リノベーションを身近なものにする定額制パッケージプラン
今住んでいる家のリノベーション、または中古マンションを購入してリノベーションを考えている人も多いだろう。色々なこだわりが叶えられるリノベーション。「友達をたくさん呼べる広いLDKをつくりたい」「趣味を楽しむための部屋が欲しい」「キッチンを充実させたい」「スッキリ暮らしたいから豊富な収納が欲しい」「家事ラクな間取りや動線にしたい」などなど、夢は広がるばかりだ。
一方で、まず気になるのが予算だろう。
間取り変更、床材や壁材などの素材、こだわりの機器やアイテムなど、こだわればこだわるほど費用がかさみがち。当然打ち合わせの時間も増え、時間の融通がきくかどうかの問題も出てくる。また、家全体のトータルコーディネートなど、高いデザイン性を持つ空間を実現できるかどうかに不安を覚える人もいるはずだ。
上記のような不安を解決するためのひとつの方法が「定額制パッケージプラン」の利用。床面積で価格が決まるので(各社で異なる)、「当初の予算をオーバーした」などという心配がない。また、デザイン面では専門家がコーディネートしたプランがパッケージ化されている場合が多く、家全体、部屋全体が美しくまとまることも魅力だ。このような「定額制パッケージプラン」でリノベーションを行っている会社のひとつ、株式会社TOOLBOXの石田勇介さんにお話をうかがった。
価格が明瞭なことが何よりの魅力。間取り変更や部屋数の増減も関係なし
「ASSY」によるキッチンの施工例。写真上は「SRG ASSY」。ステンレスの板を宙に浮かべたようなスタイリッシュななキッチン。ラワン材のキッチンカウンターは作業台やカウンターテーブルとして重宝する。写真下は「LSG ASSY」。ラワン材の収納扉がカウンターとマッチするシステムキッチン。空間に温もりを醸し出す「当社の定額制パッケージリノベーションは、床面積で金額が決まります。工事金額が事前にわかることが、定額制リフォームの一番の魅力でしょう。例えば家具やグリーン、家電の購入などリノベーション以外にお金をかけたいところに計画的に予算を回せるなど、予算管理がしやすいこともメリットです」と石田さん。
同社のパッケージリノベーションの名称は「ASSY(アシー)」(※設計・施工・アフターサービスは株式会社住環境ジャパンが行う)。アッセンブリーが語源の、「組み立て済みの部品」という意味だ。車やバイクのパーツなどで「ヘッドライトASSY」「フロントブレーキASSY」などという言葉を聞いたことがある人も多いだろう。
「ASSY」が誕生したのが2016年12月。
「すべてを自分で選ぶことができることは確かに楽しいことかもしれませんが、自由過ぎることが逆にお客様の悩みにつながり、負担になってしまうこともあると感じるようになりました。そこで、選び抜かれた素材とパーツからなる『ASSY』を開発したのです」
「ASSY」によるリノベーション価格は、1m2あたり8万8,800円(70m2を基準に1m2ごとにプラスマイナス3万円)。例えば70m2の家なら621万6,000円(税抜)、60m2なら591万6,000円(税抜)と、工事前に金額を知ることができる。この価格は、部屋のスケルトン化も含まれるため、間取りをゼロから見直すことが可能。ライフステージの変化などに合わせてキッチンや浴室など水まわりの移動、広いリビングへの変更や和室から洋室への模様替えなど、自由にカスタムできる。価格は広さによって決まるので、部屋数の増減に影響されることもない。
「お客様からは『価格が明瞭だから不安がない』とお喜びいただいています。完成形のイメージと費用が事前に把握できることで、憧れの家具を配置したり、お気に入りを並べてコーディネートしたり、より自分らしい空間づくりを楽しんでいただけると考えています」
インテリアのプロがコーディネートした空間が、居心地の良い暮らしを実現する
「ASSY」では、部屋ごとに床・壁・天井・収納・設備の内装をあらかじめセットアップ。リビング、キッチン、寝室、洗面室&トイレ、玄関など、それぞれの場所で2パタンから選択し、好みを組み合わせてひとつの家を完成させる。
「現在は2パタンですが、今後順次増やしていく予定です。負担なく選べる範囲内で増やしていきたいと考えています」と石田さん。2017年秋には、次のパタンをリリース予定とのことだ。
パッケージプランといっても、使い勝手は住む人それぞれ。そこで「ASSY」では定額内で自由に置き換えできる「セレクトパーツ」をラインナップ。セレクトパーツには、タオルハンガーや棚受け金物、フック、ペーパーホルダー、ミラーなどがあり、好みで選ぶことができる。さらにフローリングやキッチン、収納、本棚、照明など、部屋全体の雰囲気を壊さずにカスタマイズが楽しめる有料のオプションも用意している。
「ハードルを低くしながら手を加えられる楽しさをご提供することで、より愛着がわく家になるのではないでしょうか」
インテリアのコーディネートや数々のパーツは、石田さんをはじめとしたtoolboxのプロが厳選。「価格が高くて自由度が高い。反対に価格は安いけれど自由度は低い。そうではなく、『価格は抑えながらちょうど良い自由度』というところを目指しました。素材感が楽しめ、かつ長く使って飽きが来ないもの、また壁や床が主張するのではなく、家具などに自然になじむ、日々の生活の中にフィットするものを選びました」
インテリアを1から考え、選ぶのも楽しいが、プロに任せるのも有効な方法だろう。
定額制リノベーションのメリット・デメリットを理解し、上手に利用したい
お話をうかがった、株式会社TOOLBOX 商品開発担当の石田勇介さん。「toolboxでは、与えられるのではなく『自分が選んでいる』という実感を味わっていただきたいと考えています。現在は住宅だけですが、近々オフィス版リノベーションパッケージのリリースも予定しています。また職人を選べるようにするなど、よりリノベーションを身近に、安心できるものにするために取り組んでいきたいですね」定額制リノベーションのメリットを紹介したところで、反対にデメリットを考えてみる。その場合、やはり「オンリーワン」の家をつくりたいなら物足りない部分があるということだろう。
例えば「オーダーメイドのキッチンを導入したい」「檜風呂をつくりたい」などというオーダーはできない。仮に定額制にオプションで対応してくれた場合でも、それ相応の追加費用が発生するだろう。使いたい設備や部材がはっきりしている場合はフリープランでリノベーションをした方が良いことは確かだが、選択肢が格段に増える分、自分でも家づくりの勉強が必要となるほか、ショールーム見学や打ち合わせなどにそれ相応の時間が取られる覚悟が必要だ。定額制にもフリープランにもそれぞれメリットとデメリットがあるので、どのようなリノベーションをしたいのかよく考えて選ぶと良いだろう。
また、以前記事(http://www.homes.co.jp/cont/press/reform/reform_00411/)に書いたが、リフォームでは500万円未満の工事に関して資格が特に不要なため、悪質なリフォーム業者が後を絶たないという。信頼できる会社かどうか、建設業許可番号、建築士事務所登録、宅建業免許番号などのほか、過去の施工実績なども十分確認して依頼したい。
明瞭価格で、お洒落で住み良い家をフリープランよりも短期間で実現できる「定額制リノベーション」。リノベーションを考えている人は、一度検討してみる価値があるだろう。
■取材協力/株式会社TOOLBOX
https://www.r-toolbox.jp/
■定額制パッケージリノベーション「ASSY」
https://www.r-toolbox.jp/assy/
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