サービスが多様化する「収納サービス」

身近になってきた一般顧客向けの収納サービス。いわゆる「コンテナレンタル」や「レンタル収納スペース」と呼ばれるものだ。料金的にも月々3,000円程度からと手頃な価格のサービスが増え、上手に利用できれば自宅の収納スペースを補い、スッキリ広々と暮らすための強い味方となる。

しかし、コンテナレンタルやレンタル収納サービスには、屋内型、戸外型があり、屋内型にも湿度管理まで行うものやデリバリーサービスを行うものまで様々。いったいどのようなサービスを選ぶのがベストなのだろうか?

そこで、今回は一般社団法人「レンタル収納スペース推進協議会」に取材を実施。収納サービスにはどんな種類があり、どんな用途で利用されているのか? 用途にあった収納サービスの選び方などについて聞いてみた。

収納サービスの種類収納サービスの種類

基本、収納物は自己管理!それだけにセキュリティが重要

一般社団法人 レンタル収納スペース推進協議会 事務局長 吉田得生氏。まず念頭に入れておかなければならないのは、レンタル収納スペースの収納物品は基本的に利用者の自己管理であることだという一般社団法人 レンタル収納スペース推進協議会 事務局長 吉田得生氏。まず念頭に入れておかなければならないのは、レンタル収納スペースの収納物品は基本的に利用者の自己管理であることだという

まず、収納サービスの種類について、レンタル収納スペース推進協議会 事務局長の吉田得生さんに聞いてみると、大まかに分けて以下3つの業態が存在するという。

・トランクルーム
・コンテナレンタル
・レンタル収納スペース

「もともと昭和初期から存在していたのが“トランクルーム”と呼ばれる倉庫業でこれはあくまでも業者対企業といったようなBtoBで行われていたものです。海外赴任に行く社員の荷物を企業が一括で倉庫に預けるといった利用がされてきました。ただし、これは借主が倉庫を自由に開けることはできません。これに対し、個人が自由に出し入れできるスペース貸しの形態として10年ほど前から登場したのが『コンテナレンタル』と『レンタル収納スペース』です」

コンテナレンタルは、空き地などに置かれた外置きのコンテナを利用するサービス。スペースも広く大概空き地などに建ち、車を横付けできるなどのメリットがあるため冷蔵庫や洗濯機など大きめの家具や家電などを保管するのに重宝されている。一方レンタル収納スペースは、ビルなど屋内で間仕切りされたロッカーなどのスペースを利用できるサービスで、屋内だけにセキュリティの不安が少なく、空調・湿度調整まで整う場所も多い。

「どちらもそれぞれのメリットがあります。ただ、ここで気をつけておかなければならないのは、コンテナレンタルもレンタル収納スペースどちらも収納物はあくまでも自己管理であること。そのため、セキュリティがしっかりした所を選ぶというのが大前提となります」

その点では、屋内型のレンタル収納スペースは、ビルトータル型の入退室セキュリティ管理にICカードと暗証番号の二重認証などでスペースを管理、さらに警備会社との連携など高度なセキュリティを謳うサービスが増えている。一方、コンテナレンタルも監視カメラなどを設置しているが、敷地への立ち入りは原則自由となるため、セキュリティという面ではどうしても不安が残る。ただし、大型家電や自転車やバイクの保管といったような大きなものや乗り物の保管などモノによってはコンテナレンタルが利用しやすいため、セキュリティは自己責任と捉えて利用者が独自に鍵を強固にするなど工夫をして利用したい。

用途別レンタル収納スペースの選定ポイント

図:レンタル収納サービスに預けられる収納物の種類
(出典元 ストレージプラス)図:レンタル収納サービスに預けられる収納物の種類 (出典元 ストレージプラス)

また、屋内型のレンタル収納スペースになると、収納物の種類は多岐にわたり様々なシーンで利用されているという。どういったものがあるのか聞いてみると「一番多いのは衣類、次に家具、その次に趣味のもの」となっているそうだ(図参照)。

「利用の用途もさまざまです。セカンドクローゼットとしての日常利用では、洋服やバックなどを収納しておいて、仕事帰りなどに取りにくる。よく行く出張先に仕事道具や商品サンプルを保管しておいて移動を身軽にする。断捨離しようにも捨てられないお子さんの思い出の創作品や親族の形見の品を保管する、など色々な使われ方がされていて求められる施設の条件・サービスも異なります」

以下取材時にうかがった主なユースケースとそれに適したレンタル収納スペースの選定ポイントをまとめてみよう。

①セカンドクローゼットとしての利用(自宅のクローゼットの延長として日常利用)
●衣類、くつ、バックなどの収納
《収納サービスに求められる点》
・収納に便利な場所。自宅から近いことや通勤途中にあること。
・空調の完備

②季節用品、レジャー用品、使い終わったベビー用品などの収納
●季節的なインテリア用品(すだれ、カーペット、家電)
●祭事用具(ひな人形、節句人形、クリスマス装飾、ハロウィン装飾)
●ベビー用品を次の子のために保管
●レジャー用品(スノーボード、ゴルフ、釣りなどなど)
《収納サービスに求められる点》
・近さよりも料金重視(季節ごとや時々にしか出し入れがないため、多少遠くても安さを重視される傾向)
・長期保管のため、空調のほか湿度対策まで求められる
・駐車スペースがあること

③仕事道具、資料や商品在庫スペースとして
●会社のロッカー替わり
●資料、書類の保管
●よく行く出張先での仕事道具の収納 など
《収納サービスに求められる点》
・場所の選択が最優先(会社に近い、利用駅に近いなど)
・駐車スペースがあること
・利用できる時間帯が長いこと(24時間365日利用など)

④収集品の収納スペースとして
●ブランド品(バッグ、くつなど)
●着物
●収集した絵画 など
《収納サービスに求められる点》
・カビ予防のための側面が強く、湿度管理までを備えた空調管理が必須条件
・ビル全館セキュリティ、ICカードに暗証番号など個別認証、24時間スタッフ在中など、セキュリティが強固な点

⑤プロフェッショナルの方々の収納スペースとして
●カメラマンの機材保管
●ミュージシャンの楽器・機材保管
●画家、書道家などの作品保管
●作家の方の資料保管 など
《収納サービスに求められる点》
・仕事場やオフィスから近い
・24時間出し入れが可能な点など

災害時の備蓄品の保管など意外な使い方も

さらに、最近では次のような利用も増えてきているそうだ。
「目立っているのは、高齢者の方の利用です。自宅を出て老人ホームやサービス付き高齢者住宅などに移る場合どうしてもスペースが限られるため、収納スペースの補てんとして利用されるケースが増えています。長期利用が想定されるため料金がやすいことと、荷物の出し入れに宅配便が利用できるなどのデリバリーサービスなどが要求されます」

このほか東日本大震災以降に目立っているのが、防災対策としてレンタル収納スペースを利用するケース。

「ライフラインの止まった際の水・食料、サバイバル用品などの災害備蓄品の保管をされる利用者が東日本大震災以降増えています。こうした場合は自宅から少し離れた場所の店舗を利用し、災害時のバックアップ地点を想定されています。東京在住の方であれば、埼玉など自宅からある程度距離があり、耐震対策の整った施設であることが重要視されます」

安心のサービスの目印は「RS推奨マーク」

RS推奨マークがある事業者は、レンタル収納スペース推進協議会での審査をクリアした企業。セキュリティ面などでも安心だRS推奨マークがある事業者は、レンタル収納スペース推進協議会での審査をクリアした企業。セキュリティ面などでも安心だ

単なる荷物の一時保管だけではなく、セカンドクローゼットや災害対策など様々な用途で使われるレンタル収納スペース。なるほどこういう使い方があったのかと驚くものも多く、上手く利用すれば生活が便利に快適になるはずだ。いまでは多くのサービスでセキュリティが強化され、空調・湿度管理、駐車場完備、24時間対応、スタッフ在中、デリバリーサービスなど付加価値の高いサービスが展開されている。上記の用途別のポイントを参考に、立地や料金などの兼ね合いを考えながら上手に利用したいものだ。

また、スペース選びで大前提となるセキュリティについては、レンタル収納スペース推進協議会で優良サービス企業に「RS推奨マーク」を付与しているのでこれも参考にしたい。

「現在、協議会では正会員の企業が23社あります。入会時にはサービス内容の調査を行いセキュリティ、耐震性能、空調設備の有無、さらには企業のコンプライアンスを審査し、一定の条件をクリアした企業にRS推奨マークを付与しています。サービスを選択する際にはこのマークがあるかどうかを気にしていただけると、一つの判断基準になると思います。特にコンテナレンタルでは、コンテナ設置時に建築確認が必要なのですがこうした手続きを行っていない企業もあります。手順をきちんと踏んでいない場合、最悪は行政からの強制撤去の事態に発展することもありますので、その点でRS推奨マークがあるかどうかを確認いただくのは有効だと思います」

「レンタル収納スペースを使ってみたいけど、どの観点で選んでよいか分からない」という場合は、料金の安さに飛びつくのではなく、まずベースとなるセキュリティで安心なサービスをピックアップすること。その上で自分の用途にあったサービスを行っている企業を選んでいくと失敗なく快適な利用ができそうだ。

■関連リンク
HOME'Sトランクルーム https://www.homes.co.jp/trunkroom/

2015年 05月14日 11時15分