暖冬とは

2015年の冬は記録的な暖冬になりそうだとも言われているが、そもそも暖冬とはなんだろう。
暖冬とは12月から2月の平均気温が、例年より高いことを言う。つまり、2015~2016年の冬はまだ暖冬とは決まっておらず、今後の気温変移によっては厳冬になる可能性もあるわけだ。
そして暖冬や厳冬の原因としてよく取沙汰されるのが、エルニーニョ現象とラニーニャ現象だろう。エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域東部の海水温が上昇することを言い、ラニーニャ現象は反対に低下すること。どちらもスペイン語で、エルニーニョは「男の子」を意味する。ラニーニャは「女の子」の意味で、「アンチエルニーニョ」と呼ばれていたこともある。しかし「エルニーニョ」にはキリスト教信徒の意味があるため「アンチ」をつけるのはよくないと、「ラニーニャ」が一般的になったようだ。

なぜエルニーニョで暖冬になるのか

エルニーニョが発生すると偏西風の力が弱くなり、雨雲が遠くに運ばれないエルニーニョが発生すると偏西風の力が弱くなり、雨雲が遠くに運ばれない

エルニーニョ現象で影響を受けるのは日本だけではなく、世界各地の気候が影響を受けている。ペルー近海の海水温が上るため、貿易風の力が弱くなり、雨雲が遠くまで流れていかず、大気の循環が変わってしまうからだ。
日本では、夏場は梅雨が長引いて冷夏を引き起こしやすいことが知られている。そして冬は西高東低の気圧配置が崩れやすくなり、寒気の流れ込みが弱くなるため、暖冬となりやすいと言われている。
反対の現象であるラニーニャでは、夏場は猛暑に、冬場は厳冬になりやすいとされるが、過去にはラニーニャが起きているにも関わらず暖冬になった年もあり、気候に与える影響のパターンは毎回変わるので、一概には言えないようだ。

暖冬によるメリットとデメリット

暖冬で雪が少ないと、翌年の農作物の出来にも支障が出る暖冬で雪が少ないと、翌年の農作物の出来にも支障が出る

暖冬は外出しやすいこと、そして暖房費がかからないのが最大のメリットだろう。また、冬野菜の生育が早まるため、価格が下落し、家庭では入手しやすくなる。
しかし、デメリットはもっと多い。農家の立場に立ってみれば、白菜や大根などの供給過剰により利益が上らず。はなはだしい場合には、廃棄処分になることさえある。さらに冬場だけの問題ではない。豪雪地帯では、冬季に降った雪が春には栄養豊富な雪解け水となり、田畑を潤してくれるものだ。ところが暖冬で雪が少ないと水不足に陥り、次の夏や秋の収穫にまで影響を及ぼしてしまう。

また、雪不足でウィンタースポーツの開催ができず、競技大会が中止となったり、スキー場の収入が不振となってしまったりする。さらに、熊が冬眠しなかったり早く目覚めたりして、餌を求めて人の生活圏内や、その近くまでやってくる危険性もあるのだ。
また、生態系への影響も報告されている。しかしその影響は一長一短があり、たとえばサンゴ礁の北端が北上しているのはダイバーたちにとって悪いことではないだろう。しかし同時にサンゴを食べるオニヒトデが異常発生するというデメリットも報告されており、良し悪しを単純に判断できないようだ。

2016年の予想は

雪不足はスキー場にとって大きな問題だ雪不足はスキー場にとって大きな問題だ

2015年に起きたエルニーニョ現象は1997年のものとパターンが似ており、似た気候になると予想されている。つまり冬型の気圧配置が長く持続せず暖冬になり、日本の南岸を東に進む「南岸低気圧」が頻繁に発生するため、太平洋側に大雪や大雨を降らせる可能性があるというのだ。スキー場などで深刻な雪不足になる可能性があると同時に、一部地域で記録的な大雪が降り、雪害が生じる恐れがあるだろう。
また、暖冬といってもポカポカと穏やかな日が続くわけではなく、暖かい日の後に厳寒の日が続いたりして、安定しない年が多い。寒暖差が激しいと、人は体調を崩しやすくなるものだから、注意が必要だ。

私たち個人の力でエルニーニョ現象の発生を止めることはできないが、地球温暖化が一つの要因ではないかと言われているから、CO2排出量を減らせば緩和される可能性がある。
そのためにはなんといっても節電だろう。CO2を大量に排出する火力発電は問題だが、原子力発電所が増えても困るし、メガソーラーが増えれば自然が破壊され、結果的にCO2を増やしてしまう。だから我々一人ひとりがしっかり節電に取り組むべきなのだ。

そこで冬にできる節電をいくつか紹介しよう。
まずはエアコンの設定温度。ドアや窓の開閉を最低限にし、室温は20度前後に設定しよう。フィルターの掃除をコマメにし、室外機の周囲は風通しを確保。カーテンや断熱材を利用するのも良いだろう。
次にこたつや電気カーペットは、断熱マットを併用すれば保温効率がアップする。分割機能のあるカーペットなら、人がいる場所だけ温めるようにすると良いだろう。
また、照明やテレビは必要ないときは消す。
冷蔵庫は夏場よりも庫内温度が上がりにくいが、なるべくドアの開閉を少なくし、詰め込みすぎない工夫を。
さらに、台所で想像以上に電気代がかかるのは、炊飯器や電気ポットだ。炊きあがったご飯は保温するのではなく食べるときにレンジで温めるようにしたり、長時間お湯の必要がないときは電源を切ったりする工夫を。もしあまりお湯を使わない家庭なら、思い切ってポットを一切使わず、その都度湯沸かしするのも一つの手だ。

地球温暖化対策は短期でできるものではないが、私たち一人一人の努力も重要だ。来年の不作が困る人は、今からでも節電を心がけてみてはいかがだろうか。

2016年 01月23日 11時00分