年数を重ねるとライフスタイルの変化によって「家への不満」が出てくる

水回りの調子が悪くなってきた。突然、家族の中に介護を必要とする人が出てきた。バスルームが寒くてヒートショックが心配…など、年月を重ねていくと、家族も家も状況が変わっていく。今のライフスタイルに家が合わなくなってきたら、そんな時あなたならどうするだろうか。

まず、どこに問い合わせをしたらよいのか、料金やサービスの比較検討はどうしたらよいのか、とっさに出てこない人も多いだろう。住宅関連の設備は、一度購入すると長く持つこともあり、頻繁に買い物をすることは少ない。しかも、工事費を含めそれなりに金額がかかるからこそ安易に決断はできない。

そこで、上手に利用したいのが住宅設備のショールームだ。ショールームでは、設備を変更するだけで築年数が経った家でも機能が上がり、暮らしが今よりもどう豊かになるかを体験できる。

今回は、TOTO、DAIKEN、YKK APの3社のコラボレーションショールームとしてオープンしたキャナルシティ博多ビジネスセンター3階にある「TDY福岡コラボレーションショールーム」を訪れ見学した。

今回お話を伺ったTOTOの山崎さんと緒方さん今回お話を伺ったTOTOの山崎さんと緒方さん

「快適さ」は技術によって進化している

ショールーム内は、水まわりや収納、床、内装や玄関ドア、窓など3社が扱う製品をワンフロアに展示。気になる展示エリアだけを自由に見学したり、3社の製品をじっくり見たりできる点も魅力だ。見るだけでなく、触ったり動かしたりできるなど五感を通して体験できるところも面白い。

YKK APであれば、単板ガラス、複層ガラス、Low-E複層ガラス(遮熱タイプ)が展示され、部屋の熱が逃げにくい高断熱の違いを手のぬくもりを通して実感できる。部屋が寒いと暖房器具を追加しようと考えがちだが、光熱費が増す可能性は否めない。その点、ガラスを変えるだけで快適さが変わるのであれば、こんなに便利なことはないだろう。また、室内側に設置して二重窓にするエコ内窓「プラマードU」では、飛行機や電車の騒音、夜中に吠える犬の鳴き声など、様々な事象を想定して防音効果を実感できる設備を設置。「プラマードU」を開けたり閉めたりしながら、その違いを耳で確かめることができる。

一方、TOTOでは、模型を使ってバスルームの床や壁の素材、色などを自由に組み合わせたり、パソコン上でシミュレーションするなど視覚からのアプローチを体験。一日の中でもリラックスできる入浴の時間は、居心地の良さがカギとなるため、好みの色やトーンが大事になるからである。

またDAIKENでは、湿度を調節し、匂いも軽減する壁を体感。近年、シニア層や子どもがいない夫婦を中心にペット愛好家たちが増えているが、ペットが放つ匂いに悩んでいる人たちも少なくない。しかしそんな悩みも消臭機能のついた壁に変えれば、大々的なリフォームをせずとも出費を抑えながら希望を叶えることができるのだそうだ。

YKK APの内側体感展示では、赤ちゃんの泣き声、車の音、夫婦喧嘩(笑)など、様々な音が出るボタンを設置。
色んなボタンを押して試したが「プラマードU」をつけると音がこんなに和らぐと知り、これも楽しかった体験型ブースのひとつYKK APの内側体感展示では、赤ちゃんの泣き声、車の音、夫婦喧嘩(笑)など、様々な音が出るボタンを設置。 色んなボタンを押して試したが「プラマードU」をつけると音がこんなに和らぐと知り、これも楽しかった体験型ブースのひとつ

まずはショールームへ気軽に訪れて、コスト感とイメージをふくらまそう

ショールームの見どころを案内してくださったDAIKENの篠原さん。九州の男性に人気なのは好きな楽器を弾いたりシアタールームとしても使える「防音ルーム」なのだそうショールームの見どころを案内してくださったDAIKENの篠原さん。九州の男性に人気なのは好きな楽器を弾いたりシアタールームとしても使える「防音ルーム」なのだそう

改築の需要が年々高まる中、個別商品だけではなく空間でイメージを伝えていこうと3社が手を取り合ったのが、このコラボレーションショールームだ。個々ではイメージしづらかったリフォームの部屋のイメージがより総合的に見えることにより、より具体的にプランができるようになっている。

特徴はというと、ハード面では前述した通り、住宅に必要な設備を1か所で体感ができ、便利であるということ。そして3社の商品を組み合わせてスタイリングした小部屋を所々に配置し、その中で生活している自分の姿をイメージしやすいよう提案をしている点にある。

またソフト面では、各スタッフの商品知識の高さに注目をしたい。
3社は、会社の垣根を超えてお互いの商品知識を深めていく勉強会を定期的に開催。どの企業のスタッフであっても、他社である2社の製品の特徴を来館者に説明できるよう常にブラッシュアップを重ねているという。その結果、介護付きバスルームの相談で来館した人には、今後介護で必要となるであろう、例えばトイレのドアを通常の扉から車イスでも利用できるような改築も視野に入れた方がよいことをアドバイスしたり、窓際のカビに悩んでいる人にはリノベーションではなく最新の技術を使った窓の機能を説明し、費用との関係で手軽な工事で済むアドバイスなどもしている。サービスのクオリティーを上げていくことで、消費者がコスト的にも納得をしながら、具体的なリフォームができるようにサポートしているのだ。

私たちが住宅に関して持っている知識は、自分が住んでいる家、または過去に住んでいた家が基準になっているに過ぎない。実際に商品を見たり、または触れてみることで設備に対する知識と視野が広がることを改めて知る機会となった。

今の家で満足している人も、そうでない人も、いざ不具合が出たときに、事前に知識があるのとないとではリフォームに対する心構えがまったく違うはずだ。まずは、インテリアショップに行くのと同じように「今すぐ買わないけれど、見てみよう」ぐらいの感覚が習慣的に身につくと、いざというときに納得のできるリフォームができ、暮らしがより豊かになると思う。

2015年 12月01日 11時07分