、ぜひ参考にしてください。
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なぜ? ペアローンの審査に通らない・落ちる3大原因

ペアローンは単独ローンとは異なり夫婦それぞれが住宅ローンを契約するため、2人とも審査を受ける必要があります。
そのため、ペアローンの審査に落ちた場合は、考えられる要因を整理して適切に行動すれば、マイホームを諦めずに済むかもしれません。
まずは、ペアローンの審査に通らない原因として考えられる3つを解説します。
原因1:夫婦どちらかの「信用情報」に傷がある(過去の延滞など)
ペアローンの審査に通らない原因としてまず考えられるのは、夫婦どちらかの信用情報に傷があることです。
ペアローンは夫婦それぞれが返済義務を負うため、審査で2人の信用情報が確認されます。どちらか一方に長期の延滞や未払いの履歴があると、審査に通らない可能性があります。
クレジットカードの支払い遅延やスマートフォン本体代金の分割払いの滞納など、自分でも忘れていたような小さな延滞であっても、信用情報に記録が残ることがあります。
たとえば、クレジットカードの支払いが61日以上または3ヶ月以上遅れた場合、信用情報に「異動」と記録され、事故扱いとなります。
原因2:夫婦合算での「返済負担率」がギリギリすぎる
ペアローンで借入総額を増やした結果、返済負担率が高くなっていることも、ペアローンの審査に通らない原因である可能性があります。
ペアローンは夫婦それぞれが自分の収入を基に住宅ローンの審査を受け、2本のローンを組む仕組みです。そのため、単独ローンよりも借入総額を増やせます。
だからこそ、年収に対する年間返済額の割合である返済負担率が高くなりすぎないよう注意が必要です。
住宅ローンの審査における返済負担率の基準は金融機関によって異なります。一般的には、審査上の上限は、30~35%が目安とされており、35%を超える場合は審査に落ちる可能性が高まります。
たとえば、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供している全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」では、すべての借り入れに関する総返済負担率を、年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下としています。
返済負担率は、住宅ローンだけでなく車のローンや奨学金、カードローンなどほかの借り入れも含めて計算するため、ペアローンの審査に落ちた場合は借り入れ希望額と返済負担率の確認が必要です。
原因3:「勤続年数」や「健康状態(団信)」の問題
転職直後で勤続年数が短いことや、健康上の理由で団体信用生命保険(団信)に加入できないことは、予定していたペアローンを組めないことがあります。
ペアローンは夫婦それぞれが住宅ローンの契約者となるため、どちらか一方でも住宅ローン契約に問題があると判断されれば、審査に落ちる可能性が高まります。
勤続年数は、住宅ローンの審査で収入の安定性を確認するための重要な項目です。転職直後で勤続年数が短い場合、収入が安定せず貸し倒れのリスクがあると判断され、審査に通らないことがあります。
また、団信は住宅ローンの名義人が亡くなった場合などに、ローン残債が弁済される保険ですが、健康状態や治療歴などによっては加入できない場合があります。
団信への加入が条件となっている住宅ローンが多いため、加入できなければペアローンの審査にも通らない可能性が高いのです。
【FPからのアドバイス】
延滞や申告忘れがある場合、ペアローン審査に通るのは厳しい
ペアローンでは2人分の収入を使える一方で、2人分の信用情報が審査されます。
一般的に金融機関は審査に落ちた理由を明確にしないので断定はできませんが、夫婦のどちらかに下記のようなことがあると厳しくなるでしょう。
1. スマホの端末代の分割払いの延滞
通信料金を口座から引き落としていて遅れただけなら、信用情報機関に登録されません。
しかし、スマホ本体を分割で購入している場合、その端末代は割賦契約になるため、支払いが一定期間遅れると、延滞情報が信用情報に登録される可能性があります。
指定信用情報機関のCICも、スマホの購入代金の未払いが住宅ローン審査で参照され得る例を紹介しています。
預金口座の残高不足や、携帯会社を変更した後、今までの分を支払い忘れていたなどのうっかりミスが、ローンの遅滞につながっていることをお客さまが認識していないケースも多いです。
2. クレジットカードの利用料金の引き落とし不能や、自動車ローン・奨学金などの申告忘れ
ローンを申し込む際はほかの借り入れも申告しますが、自動車ローン、カードローンなどを住宅ローンとは別と考えて申告しなかった場合、信用情報と申告内容が一致せず、審査上マイナスに受け取られる可能性があります。
