ペアローンは予算を増やして希望の物件を買う手段
物件価格が上昇する現在、不動産会社がペアローンを提案するのは利益のためとは限りません。単独ローンでは届かない「駅近」や「広さ」といった希望の条件をかなえるための現実的な解決策としてすすめているケースも多いです。
詳しくは、「不動産会社がペアローンをすすめる「本当の理由」と注意点」をご覧ください。
離婚や片方の収入減で家計が苦しくなるリスクがある
借入額を限界まで増やすと、産休・育休で収入が減った際にも2人分の返済が続き、家計が苦しくなります。また、離婚時には家の売却やローン分割で合意できず、オーバーローンを抱えてトラブルになる危険もあります。
詳しくは、「組みたくない人必見! ペアローンに潜む4つの「ワナ」とリスク」をご覧ください。
働き方に迷いや不安があるならペアローンは避ける
将来的に時短勤務や退職を検討しているなど、現在の世帯年収を維持できるか不安がある夫婦にペアローンはおすすめできません。今後の働き方や収入の安定性を冷静に考え、無理のない資金計画を立てることが重要です。
詳しくは、「ペアローンが向いている夫婦・やめた方がいい夫婦の特徴」をご覧ください。

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理想のマイホームを探しているとき、不動産会社の営業担当者からペアローンをすすめられるケースは少なくありません。

 

ペアローンであれば希望の物件に手が届くとすすめられ、魅力を感じている方もいるでしょう。

 

しかし、ペアローンに詳しくない場合、「本当に組んでも大丈夫?」「だますためのワナなのでは?」と不安を抱きやすいものです。

 

この記事では、不動産会社にペアローンをすすめられて迷っている方に向けて、ペアローンに潜むリスクや向いている夫婦の特徴をFP(ファイナンシャルプランナー)のアドバイスと共に解説します。

 

ペアローンは、物件価格が高騰するなかでお客さまの希望をかなえる選択肢になり得るからこそ、不動産会社から提案されることがあります。

 

しかし、提案の背景を理解していないと、不動産会社からペアローンを提案されたときに「高い物件を買わせて利益を得るための営業トークなのでは?」と不安になってしまうこともあるでしょう。

 

まずは、不動産会社がペアローンをすすめる本当の理由と、押さえておきたい注意点を確認しましょう。

 

不動産会社の営業担当者がペアローンをすすめるのは、お客さまの希望をかなえる手段として有効だと判断しているからです。

 

近年は、建築資材の価格高騰や円安による輸入コストの増大などが原因で、物件価格が上昇傾向にあります。

 

一般社団法人 日本建設業連合会は、2021年1月から2026年3月にかけて建設にかかるコストが平均28~32%上昇したと発表しています(※)。

 

輸入資材の価格高騰は2026年現在も継続中であるため、特に新築の物件価格は上昇しています。

 

物件価格の上昇が続くなかで、お客さまの「駅近がいい」「広い家がいい」といった希望条件を満たすためには、より多くの予算が必要です。

 

単独ローンの予算だけで希望どおりの家を購入するのが難しい場合は、夫婦2人が別名義で住宅ローンを契約するペアローンが提案されることがあります。

 

つまり、不動産会社はお客さまをワナにかけて利益を得るためではなく、お客さまの希望をかなえるために現実的な解決策としてペアローンを提案しているということを理解しておきましょう。

 

※ 一般社団法人 日本建設業連合会「建設資材高騰・労務費の上昇等の現状[総括版](2026年5月)」

 

ペアローンは借り入れ可能額を増やして理想の物件を選びやすくする一方、将来の家計リスクも大きくなるため、「不動産会社にすすめられたから」という理由だけで安易に利用するのは危険です。

 

ペアローンは夫婦それぞれが主債務者となるため、どちらかが働けなくなった場合の返済負担が大きくなってしまいます。

 

不動産会社は物件探しのプロですが、家計のプロではありません。不動産会社の担当者の提案をそのまま受け入れる前に、自分たちのライフプランや収入の変化を具体的にイメージし、冷静な判断をすることが大切です。

 

【FPからのアドバイス】
ペアローンを組むなら、予算の上げ過ぎには注意!

 

単独では希望額に届かないため、不動産会社からペアローンを提案されたというご夫婦は珍しくありません。

 

住宅価格が高い地域では、夫婦の収入を合算することで希望する物件に手が届きやすいため、ペアローンを前提に資金計画が進んでいるケースもよく見かけます。

 

一方で、今後子どもが生まれたら妻が勤務形態を変えたりする場合、収入の減少に不安を感じている方も多いです。

 

ペアローンは、夫婦それぞれが住宅ローンを契約し、2人分の収入を基に借入額を増やせる仕組みです。

 

夫婦ともに住宅ローン控除を使える可能性がありますし、団体信用生命保険にもそれぞれ加入できます。その一方で、借りられる金額が増える分、予算をつい上げ過ぎてしまいやすい点には注意が必要です。

 

・ 「夫婦2人の現在の収入が維持されなければ返済が成り立たない」

・ 「ボーナスや昇給を前提にしている」

・ 「諸費用を払うと預貯金がほとんど残らない」

・ 「教育費や老後資金を積み立てる余裕がない」

 

など、返済計画に余裕が感じられない場合は、いったん立ち止まるのが無難だと思います。

 

取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美

 

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不動産会社の営業担当者にペアローンをすすめられたものの、何となく不安で組みたくないと考える方もいるかと思います。

 

ペアローンには離婚や収入減少などに伴う「ワナ」があり、どの夫婦にもおすすめの万能な解決策ではありません。そのため、リスクを正しく理解したうえで利用するかどうかを判断する必要があります。

 

以下では、ペアローンに潜む4つの「ワナ」を解説します。

  1. 離婚時の「財産分与」と売却トラブル
  2. 産休・育休や病気による「片方の収入減」による家計破綻
  3. 借入額を増やしすぎると売却時にローンが残るリスク
  4. 「周りの友達も組んでいる」という同調圧力の落とし穴

 

離婚時に財産分与で大きくもめることになる点は、ペアローンの大きなリスクのひとつです。

 

ペアローンは夫婦が別々に住宅ローン契約を結び、2人とも返済義務を負います。

 

一見公平に思えますが、離婚時には住宅を売却してローンを完済する、あるいは金融機関の審査を受けてどちらか一方のローンに一本化するなどの対応を検討しなければなりません。

 

また、ペアローンでは一般的に購入した住宅は夫婦の共有名義となるため、売却には双方の合意が必要です。どちらかが売却に反対し、なかなかトラブルが解消されないリスクがあります。

 

夫婦どちらかの収入が減少した場合でも2人分の返済が続き、家計が破綻するリスクがあるのがペアローンのワナです。

 

現在は共働きでも、将来的に産休・育休や病気、けがなどによって夫婦のどちらかが働けなくなるかもしれません。

 

ペアローンを契約すると、どちらかの収入が減ったり無収入になったりした場合でも、容赦なく2人分の返済が続きます。

 

共働き前提で借入額を増やした場合、収入が1人分になると家計が苦しくなり、生活費の節約や貯蓄の取り崩しだけでは追いつかなくなる可能性があります。

 

【FPからのアドバイス】
ペアローンだからこそ、離婚や収入減少でトラブルに発展することも

 

ペアローンのリスクを考える参考として、これまでの相談者さんがペアローンのワナに陥ってしまったケースをご紹介します。

 

子どもの出産でもめたケースです。夫は思ったよりも収入が伸び悩んで、ペアローンを抱えている家計の余裕のなさを感じていました。

 

まだ子どもが3歳なので、これからかかる教育資金や老後資金も心配していました。一方、妻は第二子が欲しい気持ちが強く、自分で家計を見直し、仕事も頑張るので、家族を増やしたいという希望を抱いていました。

 

産休や育休による収入ダウンが厳しかったのですが、ご両親からの援助を受けられることになり、キャッシュフローシミュレーションを行って第二子を計画する方向に進みました。

 

ペアローンを組む前にライフプランを考えておけばよかった、ペアローンを限度額まで組まなければよかったとお話しされていたのが印象的です。

 

取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美

 

希望の家を購入するために限界まで借り入れを行い、結果的にオーバーローンを引き起こすリスクが高いのも、ペアローンのワナです。

 

ペアローンは夫婦それぞれの収入を基に2本分のローンを組むため、世帯全体での借入総額を増やしやすくなります。

 

ただし、借入額を増やしたことで、購入直後からローン残高が物件価格とほぼ同水準、またはそれ以上になるケースも珍しくありません。

 

その結果、離婚や転勤などの事情で自宅の売却を考えたとき、ローン残高が売却価格を上回るオーバーローン状態に陥りやすくなります。

 

オーバーローンでは自宅を売却しても住宅ローンが残ってしまい、返済が終わりません。ローン残高が物件の担保評価を大きく上回っている場合は、借り換えの審査でも不利になる可能性があります。

 

「みんなが利用しているから大丈夫」という安心感や、「みんなが組んでいるから自分たちも選ばなければいけない」という同調圧力は、ペアローンに潜む意外なワナです。

 

近年では共働き世帯が増えたため、ペアローンを利用する夫婦も増えました。だからこそ、「同僚や友達がペアローンで家を買っているから自分たちも大丈夫だろう」と考えやすいのです。

 

しかし、家庭ごとに将来の働き方や子どもの教育方針、親の介護の有無は異なります。他人の基準で高額なローンを組むと、今よりも教育費や介護費がかかるタイミングで返済が厳しくなる恐れがあります。

 

周囲が借りている金額ではなく、自分たちの今後のライフプランや家計の余力を基準として、ペアローンを利用するかどうかを決めることが重要です。

 

【FPからのアドバイス】
平均だけでなく、自分たちのライフプランを確認しよう

 

