「物件価格高騰が著しい今、ペアローンだと理想の家に近づけるのに、パートナーの持病・健康診断の数値が影響して団信に落ちてしまった…」。

マイホーム購入の直前で、夫婦の片方が団体信用生命保険(団信)の審査に通らないと、「もう家は買えないのか」と絶望的な気持ちになるかもしれません。

しかし、ペアローンで片方が一般の団信に落ちてしまっても、マイホームをかなえるための「解決策」は残されています。

この記事では、夫婦の片方が団信に落ちた場合の3つの具体的な選択肢について、FP(ファイナンシャルプランナー)のアドバイスと共に解説します。

それぞれの金利やリスクなどの特徴を比較表で分かりやすく解説するため、今後の住宅ローン選びに役立ててください。

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ペアローンを組もうとしたものの、夫婦のどちらかが団信に通らなかった場合、原因の多くは健康状態に関する告知内容にあります。

 

健康診断の数値や持病、通院歴などが引っかかると、引受保険会社の基準により団信に加入できないことがあります。

 

以下では、団信に落ちてしまう主な原因を詳しく解説したうえで、知っておきたい注意点を紹介するため、まずは落ち着いて確認しましょう。

 

持病があったり、健康診断の再検査数値に問題があったりすると、夫婦の片方だけ団信の審査に通らないことがあります。

 

団信は万が一のときに住宅ローン残債をカバーするための保険なので、保険会社が契約者の健康状態を厳格に見るのは自然なことです。持病や健康診断の数値により、収入に問題がなくても団信の審査に通らないケースがあります。

 

高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や、うつ病などのメンタル系疾患についても、治療状態や告知内容によっては団信の審査に影響する場合があります。加入の可否は保険会社が個別に判断します。

 

団信の審査に通りたいからといって持病や通院歴を隠す行為は、告知義務違反となり非常に危険です。

 

団信の告知義務違反とは、ローン審査時に記入する告知書において、告知を求められた事項について事実を告げなかったり、事実と異なる内容を告げたりすることです。

 

告知義務違反が認められた場合、団信の契約が解除されたり、万が一の際に保険金が支払われなかったりする可能性があります。

 

最悪の場合、金融機関からローン残債の一括返済が求められたりすることもあります。

 

告知義務違反は多くの場合、保険金を請求するタイミングで発覚します。「隠せばバレない」と安易に考えず、申告すべき健康上のリスクがある場合は必ず伝えてください。

 

【FPからのアドバイス】
「これくらいで落ちるの?」というケースも多く、油断は禁物

 

私が相談を受けた方で、このようなケースがありました。特に大きな病気はしていなかったものの、健康診断で引っかかった肝機能の再検査を放置しており、その結果、団信の審査で落ちてしまい、しっかり再検査をしておくべきだったと後悔していました。

 

また、難病の方やうつ病の方から、団信加入について相談を受けたこともあります。近年は「高血圧」「脂質異常症」「メンタル疾患」などについて治療を受けている方からの相談も増えている印象です。

 

取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美

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ペアローンを組む予定で夫婦の片方が団信の審査に通らなかった場合、マイホームを諦めないための選択肢が3つあります。通常の団信ではない保険を活用する、ペアローンではないローンを検討するなど、方法によって特徴は異なります。

 

以下では、3つの選択肢の特徴を解説するため、自分たちはどの方法をとればいいのか考えてみてください。

 

一般的な団信の審査に通らなかったら、「ワイド団信」を検討しましょう。ワイド団信は、一般の団信よりも引受基準が緩和されており、生活習慣病などの持病があっても加入できる可能性がある保険です。

 

保険料は金利上乗せという形で反映されるため、一般的な団信よりも年0.3%程度金利が高くなる傾向があります。上乗せ幅や加入条件は金融機関によって異なります。

 

ワイド団信にも審査があり、必ずしも加入できるわけではありませんが、一般団信に加入できなかった場合に、検討したい選択肢のひとつです。

 

夫婦の片方の健康状態が原因で団信の審査に落ちた場合は、「フラット35」を検討してみてください。

 

全期間固定金利のフラット35は、団信への加入が任意とされているため、申し込み要件や住宅ローン審査を満たせばペアローンや収入合算を利用できる可能性があります。

 

団信に加入しない場合は別の方法で万が一の保障を考えなければなりませんが、「団信に通らないからマイホームを購入できない」という状況を打破できるのが大きなメリットです。

 

