スチームクリーナーと高圧洗浄機、何が違う?

キレイな住まいを保つために掃除は大切…と分かってはいるものの、ついつい溜まってしまう汚れ。汚れは時間が経過すると落としにくくなり、掃除に手を焼いた経験はないだろうか。しかも、場所や汚れの種類によりその手段は変わってくるため、掃除をするのは大変だ。

例えば、お手入れの面倒な場所にキッチンがある。しつこい油汚れには専用の洗剤を使ったり、重曹を撒いてこすり落としてみたり、どれもひと手間かかることが多い。油分は熱を加えれば溶けて落としやすくなるが、お湯でしぼった布巾で拭き取る程度では物足りないかもしれない。
そんな中、掃除方法のひとつとして試してみたいのが、高温で汚れにアプローチできるスチームクリーナーだ。最近ではテレビショッピングなどで目にする機会も増えたが、一体どのような道具なのか。その特性を見ていくことにしよう。

スチームクリーナーとは、高温蒸気を高圧で噴出して掃除をする道具。
似たようなイメージの掃除道具に高圧洗浄機があり、どちらも水を利用して洗浄するものである。これらの決定的な違いは”汚れの落とし方”にある。高圧洗浄機が、高圧の水を噴射して吹き飛ばすことで汚れを"落とす"のに対し、スチームクリーナーは、高温の蒸気を発生させて汚れを"浮かせる"のが目的だ。

高圧洗浄機は頑固な汚れにも強い反面、使用場所が限定される。水が飛び散る、高圧でパワーが強いという性質から屋外清掃向きで、ベランダや網戸、壁面、車などの家まわりの掃除を得意とする。水はねを気にしないという点では、浴室で使うことも可能だ。
水圧が高いほど洗浄力が高くなっており、これが選ぶときのポイントになるだろう。ただし、その高い水圧ゆえにデリケートな面に使用する際は、破損させないような注意が必要になる。
また最近では静音モデルも増えつつあるが、室外で使う頻度が高いために、使用時間に気を付けるといった近隣への配慮が必要になってくる。
気になる水の使用量は、ホースのみを使った洗浄に比べ、高圧洗浄機を使用した方が少なく汚れを落とせて節水できるようだ。

スチームクリーナーと高圧洗浄機は似ているようで、洗浄方法や用途が違うスチームクリーナーと高圧洗浄機は似ているようで、洗浄方法や用途が違う

用途から選ぶ、スチームクリーナーの種類と特徴

ハンディタイプは安価で小回りも利くが、パワー不足を感じるかもハンディタイプは安価で小回りも利くが、パワー不足を感じるかも

スチームクリーナーは注水したタンクの水が加熱され、約100℃のスチームが発生。これを高圧で吹き付けることにより油脂や汚れを浮き上がらせ、拭き取ることでキレイにする仕組みだ。高圧洗浄機とくらべて拭き取りの手間はあるが、洗剤を使うことなく高温による除菌も期待できるので、子どもやペットのいる家庭でも使いやすいところが人気を集めている。キッチン周りやトイレだけでなく、ソファーやカーペットの汚れ落としなど、室内を中心に幅広く活躍するだろう。

さて、スチームクリーナーには大きく分けて次の3タイプがある。

スティック掃除機とよく似た形の「モップタイプ」。その名の通り、先端にモップが取り付けられているものが多く、拭き取りまで一括で作業できる。また、スリムな形で場所をとらない。タンクの容量が小さ目なのでスチームが発生するまでの時間が短いのも特徴だが、連続稼働には不向きである。また、タンクと本体が一体化しているので重さを感じやすい。床、カーペットの掃除に向いている。

小型で持ち運びが容易な「ハンディタイプ」は、比較的安価で入手でき、手軽さでは一番だろう。しかしモップタイプと同様に、水を入れると1~2kgの重量となり、連続稼働時間も短めなので長時間の掃除には向かない。小回りが利き、キッチン・レンジなどの細かい場所は得意だが、床のような広い面の掃除には物足りないかもしれない。

一般的な掃除機のように、本体にホースとヘッドがついている「キャニスタータイプ」。水の入ったタンクとヘッドが別のため手元が軽く、長時間の掃除でも疲れにくい。安定感があり、連続稼働時間も長めなため、使いやすいタイプである。
モップタイプ、ハンディタイプのハイブリッド型であり、アタッチメントの種類も豊富だ。
ただし本体が少々大き目なため、収納にも使用にも多少の広さが必要になる。

さらに型別のタイプと合わせて、スチームにするための加熱方式に種類があることを知っておきたい。"ボイラー式"は高温高圧で洗浄力が高いが、使用できるまでの時間が長く、"パネル式"は短時間で使用可能だが、噴射時間が短めで、それぞれ仕組みが異なる。大掃除のようにしっかり長時間使いたい時はボイラー式、普段のちょっとした時間に使いたいならパネル式というように使い分けるとよさそうだ。これらは「ヒートアップタイム」や「噴射待ち時間」として仕様に記載されているはずなので、忘れずにチェックしておこう。