夫婦それぞれがスマホの分割払い、クレジットカード、奨学金、ほかのローン残高などをしっかり確認しておくことが大切です。
また、現在借りていなくても、カードローンやキャッシングの契約、利用可能枠、過去の利用状況などが審査で考慮される場合があります。
金融機関は、信用情報だけでなく、既存の借入額や借入件数、年収や勤務年数などを総合的に見て判断するようです。
ペアローンは、夫婦それぞれについて審査がされるので、どちらか一方が審査基準を満たさなければ、当初予定した組み方が成立しないことがあります。
また、希望の物件に届かせるため、夫婦それぞれが借入限度額に近い金額を申し込み、返済負担率の面で減額や否決になることもあります。
取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美
要注意! 審査に落ちた直後に避けるべきNG行動

ペアローンの審査に通らないことでパニックになり、慌てて次の手を打とうとする方は多いですが、審査に落ちた原因が分からないまま行動するのは危険です。場合によっては、夢のマイホームがさらに遠ざかってしまうリスクがあります。
以下では、ペアローンの審査に通らなかったとき、やってはいけないNG行動を解説します。審査に落ちた直後でもまずは落ち着き、以下の行動を取らないよう心がけましょう。
焦ってほかの銀行に次々と審査を申し込む(いわゆる「申し込みブラック」)
ペアローンの審査に落ちた原因が分からないまま、手当たり次第にほかの銀行へローン審査を申し込むのは絶対に避けましょう。
短期間に複数の金融機関に借り入れの申し込みをする行為は、「申し込みブラック」と呼ばれます。
申し込みブラックは正式な用語ではなく、どのくらいの期間に何件申し込みをすると該当するといった基準もありませんが、短期間に借り入れの申し込みを繰り返すと審査に通りにくくなってしまう可能性があります。
住宅ローンの申し込み情報は、信用情報機関に一定期間(CICやJICCでは6ヶ月間)残り、ローン審査時に確認されます。
短期間に複数の金融機関へ申し込むと、金融機関によって資金繰りへの不安が疑われることがあり、審査に悪影響をおよぼす可能性が高いのです。
【FPからのアドバイス】
短期間で次々と申し込むのは避け、原因を洗い出そう
金融機関で審査が通らないと、焦って別の金融機関に次々と申し込んでしまいがちですが、それはやめた方がよいでしょう。
まずは夫婦で、年収、勤続年数、これまでの借り入れ、借り入れ希望額などを整理しましょう。そのうえで、借入額を下げるのか、単独ローンや収入合算に変えるのか、申し込み時期を待つのかを検討します。
過去に支払い遅れがある、スマホ端末を分割購入している、カードローンを利用したことがあるなど、心当たりがある場合はCIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターで本人開示をするとよいでしょう。
大切なのは、次の銀行を急いで探すことではなく、最初の審査で何がマイナスになった可能性があるのかを冷静に洗い出すことです。
取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美
マイホームを諦めない! 原因別の「解決策・代替案」

ペアローンの審査に落ちた場合、原因別の解決策や代替案を取り入れることでマイホームを諦めずに済む可能性があります。
ペアローンに落ちた原因は金融機関から教えてもらえないことが多いため、自分たちの申し込み状況を振り返って原因と考えられるものを挙げましょう。そのうえで、原因に合わせた解決策や代替案を検討してみてください。
以下では、原因別の解決策や代替案を具体的に解説します。
ペアローンに落ちた原因 | すぐできる解決策・代替案 |
信用情報 | 開示請求と登録情報・保有期間の確認 |
返済負担率・勤続年数 | 単独ローンへの切り替えや収入合算 |
健康状態 | 「ワイド団信」や「フラット35」を検討 |
信用情報が原因なら:開示請求をして登録内容・保有期間を確認する
夫婦どちらかの信用情報が原因でペアローンの審査に通らなかったと考えられる場合は、自分たちの信用情報について開示請求しましょう。
信用情報機関のCICやJICCには、インターネットや郵送で自分の信用情報の開示請求ができます。
インターネットで手続きする場合は、ブラウザやスマートフォンアプリから本人認証や個人情報の入力、手数料の支払いを行い、開示報告書を受け取ります。
郵送の場合は信用情報開示申込書や本人確認書類、手数料を用意し、書類を郵送すると開示報告書が送付されます。
開示請求した結果、過去の延滞などが原因で信用情報に事故情報(異動情報)が登録されている場合は 情報が消えるまで待つのが基本です。
3ヶ月以上の滞納による異動であれば、完済から5年たてば情報がクリアになります。
返済負担率・勤続年数が原因なら:単独ローンへの切り替えや収入合算