夫婦の片方が団信の審査に通らず、ペアローンが組めない場合は、健康上問題がない夫または妻1人の単独ローンに切り替えるのも選択肢のひとつです。

 

単独ローンの場合、夫婦2人でローンを組むわけではないため借入可能額が下がりやすく、物件予算の見直しが必要です。

 

しかし、夫婦のうち団信の審査に通る方が契約者になるため、片方が団信に入れないことによる無団信のリスクを回避できます。物件予算を少し抑える代わりに、万が一の際の安心を優先したい夫婦におすすめです。

 

【FPからのアドバイス】
勤務先と提携している金融機関も調べてみよう

 

勤務先と提携している金融機関で借りると、金利優遇が受けられる場合があります。以前、ご相談に来られたなかに、ワイド団信と一般団信を組み合わせて、職域提携ローンで融資を受けた方がいました。

 

提携銀行は勤務先の信用を高く評価するため、通常のネット銀行などに比べて、団信やローンの審査、融資手続きがスムーズに進む傾向にあります。

 

また提携ローンは、店頭金利から大幅な引き下げがあるため、ワイド団信に加入する分の金利上乗せによる負担が軽減するメリットもあります。そうした情報も収集し、比較してみましょう。

 

取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美

 

夫婦の片方が団信の審査に落ちてペアローンを契約できない場合は、「一般団信の審査に通る方が単独ローンを組む」「ワイド団信を活用する」「団信なしでフラット35を利用する」という3つの選択肢が考えられます。

 

以下の表は、それぞれについて「審査の厳しさ」「金利の上乗せ」「万が一の保障」の3点をまとめています。

比較項目

一般団信

ワイド団信

フラット35(団信なし)

審査の厳しさ

厳しい

比較的緩い(持病もカバーしやすい)

誰でも可(健康状態不問)

金利の上乗せ

なし

年+0.2%~0.3%程度

なし(団信特約料が不要)

万が一の保障

100%保障

(自身の借入分)

100%保障

(自身の借入分)

保障なし(残債が全額残る)

夫婦の片方が一般団信の審査に通るのであれば、金利の上乗せがなく万が一の保障も受けられる単独ローンが有力です。借入可能額は下がりますが、リスクを抑えながらマイホームを購入できます。

 

一方、借入可能額を下げないためにペアローンにこだわりたい場合は、持病があっても加入しやすいワイド団信を検討すると良いでしょう。金利は少し上乗せされますが、加入できれば所定の保障を確保できます。

 

フラット35は健康状態に問題があっても利用できますが、団信なしで契約すると万が一の際に保障が受けられません。団信なしでフラット35を利用する場合は、別の方法で保障を補う必要があります。

 

【FPからのアドバイス】
残された家族の生活を考えて住宅ローンの組み方を決めよう

 

一般団信に入れなかった場合、ワイド団信とフラット35のどちらを検討するのかは、万が一の際に残された家族が住宅ローンを抱えても生活を維持できるかを基準に判断します。

 

そもそもワイド団信にも審査があり、必ず加入できるわけではありません。加入時の年齢制限もありますが、引受基準が緩和されているため、夫婦のうち収入の多い方や家計を主に支えている方が債務者になる場合に向いています。その人に万が一のことがあったとき、配偶者の収入だけでは住宅ローンと生活費、教育費などを賄えないのであれば、多少の金利上乗せがあってもワイド団信を優先して検討します。

 

また、貯蓄が少なく、万が一の際に繰り上げ返済できない家庭もワイド団信向きです。たとえば、借入額が4,000万円あるのに、購入後に残る金融資産が300万円程度という場合、団信なしでは家族が大きな債務を引き継ぐことになります。保障をつける必要性は高いと考えます。

 

そして、子どもがまだ小さくて今後教育費がかかる場合も、残された配偶者が1人で住宅ローンと子育て費用を負担するのは簡単ではありません。死亡保険に加入していても、保険金が生活費や教育費に必要で、住宅ローンの返済まで回せないことがあります。このような場合は、月々の返済額だけでなく、死亡時にローンがなくなる安心を重く見ます。

 

一方、フラット35を団信なしで利用する場合、債務者に万一のことがあってもローンは消えず、そのまま家族に返済負担が残りますので、そこをあらかじめ考えておくことは重要です。つまり、万が一の際に金融資産でローン残高の大部分を返済できる家庭であれば、団信なしを検討しやすくなります。

 

