他国の祝日

「日本社会は休みが少ない」というが、本当だろうか。確かめるために、海外の祝祭日を見てみよう。

【アメリカの場合】
1.新年の休日(1月1日)、2.キング牧師の誕生日(1月第3月曜日)、
3.大統領の日(2月第3月曜日、初代大統領・ワシントンの誕生日を祝う日)、
4.戦没将兵追悼記念日(5月最終月曜日)、5.独立記念日(7月4日)、
6.勤労感謝の日(9月第1月曜日)、7.コロンブス記念日(10月第2月曜日)、
8.退役軍人の日(11月11日)、9.感謝祭(11月第4木曜日)、
10.クリスマス(12月25日)の10回。

【中国の場合】
1.元旦(2016年は1月1~3日、以降すべて2016年の日付)、
2.春節(2月7~13日)、3.清明節(4月2~4日)、
4.労働節(4月30~5月2日)、5.端午節(6月9~11日)、
6.中秋節(9月15~17日)、7.国慶節(10月1~7日)と7回しかない。

【日本の場合】
1.元日(1月1日)、2.成人の日(1月第1月曜日)、
3.建国記念の日(2月11日)、4.春分の日(3月19~3月22日の一日)、
5.昭和の日(4月29日)、6. 憲法記念日(5月3日)、
7.みどりの日(5月4日)、8.こどもの日(5月5日)、
9.海の日(7月第3月曜日)、10.敬老の日(9月第3月曜日)、
11.秋分の日(9月22~24日の一日)、12.体育の日(10月第2月曜日)、
13.文化の日(11月3日)、14.勤労感謝の日(11月23日)、
15.天皇誕生日(12月23日)、
そして今年から、16.山の日(8月11日)が新たに加わるので16回となる。
世界的に見ても、一年に16回もの祝日がある国は珍しいそうだ。

しかし、よく見ればわかるように、中国は祝日すべてが連休だし、アメリカは夏季休暇や有給休暇も長くとりやすいので、現実的には、日本には休みが少ないと言えるだろう。

「国民の祝日」とは

日本には、「国民の祝日に関する法律(祝日法)」が定められており、その第一条には

自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。

とある。
休みの日は一日中寝ていたいという人も多いだろうが、「より豊かな生活を築くために寝る」と、再確認したほうがいいかもしれない。

祝日法が制定されたのは、1948年(昭和23年)7月20日のこと。当時の祝日は元日、成人の日、春分の日、天皇誕生日(現在の昭和の日)、憲法記念日、こどもの日、秋分の日、文化の日、勤労感謝の日の9日だった。

次に、それぞれの祝日の由来を見ていこう。

国民の祝日は、「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」と定められている国民の祝日は、「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」と定められている

祝日法制定時からあった祝日の由来

1927年(昭和2年)に制定された祭日には「四大節」と呼ばれるものがあり、四方拝(1月1日)、紀元節(2月11日)、天長節(4月29日)、明治節(11月3日)の総称であった。

四方拝は平安時代初期に始まった豊作と無病息災を祈る行事で、当初はひろく貴族の間で行われていたが、次第に皇室の行事となった。これが現在の元日だ。
天長節は昭和天皇の誕生日を祝う日で、現在では昭和の日になり、祝日法には、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日であると定められている。そして明治節は明治天皇の誕生日、現在は文化の日となっており、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日とされている。
紀元節は現在の建国記念の日にあたるが、祝日法制定当時は祝日とされなかった。実は、明治時代には祭日だったものが、この年に廃止されたのだ。初代の神武天皇が即位した日は紀元前660年2月11日であると日本書紀に記録されているので、1873年(明治6年)に、この日を紀元節として祭日に定めたが、神武天皇は神話上の存在とされており、この日が日本建国の日である信憑性は低い。そこで戦後に祝日法が定められたとき、GHQにより祝日からはずされてしまうのだ。しかしその後1967年に「建国記念の日」として復活し、現在に至っている。
当初の成人の日は、1月15日で小正月にあたり、古来元服の儀が行わる日であった。元服とは男子が成人になる儀式だから、この日を成人の日に定めたのだ。
春分の日と秋分の日は太陽が真東から上り、真西に沈む日で、昼と夜の長さが同じになる。仏教では、阿弥陀如来が治める極楽浄土は西の方角にあると考えているので、真西に沈む太陽を礼拝し、極楽浄土(彼岸)に生まれ変わりたいと祈る信仰があった。春分と秋分の日を「お彼岸」と呼ぶのはそのためだ。
こどもの日は端午の節句。端午の節句は男の子の節句のように扱われているが、そもそもは田植えと深く関連づけられており、田の神を迎える早乙女たちが精進潔斎をする日が、中国由来の行事と習合したものだと考えられており、決して女性に無関係な日ではない。祝日法でも「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」とその意義が定められている。
憲法記念日は日本国憲法が制定された日で、文化の日は公布された日。
そして勤労感謝の日はその年の収穫に感謝する新嘗祭が宮中で執行される日だ。

新しく定められた祝日の由来

1964年に東京オリンピックが開催されると、2年後の1966年にはその開始日である10月10日が体育の日と定められた。同年に敬老の日も制定されるが、これは兵庫県多可郡野間谷村が定めた「としよりの日」がその起源とされる。また平成になると、天皇誕生日が12月23日になり、昭和天皇の誕生日は「みどりの日」と名前を変え、さらに2007年の改正により「昭和の日」となった。
そして7月20日が海の日に定められたのは1996年だから、記憶に新しいだろう。1876(明治9)年のこの日、明治天皇が初めての航海から戻り、横浜港に到着されたのにちなむそうだ。
その後、ハッピーマンデー制度により、成人の日、海の日、敬老の日、体育の日が特定週の月曜日に移動した。また、昭和天皇の大喪の礼や、今上天皇の即位の礼など、皇室慶弔行事に伴う臨時休日が定められる場合もある。

2016年から新しく追加された国民の祝日「山の日」とは

振り返ってみると、日本国民の祝日が変化を続けてきたことがわかるだろう。
2016年からは新たに「山の日」が加わるが、この祝日が追加された背景はどのようなものだろうか。

実は、山の日も作るべきだという意見は海の日制定当時からあり、2013年に「山の日制定議員連盟」が設立された。海の日の翌日を山の日とし、日曜日と合わせて3連休にする案もあったが、最終的にはお盆前の8月12日案が採用される。しかしこの日は日航機墜落事故の日でもあるため一日前にずれ、8月11日となったわけだ。
祝日法では、その意義を「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」と定めているから、近所にある低山でもいいから、登山をしてみてはいかただろうか。

また、有給休暇を取りにくい雰囲気が残る日本では、今後も法律が定める祝日が増える可能性があるから、注目しておきたいものだ。

2016年からは、8月11日が「山の日」として国民の祝日になる2016年からは、8月11日が「山の日」として国民の祝日になる

2016年 04月30日 11時00分