返済負担率の高さや勤続年数の短さが原因でペアローンの審査に通らなかったと考えられる場合は、予算と借り入れ方法を見直すことが大切です。
返済負担率が高い場合は、物件価格を下げて夫または妻の単独ローンに切り替えることで、返済負担率を抑えて返済計画を立てやすくなります。
それでも予算が足りない場合は、連帯保証型の収入合算を検討しましょう。
収入合算は夫婦2人の収入を合わせてローンを組む方法であり、ペアローンとは異なり1本のローンを組むため、管理しやすく返済の見通しを立てやすいのが特徴です。
また、勤続年数が短い場合は、勤続年数の条件を設定していない住宅ローンを利用するのも選択肢のひとつです。
健康状態が原因なら:「ワイド団信」や「フラット35」を検討
健康状態が原因でペアローンの審査に落ちたと考えられるなら、「ワイド団信」や「フラット35」を検討してみてください。
ワイド団信は、持病や既往歴があって従来の団信を利用できなかった方でも加入しやすい商品です。
高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの持病がある場合でも、ワイド団信であれば加入できる可能性があります。
ワイド団信への加入も難しい場合は、「フラット35」を活用しましょう。「フラット35」は団信への加入が任意であるため、健康状態に不安がある方も住宅ローンを組める可能性があります。
【FPからのアドバイス】
一度ペアローンの審査に落ちても、リカバリーできることがある
私が相談を受けた方で、審査に落ちた状態から代替案を用いてリカバリーし、マイホーム購入に至った次のような事例があります。
夫は32歳の会社員で、勤続7年、年収480万円。妻は30歳の会社員で、転職後6ヶ月、年収280万円でした。4,200万円の住宅を購入するため、当初は夫3,000万円、妻1,200万円のペアローンを予定していました。
しかし、妻が転職して間もなかったことなどから、妻側の収入の継続性が慎重に評価され、予定していた民間金融機関のペアローンは成立しませんでした。
そこで、申し込み要件として一律の勤続年数を定めていない「フラット35」を選択肢として検討。夫を申し込み本人、妻を収入合算者兼連帯債務者とし、2人の収入を審査に反映させる方法に変更しました。
また、物件価格の全額を借りると融資率が9割を超えるため、自己資金についても再検討しました。親から住宅取得資金の援助を受けられることになり、税制上の要件や住宅の持ち分割合を確認したうえで、借入額を物件価格の9割以下に抑えました。
購入する住宅が「フラット35」の技術基準を満たすことも確認し、無事に審査を通過。夫婦のいずれも40歳未満だったため、要件である『夫婦のいずれかが40歳未満』を満たし、 若年夫婦世帯として「フラット35子育てプラス」も利用できました。
子育てプラスの金利引き下げ期間が終了した後は返済額が変わる可能性がありますが、その時期と金額はあらかじめ把握できます。
今後、子どもを持つことも考慮して全期間固定金利を選んだことで、市場金利の上昇に左右されず、将来の家計の見通しを立てやすくなりました。
このように、審査に落ちてもリカバリーできることもありますので、まずはFPなどの専門家に相談してみてください。
取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美
審査に落ちたら自分たちだけで解決しようとせず、プロに相談を!

ペアローンの審査に一度落ちてしまったら、原因が分からないまま短期間に複数の金融機関へ申し込むのは避けたいところです。
自力で解決しようとするのではなく、まずは住宅ローンの専門知識を持つプロに相談してみましょう。LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」は、家づくりや住宅購入のお悩みを相談できるサービスです。
資金計画の相談のほか、FPの紹介も行っています。ペアローンの審査に通らず悩んでいる方は、ぜひ「住まいの窓口」を利用してみてください。
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まとめ
ペアローンの審査に通らないとショックを受けてしまいますが、決して家が買えないと決まったわけではありません。
審査に影響したと考えられる要因を整理し、借入額の調整やローンの変更をすることで、マイホームを購入できる可能性があります。
焦ってほか金融機関に次々と申し込むと、申し込みブラックになってしまう恐れがあるため、まずは落ち着いて借り入れ状況などを整理し、必要に応じて自分の信用情報を確認しましょう。
そのうえで、「住まいの窓口」といった相談窓口や、お金の専門家であるFPに相談し、マイホーム購入に向けて確実なリカバリー戦略を立てましょう。
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