また、共働きで双方の収入が安定しており、配偶者の収入だけでも返済を続けられそうな場合も同様です。ただし、現在の収入だけで判断せず、子育てや退職後まで含めたキャッシュフローで確認します。

 

そのほか、すでに加入している生命保険で、住宅ローンと遺族の生活費を十分に補える場合は、団信なしを検討する余地があります。

 

取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美

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夫婦の片方が団信の審査に落ちた場合、団信なしでペアローンを組む選択肢がありますが、団信なしでは万が一の際に住宅ローンの残債が丸ごと家計に残るリスクがあります。

 

以下では、団信なしでペアローンを組んでマイホームを購入することのリスクを詳しく解説します。

 

夫婦の片方が審査に通らない場合に団信なしでペアローンを組むと、その名義人が亡くなっても住宅ローンの残債は団信では弁済されず、債務は相続の対象となります。

 

団信に加入して住宅ローンを契約すれば、名義人が亡くなった場合に保険金が支払われ、残債がゼロになります。

 

しかし、団信未加入であれば住宅と一緒にローン債務も相続されるため、配偶者や子どもが契約者として返済を引き継がなければなりません。

 

たとえば、夫婦でペアローンを組んで各3,000万円ずつ残債があるときに夫が団信なしで亡くなった場合、夫の3,000万円分は保険で消えず、残された妻が自分の3,000万円と夫の3,000万円の合計6,000万円を家計から返済する可能性が出てきます。

 

団信の審査に通らないからといって無団信でペアローンを組む場合は、収入が1人分になった状態で2人分のローン返済を続けられるかを冷静に判断しなければなりません。

 

【FPからのアドバイス】
ペアローンだからこそ、団信なしで家計が成り立つかよく考えて

 

フラット35のペアローンでは、夫婦がそれぞれ別のローンを負います。団信に加入していれば、一方に万が一のことがあった際、その人の債務は保険金で返済されますが、もう一方は自分のローンを返し続けます。団信に加入しなければ、亡くなった方のローンもなくならず、債務は相続の対象となり得ます。

 

団信に加入せずペアローンを組みたいという方には、まず夫婦それぞれに万が一のことが起きた場合の家計を数字で見ていただきます。団信がなければ、残された配偶者は自分のローンを返しながら、相続した債務への対応も必要になる可能性があります。

 

そういったケースを想定して、配偶者の収入、遺族年金、生命保険、預貯金を入れた死亡後のキャッシュフローをつくり、毎月の収支が赤字にならないか、また、家を売った場合には、ローンが残らないかも確認します。

 

その結果、団信なしでは家計が成り立たない場合は、借入額を下げる、生命保険を確保する、購入を見送るといった提案もします。

 

取材協力/FP事務所アイプランニング 飯村久美

 

健康状態が原因で夫婦の片方が団信に落ちてしまい、ペアローンの審査に通らなかった場合は、ワイド団信を利用してペアローンを組むか、団信に加入できた方が単独ローンを組むかを考える必要があります。

 

ワイド団信を取り扱っているかどうか、また引受保険会社がどこかは、銀行によって異なります。そのため、自分たちの健康状態や家計状況、万一の際の保障を踏まえてどの選択肢が最適かを考えて住宅ローンを検討することが大切です。

 

しかし、個人で銀行を1つずつ回って最適解を探すのは非効率であり、時間をかけすぎたせいで理想のマイホームが手に入らないリスクもあります。

 

だからこそ、中立の立場で複数の金融機関の特徴を熟知しているプロに相談するのがおすすめです。

 

LIFULL HOME’S「住まいの窓口」では、家づくりに関する総合的なサポートに加え、必要に応じてお金の専門家であるFPを紹介してもらうことも可能です。

 

ペアローンの審査に不安を感じている方は、ぜひ「住まいの窓口」を利用してみてください。

 

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ペアローンで夫婦の片方が団信の審査に落ちてしまっても、ワイド団信やフラット35などの代替案があるため、マイホームを諦める必要はありません。

 

ただし、目先の審査に通ることだけを考えて告知義務違反や万が一の家計への影響を十分に検討しないまま「団信なし」を選択をするのは避けるべきです。

 

まずは自身が告知した健康状態や通院・治療状況を整理したうえで、一般団信以外の選択肢を検討し、夫婦にとって最適な方法を考えましょう。

 

「住まいの窓口」では、住宅ローンの知識が豊富なプロのアドバイスを受けられるため、将来的に家族全員が安心できる決断をするために相談してみてください。

 

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