「ペアローンを組んで理想のマイホームを手に入れたい」と考える共働き夫婦の方もいるのではないでしょうか。

しかし、ローンを組んだ後に「車の買い替えでローンの審査に通らなかった」「新しくクレジットカードをつくれなくなった」と驚くこともあるかもしれません。

その原因は、ペアローンを組むことで夫婦それぞれが「主債務者」として数千万円の借金を背負うことにあり、その結果として、個人の「与信枠(お金を借りられる限度額)」が大幅に圧迫されるためです。

この記事では、ペアローンがその後の借り入れ審査に与える影響と、既存の借り入れ(車のローンやリボ払いなど)がペアローンの審査にどう影響するのかについて、住宅ローンのプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)のアドバイスと共に、分かりやすく解説します。

無料で住まいの窓口に相談する住まいの窓口に資金計画を相談する家づくり・購入について無料で相談する

 

ペアローンは夫婦それぞれが高額な借り入れを行うため、住宅ローンを組んだ後に別のローンやクレジットカードを申し込む際、与信審査に影響する可能性があります。

 

単独ローンよりも夫婦合計の借入額を増やせるメリットがある一方で、追加の融資を受ける際には既存の住宅ローン返済額も考慮されるためです。

 

ペアローンでその後の借り入れ余力に影響が出やすい理由は、ローン契約の仕組みにあります。

 

一方が保証人である「連帯保証型」は、主債務者(契約者)と連帯保証人による1本のローンです。それに対し、「ペアローン」は夫婦それぞれが主債務者となり、2本のローンを組むという違いがあります。

 

つまり、ペアローンは「夫も妻もそれぞれが数千万円の借金を背負っている状態」です。それぞれの信用情報には、契約内容や借入残高、返済状況などが個別に登録されます。

 

その結果、ペアローンを組んだ後に新たな借り入れを行う場合には、現在の住宅ローン返済額やほかの借り入れ状況も含めて、個人の返済能力が厳しく審査されることになります。

 

住宅ローンは年収の1/3までしか借りられない「総量規制」の対象外ですが、銀行では長期的なリスク管理を徹底的に行うため、与信枠が少ないとローンの審査は一層厳しくなるのが現状です。

 

銀行がクレジットカードや車のローン審査を行う際は、個人の「返済負担率(年収に占める全返済額の割合)」を厳しく計算するため、ペアローンの借入額が大きい場合は、与信枠は極めて少なくなります。

 

一般的に、銀行は返済負担率を30~35%以内に制限することが多く、住宅ローン以外の自動車ローンや教育ローン、奨学金やクレジットカードローンなどもすべて返済額に含めて計算します。

 

【FPからのアドバイス】
ローンの借入額には余裕を持たせるのが基本

 

住宅を購入する際、ペアローンで借り入れ可能額いっぱいまで借りると、住宅購入後に自動車ローンや教育ローンを利用する余力が小さくなる可能性があります。将来の車の買い替えや教育費まで含めてシミュレーションし、ほかの選択肢を残せる借入額に抑えることが大切です。

 

取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美

 

ペアローンを組んだ後の借り入れ

ペアローンを組む前の借り入れ

自動車ローン

・返済負担率がすでに限度額に近い場合は、審査や借り入れ可能額に影響する可能性がある

・審査に通過する可能性が高い

・住宅ローンの借入額が低くなる可能性有り

クレジットカードローン

・返済負担率がすでに限度額に近い場合は、新規発行の審査に影響する可能性有り

・既存カードのキャッシング枠・ショッピング限度額の減枠の可能性も

・新規発行の審査に通る可能性が高い

・住宅ローンの借入額が低くなる可能性有り

 上記の表は、住宅ローン(ペアローン)がほかの借り入れに与える影響と、すでにある借り入れ(車のローン・クレジットカードローン)が住宅ローン審査に与える影響についてまとめたものです。

 

ペアローンを組んだ後、組む前のほかの借り入れへの影響について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

ペアローンを組んだ後に自動車ローンやクレジットカードの新規発行をする場合は、住宅ローンを含む既存の返済負担が大きいと、新たな借り入れやクレジットカードの審査に影響する可能性があります。

 

また、審査に通ることができても、自動車ローンを組む場合は希望する借入額を借りられないケースも出てくるでしょう。

 

クレジットカードの新規発行では、与信枠が少なく審査に落ちてしまったり、既存カードのキャッシング枠・ショッピング限度額が制限されたりする可能性もあります。

 

すでに自動車ローンを組んでいたり、複数のクレジットカードを所有したりする場合は、ペアローンを組む際に借入限度額が減額されることが予想されます。

 

【条件:年収600万円、返済負担率の上限:35%】

  • すべてのローンを合わせた年間返済額の上限 → 210万円(月額:17.5万円)
  • 住宅ローンの借入限度額 → 約3,950万円(審査金利4%、35年返済、元利均等・ボーナス返済なしの場合)

 

上記の条件で、月3万円の車のローンがすでにある場合は、住宅ローンに回せる金額は、「17.5万円−3万円=14.5万円」と試算できます。

 

その場合、住宅ローンの借入限度額は約3,272万円となり、車のローンがあることにより、678万円借入額が減ってしまうことになります。

 

また、クレジットカードを複数持っている場合は、たとえ使用していないカードであっても、金融機関によってはキャッシング枠の限度額を借り入れとして審査するケースもあります。

 

