おうち時間が増えた今こそ考えたい、快適な住まい環境のために必要な断熱
コロナ禍をきっかけに在宅ワークが定着し、プライベートでも外出を控えるようになったことで、以前より「おうち時間」が増えたのはいうまでもないだろう。
おうち時間が増えたことで、今まで感じていなかった自宅に対する不満が増えていると聞く。今回は、その中でも住まいの「快適」と「健康」に大きく寄与する不満と断熱性能の因果関係に注目したい。
住まいへの不満は、図のように住まいへの不満の代表例として「暑い」「寒い」「結露」があげられる。
要因のひとつは、日本の住宅の断熱性能が低いことである。他の先進各国と比較して、日本の住宅は高い断熱性能があるとはいえないのが現状で、壁や窓などの断熱性能を国が省エネルギー基準で地域別に規定しているが、義務ではなく目安にすぎず、基準以下の家も建てられ続けていることも大きな原因だ。
断熱性能と健康の因果関係について研究している近畿大学の岩前教授によると、断熱性の高い住宅へ引越した人の多くが気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎など15の諸症状について改善効果が見込めるとの研究結果がある(※「断熱住宅.com」近畿大学 岩前 篤教授 コラム 第1回 冬の寒さと健康★http://dannetsujyutaku.com/serial/column/1_index/1_01)断熱性能の担保された住宅に住むためには、物件の種別ごとに対応策が異なる。物件別の対策について、以下にまとめてみた。
■注文住宅
新築時に最もコストが安く済む方法としては、外皮(建物そのもの)の性能を国の基準以上にしておくことが大切。断熱の知識を付けたうえで、しっかりと施工会社の質を見極める必要がある。
■リフォーム
特にマンションは、共用部に手を入れることが難しいため、個人の専有部のみのリフォームでできる範囲に限られる。壁や窓本体を改修することは難しいが、窓は住宅の中で最も断熱性能に差が出やすい箇所のため、内窓を設置することで、窓際の暑さ・冷たさを解消する。
■賃貸
特集紹介記事の「パティオ獅子ヶ谷」をはじめ徐々に市場に出始めている高断熱賃貸を検討してみることを考えよう。家賃は多少高めだが、快適性と健康が手に入ると思えば、十分に検討の余地はある。
これから住み替えやリフォームを検討している方に向け、断熱性能が高い住宅に住むことで得られる具体的なメリットと断熱性能の高い家を選ぶことついての記事を特集する。ぜひ、住まい選びの断熱性能検討の参考にしていただきたい。
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