住宅の購入を検討するとき、中古住宅もひとつの選択肢になるでしょう。ただし、中古住宅は新築住宅と比べて価格の決まり方に違いがあるので、基本的なポイントを押さえておく必要があります。また、値引き交渉を行う場合は、あらかじめ注意点を押さえておかなければトラブルを招いてしまうことも。今回は、中古住宅を購入するときのポイントや注意点について、詳しく解説していきます。

中古住宅を初めて購入するときには、価格がどのように決まるのか気になる人もいるのではないでしょうか。新築住宅の場合は土地代や建築費などの原価に、広告宣伝費と売主の利益が積み上げられて販売価格が決められますが、中古住宅の場合は、原価法・収益還元法・取引事例比較法などの計算方法が用いられます。

 

まず原価法とは、すでに立っている建物を取り壊し、同じ建物をもう一度建てたときの費用(再調達価格)をもとに、建物が老朽化している割合を差し引いて(減価修正)、査定価格を算出する方法をいいます。

 

収益還元法は、収益性の高い物件を取得する際に用いられるものであり、将来得られる利益に注目して不動産価格を算出する方法です。投資用に住宅を購入する場合に用いる方法といえます。

 

そして、一般的に最も多く用いられているのが取引事例比較法です。これは、売り出そうとしている中古物件と条件が似ている物件の事例を参考にして価格を決める方法のことです。標準となる相場を100とし、立地条件や建物の状況などを加点・減点して大まかな販売価格を出し、最終的には売主が自身の要望と仲介会社からの取引事例を基にした提案価格を参考にして決めます。

 

中古住宅では値引きを想定して、やや高めに価格設定している場合もあるので、値引き交渉が可能なこともあります。また、売主が何らかの事情で早く住宅を手放したいときには、相場よりも割安な価格で住宅を取得できるケースもあります

 

似たような物件であっても販売価格に違いがあるのは、こうした売主の事情もあることを押さえておきましょう。

中古住宅ならどの物件でも値引き交渉が行えるというわけではなく、値引きが成立しやすい物件というものがあります。たとえば、「周辺の相場から見て値段が高い」「販売開始から時間が経過している」といった物件です。

 

 

売主の思い入れが強かったり、売主が多くの現金を必要としていたりする場合には、周辺の相場よりも高い価格で売り出されていることがあります。なかなか買い手がつかないため、そのままの状態になっているケースもめずらしくありません。

 

このような場合には、周辺相場に基づいた価格交渉を行うのが基本的なポイントだといえます。買い手側から具体的な金額を提示すると、交渉がまとまりやすくなるでしょう。

 

また、販売開始から時間が経過している中古住宅の場合、早く売却したいと考えている売主であれば、価格交渉に応じてくれるケースがあります。中古住宅を予算内で購入したいときには、売り出しからしばらく経過した物件を探してみるのもいいでしょう。

中古住宅の値引き交渉を進めるうえでは、「この金額であれば購入したい」という意思を売主側に伝えることが大切です。買主側が提示した金額がそのまま通るというわけではありませんが、売主と買主の双方が歩み寄れる価格を探すことで、取引が成立しやすくなります。

 

ただ、交渉相手は仲介をしている不動産会社の場合が多いため、相場を把握したうえで適切に交渉していくことが重要です。買い手側としてはできるだけ割安な価格で物件を取得したいと思っても、売主の立場に立って考える必要もあります。

 

初めから値引き交渉を進めようとするのではなく、この物件がこの価格なら買いたいというときに、その思いと購入できる予算を提示していけば、不動産会社も協力してくれやすくなります。現実的な視点を持ちながら、円満に交渉が進んでいくように意識してみましょう。

 

不動産ポータルサイトなどを利用すれば、住みたいエリアや物件のタイプの相場を知ることが可能です。LIFULL HOME’Sの「プライスマップ」「住まいインデックス」といったWebサービスを利用すれば、周辺の相場を調べられるので中古住宅の購入を考える際に役立てられます。

中古住宅の値引き交渉は、買い手側にも誠実な姿勢が求められます。売主が納得できないような価格を提示してしまえば、交渉がうまく進まなくなってしまう恐れもあるので注意が必要です。

 

また、相場よりも安い物件の場合には、なぜ安いのかの理由をきちんと説明してもらいましょう。「住宅ローンが使えない」「再建築不可物件」など、物件によって事情はさまざまあるので、必要とする条件を満たしているかの確認は大切です。

 

中古住宅の契約時には、重要事項説明書と売買契約書を取り交わしますが、この際一緒に提示される物件状況報告書と付帯設備表もしっかり確認しましょう。

 

物件状況報告書とは、売主が買主に対して物件の状況を説明する書類のことです。具体的には雨漏りやシロアリ被害、リフォームや増改築の有無など。単に状況が記載されているだけではなく、修理の時期や方法なども細かく確認できます。

 

付帯設備表は、対象となる物件に関する設備の有無や不具合の状況について、買主に説明するための書類です。主要設備(給湯・水回り・空調)とその他の設備(照明・収納・建具など)に分かれています。付帯設備表の記載内容で契約となるため、たとえば付帯設備表では故障なしの記載があった設備が引き渡し時に故障していた場合などは、売主負担で補修するのがルールです。

 

物件状況報告書や付帯設備表に不明な点があるときにはそのままにせず、売主か仲介をしている不動産会社に必ず尋ねるようにしましょう。

 

中古住宅をマイホームとして購入したときには、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用対象となります。この制度は、住宅ローンの年末残高をもとに計算した一定額を所得税額等から控除するものです。

 

ただし、制度を利用するためには「築年数が一定以下」「建築後に使用された住宅」「取得してから6ヶ月以内に住んでいる」「年間の合計所得金額が3,000万円以下」「床面積が50m2以上で、2分の1以上が居住用スペース」などの条件にすべて当てはまっている必要があります。

 

特別控除の対象になれば、税制上の優遇措置が受けられます。該当するかどうかを仲介する不動産会社に尋ね、詳しく調べてもらうといいでしょう。

 

  • 中古住宅の価格は新築住宅と異なり、取引事例比較法が使われることが多い
  • 値引き交渉をしやすい物件は、周辺相場よりも高い物件や売り出しから時間が経過している物件
  • 値引き交渉では買主側にも誠実な姿勢が求められるので、売主の立場も考えながら交渉を進める
  • 中古住宅を購入するときには、物件状況報告書と付帯設備表もしっかり確認しよう
  • 住宅借入金等特別控除などの税制措置がある

公開日: