2016年に一般家庭でも電力会社を自由に選べるようになる

今まで電力は、日本を10地域に分けてそれぞれの電力会社が電気を供給する「地域独占体制」がとられてきた。これは発電する電力量と使用する電力量が一致しないと電圧が不安定になるなどの理由からだ。
しかし、近年は通信やコンピューター技術の向上により、様々な事業者が送電網に接続しても安定した電力を供給できるようになった。そこで2000年の改正電気事業法施行によって工場やオフィスなどの大口契約から電力取引の自由化が始まり、いよいよ2016年には一般家庭でも解禁となる。要するに今の携帯電話会社のように自由に電力会社を選べるようになるわけだ。

電力会社を自由に選べるということは、競争原理によって今よりも安価に電気を利用できる。だが、利点はそれだけではない。日本より先の1998年から自由化されたイギリスを例に取ると価格の安さだけでなく、カスタマーサポートの充実などによる顧客サービス重視や風力といった自然エネルギーを中心に発電するなど、各顧客の価値観に合った会社を選べるようになる。

今までは発電する電力量と使用する電力量が一致しないと電圧が不安定になるなどの理由から電力会社の「地域独占体制」がとられてきた(資料提供:エプコ)今までは発電する電力量と使用する電力量が一致しないと電圧が不安定になるなどの理由から電力会社の「地域独占体制」がとられてきた(資料提供:エプコ)

イギリスでは1000以上の料金プランがあり、比較サイトで選ぶのが一般的

先に自由化したイギリスでは、インターネットサービスやガス料金とのセットなどですでに1000プラン以上の選択肢があり、顧客は電力料金比較サイトの利用が当たり前となっている。つまり日本の家電比較サイトのように価格やサービス、特長などを横並びで見比べて電力会社を決定できるのだ。

同国よりもさらに多くの事業者参入が見込まれる日本では、いずれ2000以上のプランが提供されると予想されている。一般消費者がこの数から最適なプランを選ぶのは至難の業。イギリス同様に比較サイトの整備が急務となるだろう。

日本でも電気料金比較サイトが登場。プラン変更によって年間2万円以上の電気料金削減も。

そこでHEMSや蓄電池に係わるシステム開発や設計などを手掛ける株式会社エプコは、英国のケンブリッジエナジーデータラボ社と共にこのような電気料金比較サイトを目指すサイト「エネチェンジ ベータ版」を開設した。

現在の主なカテゴリーは次の3つ。

1.エコに暮らす
打ち水の効果など電力だけに頼らないエコな暮らしの提案。

2.かしこく使う
アンペア数を下げて基本料金を削減するといった電気をかしこく使う豆知識などを紹介。

3.プランを見直す
北海道から沖縄まで全国10エリアの電力会社の料金プランなどを解説。

この中でも特に注目したいのが「プランを見直す」の各コンテンツだ。
同社が独自に行ったファミリー世帯を中心とした調査によると、約9割が24時間均一料金の従量電灯プランを利用していた。これをライフスタイルに合わせて朝の電気料金がお得になるプランや土日がお得になるプランなどに変更すると約14%のコストダウンを実現するというシミュレーション結果が出た。年間で見るとおよそ2万円から4万円の削減になるという試算だ。どうやら現状では、ほとんどの世帯がプランの存在自体も認識していないため、もったいない契約となっているようだ。

同サイトでは、各社の様々な料金プランの解説のほか、今秋(2014年)からは自宅の生活パターンなどを入力することで、最適な料金プランを探せるコンテンツもスタートする。

「エネチェンジ ベータ版」のトップ画面。今秋(2014)には自宅の生活パターンなどを入力することで、最適な電気料金プランを探せるコンテンツもスタートする(資料提供:エプコ)「エネチェンジ ベータ版」のトップ画面。今秋(2014)には自宅の生活パターンなどを入力することで、最適な電気料金プランを探せるコンテンツもスタートする(資料提供:エプコ)

電力の全面自由化の基礎知識収集にも便利なサイト

「エネチェンジ ベータ版」は、2016年には電気料金比較サイトへと成長する予定だ。しかし、現在でもそもそも自由化とは何かを海外の事例なども含めて知りたい人、または自由化を前に今の最適なプランを手軽に調べたい人などに非常に便利なサイトだろう。
ちなみに都市ガスの自由化も電力と同時進行で検討されている。同社は手始めに電気とガスのセット料金の比較サイトからスタートするとしている。
自由化まであと2年。それまでの間にこのようなサイトで、かしこい電力の使い方を学びたい。

東京電力の料金プラン例。生活パターンに合せたプランを選択することで電気料金をダウンさせることが可能になる(資料提供:エプコ)東京電力の料金プラン例。生活パターンに合せたプランを選択することで電気料金をダウンさせることが可能になる(資料提供:エプコ)

2014年 07月24日 11時26分