「家賃10万円くらいで、家族が住める広さの部屋はないだろうか」

部屋探しにおいて、予算は重要です。ところが家族で住む部屋となると、広さも譲れません。子ども部屋のことを考えれば、2LDKや3LDKは欲しい。そう思って条件を入力してみると、思ったほど物件が出てこない。

広さを優先すれば家賃が上がり、家賃を抑えれば駅が遠くなる。どこかで妥協しないと先に進まないことに気づきます。

では、その妥協はどのくらい必要なのでしょうか。今回、2025年の1年間に、LIFULL HOME'Sを利用して東京都内で60平米以上の賃貸物件へ問合せをした人のデータを集計しました。

この記事では、予算ごとに選べる街がどう変わるのかを見ていきます。10万円以下、10万〜13万円、13万〜16万円、16万円以上…予算を上げるごとに、候補はどこまで広がるのか。そして、同じ街で広さを1段階上げると、家賃がいくら増えるのかを紹介します。

※賃貸物件は、専有面積によって住む人の層がおおまかに分かれます。そこで今回は、40平米未満を単身者向け、40〜60平米を二人暮らしやプレファミリー向け、60平米以上を3人以上の世帯向けと考え、この60平米以上を「ファミリー向け」として集計しました。

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まず、予算ごとに選べる街がどれだけあるかを集計しました。ここでいう「選べる街」は、その予算帯で実際にまとまった数の問合せがあった駅のことです。

 

 

東京都内の場合、予算10万円以下で60平米以上の物件を求めると、選べる街は12駅。同じ10万円でも広さを40〜60平米まで下げれば80駅に広がります。その差は約6.7倍です。

 

そして予算が上がるにつれて、この開きは縮まっていきます。13万〜16万円では60平米以上の選択肢が大きく伸び、16万円を超えると逆転しました。

 

東京では、16万円あたりが「60平米以上を選べるかどうか」の分かれ目になっているようです。

 

この関係は、2024年のデータでもほぼ同じでした。10万円以下で選べる街は13駅、16万円以上では152駅。年が変わっても、予算による選択肢の広がり方は変わらないようです。

 

ただし、16万円に届かないと60平米以上の物件を選べないというわけではありません。10万〜13万円でも32駅、13万〜16万円なら56駅あります。

 

ここからは、予算ごとにどんな街が選ばれているのかを見ていきましょう。

 

※本記事の「家賃の目安」「広さの目安」「築年数」は、その駅で実際に問合せがあった物件の中央値です。市場に出ている物件全体の家賃相場とは異なります。また「選べる街の数」は、LIFULL HOME’Sに掲載された物件への問合せをもとにしたものです。掲載件数は、市場にある部屋の数そのものではなく、物件を取り扱う不動産会社の増減によっても動きます。

 

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まず10万円以下から。該当する駅すべてを、問合せの多い順に並べます。「問い合わせの多さ」は1位の駅を100とした指数です。

 

 【予算10万円以下】ファミリー向け物件への問合せが多かった駅(全12駅)

順位

駅

代表的な沿線

問合せの多さ

家賃(中央値)

広さ(中央値)

築年数(中央値)

1位

八王子(八王子市)

JR中央線ほか

100

8.0万円

66平米

17年

2位

西八王子(八王子市)

JR中央線

52

8.2万円

67平米

29年

3位

鶴川(町田市)

小田急小田原線

50

9.1万円

64平米

26年

4位

町田(町田市)

小田急小田原線ほか

45

8.8万円

66平米

24年

5位

西武立川(立川市)

西武拝島線

43

8.8万円

68平米

32年

6位

高尾(八王子市)

JR中央線ほか

37

8.0万円

65平米

32年

7位

立川(立川市)

JR中央線ほか

31

7.7万円

63平米

29年

8位

武蔵砂川(立川市)

西武拝島線

30

8.2万円

62平米

24年

9位

日野(日野市)

JR中央線

27

9.0万円

67平米

35年

〃

昭島(昭島市)

JR青梅線ほか

27

9.3万円

67平米

27年

〃

清瀬(清瀬市)

西武池袋線

27

9.2万円

66平米

33年

10位

金町(葛飾区)

JR常磐線

20

9.0万円

65平米

31年

※ 家賃・専有面積・築年数は、その駅で実際に問合せのあった物件の中央値です。淡い色で示した日野・昭島・清瀬・金町は、この予算帯での問合せが少ない駅です。数値が振れやすいため、参考値としてご覧ください。

 

目を引くのは、八王子の突出ぶりです。2位の西八王子のほぼ2倍の問合せがありました。

 

理由のひとつは、選択肢の多さだと考えられます。八王子は60平米以上の物件数が都内でも有数の多さで、この予算帯に並ぶほかの駅とは規模が違います。10万円以下という条件をつけても、比べられる物件がそれだけ残るということです。

 

もうひとつの理由が築年数です。八王子の築17年は、この予算帯のなかでもっとも新しい水準でした。

 

とはいえ、比較の結果として選ばれているわけでもなさそうです。八王子で問い合わせた人の8割近くは、ほかの駅に問い合わせていませんでした。

 

数少ない比較候補も、西八王子や京王八王子など同じ八王子市内の駅です。ほかのエリアと比べたうえで選ばれているというより、はじめから八王子と決めて探している人が多い、ということのようです。

 

ランクインした駅を眺めてみると、そのほとんどが多摩地域の駅でした。23区内で該当したのは、葛飾区の金町だけです。ただし金町はこの予算帯での問合せが少ないため、参考値として見ておく必要があります。

 

築年数にも特徴があります。12駅のうち10駅が築24年以上。この予算帯で60平米以上を確保しようとすると、建物の新しさは譲ることになる、という関係が見て取れます。

 

予算を3万円上げると、選べる街は32駅に増えます。上位10位までを、1位の駅を100とした指数で並べます。

 

【予算10万〜13万円】ファミリー向け物件への問合せが多かった駅ランキングTOP10(全12駅)

順位

駅

代表的な沿線

問合せの多さ

家賃(中央値)

広さ(中央値)

築年数(中央値)

1位

大泉学園(練馬区)

西武池袋線

100

11.2万円

66平米

30年

2位

葛西(江戸川区)

東京メトロ東西線

58

12.0万円

63平米

33年

3位

竹ノ塚(足立区)

東武伊勢崎線

56

11.8万円

66平米

25年

4位

八王子みなみ野(八王子市)

JR横浜線

53

10.8万円

68平米

23年

5位

保谷(練馬区)

西武池袋線

52

12.3万円

66平米

28年

〃

武蔵関(練馬区)

西武新宿線

52

12.0万円

64平米

34年

6位

花小金井(小平市)

西武新宿線

51

11.9万円

66平米

19年

7位

亀有(葛飾区)

JR常磐線

43

12.0万円

65平米

24年

8位

綾瀬(足立区)

東京メトロ千代田線ほか

41

12.7万円

64平米

30年

9位

成瀬(町田市)

JR横浜線

39

11.1万円

65平米

18年

10位

北綾瀬(足立区)

東京メトロ千代田線

37

11.8万円

64平米

30年

〃

鶴川(町田市)

小田急小田原線

37

11.3万円

66平米

12年

※ 家賃・専有面積・築年数は、その駅で実際に問合せのあった物件の中央値です。

 

ここでも1位が抜けています。大泉学園は2位の葛西のほぼ2倍でした。

 

大泉学園は練馬区にある西武池袋線の駅で、池袋まで乗り換えなしで出られます。駅の周囲には住宅地が広がり、60平米以上の物件数は都内9位。ファミリー向けの選択肢が多い街です。

 

同じ西武池袋線・西武新宿線では、保谷、武蔵関、花小金井も顔を出しました。23区の西側から西東京市にかけての駅が並びます。

 

もうひとつの動きが、23区の東側です。葛西、竹ノ塚、亀有、綾瀬、北綾瀬。江戸川区・足立区・葛飾区の駅が、この予算帯から入ってきました。

 

さらに3万円上げると56駅。上位10位を、同じく1位の駅を100とした指数で並べます。

 

