
人口増加率の高さや、住みたい街ランキングなどで常に上位にランクインしていることから注目を集めている福岡市。その活気の源泉の一つとなっているのが、福岡市が進めている2つの巨大プロジェクトです。
この記事では、福岡市が進める二大再開発「天神ビッグバン」と「博多コネクティッド」の概要を紹介するとともに、これらの再開発がマンションの資産価値にどのような影響を与えるのかについて解説します。
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もくじ
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再開発がマンション市場に与える大きな影響
再開発は、街全体に大きな影響を与える可能性があります。開発が進むことで人が集まり、商業施設が新たにオープンすることなどによって、住み心地や、生活するうえでの安心感の向上につながっていきます。「この街に住みたい」という人が増加すれば、その地域にあるマンションの価格、ひいては自身の資産価値にも直結するでしょう。
そのため現在、マンションの売却を検討されている方はもちろん、将来的な売却を見据えて福岡でマンションの購入を検討されている人は、再開発に関する情報は資産にかかわる重要な要素であると考えて良いでしょう。
二大再開発プロジェクトの概要とマンションへの影響
ここでは、福岡市が進めている二大再開発プロジェクトの概要とマンション市場への影響について解説していきます。
天神ビッグバン:ビジネスと商業の中心地が進化

天神ビッグバンとは、福岡市が2015年から進めている市の中心部・天神エリアの再開発誘導プロジェクトです。福岡市は、 政令指定都市のなかでも開業率や人口増加率、若者率などが高く、起業・新規事業に最適な都市として2014年5月に国家戦略特区として指定されました。
なかでも、九州最大の繁華街である天神エリアは、オフィスビルや商業ビル、ホテルなどが多く立ち並び、ビジネスパーソンや国内外からの観光客などで常ににぎわっているエリアです。一方で、1981年の耐震基準が強化された年より前に建築されて、更新期を迎えている建物も多くありました。福岡市やビルオーナーは、建て替えが必要でありながらも建て替えが困難な事情も抱えていたのです。
天神エリアのように空港から近いエリアでは、航空機の安全な離着陸のために、本来、航空法で建てられる建物の高さに制限が設けられています。そのため、現在の基準に合わせた建て替えすると「既存不適格」となってしまい、将来的にさまざまな不都合が発生する可能性があります。
そこで、福岡市は国家戦略特区として指定されたことを機に、福岡市における現状を紹介しつつ規制緩和を提案し、航空法による高さ制限のエリア単位での特例承認を得ることに成功しました。天神交差点を中心に半径500メートルのエリア(約80ヘクタール)において、この規制緩和を活用し、老朽化した民間ビルの建て替えを促進。
市民や働く人・訪れる人の安全・安心につながる新たな空間と雇用を創出する取り組みとして創出されたのが天神ビッグバンなのです。 なお、建て替えにより耐震性や安全性を高めるだけでなく、建て替えに合わせて地上広場の設置や歩行者空間の創出、緑道・緑地の整備など、都市が有する緑や水辺、文化、歴史などの魅力にさらに磨きをかけ、多様な個性や豊かさを感じられるまちづくりも行われています。
天神ビッグバンによる具体的な変化

天神ビッグバンが開始された2015年2月から2025年3月末時点までの約10年間で93棟が建築確認申請を提出し、うち74棟がすでに竣工しています。
例えば、対象エリアの西口にある(旧)福岡市立大名小学校跡地を活用し、高さ約111メートルの高層ビル「福岡大名ガーデンシティ」が2023年3月に竣工されました。オフィス・ホテル棟(地上25階・地下1階)と、コミュニティ棟(地上11階、地下1階)、イベントホール(地上1階、地下1階)、広場で構成されています。
ホテルは、九州初のラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン」が入居。オフィスは、ワンフロアの面積が2,500平方メートル以上のハイグレードオフィスが配置されており、国内外の有力企業の誘致にも効果を発揮しています。コミュニティ棟には、創業支援・人材育成施設や賃貸住宅、公民館や保育施設などが配置されており、福岡の開業率や人口増加率のさらなる向上が見込まれます。
