あなたも“バルコニスト”に挑戦!?

東京・丸の内仲通りに登場した「IKEA BALCONY GALLERY」。7つのテーマのバルコニーが道行く人の足を止めた。ファミリー向けのバルコニーはもちろんのこと、コンパクトなスペースでも展開できる一人暮らし用のルームセットも展示された東京・丸の内仲通りに登場した「IKEA BALCONY GALLERY」。7つのテーマのバルコニーが道行く人の足を止めた。ファミリー向けのバルコニーはもちろんのこと、コンパクトなスペースでも展開できる一人暮らし用のルームセットも展示された

最近「バルコニスト」という言葉を耳にするようになってきた。ベランダやバルコニーを積極的に活用し、生活を楽しむ人々を指す言葉だ。

ベランダやバルコニーは、上手に利用できれば自宅にいながらお店やリゾート的な演出がしやすい場所。しかし、残念ながらまだまだ日本ではその活用は進んでいない。そんな日本の現状を打破しようと、近ごろバルコニスト向けのコーディネートに力を入れるイケア・ジャパン株式会社(以下、イケア)がGWの4月29日~5月1日に「IKEA BALCONY GALLERY:イケア・バルコニー・ギャラリー」を開催した。

これは「丸の内仲通り」に、7つのテーマのバルコニーを展示したイベント。家族構成やテーマ別にそれぞれテイストの異なるルームセットが提案された。

初夏から秋にかけての季節は、バルコニーを利用するには気持ちがよい時期。「バルコニストになってみたいけれど、どんな風にコーディネートをすればいいの?」。そんな初心者の方にも役立つプランをイベントから探ってみよう。

「日本のベランダは狭い」は、ウソ!?

「ベランダ/バルコニーに関する意識調査」(2016年4月12日~13日 全国男女600名に実施/イケア・ジャパン株式会社調べ)における、ベランダ/バルコニーの使用用途への質問結果。圧倒的に「洗濯物を干す」が多い「ベランダ/バルコニーに関する意識調査」(2016年4月12日~13日 全国男女600名に実施/イケア・ジャパン株式会社調べ)における、ベランダ/バルコニーの使用用途への質問結果。圧倒的に「洗濯物を干す」が多い

今回イベントを開催したイケアでは、ベランダやバルコニーを“部屋の一つ”として捉え、最大限に楽しむアイデアやアイテムを提案しているという。イベント冒頭に担当者が言っていたのも「一般的に、日本での家賃の10%はバルコニー代」という事実。それならば、もっとバルコニーを活用したいところだ。

イケアでは、最近全国の20~60代の男女600名に対し「ベランダ/バルコニーに関する意識調査」を行っている。その結果、ベランダ/バルコニーを十分活用できている人は全体のわずか21.3%に留まるという結果が出た。

約6割の回答者が、「もっとベランダを活用したい」と回答しているにも関わらず、実際にはベランダの使用用途は限られているようだ。「洗濯物を干す」の回答が全体の75.3%と突出した結果だ。次いで回答が多かった「ガーデニング」も全体としてはわずか25.2%。その後「収納」との回答が16.5%と続く。なかなかベランダやバルコニーを“部屋の一つ”としては使えていない。

イケア発祥のスウェーデンでは、バルコニーは“屋外のリビング”として当たり前のように活用されているという。ただこういった話を聞いて、日本人としては少し言い訳もしたくなる。特に日本の賃貸住宅のベランダやバルコニーは狭い。スウェーデンでベランダなどを演出できるのは、日本と違って十分な広さがあるからではないだろうか?

しかし、スウェーデン人でイケア・ジャパン SO HRマネージャのDaniel Andersson(ダニエル・アンダーソン)氏によれば、スウェーデンも都市部の住居になると、バルコニーの広さは日本とさほど違いはないという。

「スウェーデンは冬が長く日照時間も短いので、冬が終わるとこぞって太陽を浴びようとバルコニーでの空間を楽しもうとするのです。バルコニーの広さはあまり重要ではありません。そんなに広くなくても色々と楽しむことができます」(ダニエル・アンダーソン氏)

屋外の“もう一部屋”を素敵に演出!