汚れだけじゃない、除菌もできるスチームクリーナー

キッチンまわりの掃除に便利だが、すべての汚れに有効なわけではないキッチンまわりの掃除に便利だが、すべての汚れに有効なわけではない

使用方法を見ていこう。タンクに注水し、各パーツの装着を確認したらスイッチオン。やがて加熱により蒸気が生成されて掃除が可能となる。スチームクリーナーから出る蒸気を掃除したい箇所へ吹き付け、汚れが浮き上がってきたところをキレイな布巾やペーパーで拭き取っていこう。
コツとしては高温で浮き上がらせた汚れが冷めてしまう前に拭き取ること。特に油汚れは冷えると再度固まってしまい、落ちにくくなるだろう。頑固な汚れは複数回にわけて、段階的な掃除が効果的である。
ここで拭き取りを怠ると汚れが落ちないだけでなく、再度固まってしまったり、水浸しになったりする可能性がある。

スチームクリーナーは浴室や水回りの掃除にも使え、カビになる前の汚れ(ピンク色のもの)を落とすことができる。高温蒸気ゆえに除菌だけでなくカビ抑止の効果も期待できるが、黒ずんでしまったカビそのものを落とすことは難しいので注意が必要。あくまでもその前の段階を掃除するものと覚えておきたい。

またモップタイプやアタッチメントを利用すれば、カーペットや畳の拭き掃除も難しくない。雑巾がけの要領で掃除をしてみるのもよいだろう。軽度のシミなら落とせるほか、ダニにも効果があるとのこと。ただし掃除機のように吸い込むわけではないので、再度の掃除機がけは必要になる。

便利なスチームクリーナーだが、すべての汚れに対応しているわけではない。落ちにくいと感じたら複数回にわけて段階的に作業をするか、洗剤と併用することで洗浄力をアップさせるのも手である。

購入者の声から見る、スチームクリーナー選びのポイント

スチームクリーナーを購入した人の失敗談として、「思ったよりも汚れが落ちない」「連続使用時間が短い」「重い」「付属のモップ・ホースへの不満」「お手入れが面倒」といった声を聞く。どこに気を付けて選べばいいのだろうか。

汚れをしっかり浮かせるにはパワフルであること。しっかりと高圧の蒸気を噴射できるものは洗浄力が高い。洗浄力だけで考えるならボイラー式を選ぶと満足度が高いだろう。
連続使用時間、重さはタンクの大きさに影響する。水量が多いほど使える時間は長くなるが、本体の重さも増すので、総重量を考慮した大きさにしないと後悔しそうだ。ちなみにタンクの容量はハンディ、モップタイプで200~500ml、キャニスタータイプだと1000ml以上といったものが一般的のようだ。
付属品については、製品によってもっとも大きく差の出る部分で、付属の数や種類が増えるほど値段は高額になる。必要なものが適正(ホースの長さ、モップ、ノズルの種類など)に揃っているか、あるいは不要な物はないか、本体の性能と同様にチェックしておくべきだろう。いざ必要になった時、追加購入できるかも調べておきたい。
そしてお手入れが面倒という声。長期使用しない場合は水を抜く必要がある。また水道水を利用する場合にはカルキ除去剤での定期的なメンテナンスを推奨しているモデルもある。これは蒸留水を使用することでメンテナンスの頻度を下げられるそうなので、試してみてはいかがだろう。

その他に「スチーム圧で蓋が飛んだ」とか「熱で部品が変形した」「すぐに壊れた」といった安全面で心配になる声も挙がっている。
100℃近い高温スチームを発するものである。キャップの閉まり具合、空焚き防止策、蒸気のコントロールができるかといった安全対策は取られているだろうか?
使用する側としても高温になる器具だと理解し、作業中は温度の上がった蒸気口や部品を触らないよう注意して、特に小さな子どものいる場所での使用は控えるなど、周囲にも気を配ろう。また、給水後の蓋が閉まっているか、ノズルは正しく取り付けられているか、使用後の器具に異常はないかも忘れず確認しよう。取り扱い方法を守り、火傷やケガがないように気を付けたい。

購入前に現物を見たい場合は、ごく少数ではあるが、スチームクリーナーのレンタルを扱う会社やホームセンターがあるようだ。レンタルがコストに見合うか、使いたい製品があるかなどの問題はあるが、試用としてならば検討の余地はあるかもしれない。

上手に利用すれば便利な掃除道具であることは間違いないスチームクリーナー。その特性を理解して、気持ちのよい掃除ができるよう役立ててもらいたい。

機能面だけでなく、安全にも配慮したものを選びたい機能面だけでなく、安全にも配慮したものを選びたい

2016年 08月21日 11時00分