FP相談を行っていると、住宅購入に限らず「ほかの家庭ではどうですか? 」「平均的にはどうですか?」と、周りを気にする家庭も多く見受けられます。しかし、年齢も収入も暮らし方も家族の状況も異なるため、周りに合わせるのはおすすめできません。

 

平均的なデータを見るのは良いのですが、自分たちのライフプランを立てて家計を見つめ、自分たちに合った安心できる住宅購入プランを立てることが重要です。

 

取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美

 

ペアローンが向いている夫婦は限られており、どちらか一方でも収入や働き方に不安があるなら、慎重に判断すべきです。ペアローンは、どの世帯にも適した万能な選択肢ではありません。

 

現在の収入だけでなく、今後の働き方やライフプランによってはリスクが高くなるため、自分たちがペアローンを組んでも問題ないかは冷静に考える必要があります。

 

以下では、ペアローンが向いている夫婦とやめた方がいい夫婦の特徴を解説します。

判断基準

ペアローンが向いている夫婦

やめた方がいい夫婦

今後の働き方

夫婦ともにフルタイム継続予定

パート・時短勤務・退職を検討中

収入の安定性

公務員・大企業など、安定した正社員収入が2人分ある

自営業・契約社員などで収入が変動しやすい

世帯年収への依存度

今の世帯年収に対して返済額に十分な余裕がある

世帯年収ギリギリまで借り、返済負担が重くなる予定

ライフプラン

子どもの人数や教育方針、親の介護方針がある程度決まっている

出産・進学・介護などの負担が予測できていない

貯蓄・予備資金

貯蓄が十分にあり、万が一にも備えている

貯蓄が少なく、共働きやボーナスを前提にしないと返済が厳しい

 

ペアローンが向いている、またはペアローンを組んでも比較的安心なのは、以下のようなケースです。

  • 夫婦ともに収入が安定している
  • 大きなライフイベント後も2人が正社員として働き続ける
  • 貯蓄が十分にある

 

夫婦ともに今後も安定・継続した収入が見込まれ、収入が一時的に減少しても返済できる余力があれば、ペアローンを検討しやすいでしょう。

 

また、出産や親の介護などのライフイベント後も双方が働き続ける場合も、2人分の返済を継続しやすいでしょう。

 

共働きで子どもを持たない選択をしているDINKs世帯のように、夫婦の両方が働き続ける予定で、返済額にも十分な余裕があるケースも、ペアローンが向いています。

 

貯蓄が十分にあり、一時的な収入減少のようなトラブルに対応できる場合も、安心してペアローンを利用できます。

 

ペアローンをやめた方がいい、またはおすすめしないのは以下のようなケースです。

  • 将来の働き方に迷いがある
  • 現在の世帯年収に依存しすぎている
  • 貯蓄が少なく余裕がない

 

将来的にどちらかがフルタイム正社員から時短勤務やパート・アルバイトなどへの切り替えを検討している場合や、転職・退職を考えている場合、ペアローンはやめた方がいいでしょう。

 

働き方を変えた側の返済負担が大きくなり、ペアローンを組んだことを後悔する可能性があります。

 

また、現在の世帯年収だからこそ審査に通る金額を借りようとしている場合も注意が必要です。

 

現在の世帯年収では返済比率に問題がなくても、共働きでなくなった場合に家計が苦しくなるケースはよくあります。

 

貯蓄が少なく、急な収入の減少に耐えられない場合も、ペアローンは避けた方が安心です。

 

現在の世帯年収だけでなく、将来的な働き方や収入の変化を考慮し、ペアローンが適切かどうかを判断しましょう。

 

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単独ローンは厳しいもののペアローンは組みたくない、またはライフプランや収入を考慮するとペアローンは向いていないと感じる場合には、「収入合算」を検討してみましょう。

 

収入合算とは、住宅ローンの申込者の収入に配偶者の収入を合算して借入額を決める方法です。

 

収入合算には、主債務者の返済が滞ったときに連帯保証人が代わりに返済する「連帯保証型」と、債務者と連帯債務者の両方に同じ返済義務がある「連帯債務型」があります。

 

収入合算については、以下の記事で詳しく解説しているため、併せてご確認ください。

 

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ペアローンは単独ローンよりも借入額を増やせるため、希望の物件を購入できるように不動産会社が提案するケースが多くあります。

 

しかし、魅力的な提案であっても、自分たちの将来を慎重に考えずに決断するのは危険です。ペアローンを契約しても問題ないかどうかは、今後の働き方や収入の安定性など複数の要素で決まります。

 

ペアローンに潜むワナを確認し、不安な場合は契約前にプロに相談するのがおすすめです。LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」は、家づくりや住宅購入のお悩みを無料で相談できるサービスです。

 

不動産会社ではない中立な立場のアドバイザーに相談することで、自分たちに合った無理のない資金計画が見えてくるでしょう。

 

ペアローンを利用すべきかどうか迷ったら、ぜひ「住まいの窓口」を利用してみてください。

 

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