【予算13万〜16万円】ファミリー向け物件への問合せが多かった駅ランキングTOP10(全10駅)

順位

駅

代表的な沿線

問合せの多さ

家賃(中央値)

広さ(中央値)

築年数(中央値)

1位

葛西(江戸川区)

東京メトロ東西線

100

14.0万円

64平米

24年

2位

大泉学園(練馬区)

西武池袋線

84

14.0万円

66平米

17年

3位

国分寺(国分寺市)

JR中央線ほか

80

14.8万円

70平米

18年

4位

西葛西(江戸川区)

東京メトロ東西線

75

14.0万円

68平米

26年

5位

光が丘(練馬区)

都営大江戸線

68

14.0万円

68平米

29年

6位

武蔵小金井(小金井市)

JR中央線

67

14.0万円

65平米

18年

7位

上石神井(練馬区)

西武新宿線

65

13.9万円

74平米

35年

8位

船堀(江戸川区)

都営新宿線

61

14.6万円

65平米

22年

9位

三鷹(三鷹市)

JR中央線ほか

56

14.5万円

66平米

22年

10位

小岩(江戸川区)

JR総武線

55

13.5万円

63平米

22年

※ 家賃・専有面積・築年数は、その駅で実際に問合せのあった物件の中央値です。

 

国分寺、武蔵小金井、三鷹とJR中央線の駅が入り、光が丘や上石神井など練馬区・杉並区方面も加わりました。都心へ向かって範囲が広がっていくのが分かります。

 

16万円以上になると、該当する駅は149駅。上位10位を、同じく1位の駅を100とした指数で並べます。

 

【予算16万円〜】ファミリー向け物件への問合せが多かった駅ランキングTOP10(全14駅)

順位

駅

代表的な沿線

問合せの多さ

家賃(中央値)

広さ(中央値)

築年数(中央値)

1位

三鷹(三鷹市)

JR中央線ほか

100

20.0万円

70平米

13年

〃

用賀(世田谷区)

東急田園都市線

100

23.5万円

70平米

19年

2位

勝どき(中央区)

都営大江戸線

95

32.0万円

73平米

10年

〃

荻窪(杉並区)

JR中央線ほか

95

21.2万円

69平米

20年

3位

都立大学(目黒区)

東急東横線

92

26.5万円

75平米

20年

4位

品川(港区)

JR山手線ほか

85

27.5万円

76平米

21年

5位

桜新町(世田谷区)

東急田園都市線

70

23.0万円

70平米

28年

6位

学芸大学(目黒区)

東急東横線

67

26.0万円

70平米

19年

〃

吉祥寺(武蔵野市)

JR中央線ほか

67

23.5万円

73平米

10年

7位

白金高輪(港区)

東京メトロ南北線ほか

63

36.0万円

68平米

19年

8位

豊洲(江東区)

東京メトロ有楽町線ほか

60

28.0万円

71平米

16年

9位

目黒(目黒区)

JR山手線ほか

59

37.0万円

72平米

18年

〃

西荻窪(杉並区)

JR中央線ほか

59

21.0万円

70平米

12年

10位

葛西(江戸川区)

東京メトロ東西線

58

18.5万円

70平米

6年

※ 家賃・専有面積・築年数は、その駅で実際に問合せのあった物件の中央値です。

 

1位は三鷹と用賀が並びました。

 

三鷹は武蔵野市と三鷹市にまたがるJR中央線の駅。中央特快が停まり、新宿まで乗り換えなしで出られます。この予算帯で問合せのあった物件は築13年と、上位のなかでは新しい部類でした。

 

用賀は世田谷区の東急田園都市線の駅で、渋谷まで乗り換えなし。どちらも通勤の利便性が高く、ファミリー向けの住宅地として知られるエリアです。

 

以下も、都立大学、学芸大学、桜新町といった世田谷区・目黒区の駅と、勝どき、品川、白金高輪、豊洲、目黒といった都心の駅が並びました。

 

なお勝どき、品川、豊洲は、駅周辺に大規模なタワーマンションが集中しているエリアです。家賃の目安が高めに出るのはそのためで、その街の一般的な相場を示しているわけではありません。

 

4つのランキングを並べると、はっきりすることがあります。広さは、予算を上げてもほとんど変わらないということです。どの予算帯でも65〜70平米前後に収まっています。

 

大きく動くのは、それ以外の条件でした。

予算別:問合せがあった物件の条件

予算

築年数(中央値)

駅からの徒歩(中央値)

広さ(中央値)

10万円以下

29年

10分

66平米

10〜13万円

26年

10分

65平米

13〜16万円

22年

9分

66平米

16万円〜

14年

7分

70平米

※ 築年数・駅からの徒歩・広さは、その予算帯で実際に問合せのあった物件の中央値です。

 

10万円以下から16万円以上へ、予算を6万円上げると、築年数は29年から14年へと半分になります。駅からの徒歩分数も10分から7分に縮まります。一方で広さは66平米から70平米。4平米しか変わりません。

 

同じ駅のなかでも、似た傾向が出ています。

 

葛西は10万〜13万円で築33年だったのが、16万円以上では築6年。大泉学園も築30年から築4年になります。大泉学園の場合、駅からの徒歩は11〜12分でほとんど変わらないまま、築年数だけが大きく変わっていました。

 

60平米以上という条件で探すかぎり、予算を上げて手に入るのは、広さよりも建物の新しさや駅への近さ、ということのようです。

 

これは、予算の使いどころを考えるヒントになります。広さを最優先するなら、予算を上げるより街を変えたほうが早い。

 

逆に、築年数や駅への近さを重視するなら、予算を上げる意味は大きい。自分がどれを譲れないのかによって、動かす条件が変わります。

 

なお、築年数の違いは建物の古さだけを意味するものではありません。新しい建物は設備や断熱性能、耐震基準なども異なることが多く、住み心地に関わる部分が変わってきます。

 

今回のデータで分かるのはここまでなので、その先は実際の物件を見て確かめる必要があります。

 

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ここまでは、予算を決めて街を探す見方でした。最後に、部屋の広さに注目してみます。40〜60平米から60平米以上へと条件を上げると、家賃はいくら増えるのか、という話です。

 

同じ駅で、60平米以上の物件と40〜60平米の物件の家賃を比べました。どちらの広さでも一定数の問合せがあった127駅で計算しています。

 

すると、その金額が街によってまったく違うことが分かりました。上乗せ額が小さい順に並べます。

順位

駅

上乗せ額

60平米以上の家賃(中央値)

40〜60平米の家賃(中央値)

1位

上石神井(練馬区)

+1.5万円

14.0万円

12.5万円

〃

武蔵関(練馬区)

+1.5万円

12.5万円

11.0万円

2位

平和台(練馬区)

+1.6万円

13.6万円

12.0万円

3位

大泉学園(練馬区)

+1.7万円

13.0万円

11.3万円

4位

東小金井(小金井市)

+1.8万円

14.3万円

12.5万円

〃

西八王子(八王子市)

+1.8万円

9.7万円

7.9万円

〃

西武立川(立川市)

+1.8万円

9.0万円

7.2万円

5位

八王子(八王子市)

+1.9万円

9.4万円

7.5万円

6位

練馬(練馬区)

+2.0万円

16.0万円

14.0万円

7位

高尾(八王子市)

+2.3万円

9.0万円

6.7万円

〃

鶴川(町田市)

+2.3万円

9.9万円

7.6万円

8位

王子神谷(北区)

+2.4万円

15.9万円

13.5万円

9位

清瀬(清瀬市)

+2.5万円

11.0万円

8.5万円

〃

練馬春日町(練馬区)

+2.5万円

15.0万円

12.5万円

10位

日野(日野市)

+2.7万円

10.9万円

8.2万円

〃

石神井公園(練馬区)

+2.7万円

15.9万円

13.2万円

※ 家賃は、その駅で実際に問合せのあった物件の中央値です。上乗せ額は、60平米以上と40〜60平米の家賃の差。

 