では、ベランダ/バルコニーはどのような使い方ができるのだろうか?「IKEA BALCONY GALLERY」で展開された7つのルームセットを見ていこう。

まずはファミリー向けの“屋外のリビング”空間を紹介しよう。ここはスウェーデン都市部のマンションの一室をイメージしたバルコニー。「天気のよい日は、家族とバルコニーでブレックファーストを楽しむことから1日が始まる」――そんなリビング空間が再現されている。大きめのガゼボに、屋外用のテーブルとチェアのダイニングセット。テーブルは普段はコンパクトになっているが、知人を呼んでのパーティ時には大きさを変えられるタイプだ。イスもコンパクトに畳んで壁にかけて収納できるという。

そして、天井からはペンダントランプが吊るされ、ガゼボの周りにはランタンやキャンドルなどもセレクトされている。

「スウェーデンのバルコニーでは朝食やランチを楽しむだけでなく、夜にはランプなどを使ってムーディな演出をします。ここでワインを楽しみながら夫婦の時間を過ごすのも大切な時間です。スウェーデンでは、年によってバルコニーのテキスタイルや照明など小物のテイストを変えていきます。全体のコーディネートをあれこれ考える時間もバルコニストの楽しみの一つです」(ダニエル・アンダーソン氏)

イケアでは、こうしたテキスタイルや照明などテイストを合わせたものをシーズンごとに用意しているという。今年はブルーを基調としたどことなく和を感じるテイストで、ルームセットで使われているのは、床に敷かれたラグ「SOMMAR 2016」4,999円、天井に吊るされたペンダントライト「SOLVINDEN」はLED太陽電池式でありがなら999円~。ガゼボの柱にあしらわれたライトチェーン用デコレーション「SOLVINDEN」は12ピース499円という手頃な値段も嬉しい。

ベランダ/バルコニーというと、日本ではガーデニングの場所と捉えがちだが、なるほどこうした使い方をすれば、まさに “家の中にもうひと部屋増えた”感覚だ。しかも、その場所では日常の生活空間とは異なり、リゾート気分やロマンティックな雰囲気まで味わえる。自宅にこんな空間を持つことができたら毎日がどんなに豊かになることだろう。

スウェーデンのファミリーバルコニーをイメージしたルームセット。テーマは「屋外リビング」で、簡単な食事やパーティを楽しむと同時に、夜にはロマンティックな雰囲気でライトアップさせるというスウェーデンのファミリーバルコニーをイメージしたルームセット。テーマは「屋外リビング」で、簡単な食事やパーティを楽しむと同時に、夜にはロマンティックな雰囲気でライトアップさせるという

“洗濯物を干す場所”がリゾート空間にも変わったら…

この日展示されたルームセットの中には、人気のガーデニングをテーマにしたバルコニーももちろん提案されていた。こちらは二人暮らし用をイメージしたものと、子どもと一緒に遊べるファミリータイプの2つの演出。

二人暮らしを想定したバルコニーには、コンパクトな空間を活かせるように壁掛け式のアイテムが多用されていた。また、背の高いキャビネットが設置され、無駄なくおしゃれにガーデニングを楽しめるのがポイントだ。ファミリー向けでは、鉢カバーがセットになったホルダーなどが利用され、見た目にも機能的にもすっきりとガーデニングを始められる、そんな提案がされていた。

そして注目したいのは、一人暮し用のルームセットが3つもあったこと。どれも広さはそれほどなくコンパクトな空間にも関わらず、見事にリゾート空間や屋外バー、そしてもう一つのリビングになっていたことだ。

リゾートバルコニーのポイントは、パラソルとサンベット。狭い空間などと諦めてはもったいないほどに、これだけで一気にリゾート気分が高まるというもの。ほかにも、ローテーブルとソファ、そして飲み物などを収納できるボードを用意したバーのような空間。立派なテーブルなどは置かなくても、テーブル代わりのスツールとチェアを置いたリビングルームも目を引いた。