また、2024年12月には、対象エリアの中心部に「ONE FUKUOKA BLDG.(ワンビル)」が竣工されました。ワンビルは、福岡ビル、天神コアビル、天神第一名店ビル(天神ビブレ)の3つのビルを解体・一体化した高さ約97メートル、地上19階、地下4階の大型複合ビルとなり生まれ変わったビルです。
「創造交差点」をコンセプトとして、オフィス、商業、ホテルなどさまざまな用途を導入し、新たなビジネスや文化の発信の場を創出しています。なかでも、8~17階部分を占めるオフィスは、西日本最大規模で、ワンフロアあたりの賃貸面積は約4,600平方メートルとハイスペックオフィスとなっています。
福岡市営地下鉄「天神」駅と直結し、福岡市営地下鉄を利用すればJR「博多」駅から約6分、福岡空港から約11分と、アクセスも抜群で、ビジネスパーソンや国内外からの来訪者などが集い、今後のさらなる発展が期待されます。
マンション市場への影響
「天神ビッグバン」によって再開発された建物の例を紹介しましたが、ほかにも次世代型のオフィスや商業施設が続々と誕生しています。そのため、企業のオフィスの移転や新設により、周辺の居住者が増えたり、職住近接を求めるビジネス層の賃貸およびマンション購入需要が高まりが予想されるでしょう。
また、天神ビッグバン・再開発によって、天神エリア全体のブランド力が向上し、周辺マンションの価値も引き上がる可能性もあります。
マンションの資産価値の拡大が期待できるため、投資用マンションの購入やすでに所有している物件の売却を検討しても良いでしょう。
博多コネクティッド:アジアの玄関口がさらに便利に

「博多コネクティッド」は、2019年1月から福岡市が進めている博多駅周辺交通基盤の拡充およびにぎわいのある街づくり推進プロジェクトです。
具体的には、博多駅を中心に半径約500メートルのエリア(約80ヘクタール)で、地下鉄七隈線延伸やはかた駅前通り再整備など交通基盤の拡充に合わせ、容積率などの規制緩和を活用して民間ビルの建て替えを促進し、博多の歴史・文化と経済が共存する都市開発を進めるものです。
耐震性の高い先進的なビルへの建て替えとともに歩行者ネットワークが拡大され、歴史ある博多旧市街との回遊性が高まり、九州の陸の玄関口としてビジネス、観光、暮らしの多方面で発展が期待されます。
博多コネクティッドによる具体的な変化

「博多コネクティッド」が開始された2019年1月~2025年3月末時点までの約6年間で32棟が建築確認申請を提出し、うち26棟がすでに竣工しています。ここでは、博多コネクティッド規制緩和第1号として2022年8月に竣工した「博多イーストテラス」を紹介しましょう。博多イーストテラスは、博多駅東一丁目敷地(旧博多スターレーン跡地)に建設された地上10階建てのオフィスビルです。
博多エリア最大級のオフィスフロアや、多様化する働き方に対応するサポート機能を備えたワークスペース、カフェ&バーなどが備わっており、筑紫口中央通りとつながる敷地南側(建物前面)には約 940 平方メートルにもおよぶ博多駅周辺地区最大級の広場(公開空地)を整備されています。また、入居企業の事業継続や従業員を守るための地震・停電・洪水対策も備えられています。
さらに、1階エントランスホールには非接触の体表温検知システムを導入したセキュリティゲートを設けるなどICTも活用し、オフィスワーカーやビル利用者の安心安全を確保するスマートビルとなっています。
このほかにも「コネクトスクエア博多」や「中央日土地博多駅前ビル」などビジネス&憩いの場として機能的でスマートなビルが開業、駅周辺の歩行者空間も整備され、博多コネクティッドにより博多駅周辺地区の活力とにぎわいが高まってきています。
マンション市場への影響
博多駅周辺エリアの交通基盤が拡充・整備され、空港や新幹線へのアクセスがさらにスムーズになっているのが特徴です。交通利便性の強化は、国内外のビジネス層やそれに伴う移住者からの住宅需要につながるでしょう。特に、交通のハブとなるエリアは単身者向けの賃貸需要が安定している傾向があり、投資用マンションとして価値の維持が期待できます。