1位は上石神井と武蔵関。どちらも1.5万円の上乗せで、40〜60平米から60平米以上に手が届く計算になります。3位の大泉学園でも1.7万円です。

 

127駅全体の上乗せ額は、中央値で4.5万円でした。上の16駅は、いずれもそれを大きく下回ります。

 

これらの駅には共通点があります。西武池袋線、西武新宿線、東京メトロ有楽町線、JR中央線。いずれも都心から放射状に伸びる沿線で、23区の西側から多摩にかけて分布しています。

 

※なお、このランキングを出すにあたっては建物の種類と構造も確認しています。40〜60平米ではアパートが多い駅でも、60平米以上ではマンションが中心になるため、上乗せ額には建物の種類が変わることによる影響も含まれます。また、40〜60平米が鉄筋コンクリート造で、60平米以上が木造中心になる駅もありました。この場合、上乗せ額が小さく見えても、それは広さの値段ではなく建物の造りを譲った分にあたります。そうした駅はこの表から除いています。

 

同じ計算を、金額の大きい順で見るとこうなります。

【東京都内】広さの上乗せ額が大きい駅

駅

上乗せ額

60平米以上の家賃(中央値)

40〜60平米の家賃(中央値)

目黒(目黒区)

+20.0万円

37.0万円

17.0万円

麻布十番(港区)

+18.5万円

41.0万円

22.5万円

恵比寿(渋谷区)

+15.7万円

38.0万円

22.3万円

西新宿五丁目(新宿区)

+15.4万円

31.9万円

16.5万円

池尻大橋(目黒区)

+14.1万円

33.0万円

18.9万円

豊洲(江東区)

+13.5万円

28.0万円

14.5万円

駒沢大学(世田谷区)

+12.4万円

27.9万円

15.5万円

※ 家賃は、その駅で実際に問合せのあった物件の中央値です。上乗せ額は、60平米以上と40〜60平米の家賃の差。

 

目黒では、40〜60平米から60平米以上に変えると家賃が月20万円上がります。大泉学園の1.7万円とは、10倍以上の開きです。

 

並んでいるのは、いずれも都心か、都心に近い人気のエリア。広さの値段は、都心に近づくほど高くなる傾向がありそうです。

 

なお目黒や恵比寿、豊洲は、駅周辺に大規模なマンションが多いエリアです。その分だけ数字が押し上げられている面もあります。

 

上の表は「広さを1段階上げるといくら増えるか」の目安であって、どの物件でも同じ差になるわけではありません。

 

ここまでは、予算内に収めたい場合、街を変えるか、広さを譲るかという話をしてきました。実はもうひとつ、方法があります。建物の種類を変えることです。

 

今回の集計をあらためて見ると、60平米以上の物件への問合せのうち、1割強は一戸建てでした。しかも広さを求めるほど、その比率は上がります。80平米を超える物件では4件に1件、90平米以上では3件に1件が一戸建てでした。

 

マンションだけを見ていると気づかない選択肢です。検索条件で建物の種類を絞っているなら、一度外してみてはいかがでしょうか。それまで出てこなかった物件が並ぶことがあります。

 

予算を変えると、選べる街がはっきり変わることが分かりました。

予算別:選べる街の数と、その広がり方

予算

選べる街

どのあたりの街か

10万円以下

12駅

多摩地域が中心。23区は金町のみ

10万〜13万円

32駅

23区の東側と、西武線沿線が加わる

13万〜16万円

56駅

JR中央線と、練馬区・杉並区方面へ

16万円〜

149駅

世田谷区・目黒区と、都心の駅が並ぶ

 

予算が3万円上がるごとに、選べる街は都心へ向かって広がっていきます。そして手に入るのは、広さよりも建物の新しさや駅への近さでした。

 

一方で、上乗せ額の小さい街を選べば、月1万〜2万円で広さを60平米以上へと上げられます。大泉学園、上石神井、武蔵関、東小金井。いずれも23区の西側から多摩にかけての駅です。

 

つまり選択肢は「郊外まで出る」か「広さをあきらめる」かの二択ではありません。上乗せ額の小さい街を選ぶという道があり、さらに建物の種類を変えるという道もあります。

 

予算、広さ、立地。この3つを同時に満たすのは、東京都内ではなかなか難しいのが現実です。だからこそ、どれを先に決めるかで探し方が変わります。

 

広さを譲れないなら、範囲を区内から市部まで広げる。この街がいいなら、築年数の条件を見直す。予算が動かせるなら、上乗せ額の小さい街を探す。それでも決まらないなら、マンション以外も見てみる。

 

順番を決めておくだけで、物件情報の見え方はずいぶん変わるはずです。

 

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項目

内容

調査対象

LIFULL HOME’Sを利用し、対象期間中に東京都内の賃貸物件へ問合せ(反響)を行ったユーザー。専有面積60平米以上、および40平米以上60平米未満の物件に問い合わせた人

対象物件

東京都内の賃貸物件のうち、専有面積60平米以上、および40平米以上60平米未満。マンションのほか、アパート・一戸建て・テラスハウスを含む

面積帯の考え方

40平米以下を単身者向け、40〜60平米を二人暮らし向け、60平米以上を3人以上の世帯向けと考え、60平米以上を「ファミリー向け」としている。間取り表記(2DK・2LDK等)では専有面積の幅が大きく層を切り分けられないため、面積で定義している

データ抽出期間

2025年1月1日〜2025年12月31日

物件数の数え方

各月1日時点のスナップショットにおける公開中のユニーク物件数を、駅別に年間平均したもの。延べ掲載件数ではない

対象駅の絞り込み

年間平均の掲載物件数が、60平米以上は330件以上、40〜60平米は580件以上の駅。いずれも都内約620駅のうち上位約3割にあたる。各駅停車の駅も対象に含めるため、基準は低めに設定している。さらに問合せ者数が30人未満の駅は除外し、最終的な対象は両面積帯とも183駅

「選べる街」の定義

予算帯ごとに、問合せ者数が30人以上あった駅の数。物件が存在する駅の数ではなく、実際にその予算帯で検討が集まった駅の数を指す

予算帯の区分

問合せのあった物件の家賃で、〜10万円/10〜13万円/13〜16万円/16万円〜の4区分。1人が複数の予算帯の物件に問い合わせた場合、それぞれの帯で1人として数えるため、帯をまたいだ合計は実際の人数とは一致しない

上乗せ額の算出

同一の駅について、60平米以上の物件の家賃中央値から、40〜60平米の物件の家賃中央値を引いた差額。両方の面積帯で対象条件を満たした127駅で算出

建物構造の区分

木造/鉄骨造/鉄筋コンクリート系(RC造・SRC造)の3区分。物件テーブルと照合できたサンプルで集計しているため、対象は問合せ全体の約45%。照合できたサンプルとできなかったサンプルで、家賃・専有面積・築年数・間取り構成に大きな差がないことは確認済み

徒歩分数

物件から最寄り駅までの徒歩分数の中央値。建物構造と同じく、照合できた約45%のサンプルで集計している

集計方法

問合せはユニークユーザー単位で集計(同一ユーザーが同じ駅に複数回問い合わせた場合は1人として数える)。家賃・専有面積・築年数は、その駅で実際に問合せのあった物件の中央値

順位の付け方

金額が同じ駅は同順位とし、順位に欠番を作らない方式(表内は「〃」と表記)。掲載範囲は行数ではなく順位で決め、10位まで掲載しているため、表の行数は10を超える

沿線の表記

駅ごとに、問合せ件数が最多の路線1つを「代表的な沿線」としている。複数路線が乗り入れる駅は「JR中央線ほか」のように表記。JR中央線とJR中央本線など、同一路線の表記ゆれは統合したうえで判定している

再現性の確認

予算帯ごとの「選べる街の数」は、2024年の同一集計でも確認している(10万円以下13駅、16万円以上152駅)。年による変動は小さい

集計範囲について

掲載件数は、市場にある部屋の数そのものではない。物件を取り扱う不動産会社の増減や、成約の早さによっても動く

 

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