確かにこれを見てしまうと「日本のベランダ、バルコニーは狭い」というのは、思い込みのような気がしてきた。スペースの問題ではなく、バルコニストに大切なのは楽しむ気持ちがあるかどうか。日本でももっともっとバルコニーを楽しんでもいいんだ、という気分にさせてくれる。

二人暮らしのガーデニングバルコニー(写真左上)。鉢カバーがセットになったホルダーを使用すれば、バラバラな鉢で見栄えが悪くなることもない(写真左下)。一人暮らし用のコンパクトなベランダでも十分演出ができる。パラソルとサンベッドがポイントのリゾートバルコニー(写真右上)、バーとしても活用できそうな癒しの空間は男のバルコニー!?(写真右下)二人暮らしのガーデニングバルコニー(写真左上)。鉢カバーがセットになったホルダーを使用すれば、バラバラな鉢で見栄えが悪くなることもない(写真左下)。一人暮らし用のコンパクトなベランダでも十分演出ができる。パラソルとサンベッドがポイントのリゾートバルコニー(写真右上)、バーとしても活用できそうな癒しの空間は男のバルコニー!?(写真右下)

メンテナンスもバルコニストの楽しみの一つ

ワークショップで披露されたウェーデンメニュー。ホットスモークサーモンサラダとスパークリングエルダーフラワードリンク。(写真左、写真右上)。7つのルームセットの中には、テーブル代わりのスツールとチェアを置いた一人暮らし向けのリビングルームもあった(写真右下)ワークショップで披露されたウェーデンメニュー。ホットスモークサーモンサラダとスパークリングエルダーフラワードリンク。(写真左、写真右上)。7つのルームセットの中には、テーブル代わりのスツールとチェアを置いた一人暮らし向けのリビングルームもあった(写真右下)

イベントではこの日、ダニエル・アンダーソン氏によるサラダとドリンクをつくるワークショップも開催された。つくる場所はもちろんバルコニー。料理はいたって簡単で野菜やサーモンをちぎって盛り付けるだけ。料理の作り方というよりは、この時話てくれた子どもたちと太陽のもとでいっしょに料理をする楽しみ。もっともっと普段の生活は楽しめる…そんなメッセージの方が印象的だった。

こうして見てくると、確かにベランダ/バルコニーという空間を“洗濯物を干す場所”としてしか見ないのはもったいない。活用すれば立派な一部屋が出来上がるというのに…。

ただ、気になるのは屋外だと雨や風をどうしのぐか。せっかくテーブルなどを置いてもすぐにダメになってしまうのではないか? という心配。このあたりは、イケアではアイアンテイストのメンテナンス不要の人工素材を使った家具、そしてたまにお手入れが必要だが雨風に強い木製家具などを用意している。

もちろん“ほったらかし”というわけにはいかないが、そこはバルコニストたるもの、メンテナンスも楽しみの一部と考えればよいそうだ。

「スウェーデンでは、4月頃になると一斉にバルコニーのメンテナンスを始めます。家具のペイントや補修をしてみたり、ファブリックを変更してみたり。そうこう準備をしていると“これからの季節この空間で過ごせる”というワクワクした気分が盛り上がってくるのです」(ダニエル・アンダーソン氏)

コストを考えると、大型のファミリータイプのガゼボになると3万円近くと値の張るものもある。ただし、作り込めばまさしく非日常空間にできるもの。1回旅行に行くのをとりやめて、バルコニーをリゾート空間にしてしまうのも楽しいかもしれない。もちろん、ちょっとしたテーブルセットならば数千円とお手頃価格のものも多いので、コツコツはじめてみるのもいいだろう。

梅雨の間を利用して、これからの季節「バルコニスト」計画を立ててみてはいかがだろうか?

※文中の価格表記は全て税込み表記

2016年 05月27日 11時05分