テレワークの普及で、自宅に“快適なワークスペース”を求める人が急増

▲いざテレワークを始めてみると「ワークスペースをどこに確保するか?」「Web会議のときの背景をどうするか?」など、作業環境づくりの様々な課題が生じる。そうしたお悩みをリモートで解決してくれるのが、アールティー・ヘンマ社の『在宅インテリアコンサルティングサービス』だ▲いざテレワークを始めてみると「ワークスペースをどこに確保するか?」「Web会議のときの背景をどうするか?」など、作業環境づくりの様々な課題が生じる。そうしたお悩みをリモートで解決してくれるのが、アールティー・ヘンマ社の『在宅インテリアコンサルティングサービス』だ

緊急事態宣言の発令を受け、全国で「STAY HOME」が呼び掛けられるようになってから約1ヶ月が過ぎた。

外出自粛によりテレワーク化が一気に進んだことは、「コロナ後の働き方」に対する各企業の意識変革につながったようだが、何よりわたしたちの中で大きく変化したのは「住まいの在り方」についてだろう。

住まいは、これまで「家族がくつろぐための場所」だった。しかし、テレワークの実施により「仕事をする場所」としての機能が求められるようになった。

フリーランスを中心として、コロナ以前から自宅内にワークスペースを設けていた人であれば、その変化をスムーズに受け入れることができたはずだが、多くの人たちがそうではなく、限られた住空間の中で「仕事と家庭をいかに両立するか?」について困惑しているようだ。

そこで、今注目を集めているのが「テレワークに対応する住空間づくり」についてのお悩みをワンコインで解決に導いてくれるサービスだ。アールティー・ヘンマ社が2020年4月からスタートした『在宅インテリアコンサルティングサービス』について取材した。

相談のハードルを下げるため、30分・500円のワンコインサービスを開始

▲アールティー・ヘンマ株式会社 代表の竹川倫恵子さん。「ご両親がダイニングで仕事をしていて、子どもたちは隣で勉強をする…家族みんなが揃って一日中家の中で過ごすときの“空間の使い分け”がうまくできないというお悩みを多くいただいています」と竹川さん▲アールティー・ヘンマ株式会社 代表の竹川倫恵子さん。「ご両親がダイニングで仕事をしていて、子どもたちは隣で勉強をする…家族みんなが揃って一日中家の中で過ごすときの“空間の使い分け”がうまくできないというお悩みを多くいただいています」と竹川さん

「IKEA時代からお客様の様々なご相談に対応してきましたが、インテリアデザインやコンサルティングについては、皆さん“一度はプロに依頼してみたい”と関心を持ちながらも、いざ依頼するとなると“お金がかかりそうだし、どこへ相談すれば良いのかわからない”と感じている方が多いようです」と語るのは、アールティー・ヘンマ株式会社 代表の竹川倫恵子さんだ。

竹川さんはもともと『IKEA』の立ち上げ当初からインテリアデザイナー・広報を担当。2018年に独立し、インテリアデザインサービスや古民家再生などを手掛ける自身の会社を立ち上げた。(以下「」内は竹川さん談)

「今回、私どもの会社で『在宅インテリアコンサルティングサービス』を企画したのは、テレワークをする方が増え、ワークスペースに関するご相談をいただく機会が増えたことがひとつのきっかけでした。同時に、インテリアコンサルティングに対するハードルを下げる良い機会になると感じたため、まずは皆さんの関心度が高い『在宅ワーク』にテーマをしぼり、予算面についてもワンコインという気軽な設定にしてこのサービスをはじめたのです」

4月15日からスタートした同社のサービスは、相談料が30分500円。事前に部屋の間取りや家具の写真などをメールで確認し、Web会議機能を使ってインテリアコーディネートの相談に応じている。住まい全体のコーディネートとなると、カスタマー的にもハードルが高くなるが『在宅ワーク』をテーマに掲げ、エリアを細分化し、サービスを見える化することによって“カスタマーが相談しやすい環境”が整えられた。

家の中でやるべきことが増え、住まいの機能が変化したことへの戸惑いも

▲テレワーク中は「家のモノ」と「仕事のモノ」が住まいの中に混在することになるため、まずは「モノをひとつにまとめること」が快適な作業環境づくりの第一歩になる▲テレワーク中は「家のモノ」と「仕事のモノ」が住まいの中に混在することになるため、まずは「モノをひとつにまとめること」が快適な作業環境づくりの第一歩になる

「企画の段階では、主にシングルの方からのご相談を想定していたのですが、実際にサービスを始めてみるとディンクスやファミリーの方からのご相談のほうが圧倒的に多かったですね。

というのも、夫婦それぞれが自宅に仕事を持ち込むことによって、急に部屋の中でやるべきことが増え、これまでとは違う作業を複数同時にこなさなくてはならなくなってしまった…しかも、夫婦が常に一緒に自宅の中にいて、それぞれが違う目的で住空間を使っている…“大人2人がひとつの空間で長く過ごすことが、こんなに大変だはと思わなかった”とおっしゃる方がとても多いですね。

本来であれば、住まいというのは“家族みんなでゆったりとくつろぐ場所”だったはず。それなのに、今は“家族それぞれが自分のやるべきことを進めなくてはいけない場所”になってしまったわけですから、住まいの機能の変化に皆さん戸惑いを感じているようです」