ペアローンの審査を有利に進めるためには、キャッシング枠の管理も必要不可欠です。

 

【FPからのアドバイス】
クレジットカードの管理を徹底すると、ローン審査で有利に

 

クレジットカードのキャッシング枠やカードローンは、契約した限度額の範囲内で、いつでも繰り返し借りられることができます。そのため、現在の残高がゼロでも、契約自体が続いていれば、将来の返済負担が増える可能性を考慮し、ローン審査で不利になる可能性があるのです。

 

・使っていないクレジットカードはないか

・クレジットカードに大きなキャッシング枠が付帯されていないか

・カードローンを契約していないか

・リボ払いや分割払いの残高

・過去の支払い遅延

 

上記の点を確認し、夫婦それぞれが所有しているクレジットカードについては、「カードの名称」「キャッシング枠」「カードローンの契約限度額」「現在残高」「毎月返済額」を一覧表にまとめて整理してみましょう。

 

取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美

 

無料で住まいの窓口に相談する 住まいの窓口に資金計画を相談する 家づくり・購入について無料で相談する

 

無理のない返済計画を立てるためにも、ペアローンを組む前に「不要なクレジットカードの解約」「車の買い替え時期の検討」「単独ローンの検討」の対策をすることが重要です。

 

ここでは、与信枠オーバーを防ぐために、ペアローンを組む前にできる3つの対策を紹介します。

 

住宅ローンの審査前に、不要なクレジットカードの解約手続きや、キャッシング枠を0円にする手続きをしておくと、与信枠(利用限度枠)を実質的に増やせます。

 

普段使っていないカードやキャッシング枠は、「いつでも借り入れできるお金」と見なされるため、この2つの手続きを行うことで与信枠オーバーを防げるだけでなく、「お金の管理がしっかりとされている」という信用力にもつながるでしょう。

 

カードの解約手続きやキャッシング枠の変更手続きは、反映するまでに時間がかかるため、ローンを組む前に計画的に行うことが重要です。

 

地方や郊外で「車が必須」の夫婦の場合、借入額によってはペアローンを組むと将来車を買い替えるときに審査に通りにくくなる可能性があるため、ローンの契約内容やタイミングをあらかじめ決めておくのが賢明です。

 

車の買い替えがあらかじめ決まっている場合は、すべてのローンの返済額が25~35%以内に収まるように、住宅ローンの借入限度額を抑えておくと、車のローン審査にも通りやすくなるでしょう。

 

【FPからのアドバイス】
マイカーの購入はローンではなく貯金を使うのが理想

 

将来車の買い替えの予定がある場合は、住宅ローンを「借りられる金額」ではなく、車を買い替えながら、教育費や老後資金も準備できる住宅予算として逆算するのがよいでしょう。

 

可能であれば、自動車ローンを借りるのを前提にするのではなく、車の買い替え費用は現金で用意し、残りを住宅予算に充てるのが理想です。

 

取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美

 

将来、妻(または夫)が単独でマイカーローンなどを組む予定がある場合は、マイホーム購入はどちらか一方の「単独ローン」にして、与信枠をあえて温存しておくのもおすすめです。

 

単独ローンであれば、与信枠に余裕が生まれやすいため、ほかのローンも比較的組みやすいでしょう。貯金に余裕があり、借入額が低くてもマイホーム購入に問題がない場合は、単独ローンの方が家計負担のリスクは少ないです。

 

住宅ローンを組む際に、限度額いっぱいまで借り入れをしてしまうと、将来の車の買い替えや子どもの教育費(教育ローン)など、人生の大きなイベントで身動きが取れなくなる可能性があります。

 

「自分たちの年収で、ローンのバランス配分をどうしたらいいのか分からない」という方は、個人で判断せず、FPなどの専門家に相談するのがおすすめです。

 

どのローンを優先し、どのようにバランスを取るべきか、専門家のアドバイスを参考にすることで、万が一のリスクを最小限に抑えられるでしょう。

 

また、家づくりの無料相談サービスであるLIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」を利用するのもひとつの方法です。家づくりに関する総合的なサポートに加え、必要に応じてお金の専門家であるFPを紹介してもらうことも可能です。

 

中立的な立場で家づくりのアドバイスをもらいつつ、自分たちに合った資金計画を立てるための第一歩として、こうしたサービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

 

住まいの窓口とは 無料で住まいの窓口に相談する

 

ペアローンは、夫婦それぞれが住宅ローンを組むことで、単独ローンより借入総額を増やせるメリットがある半面、夫婦それぞれが高額な住宅ローン債務を負うため、その後の借り入れ余力、いわゆる「与信」に影響する可能性があります。

 

住宅ローンを組んだ後の自動車ローンやカードローンなどの審査に影響する可能性があるという、見えにくいリスクもあります。

 

「車の買い替えが必要だったけれど、ローンが組めない」といった事態に陥ることのないように、ライフプランの設計と事前にしっかりと返済計画を立てることが求められます。

 

また、使っていないキャッシング枠など、意外な盲点でペアローンの限度額自体が減額されてしまうケースも少なくありません。

 

「家も車も、将来の教育費も諦めたくない」という方は、自己判断で審査に進む前に、まずは「住まいの窓口」を活用し、ご家庭に合わせた適正な資金計画と適したローン戦略を立てるようにしましょう。

 

無料で住まいの窓口に相談する 住まいの窓口に資金計画を相談する 家づくり・購入について無料で相談する

公開日: