いつの時代もトイレに求められるのは「掃除のしやすさ」

見た印象としては数十年変化がなく、メーカー間の違いも分かりづらいトイレ。しかし、トイレは着々と進化している。
ユーザーがトイレを選ぶ際の着目点としては以下のようなものがある。

・節水などの経済性
・タンクレスなどのデザイン性
・手洗い器の有無とサイズ
・収納スペースの有無とサイズ
・掃除のしやすさ

この中でも一番気にされる項目はどれかと複数のトイレメーカーにたずねたところ、各社共にあげたのが掃除のしやすさだった。昔のトイレは御不浄と呼ばれ、家の中でも汚れやすく、また掃除のしにくい場所とされてきた。この立場は今も変わらないということだろう。

さらに最近は核家族化や共働きの家庭が増え、より簡単に掃除をしたい人が増えている。このような背景から各トイレメーカーがもっとも注力しているのが清掃性の向上だ。拭き掃除のしやすいフチなしや凸凹の少ない形状は当たり前。そのうえでどのような機能があるのか。主なメーカーの最新清掃機能を見ていこう。

※各メーカーともトイレのモデルによっては下記に紹介する機能を搭載していない場合もあり

掃除の手間を大幅に軽減。使用していないときも自動で除菌

NEOREST(ネオレスト、TOTO株式会社)

・セフォンオンテクト
TOTOの独自開発の釉薬で便器表面を100万分の1mm単位でツルツルに仕上げた。これによって一般的な釉薬よりもなめらかになるので汚れが付きにくい。また、その効果は長期間持続する。

・便器きれい機能
使用前は便器ボウルへ水道水を自動で吹きかけ、汚れをつきにくくする。使用後は水道水に含まれる塩化物イオンを電気分解してつくられる除菌水を自動で吹きかけ見えない汚れや菌まで分解・除菌。さらに8時間使用しないと、自動で除菌水を吹きかけて便器を除菌。まったく清掃が不要になるわけではないが、手間いらずでトイレのきれいさを維持する。

便器きれい機能。使用前に水道水、使用後に除菌水を自動で吹きかけ汚れをつきにくくし、除菌もする(資料提供:TOTO)便器きれい機能。使用前に水道水、使用後に除菌水を自動で吹きかけ汚れをつきにくくし、除菌もする(資料提供:TOTO)

プラズマクラスターで便座の裏まで除菌、脱臭

SATIS(サティス、株式会社LIXIL)

・すみずみウォッシュ
強力な水流を生み出す新機構の「パワードライブユニット」を搭載。さらに独特なひし形の便器ボウルによって強いサイホンを発生させ、水流を下方向に変換し、わずか4Lの洗浄水で一気に汚物を排出させる。

・プラズマクラスターを使用した鉢内除菌
プラズマクラスターとは、+、-のイオンをプラズマ放電によって発生させ、放出することで浮遊カビ菌などを空中で除去する技術。そのプラズマクラスターイオン*を便器ボウル内に放出。便フタを閉めた状態でボウル内に放出したイオンが内側に行き渡り、水の掛からない便座裏や便器内の浮遊菌、カビ菌、付着菌を除菌する。また、染み付いた臭いもしっかり脱臭する。
*プラズマクラスターマーク及びプラズマクラスターはシャープ株式会社の商標

プラズマ放電によってプラズマクラスターイオンを放出。浮遊菌、カビ菌を除菌し、臭いも取り去るつきにくくする(資料提供:LIXIL)プラズマ放電によってプラズマクラスターイオンを放出。浮遊菌、カビ菌を除菌し、臭いも取り去るつきにくくする(資料提供:LIXIL)

自動で水位を低くし洗剤の泡を発生。床の飛び跳ね汚れまで防止する

A・La・Uno(アラウーノ、パナソニック株式会社)

・激落ちバブル
事前にトイレ上部のタンクに市販の台所用合成洗剤を注入。その状態で使用後に水を流すと、まず直径5㎜の泡が発生し大きな汚れを落とす。次に直径60um(マイクロメートル)の泡が発生し油分などの細かい汚れを落とす。洗剤タンク容量は約250mlで補充の目安は3カ月に1回だ。

・ハネガード
便座の開閉ボタンを押して便座が上がると、便器ボウル内の水位が自動で3㎝下がり、さらに細かい洗剤の泡を注入。男性の立小便を低い水位と泡のクッションで受け止め、落下の反動による飛び跳ね汚れを抑制する。便器内だけでなく、便座の裏やトイレの床などの汚れまで軽減する機能だ。

自動で下がる水位と洗剤の泡で、立小便の飛び跳ねを防止。便器内だけでなく周辺の汚れまで軽減する(資料提供:パナソニック)自動で下がる水位と洗剤の泡で、立小便の飛び跳ねを防止。便器内だけでなく周辺の汚れまで軽減する(資料提供:パナソニック)

インテリアの一部となりつつあるトイレ。ぜひショールームで確認を

トイレは寝室やキッチンと違い、来客の利用頻度が高い空間だ。つまり玄関やリビングと同じように家の印象を左右する重要な要素といえる。また、最近は換気や静粛性能がアップしていることから以前のように廊下の端といった居室から離れた場所に設けることが少なくなった。むしろリビングに近い場所に設けることが多くなり、ハイセンスな内装を施した癒し空間とする傾向が強くなっている。じめじめと湿気の多い汚れた場として割り切られているのではなく、他の居室と一体感のあるインテリアの清潔な空間となりつつあるのだ。そのため今後はより一層清掃機能の向上が進んでいくだろう。

ただし、いくらパンプレット上で便利そうな機能でも実際に使ってみなければその実力は分からない。また、一見同じような形状のトイレでも、実際の座り心地は異なって感じることがある。さすがに最新モデルで用を足す機会はないかもしれないが、各メーカーのショールームなどで実物を触って、その使い勝手を確認することはできる。オーダーする前にぜひショールームに行くことをおすすめする。

シンプルな形状のタンクレス、手すりを兼ねた棚などでトイレは他の居室と一体感のあるインテリアの清潔な空間となりつつある(資料提供:LIXIL)シンプルな形状のタンクレス、手すりを兼ねた棚などでトイレは他の居室と一体感のあるインテリアの清潔な空間となりつつある(資料提供:LIXIL)

2014年 06月25日 09時40分