夫婦に加えて、子どもたちも一緒にSTAY HOMEをしていれば、その戸惑いは倍増する。また、家族のライフスタイルが変わったことによって、これまで使っていた家具が“生活に合わなくなった”というお悩みも聞かれるそうだ。

「多くの方がダイニングテーブルをワークスペースとして使っていらっしゃるようですが、いざダイニングテーブルで仕事を始めてみると、“テーブルの広さや椅子の高さがワークサイズに合わない”とか“資料などを置いておくスペースが足りない”などの課題が出てくるようです。こうしたご相談には、まず“自分の仕事用のアイテムをひとつにまとめること”をアドバイスしています」

キッチンワゴンやハンガーパイプなど、身近なアイテムで環境を変える

▲キッチンワゴンを「自分用仕事キット」としてひとまとめに。これなら家じゅうどこにでも移動でき、いろいろな場所がワークスペースになる。「IKEAなら4000円ぐらいで購入できますし、テレワークが終わった後もそのまま使えるアイテムなので便利です」と竹川さん▲キッチンワゴンを「自分用仕事キット」としてひとまとめに。これなら家じゅうどこにでも移動でき、いろいろな場所がワークスペースになる。「IKEAなら4000円ぐらいで購入できますし、テレワークが終わった後もそのまま使えるアイテムなので便利です」と竹川さん

竹川さんのオススメは『キッチンワゴンを活用した仕事キットづくり』だ。

「会社から持ち帰ったファイルやノートパソコン、資料や筆記具などを一度ダイニングテーブルの上に広げてしまうと、後からその場所で家族がご飯を食べることになるため、“仕事道具を広げて片付ける作業”で手間がかかってしまいます。

しかし、可動式のキッチンワゴンを1台購入すれば、ファイルボックスやPCもまとめて載せられるので、わざわざテーブルに広げる煩わしさはありません。また、自分の仕事用アイテムを一か所にまとめることによって、リビングのソファやベッドルーム等どこにでも運ぶことができ、好きな場所を選んで仕事ができるようになります。

こうしたアドバイスを行ったところ、“早速ネットでキッチンワゴンを購入しました”という方が多く、ご夫婦で1台ずつ自分用の仕事キットをつくったという方もいらっしゃいました。これなら特別なワークスペースを用意しなくても、自宅の中に快適な作業環境をつくることができます」

また、筆者自身がテレワーク中に気になるのは、Web打ち合わせのときカメラに映りこむ背景だ。最近は背景を変えられるアプリもあるようだが、ビジネスシーンの打ち合わせでアプリを使うのは少々気が引ける。

「背景についても多くのご相談をいただきましたね。Web会議に限らず、ヨガの先生など自宅から動画配信をしている方からも、“画面に見せたくないものが映ってしまう”といったご相談をいただきました。背景対策としては『キャスター付きのハンガーパイプ』がオススメです。ハンガーに大きな布をかけておけば、見せたくないところを隠すことができますし、可動式パーテーションのようにどこでも使えるので便利です。

テレワークの環境づくりというと、専用のデスクを置いて、書棚をつくって…と考える方がいらっしゃるかもしれませんが、実はリフォームのような大掛かりな工事は必要なく、ちょっとした身近なアイテムを使うだけで簡単に環境を変えることができます。実際に、ご相談者の方からも“家の中を全部ひっくり返して変えるのは大変だけど、やってみたらけっこう簡単で快適だった”という感想をいただいています。こうした“ちょっとしたアイデア”に気付いていただくためにアドバイスを行うのが、私たちインテリアコンサルタントの役割でもあります」

今後は内容を広げ、新たなインテリアコンサルティングサービスを継続予定

今回のサービス提供により、多くの問合せが寄せられたことで「インテリアコンサルティングへの幅広いニーズを実感できた」と竹川さん。カスタマーからはテレワークの環境整備に限らず、リビングの家具の配置やインテリア全体についても相談を受けたため、今後はそうしたニーズにも対応していくそうだ。

「ご夫婦のワークスペースと、子どもの勉強スペースの使い分けがうまくできないというご相談が多かったので、今後は『在宅ワーク』に限らずエリアをもっと広げた形でサービスを続けていきたいと考えています。もちろん“ワンコイン30分でどこまでできるのか?”という課題はありますが、できるだけ気軽に検討しやすい料金設定をキープしながら、より多くの方にインテリアコンサルティングサービスを活用していただけたら嬉しいですね」

竹川さんによると、現行の『在宅インテリアコンサルティングサービスは』2020年5月末日まで。 新サービスの『オンラインなんでもインテリア相談』は5月中旬に開始予定だという。STAY HOMEの期間中、プロのアドバイスを参考にしながら「より快適な住まい空間づくり」にチャレンジみてはいかがだろうか?

■取材協力/アールティー・ヘンマ株式会社
https://rthemma.co.jp/

▲一畳分のスペースがあれば、写真のようなワークスペースをつくることも可能。奥行きが小さめのデスクを選び、ボックスなどを使って筆記具や資料をまとめるようにすると“職場”感を抑え、住まいのインテリアに馴染む作業環境が完成する▲一畳分のスペースがあれば、写真のようなワークスペースをつくることも可能。奥行きが小さめのデスクを選び、ボックスなどを使って筆記具や資料をまとめるようにすると“職場”感を抑え、住まいのインテリアに馴染む作業環境が完成する

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