住宅市場動向調査について読み解く

2014年7月14日に国土交通省から発表された「平成25年度住宅市場動向調査について」。
この調査レポートは全383ページにわたり、平成25年度の住宅の建設、購入、リフォーム等の実態把握・分析を行っている。
レポート自体は今後の住宅政策の企画立案の基礎資料とすることを目的にしているが、住まい探しを考える私たちにも役に立つ情報が多い。昨年の住宅市場動向のデータを見て、今後の住まい探しの際の参考にしてもらいたい。

どの地域で住み替え先を探すか?というのは、住み替えを検討した時に、まず考える事だと思う。実際に住み替えた人に、住み替え前後の通勤時間の変化と、市区町村の移動について聞いたデータから傾向を見てみたい。

住み替え前後の通勤時間の変化は?

住み替え前後の通勤時間の変化について、住宅種別ごとに調査した。結果は以下のようになっている。

□注文住宅取得世帯(※)  :住み替え前:39.6分/住み替え後:40.9分
□分譲戸建て住宅取得世帯  :住み替え前:45.1分/住み替え後:47分
□分譲マンション取得世帯  :住み替え前:46.5分/住み替え後:45.5分
□中古戸建て住宅取得世帯  :住み替え前:44分/住み替え後:44.8分
□中古マンション取得世帯  :住み替え前:43.8分/住み替え後:41.4分
□民間賃貸住宅へ住み替え世帯:住み替え前:44.8分/住み替え後:36.3分

注文住宅の取得を含む売買の取引については、住み替え前後で通勤時間にほとんど大きな差が無いことがわかる。いずれも40分前後の結果となり、住み替えの際に許容できる通勤時間の目安が40分程度と言えそうだ。
一方で「民間賃貸住宅」のみ、住み替え前と比較して住み替え後の通勤時間が8.5分短縮の結果となっている。賃貸住宅の住み替えは、“通勤に便利な地域”が諸条件の中で優先度が高い傾向にあるのかもしれない。

(※:建て替えを除く三大都市圏)

地域の移動はどの程度するのか?

では、居住地で見ると、住み替え前後ではどの程度の移動があるのだろうか?

□注文住宅取得世帯(※):「他の市区町村から移動」26.5%、「同一市区町村内」72.1%
□分譲戸建て住宅取得世帯:「他の市区町村から移動」46.7%、「同一市区町村内」52.7%
□分譲マンション取得世帯:「他の市区町村から移動」54.9%、「同一市区町村内」43.1%
□中古戸建て住宅取得世帯:「他の市区町村から移動」36.7%、「同一市区町村内」62.5%
□中古マンション取得世帯:「他の市区町村から移動」47.1%、「同一市区町村内」51.4%
□民間賃貸住宅へ住み替え世帯:
            「他の市区町村から移動」61.6%、「同一市区町村内」36.9%

注文住宅取得世帯と、中古戸建て住宅取得世帯は同一市区町村内での住み替えが目立って多いことが特徴的な結果になった。分譲戸建ても差はわずかだが同様の結果となっており、戸建て志向の人は、地元での住み替えを望む傾向にありそうだ。このいずれも通勤時間は住み替え後の方がわずかだが長くなっているので、多少通勤時間が長くなったとしても住み慣れた地域で住み替えたいということか。
一方、民間賃貸住宅は他の市区町村からの住み替えが61.6%と多い。住み替え前後の通勤時間の差も大きかった住宅種別なので、賃貸住宅に住み替える人は、通勤の利便性を優先に、比較的自由に居住地を移動する人が多いと言えそうだ。

(※:建て替えを除く三大都市圏)

【住み替え前後の居住地】</br>注文住宅取得世帯と中古戸建て住宅取得世帯は、同一市区町村内での住み替えが多い【住み替え前後の居住地】
注文住宅取得世帯と中古戸建て住宅取得世帯は、同一市区町村内での住み替えが多い

調査概要

調査実施社:国土交通省
調査対象:平成24年4月~平成25年3月に住み替え・建替え・リフォームを
   行った世帯を対象とし、住宅の種類別に調査
調査方法:注文住宅は、建築物動態統計調査のうち「補正調査」の対象から抽出
   その他は調査地点を抽出し、調査員が該当の住宅を探し出し、
   訪問留め置き調査により実施

※詳細は国土交通省のページを確認してください

2015年 04月07日 11時08分