博多コネクティッドを活用した建て替え・再開発は、計画中・整備中の物件もまだまだ多数あり、将来的にも地域経済のさらなる活性化が見込まれます。進捗状況を確認しながら、投資用マンション購入や所有物件の検討をしても良いでしょう。
購入・売却戦略:再開発を最大限に活かす方法
一般的にマンションの周辺地域の開発が行われると利便性やブランド力が向上し、ニーズも高まるため、物件価値が上昇する可能性があります。再開発を最大限に活かした戦略を練り、マンションの購入や将来的な売却の成功を目指しましょう。
マンション購入を検討している方
マンションの購入目的が居住か投資かによって、選ぶポイントが変わります。
居住目的の場合
居住目的でマンション購入を検討している場合は、まず資産価値がポイントとなります。例えば、再開発によってアクセスや暮らしの利便性がどのように向上するかを検討し、資産価値が高まりやすい物件を選ぶことで、将来的に売却することになった場合の戦略も立てやすくなります。また、近隣に商業施設や公共スペースが充実していれば、居住中は日々の生活がより豊かになります。
資産価値が高い物件は、仮に将来的に売却を検討するようになった際にも有利に働きます。特に、立地が良い物件は資産価値が下がりにくいことが予想されます。
投資目的の場合
投資目的でマンションの購入を検討している場合には、エリアを重視した方が良いでしょう。例えば、天神エリアは賃料相場が高いうえ、需要も多いため、安定した家賃収入が見込めるでしょう。このエリアではファミリー層よりも単身者の需要が高い傾向があるため、再開発エリアに近いワンルームやコンパクトマンションが有力な選択肢となり得ます。
博多エリアで検討するなら駅近物件が好ましいでしょう。通勤や出張で交通アクセスを重視するビジネスマンからの需要が多く、駅近物件が選ばれやすい傾向があります。
マンション売却を検討している方
マンション売却を検討されている人は、新規ビルの開業や再開発がメディアなどで報道され、話題となるタイミングに合わせて売却活動を開始することで高値で売却できる可能性が高まります。
再開発への注目が集まることで、開発後のエリアの様子をイメージしやすくなり周辺物件への人々の関心も高まる傾向があるからです。
売却の際には、不動産会社と相談しながら「〇〇(新規ビル名)まで徒歩〇分」など、具体的なメリットを明確に示し物件そのものの魅力をアピールすると良いでしょう。「天神ビッグバン」「博多コネクティッド」といったキーワードを使いながら、再開発による将来的な利便性をアピールすることも売却成功に向けたポイントとなります。
福岡の再開発計画をマンション売買戦略に活かそう
この記事では、2025年9月現在、福岡市が推進している「天神ビッグバン」と「博多コネクティッド」の二大プロジェクトについて紹介しました。福岡市は、従来、開業率や人口増加率、人口増加率が高く、住みたい街ランキングでも上位に選ばれている都市です。
長年にわたって福岡市が課題としていた老朽建築物の建て替えや耐震リスクの改善といった課題解決に向けて官・民で取り組んでいます。そのため、福岡市が国内外から多くのビジネスパーソンや移住者、観光客を受け入れるのにふさわしい西日本の玄関口として活力とにぎわいを高めていくことが期待できます。
「天神ビッグバン」と「博多コネクティッド」を単なる都市の変化と思わず、福岡のマンション市場に新たな価値を生み出すチャンスと捉えれば、今後のマンションの購入・売却戦略に生かすこともできます。そのためには、再開発の情報をキャッチし、進捗に注目していかなければなりません。
また、不動産の専門家である不動産会社と連携することで再開発の情報入手やマンション購入・売却タイミングをつかみやすくなり、居住用あるいは投資用の物件購入、所有物件の売却など、ご自身の目的に合わせた最適な戦略を立てやすくなります。
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福岡市の再開発にあわせて、自身のマンション購入・売却を検討してみてはいかがでしょうか。
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